放射化物技術検討ワーキンググループ(第2回) 議事要旨

1.日時

平成22年8月11日(水曜日) 14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 科学技術・学術政策局会議室1(15階)

3.議題

  1. 放射化物に適用する技術基準について
  2. 放射化物の取扱・管理の状況について
  3. 放射線発生装置使用施設における放射化状況調査等について
  4. その他

4.出席者

委員

山本主査、飯本委員、上蓑委員、近藤委員、古川委員、渡辺委員

文部科学省

明野原子力安全課長、中矢放射線規制室長、上田放射線規制室長補佐、石井専門官、荒川企画係長

オブザーバー

宮氏、武部氏(原子力機構)、桝本教授(高エネ研)

5.配布資料

資料第2-1号: 第1回放射化物技術検討ワーキンググループ議事概要(案)
資料第2-2-1号: 放射化物の安全規制について
資料第2-2-2号: 放射化物の取扱・管理
資料第2-3-1号: KEKでの放射化物の管理
資料第2-3-2号: JT-60施設における放射化物の取扱いについて
資料第2-4号: 「放射線発生装置の使用に伴い生じる放射化物の安全規制に係る技術基準等に関する調査」気体状・液体状の放射化物の取扱いに関する調査
参考資料1 :放射化物技術検討ワーキンググループ委員名簿

6.議事要旨

(1)資料第2-1号の第1回放射化物技術検討ワーキンググループ議事概要(案)について
山本主査から、修正すべき点等があれば、会合の1週間後までに事務局へ連絡するよう要請がなされた。

(2)資料第2-2-1号及び資料第2-2-2号に基づき、事務局から、放射化物に適用する技術基準について説明が行われた。
 委員からの主な質問及び意見は、以下のとおり。
【渡辺委員】放射化物の安全管理については、現状でも放射線防護上の問題が生じていないということと、現状をよく確認したうえで、必要な基準を検討していくということで理解してよいか。
【荒川企画係長】放射化物の安全管理については、現状も、法令に定められているRIの規制と同様の内容がガイドラインとして定まっていて、それに基づいて管理がなされ、問題が生じてないということであり、このガイドラインをベースに法制化していきたいと考えている。

【上蓑委員】放射化物保管設備(仮称)で、放射化物は容器に入れるとなっているが、容器に入れる目的というのは、耐火性を担保するのか、それとも汚染を防ぐのか、どちらなのか。
【荒川企画係長】厳密に言えば密封設計ではないので、発生は少ないと思われるが、汚染防止というような意味もあると理解している。
【中矢放射線規制室長】加えて、この設備は、例えば建物が必要とかいったものではなく、外部と区画した構造という程度の基準を想定している。こういった設備での保管になるため、そのまま置いたのでは雨風の影響も考える必要があるので、飛散等を防止する目的がある。

【古川委員】資料第2-2-1号の3ページの(2)必要な技術的基準の1)施設基準について、放射化物の加工は、いろいろな今までの事例で見る限り稀な作業であるので、恒久的な普通の非密封RIの施設のように規制しなくてもいいという考え方が示されているのだと思うが、すべて一時的な作業であると解釈されることがないように、表現を再検討する必要がある。

(3)資料第2-3-1号に基づき、高エネルギー加速器研究機構 桝本教授から、放射化物の取扱・管理の状況について説明が行われた。委員からの主な質問及び意見は、以下のとおり。
【近藤委員】放射化物保管設備(仮称)は使用施設の中にあるというイメージで説明されたが、必ずしもそういう場合ばかりではなくて、離れた場所も考え得るということか。
【荒川企画係長】飛び地の使用施設があっても問題ないと考えている。

【古川委員】放射化物の加工に関して、いろいろな帳簿をつくったうえで、施設の中で一部加工するということだと思うが、取扱量等に上限はあるのか。加工棟の中に汚染検査室とか、非密封RI取扱施設相当のものがあるが、シャワー室は設置しているのか。第2保管棟と第3保管棟は保管廃棄設備となっているのか。排水時測定が法定の20分の1を超えないようにとあるが、これは自主基準か。
【桝本氏】加工棟においては、放射化物をRIとして取り扱うこととしており年間何テラベクレル相当という上限を設けている。汚染検査室については、RI施設と同じようにシャワー室から、汚染検査室、除染室がある。第2、第3保管棟は保管廃棄設備として申請上はRIの様式に記載して申請している。また、排水の基準は自主基準である。

(4)資料第2-3-2号に基づき、日本原子力研究開発機構 宮氏から、放射化物の取扱・管理の状況について説明が行われた。委員からの主な質問及び意見は、以下のとおり。
【近藤委員】解体に伴う放射化物の取り扱いについて説明されたが、これまで、JT-60施設を運転している中で発生した放射化物が施設からでて、それを日常管理の中でどのように取り扱ったかについての説明が無かった。そのときに放射化物の取り扱いの判断をどのように行われたのか。
【宮氏】放射化物の取扱に関する放射線安全課長通知が出た以降、JT-60では予防規程に課長通知の内容を盛り込んでいる。JT-60の場合、放射化物は量的には少ないが予防規程に従い、放射化物の管理表というものをつくって取り扱っている。本体室から出すものについては、すべて放射化物ということで管理していたと思う。

【近藤委員】例えば、JT-60の施設の中で、検出器をつけるためにタップを立てるとか、そういう作業はないのか。もし、そのものが放射化という定義の中に入ったときに、作業の手順というものはあるのか。今後使うことのない放射化物であれば箱か何かに入れるのか。
【宮氏】JT-60の本体室の場合は全域が中性子にさらされるので、全体が放射化しているというのがまず背景にある。特にこの部分が放射化しているという区分はしていない。例えば、真空容器の中に入って作業をするという場合は、放射化レベルに応じた教育や対策とを講じている。使うことのない放射化物は、管理区域内の保管場所に置く。修理して、別な場所に運ぶのであれば、それは放射化物品として台帳に残して、指定された場所で修理して、また戻すという管理を行っている。

【古川委員】機器情報として、放射能だけしか書いてないが核種は記録されるのか。
【宮氏】放射能量のところをもう少し細分すると、材料や核種を記録する。

(5)資料第2-4号に基づき、高エネルギー加速器研究機構 桝本教授から、放射線発生装置使用施設における放射化状況調査等について説明が行われた。委員からの主な質問及び意見は、以下のとおり。
【渡辺委員】リニアックに関しては、エネルギーに関係なく気体、液体の放射化はほぼ限定的で、大きな問題がないことが理解できた。これを踏まえれば資料第2-2-1号の6ページ「したがって、あらかじめ放射線発生装置の種類、エネルギー等、運転条件を設定し、気体・液体の放射化の状況を事業者が評価したうえで」の部分は基本的に当然だとは思うが、明らかに問題がないようなものまですべて該当させるのかというのは、議論の余地があるのではないか、その辺を少し合理的に考えていけないかと思う。
【山本主査】資料第2-2-1号の6ページのところは、いずれはそういったことも踏まえた表現になっていくかと思う。

【上蓑委員】今のご意見で、確かに医療用加速器については照射とかのパターンが決まっているので、このエネルギーだったらばここだけやればいいとかいうように、かなりできるだろうと思う。ただ、研究用のものだと、いろいろな使い方をされるので、法律のほうは全部覆わないといけないから、表現としては、とりあえずはこんな格好になるのかなという気がする。また、例えば25ページ、排気中の濃度限度はかなり高くなっているが、評価としては、8時間でできるベクレル数を8時間の全体の排気濃度で割ったという計算方法なのか。
【桝本氏】10Gy照射を30回という条件でやっている。

【上蓑委員】実際の排気を考えると、排出されるまでの間に、部屋の中である程度減衰しながら排気するが、そういう評価ではないということか。
【桝本氏】そのとおりであり、非常に極端な計算をやっているということなので、そこは十分ご了解いただければと思う。


(6)事務局から、次回の放射化物技術検討ワーキンググループについては、日程等調整して、別途連絡することが伝えられた。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室

(科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室)