研究炉等安全規制検討会試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ(第2回) 議事録

1.日時

平成22年8月4日(水曜日)10時00分から12時30分

2.場所

文部科学省15階 科学技術・学術政策局会議室1
(住所:東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 京都大学KUR・耐震安全性に係る評価について
  2. その他

4.議事録

【吉田原子力規制室長】  おはようございます。それでは、第2回試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループを開催させていただきます。委員の先生方におかれましては、ご参集いただきましてありがとうございます。

 最初に、前回のワーキンググループから今回の開催の間に人事異動があり、中原次長から渡辺次長にかわっておりますので、ご報告させていただきます。それから、二ノ方委員と岡本委員は欠席ということで、連絡を受けているところでございます。

 なお、本日は、本ワーキンググループの主査をお願いしておりました二ノ方先生が欠席のため、前回のワーキンググループにおいて、主査代理とし丹沢委員にお願いしておりましたので、丹沢先生に進行等をお願いしたいと思います。

 それでは、先生、よろしくお願いいたします。

【丹沢主査代理】  おはようございます。只今、室長からお話がありましたとおりでございます、前回のワーキンググループで主査代理としてご指名いただきました、そういうことで、本日の会合の進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、第2回の試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループを開催させていただきます。本ワーキンググループは公開でございますので、発言は私のご指名の後で、よろしくお願いいたします。また、傍聴されている皆様方におかれましては、円滑な議事進行をよろしくお願いいたします。

 さて、本日の議題でございますが、京都大学の最終報告書、並びに、その妥当性の評価ということで、これまでサブワーキンググループ等でご検討、ご審議いただきました内容について、本日は、そのとりまとめという位置づけと理解しております。

まずは、京都大学から、これまでの検討内容や、いろいろなコメント等に対して検討した内容を、まとめた最終報告書についてご報告していただき、その後、妥当性確認の評価書案について、ご審議いただきたいということで、よろしくお願いいたします。

 まず、本日の資料の確認をさせていただきたいと思います。では、事務局のほうでよろしくお願いいたします。

【落合係員】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。まず、資料の2-1ですが、1枚紙で「耐震安全性評価に係る妥当性の確認状況について」がございます。続きまして、資料2-2と致しまして、「妥当性確認WG、地質・地震動SWG及び施設・構造SWGにおける主なコメント整理(案)」がございます。続きまして資料2-3ですが、1枚紙で「ワーキンググループ等の議論を踏まえ最終報告書に反映した主な内容」がございます。続きまして、資料2-4ですが、「京都大学原子炉実験所研究用原子炉KUR、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果報告書(概要版)」がございます。続きまして、資料22-5ですが、青色のファイルで、こちらが「京都大学原子炉実験所研究用原子炉KUR、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果報告書」でございます。続きまして、資料2-6と致しまして、「耐震設計審査指針の改訂に伴う国立大学法人京都大学原子炉実験所研究用原子炉施設(KUR)耐震安全性に係る評価について(案)」がございます。

 続きまして、参考資料と致しまして、「試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ(第1回)の速記録」がございます。なお、机の上にある資料ですが、青色のファイルが常備資料となっております。赤色のファイルがこれまでの京都大学のサブワーキング等の説明資料となっております。

 以上ですが、不足等がございましたら事務局までお申しつけ願います。また、資料、速記録等につきましては、今後、文部科学省のホームページにて公開させていただくことになっていることを報告させていただきます。また、資料2-5につきましては、傍聴者の方々には報告書の表紙のみ配付させていただいております。また、参考1の前回の速記録につきましても、現在、ホームページに掲載されております。傍聴者の方々にはホームページをご参照くださるようお願いいたします。

 以上です。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 先生方、過不足等ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、早速、議事に入りたいと思いますが、これまでの耐震安全性評価に係る妥当性の確認状況ということで、ワーキンググループ、それから、各サブワーキンググループにおける検討及び確認状況について、事務局からご説明をよろしくお願いします。

【林安全審査官】  説明資料は、資料2-1と資料2-2になりますが、主に、資料2-1で説明させていただきます。

 昨年7月15日に、第1回ワーキンググループを開催させていただき、それ以降、地質・地震動サブワーキングを2回、施設・構造サブワーキンググループを3回開催させていただきました。そこで議論となったもののうち、代表的な項目について選定しております。これらの内容が、資料2-6に示す評価結果としてまとめられており、各ワーキンググループのまとめとした内容が反映されております。

 細かく説明させていただきます。

 地質・地震動サブワーキンググループにおきましては、敷地周辺の地質・地質構造の評価について、中央構造線断層帯の傾斜角について議論がなされております。その次に、地震動評価に係わる内容については、応答スペクトルに基づく地震動評価における補正の有無が妥当であったかどうか。また、中央構造線断層帯の震源モデル設定の考え方をまとめておく必要があるということ。地下構造モデルの設定、入力地震動に係わる部分については、解放基盤表面以浅の堆積地盤の地震応答解析、等価線形解析の適用条件が議論されております。それと、基準地震動の超過確率については、第1回ワーキンググループにおいて、本ワーキンググループにおける確認の必要性について、ご指摘を受け、参照程度ということで、一応、京都大学の方から報告を受けておりました。地震の随伴事象については、地盤の安定性について、ご確認いただけたと考えております。

 その次に、施設・構造サブワーキンググループにおきましては、地質・地震動サブワーキンググループと重複しますが、地震動評価について、入力地震動の大きさについて、建築基準法で規定されている地震動レベルと、どの程度の違いがあるのか、そのような比較を行い、入力地震動の大きさについて相対的な確認をしております。

 それと、建物・構築物として、円筒形建屋の地震時挙動、特に、外周壁面外方向に作用する地震力についてですが、現状、原子力安全・保安院等の確認では、質点系の解析モデルにより耐震安全性評価を実施していると思いますが、当然、原子炉本体建屋の側面に、補助建物が付属され、それらが分厚い床で囲まれているために、質点系の解析モデルに置換することの妥当性については結論立てられていることと思いますが、KURの建屋に関しては、剛性が確保出来るような床がありませんので、質点系にまとめること、その質点系の解析モデルの妥当性について議論がなされました。

 それに係わる内容については、地震時の変形を確認するため、固有値解析におけるモード図の確認や、円筒形外周壁に作用する地震力の応力伝搬について、基礎側下方に伝わるのか、地震力を多く負担する側面側に伝わるのかという、応力伝搬経路について議論がなされております。それと、その伝搬方向については、基礎側下方に伝搬される応力が大きいことが確認されましたので、その応力に対する断面照査について確認しております。

 第1点目の円筒形建屋の地震時挙動ですが、質点系の解析モデルには、復元力特性の設定を行う必要がありますが、その時の荷重増分解析における剛床仮定の適合性について、議論がなされました。あと、シェル構造である屋根版ですが、長期・短期荷重時における応力変動について議論いただきました。加えて、このようなことも含め、クロスチェックでの解析結果と合わせ、京都大学の評価内容が妥当であるかということをご議論していただきました。

 機器・配管系につきましては、制御棒の挿入性について、安全に関する考え方とか、挿入時の20gal、0.6秒で落下することなど、その考え方等をお聞きし、挿入性について確認がなされました。

 全体としては、以上です。

 資料2-1については、1年を通して、ご議論いただいた内容を思い出していただくため、まとめさせていただきましたが、詳細な内容については、各サブワーキンググループで、ご確認いただきましたコメント整理表、資料2-2がついております。説明した内容についても、詳細は記載しておりますが、本日は割愛させていただきたいと考えております。

 説明は以上です。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 これまでの論点といいますか、議論のポイントについてご説明いただきましたが、先生方から、ご質疑、抜けている点はないかとかいったところでいかがでしょうか。

 和田先生。

【和田委員】  事務局からのご説明で全く問題ないのですが、どのような構造物でも、このようにやれば良いというようなルールをつくりますが、そのルールに則って、京都大学は耐震安全性について確認した訳ですが。

 確認すべき構造物において、そのルールへの適合性の確認がなされていないようでした。今回の構造物は、小さな規模で、地盤も少し動くということで、結果的にはOKになりましたが、この件に限らず、ゼロフェーズに戻って物事を考えるということを徹底してほしいと思います。

【丹沢主査代理】  今後も含めてのご要望というふうな。

【和田委員】  そうです。何か、ルーチンをつくっては、それに載せるということが、世の中に蔓延しており、一般的な建物では少々傾く位で問題ないのでしょうが、発災後に発生する影響が大きくなる建物に対しても、ルールがこのようになっているからといって、それに載せてしまうことは、絶対に止めて欲しいと思います。

【丹沢主査代理】  ありがとうございます。

 ほかに何か、コメント、ご質問等ありますでしょうか。よろしゅうございますか。では、また必要があれば戻ってということにさせていただきますが、次の議題へ移りたいと思います。次は、京都大学から、耐震安全性評価の最終報告書ということで、これまでのコメント等を踏まえた形での内容、特に、その辺の反映箇所を中心にしてご説明をお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

【釜江先生】  おはようございます。京都大学の釜江と申します。先ほどから、事務局からも、いろいろとご説明をしていただいたのですけれども、我々のところのKURにつきましては、昨年の6月30日に中間報告ということでご報告させていただき、その後、現地調査も含めて合計7回、先生方の貴重なご意見、ご指摘を賜り、それを今回、7月28日付でお手元の机上にございます、最終報告書とは書いてございませんが、全体の位置付けとしては、最終報告という形でまとめさせていただき、7月28日付で文部科学省の方に提出させていただいたところでございます。

 本日は、その合計7回といいますか、その中でいろいろとご指摘をいただき、それを最終報告書に反映させた訳でございますが、その辺の主要なところについて、どこをどう変えたかというところを、既に、只今、事務局の方からご説明があり、少し重複するところもございますが、担当者から、地質・地震動、それと施設・構造、そのそれぞれについて簡単にご報告申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

【川辺先生】  京都大学の川辺でございます。私からは地質・地震動サブワーキンググループでご審議いただきました内容を踏まえ、変更させていただいた点について説明をさせていただきます。主に、資料2-3に基づき説明をさせていただきます。

 まず、資料2-3ですが、左の列から、『項目』と『内容』と、一番右側に『最終報告書の該当ページ』がございます。まず、1つ目の項目、『地質・地質構造』ということで『中央構造線断層帯の評価』についてで、地質・地震動サブワーキング1回目の時に、中央構造線断層帯中間報告では傾斜角を80度としておりましたが、ここでご審議いただきました結果を踏まえ、最終報告書では地震調査推進本部等と同じ傾斜角、北西傾斜の43度ということで報告書に記載させていただきました。

 続きまして、『応答スペクトルによる手法に基づく地震動評価』のところで、中間報告においてNoda et al.による応答スペクトルを採用するに当たって、内陸補正を考慮しておりましたが、その妥当性につきまして、兵庫県南部地震時の敷地内での観測記録を用い、評価を行いました、その評価した結果を、最終報告書に記載させていただいております。

 続きまして、『検討用地震の震源モデル』につきまして、これは1つ目の項目の傾斜角を80度から43度に変更したことを受けまして、中間構造線断層帯の基本モデルの傾斜角が43度となりましたので、基本モデルの考え方を変更させていただきました。その後、震源パラメータの不確かさを考慮しまして、アスペリティの位置及び短周期レベルの不確かさということで短周期レベルを1.5倍にしたもの等を考慮しまして、最終報告書に記載させていただきました。

 『基準地震動Ss』につきまして、只今、ご説明いたしました中央構造線断層帯の基本モデル等が変更になりましたので、それに伴い、基準地震動Ss-3が最終的に変更になりました。Ss-1は応答スペクトルに基づくもので、これは変更ございません。Ss-2も基本モデルの考え方は変わりましたが、アスペリティの位置の不確かさを考慮したモデルは中間報告と同じということで、これもSs-2も中間報告から変更はございませんでした。

 続きまして、『入力地震動の評価』ですが、ここでは、中間報告書では解放基盤面以浅の地震応答解析を等価線形解析手法によって行っておりましたが、サブワーキングにおいて、歪みレベルが少し大きくなっているため、逐次非線形解析も参照するようにというご指摘をいただき、両手法とも検討し、その両手法から、建屋への影響を考慮して入力地震動を評価させていただきました。

 続きまして、『基準地震動の超過確率』、本項目は中間報告に記載されてございませんでした。新たに、サブワーキンググループで報告をさせていただき、最終報告書に載せさせていただきました。それで結果としては、策定した基準地震動Ssの超過確率は10-4から10-5程度であったことを確認してございます。

 以上、ここまで地質・地震動サブワーキンググループでご審議いただきました内容を踏まえた変更点でございます。

【上林先生】  続きまして、施設・構造サブワーキンググループのご審議等、それに対する回答ということで、同じく原子炉実験所の上林の方から説明させていただきます。

 下段の『原子炉建屋』からですが、中間報告書におきまして記載しました原子炉建屋の質点系モデルに基づく原子炉建屋外周壁のせん断耐力の検討に加え、同壁の面外曲げ及び軸力の組み合わせ応力の解析を有限要素モデルに基づいて行い、その発生応力が終局応力、一部、1階の部分を除けば、殆どの部分は短期許容応力度以内ですが、全体的に見た場合には、終局応力度以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載させていただきました。

 裏のページに移っていただき、次に、『使用済み燃料プール室プール』、これは原子炉建屋の隣に、隣接付属するラーメン構造の建物で、原子炉棟という建物があるのですが、その建物の地下部分にございます、プール室プールに関して、中間報告時において未検討でありましたこのプールの耐震検討を行い、側壁の発生応力度が許容応力度以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載いたしました。さらに、事務局からのご指示をいただき、この使用済み燃料プール室プール、先ほど申し上げたこれを覆う原子炉棟という付属建物について、このプールへの地震時の波及的影響を評価するため地震応答解析を行い、それによって生じる最大応答せん断力がこの建物の確認保有水平耐力以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載いたしました。

 次に、『炉心支持構造物』ですが、中間報告時において未検討でありました炉心支持構造物の耐震検討を行い、発生応力度が許容応力度以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載いたしました。

 続きまして、『燃料要素』、これも同様なのですが、中間報告時において未検討でありましたので、燃料要素の耐震検討を行い、燃料要素を固定している側板の発生応力度が許容応力度以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載いたしました。

 次に、『制御棒駆動装置案内管』ですが、中間報告時において記載した制御棒駆動装置案内管の解析については、21質点系のモデルになっていたのですが、その1次固有周期に対する1階床の加速度応答スペクトル値から静的荷重を算出し、俗に言う応答スペクトル法による方法になるのですが、その方法に加え、解析モデルの高度化ということで、分布質量系による地震応答解析を行い、同案内管に生じる最大応力度が許容応力度以内におさまっていることを高度化した解析モデルについても確認した旨、最終報告書に記載いたしました。

 続きまして、『一次冷却水系配管』ですが、これも中間報告時において記載した一次冷却水系配管の解析については、曲がったパイプを直線とし、単純梁に置き直した解析モデルですが、そのモデルに対して、1次固有周期を拾い上げ、それに対する床の加速度応答スペクトル値から静的荷重を算出した方法に加え、これもモデルの高度化として、より忠実にL字型を再現した分布質量系による地震応答解析を行い、同配管に生じる最大応力度が許容応力度以内におさまっていることを確認した旨、最終報告書に記載いたしました。

 最後に、7章の部分になるのですが、『地震随伴事象』として、中間報告時には未検討でありました地震随伴事象につきまして、周辺斜面の安定性については、原子炉建屋は丘陵部、切土の堅固な地盤上に建設されており、周囲には原子炉建屋の地盤レベルよりも高い位置に崖や傾斜地はなく、周辺斜面の安定性は確保されていると判断したこと。また、津波に対する安全性につきましては、敷地が標高約60mの位置にあり、津波によって施設の安全機能が損なわれることがない旨、最終報告書に記載いたしました。

 以上でございます。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 それでは、ご質疑、ご討論お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

和田委員。

【和田委員】  原子炉建屋の屋根版と側壁との関係についても、さまざまご検討いただいたと思いますが、問題は無かったということでしたか。何か、もっとさまざまな検討を行ったように思いますが。屋根版の版厚はかなり薄いと思いますが。

【上林先生】  水平荷重に関しては、周辺固定の条件で検討を行っておりますが、その後、ご指摘いただきました、一体モデルで屋根版と壁面に対して、弾性の動的解析を実施しておりました。その応答値が、本日お配りしましたブルーファイル、最終報告書の5-42ページになりますが、屋根版とちょうど直角に交わる壁の応力度が一番大きくなります。上の5.2.3-25図の一番上の要素375の、上部の接点1,032と1,066のところが、そこが壁と屋根版の取合の応力の部分になるかと思うのですが、その部分の応力が下段に、モーメント方向の表記は、少し図が擦れておりますが、上のワイヤーフレームの右端に記載しておりますが、一応、そのようなモーメントの、ここではモーメントの比ですが、これの絶対値による評価も行い、評価結果は5-59ページになりますが、この部分については、一応、鉄筋コンクリートということで、鉄筋を考慮した上での短期許容応力度のM-Nインタラクションの範囲内におさまっております。

【和田委員】  これは、壁側ですよね。

【上林先生】  壁側です。

【和田委員】  この屋根版は、コンクリートの薄いシェルになっているようですが、その辺の内容については記載されないのでしょうか。その辺についても、さまざま検討を行ったため、記載したらどうかと言っているだけです。

壁脚部の応力は、塑性域に入るようですが。最終的な報告書として、建屋全体とし、どこも問題が無いと記載するのか、壁脚部は面外応力でひび割れが発生したり、塑性化することについて、しっかり記載する必要があると思います。隠してはいけないと思います。

屋根版の内容についても、しっかり記載した方が良いと思います。

【上林先生】  わかりました。最終報告書に反映した主な内容のところに、もう少し具体的に、ご指摘いただきました点を反映させていただきたいと思います。ありがとうございます。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 本文の方には書いてあるけれども、資料2-3のまとめの方にということですね。

【上林先生】  はい。

【丹沢主査代理】  そのほかに、ご意見等ありますでしょうか。

【和田委員】  もう1つ、これは、只今、報告された内容に反映されていることかもしれませんが、大分前に、一度見学させていただい際に、6-12、13ページに絵がありますが、一次冷却水系配管において、『第1サポート』という点が、固定いう条件で解かれておりますが、このアンカーボルトが、多分、12mmか、非常に細いボルトで、これは構造的には固定するようなボトルではないと指摘しておりましたが、この条件が、成り立つようにアンカーボルトは改良されているのでしょうか。

【釜江先生】  すみません、ご指摘の内容については、現場の方で、配管を含めた全体構造と、それを留めるアンカーボルト径のバランスが、適切ではないことをお話いただきました。

 我々も別のサポートを追加しておりますが、ご指摘の箇所は、再度、孔をあけ、太いボルトに交換するとなると、作業的に少し検討を要しないといけないこともあり、ご指摘の内容は、私も重々理解しており、何かの機会の際には改良したいと思っております。

 しかしながら、現状、ご指摘のボルトについては、そのままとなっております。それが事実でございます。

【和田委員】  最初に発言させていただいたように、目の前にある構造物を、数学モデルに置換し、大丈夫かどうか確認することが物理学的な手法です。

 あのようなアンカーボルトで固定と評価し、アンカーボルトから上部の構造物を、いくら数学的に正しく評価したところで意味がありません。

 したがって、ご指摘させていただいた内容については、しっかり対応してほしいと思います。

【釜江先生】  はい。

【和田委員】  そのほかにも、さまざまなところにそのような箇所はあると思いますが。このような霞が関の冷房の効いた部屋で確認している範囲では、現物が確認出来ませんが、視察時に指摘した内容については、しっかり対応すべきと思います。

【釜江先生】  わかりました。対応したいと思います。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございます。

 そのほかに、ご意見ありますでしょうか。それでは、この議題、最終報告書につきましては、この程度ということにさせていただきまして、ある意味で、本日のメインテーマかと思いますが、次の議題でございます妥当性の確認の評価結果のほうでございますが、これまでご説明がありましたような最終報告書と、それから、サブワーキンググループでの検討結果を含めて、妥当性の確認に関する評価書案ということで、事務局の方から、よろしくお願いします。

【林安全審査官】  資料2-6になります。本資料は、最終報告書に基づき作成しておりますが、只今、和田先生から、反映されていない部分もあるのではないかというご意見をいただきましたが、評価書案作成に際しては、最終報告書にあわせて、サブワーキンググループでの資料に基づいて作成しております、和田先生から指摘された屋根版については評価書案に記載されております。そのような状況になっております。

 したがって、最終報告書とサブワーキンググループの資料等に基づいて、この評価書案を作成したと、ご理解いただきたいと思っています。

 まず、表紙から行きます。

 表紙については、『耐震設計審査指針の改訂に伴う国立大学法人京都大学原子炉実験所研究用原子炉施設(KUR)耐震安全性に係る評価について(案)』となっております。

 本日、8月4日付とさせていただいております。

 『文部科学省』と『研究炉等安全規制検討会』が本ワーキンググループの上に記載しており、昨日、研究炉等安全規制検討会が開催され、本日、ご確認いただく旨を報告させていただいております。研究炉等安全規制検討会の下の『試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ』という形で、評価書としてまとめさせていただきました。

 ページをめくっていただきますと『目次』になります。

 次に、1ページ、『はじめに』になります。

 『はじめに』ですが、平成18年9月19日に原子力安全委員会の新耐震指針が改訂されたところから始まり、本報告書は各サブワーキンググループ、現地調査、クロスチェックの実施を踏まえ、評価結果を取りまとめたという一連の経緯について記しております、この部分の説明については、割愛させていただきたいと思っております。

 次に、『主な経緯』について説明させていただきます。

 『はじめに』の内容と重複する部分があり、箇条書きで記されているため、分かり易いと思い、『主な経緯』を説明させていただきます。

 平成18年9月19日、新耐震指針を決定した。

 平成18年12月21日、当省は、原子炉設置者に対して、新耐震指針を参考として試験研究用原子炉施設の耐震重要度分類の考え方や分類の方法及び耐震安全性を確認する際の基本的な考え方を示した「試験研究用原子炉施設の耐震重要度分類の考え方等について」を示し、耐震バックチェックの対象となる原子炉施設については、耐震安全性評価実施計画書を提出、耐震バックチェックの実施及び報告を、耐震バックチェック対象とならない原子炉施設については、その根拠を示した検討書の提出を要請した。

 平成20年2月18日、京都大学は、当省に耐震バックチェック対象となるKURの耐震安全性評価実施計画書、及び耐震バックチェック対象とならないとする臨界実験装置(KUCA)の検討書を提出した。

 平成20年2月28日、当省は、提出された耐震バックチェックに係る耐震安全性評価実施計画書及び検討書に関して、その妥当性の確認を実施し、原子力安全委員会にその結果を報告。KURの耐震バックチェックにおいて評価対象とした設備・機器等は表1に示すとおりです。

 平成21年6月30日、京都大学は、当省にKURの耐震バックチェックの中間報告書を提出した。

 平成21年7月15日、妥当性確認ワーキンググループを開催。当省は新耐震指針を参考として耐震安全性評価の妥当性を確認する際の基本的な考え方を示した、「試験研究用原子炉施設耐震安全性評価の妥当性確認の考え方について」を示し、KURの耐震バックチェックに係る妥当性確認を開始した。

 平成21年7月31日~10月15日、地質・地震動サブワーキンググループを計2回開催し、KURに係る地質調査結果、及び基準地震動Ss、入力地震動の策定結果等に係る妥当性確認を検討した。

 平成21年9月30日、妥当性確認ワーキンググループ及び当省による京都大学KURの現地調査を実施した。

 平成21年9月30日、当省は、KURの耐震バックチェック報告に係るクロスチェックに関する委託業務を締結し、原子炉建屋及び機器・配管系の地震応答解析等のクロスチェックを開始した。

 平成21年10月27日~平成22年3月30日、施設・構造ワーキンググループを計3回開催し、KURの原子炉建屋及び主要な設備に係る耐震バックチェックの妥当性確認を検討。なお、妥当性確認は、耐震安全性評価実施計画書で評価対象とした全ての設備・機器等を実施しております。

 平成22年7月28日、京都大学は、当省に妥当性確認ワーキンググループ等における検討を踏まえた耐震バックチェック報告書、「京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果報告書」を提出した。

 本日、平成22年8月4日、妥当性確認ワーキンググループを開催し、京都大学からの耐震バックチェック報告書に基づく評価書案等を確認していただきます。

 『3. 検討結果』、『3.1 耐震バックチェック報告の妥当性確認に係る主なポイント』については、第1回妥当性確認ワーキンググループにおいて、主な確認のポイントとして、下記と同様な書面を提示しました。しかし、提示したポイントは、実際の確認内容から外れた項目もありましたので、今回、この箇所に纏めた項目については、妥当性確認ワーキンググループにおいて、実際に検討された内容、ご議論いただいた内容の項目についてまとめております。先ほどの説明と重複しますので、以下は割愛します。

 『3.2 基準地震動Ssの妥当性』、『(1) 敷地周辺の地質・地質構造の評価』についてです。

 京都大学は基準地震動を策定するため、敷地周辺の地質・地質構造に関する文献調査を実施している。調査結果は以下のとおりであるが、京都大学が実施した文献調査が十分に行われているかどうかについて、新耐震指針及び妥当性確認の考え方に照らして確認した。その結果、京都大学は、敷地からの距離に応じて、変動地形学的調査、地表地質調査、地球物理学的調査等に関する既存文献の調査は、要求されている事項を満足していることから、基本的に必要な事項は調査されているものと判断した。

 京都大学は、上記調査結果に基づき、図1-1に示すとおり、耐震設計上考慮する活断層を評価している。

 これらのうち、重要な活断層の評価については以下のとおりであります。

 『1)中央構造線断層帯(和泉山脈南縁-金剛山地東縁)の評価』についてです。

 黒い文字の部分については、京都大学が評価したところになっており、青い文字の部分については、今回、評価した内容になっております。青い文字の部分を、主に説明させていただきます。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、磯ノ浦の西端から金剛断層の北端までとする断層の長さについては妥当なものと判断したが、中央構造線断層帯の和泉山脈南縁における断層の傾斜角について、横ずれ断層のすべてが高角とは限らないこと、吉川他(1987)、文部科学省(2007)によって示された反射法地盤探査の結果、低角度な北西傾斜の境界面(地質境界)が確認されていることから、この境界面が弱面となり滑りが生じることも否定できないと判断し、地震本部及び中央防災会議が示している低角な断層傾斜を考慮し、見直すことを求めた。

 これを踏まえ、京都大学は、和泉山脈南縁における断層傾斜角についても、地震本部(2003)の長期評価等を踏まえて北西傾斜43度とする設定に変更した。

 以上のことから、京都大学による中央構造線断層帯の断層長さ及び傾斜角等の評価については妥当なものと判断したとしております。

 『2) 上町断層帯、生駒断層帯及び大阪湾断層の評価』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループは、上町断層については桜川撓曲、住之江撓曲の両分岐断層を加え評価し、想定できる最大規模の断層が考慮されていることを確認した。また、生駒断層帯及び大阪湾断層帯の評価についても、特段の問題がないことを確認した。

 以上のことから京都大学による上町断層帯、生駒断層帯、大阪湾断層帯の評価は妥当なものと判断しております。

 『3) その他敷地近傍及び周辺の活断層の評価』については、地質・地震動サブワーキンググループの場において、細かな敷地近傍の活断層についてご説明いただきました。

 地質・地震動サブワーキンググループにおける確認結果に基づき、京都大学のその他敷地近傍及び周辺の活断層の評価については妥当なものと判断した旨、記載させていただきました。

 『(2) 地震動評価』、『1) 解放基盤表面の設定』になります。

 京都大学は、文献調査、地表地質調査、ボーリング調査等により、敷地及び敷地周辺の地質は、新第四紀の大阪層群の最下部に当たる泉南累層が広く分布し、その下に基盤岩の成合花崗岩が分布するとしている。

 ボーリング孔内のPS検層の結果より、S波速度が0.7km/s以上の硬質地盤で、著しい風化を受けていない岩盤が分布する位置(GL1-181m)を解放基盤表面と設定したとしている。

 この内容についても、地質・地震動サブワーキンググループにおける確認結果に基づき、京都大学の設定した解放基盤表面の設定位置は妥当なもの判断した旨、記載させていただきました。

 続きまして、『2) 震源を特定して策定する地震動』、『1 討用地震の選定』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、検討用地震の選定の妥当性について、活断層の分布状況等を踏まえて検討を行った。

 陸域の活断層については、中央構造線断層帯、上町断層帯及び生駒断層帯が、海域の活断層としては大阪湾断層帯が認められることを確認した。これらの活断層による内陸地殻内地震について、Noda et al.(2002)による応答スペクトルを比較し、敷地への影響を考慮して中央構造線断層帯及び上町断層帯が選定されていることを確認した。

 プレート間地震については、敷地に最も影響を与える南海トラフ沿いのプレート間地震として、想定南海地震(M8.4)、想定東南海地震(M8.1)及びそれらの連動した地震(M8.5)が選定されていることを確認した。

 海洋プレート内地震については、M7.4の地震が敷地下方のプレート内で発生すると想定し、選定されることを確認した。

 以上のことから、京都大学による検討用地震の選定は妥当なものと判断しました。

 『2 検討用地震の震源モデル』、『 (a) 中央構造線断層帯による地震の震源モデル』。

 8ページ下段の青文字の部分について説明させていただきます。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学が設定した中央構造線断層帯による地震の基本震源モデル及び不確かさを考慮した震源モデルの妥当性について検討を行った。

 基本震源モデルは、地震本部(2005)の震源モデルに従い適切に設定されていることを確認した。また、アスペリティの位置の不確かさを考慮した不確かさケース1については、敷地への影響を考慮して、西側のアスペリティを敷地直下に配置し、破壊開始点の位置を中央下端に適切に設定されていることを確認した。水平動については、この震源モデル(不確かさケース1)が最も大きく評価されるが、鉛直動については、基本震源モデルに短周期レベルの不確かさを考慮した震源モデルが大きく評価されることから、短周期レベルの不確かさを考慮した震源モデルを不確かさケース2として設定されていることを確認した。

 以上のことから、京都大学による中央構造線断層帯の震源モデルについて、基本震源モデル及び震源パラメータの不確かさを考慮した震源モデルともに、適切に設定されており、妥当なものと判断した。

 『 (b) 上町断層帯による地震の震源モデル』になります。

 具体的には、断層長さ45km、断層の傾斜角を65度とし、北側セグメントに大きなアスペリティを配置した基本ケース1を設定したとしている。

 不確かさを考慮した震源モデルとして、アスペリティ位置の不確かさを考慮し、敷地に近い南側セグメントに大きなアスペリティを配置した不確かさケース1、新潟県中越沖地震を踏まえ、短周期レベルの基本震源モデルの1.5倍とした不確かさケース2の、2ケースを設定したとしている。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学による上町断層帯の基本震源モデルについては、分岐断層も含め、地震本部のレシピに従い、適切に設定されていること、不確かさを考慮した震源モデルについては、アスペリティ位置及び短周期レベルの不確かさが適切に考慮されていることを確認した。

 以上のことから、京都大学による上町断層帯の震源モデルについて、基本震源モデル及び震源パラメータの不確かさを考慮した震源モデルともに、適切に設定されており、妥当なものと判断しました。

 『 (c) プレート間地震の震源モデル』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学が選定した想定南海地震、想定東南海地震及びそれらが連動した場合の震源モデルについては、地震本部(2001)の知見を踏まえ、適切に設定されていることを確認した。

 以上のことから、京都大学によるプレート間地震の震源モデルについて、基本震源モデル及び震源パラメータの不確かさを考慮した震源モデルともに、適切に設定されており、妥当なものと判断した。

 『 (d) 海洋プレート内地震の震源モデル』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学の設定した想定敷地下方の海洋プレート内地震における震源モデルについて、地震規模については敷地周辺の海洋プレート内地震の最大規模の地震が設定されていること、不確かさを考慮した震源モデルとして、地震発生位置を敷地周辺のフィリピン海プレートの沈み込み形状を参考に、適切に設定されていることを確認した。

 以上のことから、京都大学による海洋プレート内地震の震源モデルについて、基本震源モデル及び震源パラメータの不確かさを考慮した震源モデルともに、適切に設定されており、妥当なものと判断した。

 『3 応答スペクトルによる手法に基づく地震動評価』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、兵庫県南部地震時の敷地内での観測記録に基づき、鉛直アレイ地震観測から評価された地盤の伝達特定及び地震基盤から地震波の入射角を考慮して評価した解放基盤表面でのスペクトルと、Noda et al.(2002)によって評価された応答スペクトルの比較から、内陸補正係数を考慮することの妥当性を確認した。

 以上のことから、京都大学が実施した応答スペクトル手法による地震動評価は妥当なものと判断した。

 『4 断層モデルを用いた手法による地震動評価』になります。

 京都大学は、検討用地震の応答スペクトル手法に基づく地震動評価の結果から、敷地への影響を考慮し、中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震を選定し、震源モデルをもとに断層モデルを用いた手法に基づく地震動評価を実施したとしている。

 以上、細々した設定については、以下に記しておりますが、それらを確認して。

 地質・地震動サブワーキンググループにおける確認結果に基づき、京都大学が実施した断層モデルを用いた手法による地震動評価は妥当なものと判断した旨、記載させていただきました。

 『3) 震源を特定せずに策定する地震動』になります。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学による「震源を特定せずに策定する地震動」の評価及びその位置づけの妥当性について検討を行った。

 「震源を特定せずに策定する地震動」として考慮すべき地震規模がM6.8であり、敷地直下に存在する中央構造線帯による地震規模がM8クラスであること、中央構造線断層帯による地震の断層モデルを用いた手法による地震レベルがJEAG4601-2008に基づく「震源を特定せずに策定する地震動」の応答スペクトルよりも大きく上回ることから、「震源を特定せずに策定する地震動」については、「震源を特定して策定する地震動」による基準地震動Ssで代表させるとしていることは支障ないことを確認した。

 以上のことから、京都大学が「震源を特定せずに策定する地震動」について、「震源を特定して策定する地震動(敷地直下に存在する中央構造線断層帯による地震)」による基準地震動で代表させるとしていることは支障ないと判断した。

 『4) 基準地震動の策定』、『1 基準地震動Ss』になります。

 京都大学は、「震源を特定して策定する地震動」のうち応答スペクトル手法に基づく地震動評価において検討用地震のうち、中央構造線断層帯による地震動を基準地震動Ss-1と設定したとしている。

 また、断層モデルを用いた手法による基準地震動としては、中央構造線断層帯の地震におけるアスペリティの位置の不確かさを考慮した地震動(不確かさケース1)を基準地震動Ss-2とし、中央構造線断層帯の地震における短周期レベルの不確かさを考慮した地震動(不確かさケース2)を基準地震動Ss-3と設定したとしている。

 応答スペクトル手法に基づく地震動評価結果、及び断層モデルを用いた地震動評価結果、基準地震動Ss-1からSs-3の応答スペクトルをそれぞれ図-4、5、6に示しております。

 地質・地震動サブワーキンググループにおける、京都大学による基準地震動Ssの策定の妥当性についての確認結果に基づき、京都大学が「震源を特定して策定する地震動」による基準地震動として、Ss-1、Ss-2及びSs-3を設定していることは妥当なものと判断した。

 『2 基準地震動Ssの時刻歴波形』になります。

 基準地震動Ss-1は応答スペクトルに基づく基準地震動でございますが、その適合性について細かく黒文字の部分で説明してございます。その内容を受け。

 地質・地震動サブワーキングにおける京都大学による基準地震動Ss-1の時刻歴波形の作成についての確認結果に基づき、策定された基準地震動Ss-1の応答スペクトルに対する適合性は、特段の問題はないことを確認し、基準地震動Ss-1は妥当なものと判断した旨、記載させていただきました。

 『3.3 原子炉建屋への入力地震動の評価』になります。

 新耐震指針の解説では、解放基盤表面が施設を設置する地盤に比して相対的に深い場合は、解放基盤表面より上部の地盤における地震動の増幅特性を十分に調査し、必要に応じて地震応答評価等に反映させることとしております。

 今回の地盤につきましても、GL-181mのところでVs=1.6km/s程度になっており、その位置を解放基盤表面としております。そこから入力地震動として上げてくる部分の内容については、青文字の部分を説明させていただきます。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、京都大学で行われた地盤構造のモデル化、地震動応答解析等の妥当性について検討した。

 地盤構造モデルの設定について、地質調査、土質調査等に基づき、地層毎に詳細に地盤定数(P波速度、S波速度、密度及び地盤非線形特性)が設定されていることを確認した。

 地盤構造モデルの妥当性については、原子炉建屋近傍での鉛直アレイ地震観測による記録の線形のシミュレーション解析によって検証されていることを確認した。

 基準地震動Ss-2及びSs-3に対して等価線形を仮定した地震応答解析の結果については、せん断ひずみレベルから等価線形解析の適用範囲を超えている可能性があるため、京都大学に時刻歴非線形応答解析による入力地震動の再評価を求めた。その結果、周期1秒以下の周期帯で基準地震動Ss-2に基づく等価線形解析と時刻歴線形解析による入力地震動が基準地震動Ss-3に基づく入力地震動よりも大きいこと、原子炉建屋、機器・配管系への影響を考慮し、入力地震動の成分毎に、基準地震動Ss-2に基づく等価線形解析と時刻歴非線形解析による両方の地震動を選定したとしていることを確認した。

 以上のことから、原子炉建屋の入力地震動評価のための解放基盤表面から原子炉建屋基礎位置までの地盤構造モデルは妥当であり、この地盤構造モデルを用い、地盤応答解析によって評価された建屋基礎位置における入力地震動は妥当なものと判断した。

 なお、施設・構造サブワーキンググループでは、京都大学が策定した基準地震動Ssにより評価した入力地震動について、「超高層建築物の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件(平成19年国土交通省告示第622号)」に規定している加速度応答スペクトルと比べ、原子炉建屋における周期帯は2倍程度、第2種地盤、平成19年国交省告示597号で定める第2種地盤を言っておりますが。この地盤相当の地盤増幅を考慮した場合では1.5倍程度大きなものとなっていることを確認した。国土交通省告示を引用しておりますが、これは超高層建物、免震建物等の動的解析をする場合、工学基盤における地震動の応答スペクトルが告示で規定されております、そこの部分を引用しております。

 それでは、施設・構造サブワーキンググループの方の内容ですが、『3.4 施設の耐震安全性の妥当性』、『1)原子炉建屋の地震応答解析モデル』に移ります。

 施設・構造サブワーキンググループでは、京都大学が設定した原子炉建屋の水平方向及び鉛直方向の地震応答解析モデルの妥当性について、クロスチェックの検討結果とあわせて、以下のとおりに確認しました。

1.地盤ばね定数及び地盤減衰係数について、京都大学では、地盤を薄層要素、基礎を3次元有限要素とし、それぞれ結合したモデルをLysmer他(1981)による容積法を用いた動的サブストラクチャー法に基づき設定したとしている。

 クロスチェックにおける検討では、社団法人日本電気協会「原子力発電所耐震設計技術指針 JEAG4601-1991追補版」に基づき、地盤を成層補正し円形基礎を正方形に面積等価置換して設定し、また、社団法人日本建築学会「建物と地盤の動的相互作用を考慮した応答解析と耐震設計」に示されている静的理論解によっても設定している。これらの結果を比較し、京都大学が設定した地盤ばね定数及び地盤減衰係数については、適切に設定されていることを確認した。

2.原子炉建屋の水平方向地震応答解析モデルについて、直列4質点の弾塑性復元力特性をもつ等価せん断型とし、その復元力特性を剛床仮定に基づいた静的弾塑性立体解析モデルの荷重増分解析結果から設定したとしているが、剛床仮定設定の有無による復元力特性の妥当性について追加検討を求めた。

 これを踏まえ、京都大学は、剛床仮定を設けない正16角形の弾性有限要素モデルによる地震応答解析結果において、外周壁接節点間の変位差を確認し、復元力特性設定に係る荷重増分解析に際しては、剛床仮定の適用について検討を要することを確認した。

 クロスチェックにおける検討では、原子炉建屋を正64角形に置換した格子梁モデル(壁の面内方向に作用するせん断力に対してはシアーパネルによりモデル化、面外方向に作用するせん断力に対しては、格子梁として考慮)による荷重増分解析結果においても、外周壁節点間の変位差を確認したが、剛床仮定設定の有無による地震応答解析の応答結果の差が小さいことから、剛床仮定に基づく荷重増分解析結果から設定した復元力特性を用いることに支障がないことを確認した。

 また、復元力特性における初期剛性及びせん断耐力は、クロスチェックにおけるそれらよりも低く、保守的な設定であることを確認した。

 さらに、地震応答解析モデルの基礎を固定とした1次固有周期は、弾性有限要素モデル及びクロスチェックの解析モデルよりも長く、対応する周期における入力地震動の加速度応答スペクトル値も大きくなることを確認した。

 以上のことから、原子炉建屋の耐震安全性評価に用いられた地震応答解析モデルは妥当なものと判断した。

 『2) 原子炉建屋の耐震安全性評価結果』として、

 施設・構造サブワーキンググループでは、京都大学が評価した原子炉建屋の耐震安全性評価の妥当性について、クロスチェックにおける検討結果とあわせて以下のとおり確認した。

1.京都大学及びクロスチェックの地震応答解析において、原子炉建屋の最大応答せん断力については確認保有水平耐力を下回っており、また、最大応答せん断ひずみの値についても、RC造耐震壁のせん断ひずみの評価基準値である2.0×10-3を下回っていることを確認した。

2.原子炉建屋の円筒形外周壁において、水平力の作用する方向が面外方向となる部分に生じる応力について、その応力の伝搬経路及び断面照査について追加検討を求めた。

 これを踏まえ、京都大学は、1)の弾性有限要素モデルを用い、その剛床仮定設定の有無をパラメータとした地震応答解析により、円筒形外周壁の面外方向に生ずる曲げモーメントについては、外周壁の側面方向に伝搬する応力よりも、基礎側下方に伝搬する応力が大きいことを確認した。また、同モデルによる静的解析により、1階壁脚部の発生応力については、曲げモーメントと軸力の相関関係に基づく評価では、終局耐力以下となっていることを確認した。

 クロスチェックにおける検討では、1)の格子梁モデルを用いた弾塑性地震応答解析における応答時の最大応力については、面外方向に生ずる応力は、曲げモーメントと軸力の相関関係に基づく評価では短期許容応力度以下となり、水平力の作用方向が面内方向となる側面部分に生じるせん断応力は、壁開口隅角部付近ではせん断ひび割れ応力度程度となるが、それ以外の部分はせん断ひび割れ応力度以下であることを確認した。

3.屋根版の地震応答解析における応答時の最大応力については、曲げモーメントと軸力の相関関係に基づく評価では、短期許容応力度以下となっていることを確認した。なお、クロスチェックにおける検討での発生応力は、極めて小さいことを確認しております。

 以上のことから、基準地震動Ssに基づく入力地震動による地震応答解析の結果、波及的な影響を考慮する原子炉建屋の耐震安全性は確保されているものと判断した。

 『(2)機器・配管系の耐震安全性評価』についてです。

 京都大学は、安全上重要な機器・配管系(Sクラス相当)について、基準地震動Ss-2の東西方向成分に基づき評価した入力地震動を用いて耐震安全性評価を実施したとしている。

 評価対象設備・機器は表-1に示す。なお、炉心タンクの評価は生体遮へい体の評価に兼ね、使用済燃料貯蔵ラックの評価は、使用済燃料プール室プールの評価に兼ねたとしております。

 機器・配管系の耐震安全性評価に当たっては、基準地震動Ssによる地震力と地震以外の荷重を組み合わせた構造強度評価(評価対象設備の評価部分に発生する応力が評価基準値を超えないことの確認)について、評価対象設備の形状及び1次固有周期に応じて、剛体または弾性体としてモデル化し、前者については静的解析により、後者については地震応答解析を実施したとしております。

 構造強度評価の結果を表-6に示してございます。

『1) 剛体モデルにおける静的解析による耐震安全性評価』を実施したものについて、説明します。

 京都大学は、評価対象設備である使用済燃料プール室プール、生体遮へい体、粗・微調整棒取付金具及び炉心支持構造物については、1次固有振動数が20Hz以上であることを確認し、剛体モデルとして扱い、原子炉建屋の地震応答解析による1階床の応答速度を震度換算した水平・鉛直震度を地震荷重とする静的解析により耐震安全性評価を実施し、その結果、いずれの機器・配管系の応力度は評価基準値以下であることを確認したとしている。 

 なお、水平震度(CH)については、床応答加速度983galから1.0とし、また、鉛直震度(CV)については、床応答加速度268galから保守的に0.4と設定したとしている。

 施設・構造サブワーキンググループでは、剛体モデルにおける静的解析による耐震安全性評価の妥当性について、クロスチェックの検討結果とあわせて検討した。

 クロスチェックの検討では、入力地震動に基づく原子炉建屋1階床の床応答加速度は1,116gal、及び鉛直方向は243galとなることから、機器配管を剛体モデルに近似する場合の水平震度(CH)1.2とし、鉛直震度を0.4とし検討を行った。その結果、いずれの機器・配管系の発生応力は評価基準値以下であることを確認した。

 『2) 地震応答解析による耐震安全性評価』になります。

 京都大学は、評価対象である制御棒駆動装置案内管及び炉心直下1次冷却系配管については、地震応答解析に基づき耐震安全性評価を実施したとしている。

 『1.制御棒駆動装置案内管』です。

 制御棒駆動装置案内管の静的解析については、21質点モデルによる1次固有周期に対する床応答加速度3,040galから、水平震度(CH)を3.5とし、鉛直震度(CV)は、鉛直方向の剛性が高いことから、1)の鉛直震度と同じ0.4とした検討により、発生応力は評価基準値以下であることを確認したとしている。

 さらに、追加検討として、分布質量系フレームモデル(連続体モデル)によって、原子炉建屋1階床の床応答加速度波形(水平方向)を用いた地震応答解析を実施し、発生応力は評価基準値以下であることを確認したとしている。

 なお、地震時における原子炉の自動停止の設定値を約20gal(水平動又は上下動)としており、制御棒の全挿入に要する時間は0.6秒であることから、地震時には初期微動の段階で、原子炉は安全に停止できる構造となっているとしている。

 『2.炉心直下1次冷却系配管』です。

 炉心直下1次冷却系配管の静的解析については、L字型配管を直線単純梁にモデル化し、中央1点集中荷重による加力モデルとし、水平及び鉛直震度は1)と同一とした検討により、発生応力は評価基準値以下であることを確認したとしている。

 さらに、追加検討として、分布質量系フレームモデルにより原子炉建屋1階の床応答加速度波形(水平方向(2方向)及び鉛直方向)を用い地震応答解析を実施し、発生応力は評価基準値以下であることを確認したとしている。

 施設・構造サブワーキンググループでは、地震応答解析による耐震安全性評価の妥当性について、クロスチェックの検討結果とあわせて確認した。

クロスチェックにおける検討では、京都大学が追加検討した解析モデルを用い、クロスチェックで解析した原子炉建屋1階の床応答加速度波形を用いた地震応答解析を実施しました。評価結果は京都大学による結果とほぼ一致し、いずれの機器・配管系の発生応力は評価基準値以下であることを確認した。

 以上のことから、京都大学の実施した機器・配管系の耐震安全性評価は妥当なものであると判断した。

 『3.5 原子炉建物基礎地盤の安定性評価の妥当性』についてです。

 京都大学は3.4(1)の最大応答に対する原子炉建屋基礎底面の接地圧については、「地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法並びにその結果に基づき基盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定まる方法等を定める件(平成13年国土交通省告示第1113号)」に基づき算定した短期許容支持力以下であることを確認したとしている。なお、引張力については、財団法人日本建築センター「地震力に対する建築物の基礎の設計指針」に基づき算定した原子炉建屋地下根入れ部における地盤との摩擦力以下であることを確認したとしている。

 以上のことから、原子炉建物基礎地盤は基準地震動Ssによる地震力に対して十分な支持性能があると判断した。

 『3.6 地震随伴事象の妥当性』についてです。

 『(1) 周辺斜面の安定性』について。

 地質・地震動サブワーキンググループは、原子炉建屋近傍にある農業用の池の深さと原子炉建屋基礎底の深さとの関係、及び地盤の液状化について検討するように求めた。

 これを踏まえ、京都大学は、原子炉建屋と農業用の池との離隔距離が40mであること、原子炉基礎底の標高は池の最深部より1m程度高いとしていることを確認した。また、地盤の液状化についても20m以浅の地盤では、地震時のせん断ひずみは0.1~0.2パーセント程度と小さく、液状化の発生はないとしていることを確認した。

 以上のことから、周辺斜面の安定性について、特段の問題はないと判断した。

 『(2) 津波に対する安全性評価』ですが、21ページ目の第2段落目になりますが、

 敷地は大阪湾から約4.5km、標高約60mに位置し、津波の影響を考慮する必要はないとしている。

 地質・地震動サブワーキンググループでは、周辺の敷地と大阪湾の位置関係により、津波に対する安全性評価について、特段の問題はないものと判断した。

 これらのまとめとして、『4.まとめ』になります。

 『4.1 基準地震動Ss・入力地震動の妥当性』です。

 『(1) 敷地周辺の地質・地質構造の評価』として。

1.変動地形学的調査、地表地質調査、地球物理学的調査等に関する既存文献の調査は、要求されている事項を満足していることから、基本的に必要な事項は調査されているものと判断した。

2.敷地周辺陸域及び海域の活断層の評価は妥当なものと判断した。

 『(2) 地震動評価』として。

1.「震源を特定して策定する地震動」の評価に際しては、中央構造線断層帯による地震、上町断層帯による地震、想定南海地震(M8.4)、想定東南海地震(M8.1)及びそれらが連動した地震(M8.5)並びにプレート内地震(想定敷地下方の地震)(M7.4)を検討用地震としていることは妥当なものと判断した。

2.中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震の基本震源モデル、及びその不確かさとして、アスペリティの位置、破壊開始点及び短周期レベルのそれぞれを考慮した震源モデルのパラメータについては妥当なものと判断した。

 また、想定南海地震、想定東南海地震及びそれらが連動した場合の地震、並びにプレート内地震(想定敷地下方の地震)の震源モデルについても妥当なものと判断した。

3.中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震、想定南海地震、想定東南海地震、及びそれらが連動した場合の地震、並びにプレート内地震(想定敷地下方の地震)の震源モデルをもとにした、応答スペクトル手法としてNoda et al.(2002)による方法を用いた地震動評価については、敷地の地下構造特性等を適切に考慮しており、妥当なものと判断した。

4.中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震の各震源モデルをもとに、断層モデルを用いた手法による地震動の評価については、短周期側に統計的グリーン関数法、長周期側に理論的方法を適用したハイブリッド合成法を用い、敷地の地下構造特性を適切に考慮し、妥当なものと判断した。

5.「震源を特定せず策定する地震動」については、断層モデルを用いた手法による地震動評価によって策定された「震源を特定して策定する地震動」が優位であることから、基準地震動の選定に関しては考慮しないことは妥当なものと判断した。

6.「震源を特定して策定する地震動」のうち、応答スペクトル手法による地震動評価において、中央構造線断層帯による地震動を基準地震動Ss-1とし、断層モデルを用いた手法による地震動評価において、中央構造線断層帯による地震におけるアスペリティ位置及び短周期レベルの不確かさを考慮した地震動を、基準地震動Ss-2及びSs-3と設定していることは妥当なものと判断した。

7.解放基盤表面以浅の堆積地盤における増幅特性を考慮するための地下構造モデルについては妥当なものと判断した。

8.基準地震動Ss-2に基づく建屋基礎底位置における入力地震動については妥当なものと判断した。

 以上のことから、基準地震動として「震源を特定して策定する地震動」による基準地震動Ss-1~Ss-3が策定されていることは妥当なものと判断した。

 また、入力地震動として基準地震動Ss-2に基づき評価されていることは妥当なものと判断した。

 『4.2 施設の耐震安全性評価の妥当性』として。

 『(1) 建物・構築物の耐震安全性評価』では、

1.原子炉建屋の耐震安全性評価に用いられた地震応答解析モデルは妥当なものと判断した。

2.基準地震動Ssに基づく入力地震動による地震応答解析の結果、原子炉建屋の耐震壁の最大せん断ひずみ値は、評価基準値以下であることから、波及的影響を考慮する建物・構築物の耐震安全性は確保されるものと判断した。

 『(2) 機器・配管系の耐震安全性評価』では、

 機器・配管系の構造強度評価については、基準地震動Ssに基づく入力地震動による地震力と地震力以外の荷重を組み合わせて算定した評価部位の発生応力が評価基準値以下であることから、安全上重要な機器・配管系(Sクラス相当)の耐震安全性は確保されているものと判断した。

 以上のことから、原子炉建屋及び機器・配管系の耐震安全性は、基準地震動Ssに対しても確保されているものと判断しました。

 『4.3 原子炉建物基礎地盤の安定性評価の妥当性』として。

 原子炉建屋基礎底面の地震時接地圧については、評価基準値以下であることから、原子炉建物基礎地盤は基準地震動Ssによる地震力に対して十分な支持性能を有していると判断した。

 『4.4 地震随伴事象の評価の妥当性』として。

 『(1) 周辺斜面の安定性』では、

 原子炉建屋は丘陵部切土の堅固な地盤上に建設されており、周囲には原子炉建屋の地盤レベルよりも高い位置に崖や傾斜地は存在せず、周辺斜面の安定性は確保されているため、基準地震動Ssによる地震力に対して、施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないものと判断した。

 『(2) 津波に対する安全性』では、

 敷地は大阪湾から4.5km、標高60mに位置し、敷地の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないものと判断した。

 以下、24ページに参考文献、26ページ以降が添付図表になります。

 27ページは、評価対象の設備・機器等をまとめております。

 28ページは、耐震設計上考慮するとした活断層を示しております。

 29ページは、中央構造線断層帯による地震の検討のケース、基本ケース1から不確かさケース2までをまとめております。

 30ページ、表-3には、震源パラメータを示させていただきました。

 31ページは、震源モデルを示しております。

 32ページは、上町断層帯による検討のケースを示し、33ページは、震源パラメータ、34ページは、震源モデルを示しております。

 これらの内容から、

 35ページ、36ページが、応答スペクトル手法に基づく地震動評価、水平方向、鉛直方向になります。

 37ページ、38ページが、中央構造線断層帯による地震の断層モデルを用いた手法による地震動評価結果になっております。

 39ページ、40ページが、上町断層帯による地震の断層モデルを用いた手法による地震動評価結果になっております。

 41ページ、42ページが、これらの優位となる基準地震動Ssの応答スペクトル、水平方向、鉛直方向を示しております。

 43ページは、京都大学が解析として用いた地震応答解析のモデルを示しており、44ページは、機器・配管系の構造強度評価結果をまとめてございます。

 45ページ以降、別添として、本妥当性確認ワーキンググループ等の開催について、委員等のご氏名等々、50ページは、検討の経緯として議事次第に挙げさせていただきました項目についてまとめております。

 以上が、妥当性確認ワーキンググループとしての評価書として、まとめさせていただきました案となっております。以上です。

【丹沢主査代理】  どうも、ご苦労さまでした。ありがとうございました。

 それでは、只今の評価書案、これに対しまして、ご意見、ご質問等、よろしくお願いいたします。翠川委員、どうぞ。

【翠川委員】  3点、お伺いしたいのですが、簡単な方から申し上げますと、22ページの『4.まとめ』の部分で、「5 震源を特定せず策定する地震動については、考慮しないことは妥当なものと判断した」と記載されておりますが、12ページでは「支障がないことを確認した」と記載され、表現が変わっております。これはどのような意味なのかということです。多分、「支障ない」という意味が込められているのではないかと、私は理解しているのですが。

【林安全審査官】  12ページの「支障ない」と記載した意図は、新耐震指針が「震源を特定せず策定する地震動」という内容を、新耐震指針を改訂に際して、新たに盛り込んだ内容であり、非常に重要なこと判断し「支障のない」と記載したものであります。

『4.まとめ』の部分の「妥当なもの」とは、『4.まとめ』の部分の文面との整合性を考慮し、「妥当なもの」として記載させていただきました。さほど、評価書案として意味を込めた内容ではございません。すみません。

【翠川委員】  どうされますか。このままで行くのですか。そうではなく、「支障のない」で、統一されるのですか。

【鎌倉保安管理企画官】  委員の先生方のご判断で、「支障のない」という記載が適切なのか、「妥当なもの」と記載した方が適切なのか、ご意見をいただければ助かります。

【翠川委員】  いや、まず事務局のお考えはどちらですか。

【鎌倉保安管理企画官】  事務局では前段に出ております「支障のないことと判断しました」という表現にさせていただければと思います。

【翠川委員】  そういう気持ちが、12ページにあるのでしたら、そちらのほうが素直だと私も思います。

 それと、すみません、14ページの真中のあたりに「等価線形解析の適用範囲を超えている可能性があるため、再評価を求めた」とある訳ですが、これに対する答えは、時刻歴応答解析と等価線形解析が違うのか違わないのかとか、適用範囲を超えているのか、超えていないのかという答えをまず求めています。

それについては、報告書の4-16ページには、きちんとそのようなことが記載されていて、評価書案では、そのようなことが記載されていなくて、単に、何かSs-2による入力地震動がSs-3による入力地震動よりも大きいという、これはこれで1つのことなのでしょうが、この前段に、やはり、4-16ページに記載されていますが、解析結果が、多少異なることから、両方を考慮することにしたというようなことが記載されているように、私には見えるのですが、そういうことを書くべきではないかなと私は思います。

【林安全審査官】  はい。

【鎌倉保安管理企画官】  その点につきましては、追記させていただきたいと思います。

【翠川委員】  それから、最後、これが少し難しいところだと思いますが、資料2-2、最初の部分を見ると、地震動の超過確率についてどうするのかということが記載されており、『WGでは本ポイントに追加し、「参照」程度の確認と考えている』と記載されているのですが、これの評価について、評価書案で、何も触れられていないのですが、それでよろしいのでしょうか。

【吉田原子力規制室長】  たしか、安全委員会の新耐震指針ですが、あの決定時には、軽水炉に対して適用するものとして、私どもの方でいただいた書面には、その内容については、明確に記載されておりません。

 それは、なぜかというと、耐震指針は、あくまでも発電用原子炉の指針であり、旧指針も、新指針もそうですが、試験研究炉については『参考』という位置づけになっています。したがって、そこが発電用原子炉と少し異なるところとなっており、それで、最終的には今回の報告書には入れなかったという趣旨でございます。

【翠川委員】  そうすると、この資料と資料2-2とは、整合がとれているのですか。

 私もなかなか微妙と思いますが、前回のワーキンググループでは『「参照」程度の確認と考えている』と回答され、確認しなければいけないと思っておりました。

 いや、その辺をきちんとご説明ができるのなら、それでよろしいと思いますが、一応、これは確認をしていることになっていると思いますので。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。京都大学の方では、この新耐震指針に沿って超過確率について算出していただいておりますが、あくまでも試験研究炉であり、発電用原子炉を対象とした新耐震指針と異なるという点もあり、超過確率については、この評価書案の中には記載しないということで考えているところです。

【翠川委員】  そういう方針でお考えだということですね。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。

【翠川委員】  はい。わかりました。ありがとうございます。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 その辺は、ポイントになるところのようでございますので、そのようなご意見に対して、事務局として、見解をまとめていただくということにさせていただきます。

 和田委員、どうぞ。

【和田委員】  最初に、資料2-1で、事務局から説明があった施設・構造サブワーキンググループの最初の『①地震動評価』についてですが。

 施設・構造サブワーキンググループでは、一般的な建物に採用する地震力との比較し、どの程度の大きさになっているかを議論したと思いますが、施設・構造サブワーキンググループでご提示されたグラフは、評価書案に記載されていないのでしょうか。

【林安全審査官】  すみません。記載しておりません。

【和田委員】  新潟県中越沖地震では、結局、柏崎刈羽発電所は、設計用地震力に3C0を採用していたため、大きな被害が無く済んだようです。

 したがって、想定している地震力が、一般的の建物よりも、どれ位、大きなものなのかという記載があると、読者は分かり易いと思いますが、評価書案で、たくさん応答スペクトルを記載されておりますが、これら応答スペクトルの中に、建築基準法で規定する応答スペクトルが記載されているかいう質問です。

【林安全審査官】  建築基準法で規定する応答スペクトルは記載しておりません。

 先生のおっしゃるとおり、応答スペクトルを記載することで、非常に分かり易くなると思いますが、今回の耐震安全性評価は新耐震指針改訂に伴う確認になっており、確認の意味合いが、少し異なるものと認識しております。

【和田委員】  それでは、京都大学の報告書の方には盛り込んでいるのでしょうか。

 只今、拝見し、そこにも無かったようですが。

【上林先生】  報告書には記載しておりません。

 施設・構造サブワーキンググループにおいてパワーポイントでお示しした応答スペクトル等の内容に関しては、先ほどと同じ趣旨に基づき、報告書には記載しておりません。

【和田委員】  最初に発言させていただいたとおり、ルールを決め、その路線に沿って確認していくのは構わないのですが、自分たちのつくった学問の中にも間違いがあるかもしれない。

 日本中にある一般の建物はリトマス試験紙みたいなものです。地震が起きた時に、青くなるか、赤くなるかで、市民やエンジニアが判断しながら、もう少し丈夫にしようとか、この程度で良いのではないかと判断をしている。

 それに対して、この原子炉建屋は、3倍強く造っておけば、相当に安全だろうという判断を建設当時行い、今回の評価における大きな地震動にも耐えた訳です。

 このように理詰めだけで確認していくのは絶対に止めた方が良いと思います。

【鎌倉保安管理企画官】  その点につきましては、只今、申し上げましたとおり、施設・構造サブワーキンググループで、十分、ご議論していただいております。

【和田委員】  しかし、パワーポイントでご説明いただいただけで、どこにも残っておりません。

 そのようなやり方は、ニュートン以来の科学を信じて、経験を無視した一番危ないやり方だと思います。

【鎌倉保安管理企画官】  施設・構造サブワーキンググループの方の資料には。

【和田委員】  だから、パワーポイントで映しただけで、消してしまうなどということは良くないと言っているのです。

【鎌倉保安管理企画官】  その資料につきましては、当省のホームページに公開されております。

【和田委員】  評価書に載せるべきだと言っているのです。

 みんなで間違いに走るから、そういうことは良くないと言っているのです。

【林安全審査官】  京都大学の報告書に載せていただくような形では。

【和田委員】  施設・構造サブワーキンググループ側で確認した部分でも良いので、評価書に盛り込むべきと思います。

【林安全審査官】  はい。わかりました。

【和田委員】  原子力発電所は、新潟県中越沖地震で地震の経験を初めて受けました。ちょうど新潟のあそこを狙うように、この21世紀の初めに襲来するとは、だれも想定していなかった訳です。

 日本中、世界中にはたくさんの建物があり、先ほど発言したとおり、善し悪しを判断しています。救ってくれたのは、それより3倍位強く造ったこと位です。

 したがって、一般の建物より、どの程度強く造ったかを表記すれば、ある意味、このような細かな計算の内容の記述は不要な位です。

【林安全審査官】  わかりました。

【和田委員】  釜江先生、そういうことを間違えてはだめです。

 あれだけ指摘した訳ですから、報告書にはしっかり盛り込んで下さい。

 こんな理論の上に、エンジニアリングはないです。経験です、みんな。

 それから、評価書案について、モデル化の方ですが、17ページには、先ほどから議論している面外曲げの内容が載っておりますが、16ページには、モデル化の妥当性ということで、京都大学の設定したもので良いとか、剛床仮定で良いという表現が多いですが、それは、そのようにすれば、壁は面内せん断しか受けないため、全く問題ないのですが、あれだけ直径が大きければ、宮城県沖地震でブロック塀が倒れた時と同じようになることが想定され、いわゆる、ローカルな面外曲げでどのようになるかについて議論してきました。

 したがって、『問題が無い』なんて言っていないのに、『妥当』等という字が多過ぎると思います。

 17ページでは、『終局耐力以下になっている』と書いてあります、『短期許容応力度に入っている』なんて書いてないですけど。このように、議論した内容を甘い方、甘い方へ、言葉を弄ってしまうことは、止めた方が良いと思います。

 まず、16ページの2の5行位下に、復元力特性設定に係る荷重増分解析に関しては、剛床仮定の適用に――これは「検討を要する」だから、ここはまだ良いですね。

 「応答結果の差が小さいことから」というのが、下から10行目にありますが、これは全体的な、マクロ的に見た応答解析結果ですよね。

【林安全審査官】  そうです。

【和田委員】  したがって、単に応答解析結果と言っても、鉄筋とコンクリートでできている訳ですから、部分的な箇所を捉えたものなのか、構造物全体を捉えたものか、この記載ぶりではわかりません。

 最後2行は、部分的な箇所を捉えたものであれば、シェル的に考える必要があり、また、構造物全体として捉えたのであれば、剛床でも良いというように、分かったことをまじめに記載すべきだと思います。

 このように、どんどん誤魔化すことは、止めた方が良いと思います。

【林安全審査官】  はい。わかりました。

【丹沢主査代理】  ありがとうございました。

 今の先生のご指摘の趣旨は。

【林安全審査官】  はい、わかりました。

【丹沢主査代理】  伊藤委員、どうぞ。

【伊藤委員】  只今、和田先生がお話しした17ページのところで、私自身は専門外ですが、少し気になったので確認させて下さい。

 17ページでは、先ほど、和田先生からご指摘の中に、終局耐力とか、短期許容応力度とか、こういう用語があります。

 今回の評価では、基準地震動Ssに対して、短期許容応力度によって確認するということがあるのでしょうか。現実的に、これが判断基準とされているのであれば、少しおかしいのではないかなと思います。

 ここで表現したいのは、多分、許容応力度以下よりも小さな応力しか発生していないということと思いますが。ところが、資料2-3では、みな許容応力度以内におさまっていることを確認したと記され、あたかも、これを見ると、判断基準が許容応力度と捉えられるのではないでしょうか。後半の部分は、すべて判断基準以下になっているという表現になっていますよね、ほか資料についても。

 この許容応力度の使い方が、これで良いのかなと、少し気になりました。

 それと、18ページの上、2行目、ついでながらお話しさせていただくと、「波及的影響を考慮する原子炉建屋」、この「波及的影響を考慮する」という表現が、私自身はよくわからなかった。この文言の必要性について、お尋ねしたいということです。

【丹沢主査代理】  それでは、2点、ご指摘がありましたが。

【林安全審査官】  『短期許容応力度以下』という語句については、概念的に、只今、伊藤委員のおっしゃったとおり、『短期許容応力度以下の小さな応力』という表現が適切なような気がします。

 建築の分野では、終局強度よりも、許容応力度の方が判断基準としては厳しく、その基準値以下であるから、鉄筋としても降伏を迎えていないと、頭の中で整理し、このような表現としてしまったような気がします。

 伊藤委員のご指摘の内容の方が、分かり易いようであれば、そちらの方で検討したいと思っておりますが、少し検討させて下さい。

【鎌倉保安管理企画官】  それと、波及的影響を考慮するというのは、これは安全委員会の指針に載っていて、今回、我々、耐震安全性の評価を実施していただく上で、炉心の燃料が損傷して周辺公衆が5mSvを超えるか超えないかによって評価するというこの建物については、壊れて炉心に影響を及ぼすかどうかということを検討する。そういう意味での波及的影響を考慮するということです。

【伊藤委員】  よろしいですか。それはよくわかりますが、今、耐震安全性評価の話をしているのに、ここで波及的影響を考慮すると言うと、別に何かこの耐震安全性の評価のための波及的影響があるようなことをあたかも言っていると思うのです。

 したがって、私は、この原子炉建屋の耐震安全性を確保されているものと判断するということだけで、十分ではないかなということですが。

 何かほかに、耐震安全性評価を考える上で波及的な影響というのは、他にあるのかなという余計なことを考えたくなるものですから。

 削除しても良いのではないかということです。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。わかりました。

 原子炉建屋の位置付けを説明する上で、波及的影響を考慮するという文言をつけ加えておりますが、先生のおっしゃるとおり必要ないと思われますので、ここは削除させていただきたいと思います。

【丹沢主査代理】  それでは、そのようなことで、先生、そういうような趣旨で。

【伊藤委員】  はい。結構です。

 文言については、専門外なのでお任せいたします、よろしくお願いいたします。

【林安全審査官】  はい。

【丹沢主査代理】  上之薗委員、どうぞ。

【上之薗委員】  1つ。よろしいですか。

 22ページの下の方の2がありますが、ここはひずみのことしか記載されていません。耐力については記載されておりませんが、これで良いのですか。

 例えば、17ページの真中の少し上の1、ここには、耐力とひずみのことを確認していることの記載がなされておりますが、22ページの方には、記載されなくても良いですか。

 ひずみだけを確認した訳ではなかったため、両方の内容について記載した方が良いと思います。

【林安全審査官】  はい、追記いたします。失礼しました。

【上之薗委員】  それと、もう1点ですが、資料2-3では、原子炉建屋裏側の原子炉棟の耐震診断的なことを行っておりますが、評価書案ではこの内容について盛り込まなくても良いのですか。

【林安全審査官】  一応、確認対象から外れているため、評価書案には記載しておりません。

【上之薗委員】  わかりました。報告書にはありますので、良いと思います。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 大分いろいろご意見をいただいて、改めて検討する部分もあるように受けとめておりますけれども。

【林安全審査官】  はい。

【丹沢主査代理】  時間も残り少ないといいますか、時間も迫っておりますけれども、先生方のほうから、そのほかに、是非、この場でというご指摘等がございますか。

【和田委員】  臨機応変とか、記載のないことを行うとか、そのようなことにすごく抵抗があるのだと思いますが。臨機応変という意味で、記載されていることを行わないのは、やってはいけないと思いますが、記載のないことを行うことは、構わないと思います。そのようにしていかないと、発展が止まってしまいます。

 この何年か前に決定したルールに、記載してあることしか、行ってはいけないなどということを言ってはいけないと思います。

 東京電力などにも、当方の卒業生が何人もおりますが、臨機応変の対応で、これぐらいのことは良いとか、こんなひび割れは発見したが出さなくて良いとか、なるべくそのような対応を取るべきではないと注意しております。そうしないと、全ての者が、都合良いように、良いように行ってしまいます。

 先ほど、発言したとおり、ルールに書いてあるから、その線路の上に乗って、ただ走れば良いというやり方をした場合、さまざまなことを見落としてしまうと思います。

 今回のことだけではなく、少なくとも、文部科学省はこのように行っていただかないと、一般的な建物を設計する技術者は、敷かれた線路の上を走っている人が99パーセントです、ここでの確認も同様になってしまったのではどうしようもないと思い、先ほどから発言させていただきました。

【丹沢主査代理】  最初にご指摘があったのと同じような趣旨のこと。

【和田委員】  はい。応答スペクトルについても、報告書、評価書案両方に盛り込んでいただきたいと思います。

【林安全審査官】  はい。わかりました。

【丹沢主査代理】  まだご意見等あるかとは思いますが、もしご指摘等ありましたら、メール等でいただくということで、いずれにしましても、本日、幾つもご指摘、ご意見をいただきました。

 この辺につきましては、主査であります二ノ方先生には、きちんと報告をしていただいて、改めて、評価書案の必要な修正等については、事務局の方で、二ノ方先生、それから、一応、本日、進行役をさせていただいている私とで、取りまとめをさせていただくということでよろしゅうございますか。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。いろいろとご意見等ありがとうございました。本日、種々ご意見がございましたので、次回の会合で、改めて、この評価書案を、再度、ご確認いただければと思っております。

 内容については、追記等するに当たりまして、かなり専門性が高いため、専門の先生方にご相談させていただきながら、評価書案を修文させていただければと思っております。

 次回の会合で、最終的な確認をとらせていただきたいと思います。その後、確認がとれた後に、安全委員会の方に報告という運びになろうかと思います。

 それと、和田委員から、京都大学の一次冷却配管を支持しているサポートのアンカーボルトについてコメントがございましたが、それについても、事務局の方で、確認をするということにさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

【丹沢主査代理】  只今、事務局からのご提案で、次回の会合の際に、この後、また予定等についてはご報告があるかと思いますが、本日、さまざまご意見いただいた点について、再度、評価書案の記載内容のポイントとして、ご説明させていただくということで、そういうご提案ですけれども、よろしゅうございますか。どうもありがとうございます。

 それでは、本日、予定としておりました議題は。

【翠川委員】  よろしいですか。

【丹沢主査代理】  はい。

【翠川委員】  1つだけお願いですが、この京都大学から出ている報告書のところで、先ほどの超過確率のことが、結果が出ているのですが、その説明が非常に淡白というか、例えば、4-17ページからございますけれども、例えば4-18ページをめくると、2行目にロジックツリーの設定を図4.6.1-1に示すとあるのですが、これは非常に重要な図ですが、図を示すだけで、これの図の説明がありません。

 少なくとも、このロジックツリーの設定について少し説明を書いていただかないと、資料としては、やはり十分なものにはならないのではないかと感じましたので、少し記述を入れていただければと思います。

【丹沢主査代理】  行間をもう少し埋めてくださいと、そういうふうな意味合いですか。

【翠川委員】  ええ。というか、少し記述していただきたいと思います。

 単に、図を示すだけではなく、図の説明等を追記いただいたら良いと思います。

【丹沢主査代理】  そういうご意見でございますので、よろしくお願いします。

【川辺先生】  はい。説明を追加させていただきます。

【丹沢主査代理】  では、よろしゅうございますか。本日、さまざまなご意見等、活発にしていただきましてありがとうございました。また、傍聴の皆様も議事進行にご協力ありがとうございました。

 それでは、本日のワーキンググループを閉会ということにさせていただきたいと思いますが、あと事務局のほうで。

【鎌倉保安管理企画官】  本日はご議論いただきましてありがとうございました。先ほどの繰り返しになりますが、本日のKURの評価書案については、次回の会合で、また改めて、ご確認いただきたいと思っております。

 それから、日本原子力開発機構の耐震安全評価についても、今月下旬に東海地区の地質調査結果、基準地震動に係る報告書が提出される予定になっております。したがって、次回の会合では、日本原子力開発機構の地質関係の審議と、KURの評価書案のご確認をいただく予定しておりますので、引き続き、先生方におかれましては、よろしくお願いしたいと思っております。

 以上でございます。

【丹沢主査代理】  どうもありがとうございました。

 それでは、事務局のほうへ戻したいと思いますが、もうよろしゅうございますか。本日は、どうもありがとうございました。

【吉田原子力規制室長】  どうもありがとうございました。

── 了 ──

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