資料第28-3号:クリアランス制度導入等に係る制度設計の基本方針(案)

平成21年7月30日
放射線規制室

(下線:修正箇所)

クリアランス制度導入等に係る制度設計にあたり、次のような基本方針で検討を進めたい。

1.原子炉等規制法(*1) に準じたクリアランス制度の導入
2.放射化物に対する安全規制の導入
3.廃止措置計画の届出化
  等

 (*1)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律

 基本方針の内容は以下のとおりである。この内容について放射線安全規制検討会の議論を経て、放射線障害防止法(*2) 改正の準備を進めたい。また、政省令・告示等に定める具体的な内容は、引き続き放射線安全規制検討会及びクリアランスWG(*3)で検討を進め、本年12月頃までに法改正作業に資するためのとりまとめ、さらに平成22年11月頃までに政省令・告示等整備に資するためのとりまとめをそれぞれ行う。

 (*2)放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
 (*3)クリアランス技術検討ワーキンググループ

1.原子炉等規制法に準じたクリアランス制度の導入

 今回の放射線障害防止法の改正では、原子炉等規制法に準じたクリアランス制度を導入する。但し、具体的なクリアランス対象物の判断方法については、放射性同位元素や放射線発生装置の使用状況、RI汚染物の発生実態等を踏まえ、原子炉等規制法における判断方法に加え、放射線障害防止法独自の判断方法も検討し、採用していくこととする。また、設定するクリアランスレベルについても、対象物(コンクリート、金属、可燃物[焼却灰]等)によって有意な差が生じ、クリアランス判断時に実効性のある分類・判断が可能と考えられる場合、放射線障害防止法において対象物の種類に応じたクリアランスレベルを設定することを必要に応じて考慮する。
 法律で規定する主な内容は、次のとおり。
・使用者等が行う放射能濃度の評価方法等に認可をすること。
・認可された方法に基づいて使用者が評価した放射能濃度等について、国又は登録機関が確認をすること。
・クリアランスされた物は、関係法令において放射性物質によって汚染された物ではないものとして扱うこと。
・登録機関の登録基準及び登録機関に課する義務に関すること。

2.放射化物に対する安全規制の導入

 放射線障害防止法に位置付けられていない放射線発生装置の使用に伴い生じる放射化物について、安全規制体系に取り込み、さらにクリアランス制度も適用可能とするため、放射線障害防止法に位置付ける。なお、現状では、平成10年10月に当時の科学技術庁が「放射線発生装置使用施設における放射化物の取扱いについて」(原子力安全局放射線安全課長通知。以下、「平成10年度放射化物課長通知」という。)をとりまとめ、関係事業者に対して装置本体及び実験機器を対象に放射化物の取扱いにおける安全管理上の留意事項を周知、徹底している。
 放射化物に対する安全規制の導入方針は、次のとおりである。

(1) 「放射性同位元素によって汚染された物(放射線発生装置の使用に伴い生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物を含む。)」として、放射化物を放射線障害防止法に位置付ける。

(2) 省令・告示等に定める具体的な基準については、実態を踏まえて策定することが重要である。そこで、クリアランスWG(必要に応じて別途ワーキンググループを設置)において、事業者の意見を聴取しながら検討を進めることとする。クリアランスWGにおいて検討する主な事項は、次のとおりとする。
 ・  放射化物の判断基準
 放射化物の判断基準(放射化の有無、その程度に応じた取扱い区分)を、放射化物の管理実態、平成10年度放射化物課長通知におけるカテゴリー区分、「原子力施設における「放射性廃棄物でない廃棄物」の取扱いに関する報告書」(平成19年10月 総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 廃棄物安全小委員会)等を考慮して検討する。
 ・  放射化物の取扱い
 使用・再使用・保管・廃棄等、放射化物の取扱い実態(液体・気体を含む)や放射線発生装置の規模・仕様を踏まえた検討を行う。

3.廃止措置計画の届出化

 放射線障害防止法では、放射性同位元素の使用等を廃止したときは、廃止措置報告を30日以内に行うよう求めているが、廃止する施設の大規模化やクリアランス判断に必要な期間等を考慮し、30日以内に廃止措置報告を求めることを変更する。今後は、廃止届とともに廃止措置計画書を提出させることとし、廃止措置が終了した後に、その措置を報告させることとする。

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科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)