放射線安全規制検討会(第26回) 議事録

1.日時

平成21年5月21日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 5階 3会議室

3.議題

  1. 放射線障害防止法におけるクリアランス制度導入について
  2. その他

4.出席者

委員

小佐古座長、近藤座長代理、大森委員、木村委員、日下部委員、草間委員、
反保委員、蜂谷委員、古川委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員、
米原委員

文部科学省

黒木原子力安全課長、中矢放射線規制室長、桐生放射線安全企画官、粟辻原子力安全課長補佐、服部放射線規制室長補佐 他

5.配付資料

資料第26-1号:第25回放射線安全規制検討会議事録(案)
資料第26-2号:クリアランス制度導入等に係る制度設計の基本方針(案)
資料第26-3号:クリアランス判断方法の検討に関する基本方針(案)
資料第26-4号:放射線障害防止法に規定するクリアランスレベルの設定に係る基本方針(案)
資料第26-5号:今後の検討の進め方(案)
参考資料1:放射線安全規制検討会委員名簿
参考資料2:クリアランス技術検討ワーキンググループの設置について

6.議事録

○資料第26-1号に基づき、第25回放射線安全規制検討会の議事録(案)の報告が行なわれ、コメント等があれば検討会終了後1週間以内に事務局まで連絡することになった。
○資料第26-2号、資料第26-3号、資料第26-4号、資料第26-5号に基づき、事務局よりクリアランス制度についての説明がなされた。
○資料第26-2号、資料第26-3号、資料第26-4号、資料第26-5号については、本会合において確定せず、次回に再度検討することとなった。

主な質疑応答

<資料第26-2号関係>
(制度設計の基本方針(案)について)

【山口委員】クリアランス後の行先を限定した場合の汚染拡大は防止しうることも考えられるので、事業者の需要があれば検討の余地をのこしておいてもよいのではないか。

【小佐古座長】資料第26-2号の条件付クリアランスと無条件クリアランスは、少し過去の定義と違うのではないかと考えられる。条件を付けるということは、クリアランスレベル設定におけるシナリオに条件を付けて行く先が限定されることであり、実際にクリアランスされたものをトレースする必要はない。
 別添1の3ページにおいて、核種組成比(SF法)の適用に否定的な記述をしているが、相関関係を得ることにより放射線障害防止法下の施設でもSF法を適用できる可能性がある。

【草間委員】核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、「原子炉等規制法」という。)では、対象物が限定的であるが、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下、「放射線障害防止法」という。)では、可燃物等も含めて多様な物を対象として検討されるため、行く先を限定することは制度として成立させることが難しいと考えられる。

【中矢放射線規制室長】クリアランスの制度設計は、クリアランス対象物をどのような場所に持ち出しても大丈夫であるものを前提として考えており、それを担保するためにクリアランスレベルは、網羅性を考慮した適切なシナリオに基づき設定することになる。
 別添1の3ページにおけるSF法に関する記載は、非密封放射性同位元素のRI汚染物のクリアランス判断時には、放射化に基づくSF法は使用できないのではないかという意味であり、SF法全てを否定しているわけでない。放射線発生装置による放射化物等に対しては適用可能と考えており、本検討会の下に設置するワーキンググループで検討していただく予定である。

【黒木原子力安全課長】事務局では、例えば、敷石に使われることを条件としてクリアランスする場合に、その用途に使われるところまでを国が関知するという意味で条件付クリアランス制度を位置付けている。そして、事業者の需要が多い場合には、条件に対する法的担保を考慮したうえで、必要があれば制度導入も検討することを考えていた。
 クリアランスレベル設定においてシナリオに一定の条件をつけることについては、放射線障害防止法では対象物の行き先に制限を設けない方針なので、シナリオ選定をどうするのかが難しい話となる。ただし、対象物に応じてクリアランスレベルが変わるということは考えられる。

【山本(英)委員】クリアランスされるものの性状に依存して、クリアランス後の行く先などの条件が決定されることがあり、それに応じたシナリオでクリアランスレベルが設定されるものもあると考えられる。

【小佐古座長】原子炉等規制法では、大物量を想定してクリランスレベルを決めており、放射線障害防止法では、そのような大物量が想定される施設は少ないと考えられ、小物量に基づくシナリオで計算してレベルを設定できる可能性がある。

【草間委員】放射線障害防止法の施設は、原子炉等規制法の施設に比べて加速器施設等の多種多様な施設があるため、クリアランスされたものの行く先を限定しないという意味での無条件にする必要がある。但し、そのクリアランスレベル設定にあたっては、国民に納得いただける合理的なシナリオをクリアランス技術検討ワーキンググループで検討していただきたい。

【米原委員】無条件クリアランス、条件付クリアランスの表現は、理解しにくい。どのような条件にでも適用するクリアランスレベルは、国際的にも使われている一般クリアランスレベルと記載すれば良い。個々の条件の場合は、個々の条件のクリアランスレベルを適用すると記載すれば良いと考える。

【黒木原子力安全課長】条件付クリアランスについては、実際にクリアランスを適用する際に条件を付けることにより、その行く先等に法的担保を求める話と、クリアランスレベル設定時に、そのシナリオに対して一定の条件を付ける話とが混同しているため、事務局で検討して資料を修正したい。

 <資料第26-3号、資料第26-4号、資料第26-5号関係>
(制度設計について、判断方法の検討について、今後の検討の進め方について)

【草間委員】資料第26-3号ページ3の2.放射線障害防止法における検討の考え方で、「放射線障害防止法における他の規定(排気、排水等)との整合性に十分配慮し」とあるが、排気・排水については公衆の被ばく限度1mSv/年から導かれており、これをクリランスレベルで行うことと読まれることも考えられるため、この文は除いていただきたい。

【山本(英)委員】この文章の趣旨は、排気・排水の濃度限度の基準の概念をクリアランスレベルの概念に取り入れることではなく、測定、記録等の管理体制を同様にしたいことを述べており、本文を「放射線障害防止法における他の規定との整合性に十分配慮し」とされたい。

以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)