クリアランス技術検討ワーキンググループ(第14回) 議事要旨

1.日時

平成21年11月25日(水曜日) 10時00分~12時30分

2.場所

文部科学省 15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. RI汚染物のクリアランス判断に係る技術的課題の整理について
  2. クリアランスレベルの算出に用いるシナリオ等の妥当性評価に関する検討について
  3. 報告書(骨子案)について
  4. その他

4.出席者

委員

近藤主査、飯本委員、石田委員、上蓑委員、木村委員、服部委員、古川委員、森本委員

文部科学省

明野原子力安全課長、中矢放射線規制室長、井上放射線安全企画官、石井専門官

5.配布資料

資料第14-1号:第13回クリアランス技術検討ワーキンググループ議事概要(案)
資料第14-2-1号:資料第13-8号:RI汚染物のクリアランス判断に係る技術的課題の整理(案)に対するコメント及びその対応について
資料第14-2-2号:RI汚染物のクリアランス判断に係る技術的課題の整理(修正案)
資料第14-3号:クリアランスレベルの算出に用いるシナリオ等の妥当性評価に関する検討について(案)
資料第14-4号:報告書「放射線障害防止法におけるクリアランス制度の導入に係る技術的検討について(骨子案)」
参考資料1:クリアランス技術検討ワーキンググループ委員名簿
参考資料2:ウラン取扱施設に係るクリアランスレベルの確率論的解析

6.議事要旨

(1)資料第14-1号の第13回クリアランス技術検討ワーキンググループ議事概要(案)について近藤主査から、修正すべき点等があれば、会合の1週間後までに事務局へ連絡するよう確認がなされた。

(2)資料第14-2-1号、資料第14-2-2号に基づき、事務局から、RI汚染物のクリアランス判断に係る技術的課題の整理について説明が行われた。
 委員からの主な質問及び意見は以下のとおり。

【服部委員】資料第14-2-1号のコメント11について、クリアランスの判断をするときの測定の要件として、検出下限値はクリアランスレベルの100分の1から1,000分の1が必要だとあるが、どこまでの測定がほんとうに必要なのかという議論が必要。原子炉等規制法のクリアランス測定の議論を原子力学会で行ったときは、検出限界が満足されていれば十分であるというのが学会としての見解であった。
 コメントの13について、評価単位の中に測定下限量と絡めた形で評価単位を設定するということになっているが、もともとの評価単位は、ある程度の物量、放射能量を集めないと測れないからという意識があると思うが、それが測れる、測れないというのは放射能量をどう測れるかという議論であって、ここで言っている評価単位というのは、これはクリアランスの話であるから濃度のことであり、どれぐらいの重量で割り返して平均化してよいかという議論であるから、どちらかというと測定下限量ということではなくて、リンクするとすれば均一性の確保の議論にリンクするのだと思う。測定下限量と評価単位の議論を、私は一緒にするべきではないと思っている。評価単位は、クリアランスレベルを算出する際、どういう想定を算出、あるいは導出したかというところに一番依存する話であって、測定下限量とリンクさせて、数値を決めるのではなく、測定する者の種選択肢というかオプションであって、そこは要件ではない。
【古川委員】コメント13については、測定の下限などを言っているのではなくて、前回の議論で、例えば一千数百ある事業所が何か標準化などをするときに、何かの学界標準とかそういうのを要するに考えなければいけないという議論があって、それを念頭に置いて、測定というよりはむしろ標準化のために例えばこのような考え方をしたらどうかといった観点で出したものであり、下限値とは全然関係ない。例えばこのような形で産業廃棄物のサンプリングの仕方だとかそういうのを考えながら、均一性だとかそのユニット、要するにバルクの考え方を用いてはどうかというコメントである。こういっては失礼だが、RI事業所は能力の偏りがある可能性が高く、それは原子炉施設とは違い、そのために面倒見をする必要があるのではないかというコメントである。
【近藤主査】減衰に基づくクリアランス判断について、確認の際に測定が条件になるのか、ならないのか、それとも何か担保するような証明するようなものがあって、それをもってよしとするのかなど、いろいろな議論があると思う。RI事業所は、均一性や評価単位などが事業所で様々であることから、それを十把一からげでやることは到底できない。かなりきめ細かく対応して見ていく必要があり、今後の課題である。焼却したときに出る焼却灰については、かなりの均一性が確保できると考えるが、これを示すようなデータなどがないか。
【古川委員】実際のところ、現在、弊社の中で調査を進めているというのが現状。灰というと、何となく均一性があるとかある程度さらさらしているというイメージがあると思われるが、実際はそういうものではない。廃棄物であるからいろいろな夾雑物が当然混じっており、それをどういう形で粒径を整え、どういう測定をし、どういうデータをとっていくのか、実際はそういう形で調査を進めている。
【森本委員】コメント11について、検出下限値はクリアランスレベルと比べて充分下回ったほうがよろしいのではないか、3シグマで決めた検出下限値というのは、少なくとも常識的にクリアランスレベル以下でなければいけないということを申し上げたもの。実際のクリアランス対象物には、複数の核種が入っていて、複数入れば分数和をとることになり、さらに低いレベルを測定することになるため、低めの値を測定するような条件の測定方法を選んだほうがよいということでコメントさせていただいた。
【中矢放射線規制室長】測定手法、測定技術に関しては、ある意味学会の議論になじむものであると思う。委員からのコメントにあったように、クリアランスWGで議論することと、学会に任せるような部分は区分して、クリアランスWGでは、技術的な測定手法、測定技術を使ってどう判断するのかといった議論をしていただければと思う。

(3)資料第14-3号に基づき、事務局から、クリアランスレベルの算出に用いるシナリオ等の妥当性評価に関する検討について説明が行われた。
 委員からの主な質問及び意見は以下のとおり。

【服部委員】5ページ目の(5)確率論的解析の結果を踏まえた評価パラメータ等の見直しの2のところなどに「97.5%下限値が100μSv/年を超えないことを確認」と書いてあるが、97.5%下限値というのは放射能濃度であり、100μSvは直接確認できない。ここは、もう少し書き方を工夫する必要がある。
【近藤主査】シナリオ等の妥当性については、物量が少ないから、保守性だからといって大きいほうだけを行えばいいという書き方をしているが、個別クリアランスについては個別クリアランスのシナリオが妥当性であったかどうかということも、ここでは議論すべきではないか。その上で、実際に放射線障害防止法に規定すべきクリアランスレベルをどう設定するのかという議論があるのではないか。
【中矢放射線規制室長】大規模と小規模では物量に関するパラメータが違っているが、クリアランスレベルの算出結果は、小規模のほうが厳しくなっているなど、逆転した結果になっていないということは、一応確認できている。これを踏まえ大規模と一括のクリアランスレベルを使うこととすれば、クリアランスを行いたい申請者を特定する必要はないと言えると思う。そういう意味で大規模と一括クリアランスについてきちんとパラメータの妥当性とかシナリオをきちんと確認しておけば、次のステップに進めると考えている。
【木村委員】規制のやり方で変わってくると思うが、1つのクリアランスレベルを設定するというのであれば、大規模から小規模まで含めたクリアランス対象物量の分布で評価すればよいのではないか。
【石井専門官】この資料の内容については、理解しづらい部分があると思うので、報告書への記載内容は、委員各位と相談させていただき事務局として修正案を出させていただく。

(4)資料第14-4号に基づき、事務局から、報告書(骨子案)について説明が行われた。
 委員からの主な質問及び意見は以下のとおり。

【古川委員】この報告の位置づけはどうなるのか。
【中矢放射線規制室長】法改正に向けて行っているものであり、ここまで結論が一応出ているという形にしたいと考えている。
【飯本委員】3章の仕分けについての提案であるが、全体を並べているが、大きくこれは3つか4つに分けたらどうかと思う。1つ目は、今3.1.1と書いてあるものは、どういう物量があるなど、まさに現場のデータが出てきているもので、これを3.1に、3.1.2から3.1.6までを3.2クリアランスレベルの算出として、3.1.7とある国際的なクリアランスレベルとの比較と検討を3.3にして、全体をまとめる形の3.4があると、据わりがよくて課題が見やすくなるのではないかと思う。

(5)事務局から、次回のクリアランス技術検討ワーキンググループは12月16日(水曜日)に開催予定であることが伝えられた。

以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室

(科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室)