研究炉等安全規制検討会 技術ワーキンググループ(第9回) 議事録

1.日時

平成22年2月4日(木曜日)14時30分から16時00分

2.場所

テクノ交流館リコッティ 3階会議室1、2
(茨城県那珂郡東海村)

3.議題

  1. 1.ウランを取り扱う施設におけるクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項について
  2. (1)日本原子力学会標準の整備状況について
  3. (2)ウランクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項について
  4. 2.その他

4.配布資料

資料9-1 日本原子力学会標準原案「ウラン・TRU取扱施設におけるクリアランスの判断方法:20XX」(中間報告書)
資料9-2 日本原子力学会標準原案「ウラン・TRU取扱施設におけるクリアランスの判断方法」の考え方(概要)
資料9-3 ウランクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項について

参考資料1   諸外国におけるウランクリアランスの制度の整備状況
参考資料2   諸外国におけるウランクリアランスの制度の整備状況(概要)
参考資料3   研究炉等安全規制検討会第8回技術ワーキンググループの速記録

5.速記録(第9回技術ワーキンググループ)

研究炉等安全規制検討会
第9回技術ワーキンググループ

平成22年2月4日

【鎌倉保安管理企画官】  それでは、予定の時間になりましたので、研究炉等安全規制検討会技術ワーキング第9回会合を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、お忙しい中ご出席いただきまして御礼申し上げます。

 本日、ワーキンググループ終了後、東海地区内にありますウラン取扱施設の現地調査を予定しております。その関係で、ワーキンググループの会合は、予定しております16時には終了したいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、川上主査、よろしくお願いいたします。

【川上主査】  それでは、早速始めたいと思いますが、まず、本日の配付資料につきまして、事務局から確認をお願いいたします。

【益田係員】  それでは、お手元の議事次第に沿いまして、配付資料の確認をお願いします。

 まず、資料9-1といたしまして、日本原子力学会標準原案「ウラン・TRU取扱施設におけるクリアランスの判断方法」(中間報告書)、資料9-2といたしまして、日本原子力学会標準原案「ウラン・TRU取扱施設におけるクリアランスの判断方法」の考え方(概要)、資料9-3といたしまして、ウランクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項について、参考資料1といたしまして、諸外国におけるウランクリアランスの制度の整備状況、参考資料2といたしまして、諸外国におけるウランクリアランスの制度の整備状況(概要)、参考資料3といたしまして、研究炉等安全規制検討会第8回技術ワーキンググループの速記録です。また、机上の赤ファイルの中に、常備資料といたしまして、ウランクリアランスに関係する資料をご用意させていただきました。中身ですが、資料は5つございまして、ウラン取扱施設におけるクリアランスレベルについて、RS-G-1.7の概要について、原子炉施設におけるクリアランスレベル検認のあり方について、技術的要件及び留意すべき事項について、そして、関連法令についてです。こちらの資料ですが、次回以降、机の上にご用意させていただきますので、本日のワーキングが終わりましたら、机の上に残していただくよう、お願いいたします。不足等がございましたら、事務局までお申しつけ願います。

 以上です。

【川上主査】  ありがとうございました。資料はよろしいでしょうか。

 それでは、最初の議題でございます。ウランを取り扱う施設におけるクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項についてに入りたいと思います。

 まず、日本原子力学会で策定中の学会標準につきまして、学会の標準委員会委員と同時に当ワーキンググループのメンバーでもございます安念委員、それから、日本原子力研究開発機構の武部さんから、ご説明をいただくことにしております。またあわせて、海外のウランクリアランス制度の状況についてもご報告をいただきます。

 それでは、安念委員、武部さん、よろしくお願いいたします。

【安念委員】  それでは、資料9-1と9-2について説明させていただきます。

 資料9-1は今回の原案そのものということで、今回ここで詳細に説明することは、時間的な都合がありまして省略させていただきます。中身を資料9-2に書いてございますので、これに沿って、ご説明申し上げたいと考えております。それでは、順次説明させていただきます。

 最初に2ページ目ですが、今回の学会標準案の策定に係る経緯と書いておりますけれども、クリアランスの判断の方法に関しては、既に原子炉施設を対象にした学会標準ができてございます。これは2005年につくられておりますけれども、それとは別に、今回、実際に含まれる対象となる核種、対象物、汚染源、そういうものがいろいろと異なってございますので、ウランについては別に標準が必要だろうということで、今回、一番下にありますようなウラン・TRU取扱施設におけるクリアランスの判断方法ということで、学会として検討しましょうということになりました。この検認分科会の主査は井口先生でありまして、そのほか、そこにある委員15名で構成されております。

 3ページ目ですが、この標準の経緯の中で、立ち上がりが平成19年5月、以降これまでに8回ほど分科会が開かれてございます。第7回、昨年21年11月に、中間報告としてまとめられております。その後、原子燃料サイクル専門部会に12月2日、それから標準委員会に12月11日にそれぞれ報告いたしまして、大きなコメントがなかったので、その後、実際の原案をつくりましょうということで、その原案が今年の1月の末に、この分科会で決議されるという状況に至ってございます。

 続きまして4ページでございますが、この標準の主な構成を示しております。本体は1.適用範囲から9.品質保証までの9カ条と、AからMの13の附属書、解説、そのような形で構成されております。附属書DとGとKについては一応規定ということにしてございまして、本体の一部をなすというふうに考えてございます。

 5ページ目でありますが、標準の実際の流れを示したもので、クリアランス判断の方法の流れを示したものでございます。事前調査を行いまして、対象物とするに適切かどうかということをやって、それから、そこに含まれる核種はどういうものであるか、評価の対象とする核種は何になるのかということを決めまして、実際の評価の単位、どういうまとまりでそれを評価するのか、それから、そういう手順をどのような形で濃度を測定して、どう決定するのかという濃度を測定、決定する方法、それから、実際のクリアランスの判断、こういう一連の流れでございます。この流れについては、先の2005年の炉標準と同じでありまして、それとほぼ同じ形で、右側にあるような形で実際の中身を決めてございます。以下、この流れに沿って、ご説明申し上げたいと思います。

 6ページにいきますが、事前調査の中では、ウラン取扱施設について、主な汚染源の核種としては、そこに書かれていますように、U-234、自然起源と書いてありますけど3核種、それから、人工起源に関してはウランについては2核種、そのほか、商業グレードウランとか濃縮回収ウランには、量は少ないものの、人工核種が別に含まれているというものでございます。

 7ページ目ですが、汚染源としてのウランの比放射能を示したものであります。左側のグラフは、濃縮度がいろいろ変わったときに、比放射能がどう変わるかを示したものでございます。濃縮度が高くなるにつれて、ウランを赤く示していますが、U-234の比重、放射能が非常に大きく割合が増えていることがわかります。右側のグラフは、それを割合として示したものでございます。濃縮度が低いと238の比率が高くて、それから、濃縮度が高まるに従って、U-234の比重が高くなっていることが見てとれます。

 1ページ飛ばして9ページ、実際のいろんなデータをとって、その比率がどうなっているかを示したのがこのグラフであります。α線の比放射能を横軸にとって、そのときの核種の存在比、放射能割合を縦軸にしたものでございます。見られるとおり、比放射能と核種存在比の間にはそういう関係がありまして、U-238については比放射能が高くなり、したがって、その比重が極端に落ちる。それから、U-234については、逆に比放射能が上がると非常に高くなるという関係が決まってきます。したがって、例えば濃縮度が全くわからないという場合にあっては、一元的にこのグラフのどの数値を採用するかということになります、この中で一番最大値として見てとれるものでとったほうが一番安全側だといえる。例えばU-234であれば、そこに黒く示していますが、最大で0.88、238であれば比放射能の低いところで0.83、これがすべてのスペクトルの中で最大ですので、測られた線量からその割合を掛けて、その放射能とみなすことが妥当ではないかという考え方がとれるということです。これは一応、配分係数ということで設定する、今そういう考え方をとっております。

 ちょっと戻りますけれども8ページ、対象となるものは金属、コンクリートであって、汚染性状として、そういうものがある。コンクリートでは表面付着・浸透と書かれてありますけど、そういうものは考えられるんですが、この標準では浸透については取り扱っていないということでございます。それから、形状・形態等については、そういうものがあるということでございます。

 10ページ、学会標準の適用範囲でありますが、先ほどウラン取扱施設についての内容をある程度説明したわけでありますが、そのほかに、同じα放出核種、長寿命ということで特徴が同じであるTRU施設についても同じように取り扱いができるようにということで、両方について検討いたしてございます。適用する施設は、そこに書かれていますように、ウラン転換施設あるいはウラン濃縮施設、ウラン燃料加工施設、MOX燃料加工施設及び再処理施設、そういうところから発生した資材その他のものであって、発生する廃棄物あるいは解体物であって、固体状のものということでございます。該当する施設としては、原子炉等規制法に定める加工施設、再処理施設及び使用施設ということになります。このほか、ウランを取り扱うような大学、民間のところも、一応、範疇に入れております。クリアランス対象物としては、運転中に発生した廃棄物と廃止措置で発生した解体物ということでございます。

 11ページですが、評価対象核種の選定ということでございます。ウラン取扱施設については、そこにウランを使う3核種が掲げてありますが、そのほか人工核種というものがございます。これらの核種の選択に当たりましては、放射性廃棄物・廃止措置専門部会報告書、これは去年の10月に出ておりますが、そこで検討された核種を評価核種の候補として挙げることになってございます。TRU施設については、人工核種ということでありまして、右側の表でございますけれども、○印は、10月に開かれたウラン取扱施設におけるクリアランスレベルについて候補とされた核種でございます。

 11ページの人工核種については、評価対象核種の選定方法ということで12ページに記してございます。人工核種に関するD/C、すべての核種について計算して、大きいものから順番をつけて、全体の9割方の核種が含まれるように選択するというのが、このフローでございます。この考え方は、炉施設のクリアランス判断の方法と同じでございます。

 TRU取扱施設についてはそのような形で選ぶということですが、評価対象核種の最初の候補としては、11ページの右側に△印で示しておりますけど、そういうものが対象の候補として挙げられる。その候補から、12ページのフローを用いて核種を選択するということでございます。

 13ページに入りますが、それでは、選ばれた核種に対して、どのような形で計測し、まとまりとしてどういう評価単位を用いるかということでございますが、評価単位の設定ということで、取り扱う単位を示してございます。

 基本事項のところに書かれていますが、評価単位は、放射能濃度の分布の均一性、想定される放射能濃度を考慮し、適切な重量とするということで、適切な重量というのは、基本的には、数トン以内で設定するのが望ましいと考えてございます。この辺の評価の単位の重量は、いろいろ議論はありましたけれども、やっぱり炉標準と沿ったほうが望ましいということで、一応この範囲で考えるということで検討してございます。

 それから、基本事項の放射能濃度分布の均一性、想定される放射能濃度を考慮する、その単位として、一応、測定単位というものを設けておりまして、ページの下のところに書かれておりますが、評価単位内に1個または複数個設定する。このことで濃度分布の均一性等を求めていくということでございます。

 それから、この測定単位の濃度によって、真ん中に書かれています拡張、数トンからさらに拡張する場合、これができるということを考えてございます。条件として、そこに2つほど記してございます。これを満足すれば拡張することができる。

 ただ、分割して評価単位とすることができることも、一応、検討してございます。

 14ページでございますが、放射能濃度の評価方法ということでは、計測できる核種と計測できない核種がありますので、計測できる核種については、そこにある4つの方法を検討してございます。上の配分評価法というのは、今回新たにつけ加えられた評価方法でありますが、下の3つについては、炉標準と同様の考え方によるものです。配分評価法というのは、先ほど説明しましたように、濃縮度がわからない場合に、係数として一番高い比率がどれくらいあるかということをそれぞれ求めておいて、それを適用していく。その係数を使って評価をするということでございます。

 15ページ、計測困難な核種については、核種組成比法、平均放射能濃度法、相対比率計算法、これらの方法は、いずれも炉のクリアランス判断の方法と同様でありまして、同じような考え方がここでも用いることができるとしたものでございます。

 16ページにいきますが、それでは実際に使う測定器をどうするかということでございますが、測定器については、対象物の材質や形状、寸法、汚染性状、汚染核種、そういうものによっていろいろ異なってきますので、それを適切に選択してくださいということであります。下のほうにいろいろ、そういうところを見て適切に選んでくださいということでございます。

 17ページへいきますが、選んだ測定器について、代表的な測定器としては、そこに掲げたようなものがあります。これは例として示したものでございます。α線用測定器については、ZnSシンチレータ、サーベイメータとか、あるいは曲面α線測定器というものがあります。あと、間接法と書いてありますが、電離イオン測定器等がある。この間接法というのは、特に別のものを測ってということではありませんで、電離イオン式の場合は、α線を直接測るわけではなくて、空気を電離したものをイオンとして測るということで、そういう意味で間接と書いています。学会標準の中ではこういう分け方はしていませんけど、説明上、書かせていただきました。

 β、γについては18ページに記しています。これも皆さん、ありふれた測定器ということかもしれませが、一応、そういうものが使えるだろうということで挙げてございます。

 19ページでありますが、放射能濃度を限定する方法で、実際のものをどういうふうな組み合わせで使うかということでの例を示したものでございます。いろいろものがありますけれども、下に掲げた測定器が使用できるのではないかということで、一応書いてみたものです。

 20ページになりますけれども、測定条件の設定方法ということで、実際の測定に当たっては、1つは放射能換算係数の設定が重要になります。あと、測定条件の設定、その2つを設定する必要がある。放射能換算係数については、実際には標準線源の表面放出率と対象物の線源効率から放射能換算係数を求めてそれを適用することが一つのやり方。もう一つは、いろいろな装置で、ソフト等で組み込まれたり、あるいはシミュレーションをやって求める場合があります。そういう場合には、対象物の形状等に応じた放射能換算係数を使うということ。それから、測定においては、実際の測定器の放射能換算計算がちゃんと求められている、これは非常に重要なことでありまして、その換算計算を求める。それから、実際の測定に当たっては、検出限界値がありますので、それのいろんな誤差の標準偏差の3倍以上を測定するようにということで定めてございます。それを基本とするということでございます。検出限界の式については、ここでは3σ法、それから、欧米ではCurrie法ということで用いられています。両方比べた結果、ほとんど大差がないということで、どちらの方法も採用できるということにしております。

 21ページでございますが、計測の事例を示したものです。ZnSサーベイメータによる計測例で、一番左にサーベイメータ、皆さんご存じの一番簡単な、普通のメータでございますが、それを少し大がかりに装置化したものが右の写真でございます。これについては後でもう一度説明しますので、内容は省かせていただきます。

 次のページ、ZnSシンチレータ、α線の場合は、特徴としては、そこにありますように、空気中の飛程は約3センチぐらいしかいかないということで、測定物の間隔が非常に大事で、これをきちっと一定の距離を保つことが重要な留意事項ということになります。それから、同一性状・形状・履歴等による分類・整理と書いてございますが、そういう形態等をきっちりと整理しておくことが判断のためには重要になってくるということでございます。それから対象物としては、α線ということですので、さびとか、塗りこめとか、塗装とかがありますとα線が出ないとか、それが非常に妨害になりますので、この辺はきちっとした測定をしないといけない、(妨害が生じ)ない条件下で測るということが必要かと考えております。それから、複雑形状への対策。空気中であまり飛ばないものですから、距離の影響を受ける。ですので、あまり複雑な構造のものは測定に向かないことになりますので、測定できるような形に形状を制限されるということが出てきます。

 23ページですが、電離イオン式の場合は、同じように原理的にはα線から空気をイオン化して、そのイオンを測るということで、右下の写真のようなものが1つの装置の例でございます。制度としては、これは時間にもよるんですが、ここでは検出限界値、一応4Bqぐらい、100秒測定ということで示してございます。グラフは、ICP-MSで測定した結果と電離イオン式で測定した結果と、ほぼ相関性がいいということを示したものでございます。

 24ページ、電離イオン式の場合は空気に乗ったイオンを測定することになりますので、同じように、ちゃんと表面にさびとか塗装とかがないということが1つの条件になります。それから、空気に乱れがあっては測定に大きなエラーになりますので、やはり平面化──α線、先ほどのZnSシンチレータほどの平面化は必要ではありませんけれども、ある程度、空気の流通を阻害するようなものではあってはいけないということが1つの条件になります。それから、機材が帯電しているものは対象としないということです。これはイオン化に関係しますので、こういうものはできませんということです。

 それから、25ページにパッシブγの計測例を示しておりますが、写真にあるようなものが1つの装置の例でございます。U-235あるいはU-238から発するγ線をつかもうということであります。仮にここのグラフでは、ウランの濃度が0.1Bq/gぐらいのものをつかまえるとしたときに、どれくらいのγ線をつかまえなくてはいけないかといいますと、そこに約1けた下がった0.01Bqくらいの濃度を測定できないといけないということでございます。ここでは、センサーの数をいくつか変えたり、相対効率を変えた場合の、あくまでこれは計算例です。どれくらい時間がかかるかということを示しておりますけれども、全ウランで0.1(Bq/g)をしようとすると、その赤線で交わるところ、大体30時間から40時間ぐらいでしょうか、早いところでは20時間かな、相対効率が100%の場合は24時間になっていますけど、それくらいかかれば、ある程度、このオーダーに入ってくるというものでございます。

 このパッシブγについて、留意事項としては、分類・整理は同じようなことでありますけれども、対象物準備では、かさ密度1g/㎤ということで、あんまりたくさん入っていると、測定がかなり困難ということでございます。それから、放射能偏在の防止と書いていますが、なるべく均一にあったほうが測りやすいということで、やっぱり、そこの辺は気をつけないといけないということで書いております。

 27ページに入りますが、測定した結果、今得られた値をさっきの濃度換算の方法で濃度に置き直して評価します。その結果として濃度が出てきますけれども、その濃度でクリアランス判断をすることになります。

 まず、クリアランス判断の裕度と書いてありますが、これは炉標準と同じ考え方でありますけれども、大きくばらつく場合がある。例えば相対比率計算法とか、いろいろで求めた場合に、大きく桁が異なるような形で数値がばらつく場合がある。そういう場合には、クリアランス判断の裕度で判断をして、まず、裕度の是非をチェックする。その後、クリアランス判断にかけるということになります。ここでは、自然起源(核種)についてはD/Cについては1以下であること、人工起源については、D/Cの総和が1以下であることをクリアランス判断の基準としております。

 学会標準のまとめとしては、こういう内容の標準原案が今まとまったところでございますが、この後、さらに専門部会あるいは標準委員会に一度かけまして、そのコメントを踏まえて、これから見直しをしていこうと考えてございます。

 実際のクリアランスの実施例ということで、以下説明したいと思いますが、29枚目の資料、ここでは一応、ZnSシンチレーションを使った場合の測定方法、電離イオン、曲面α線測定の例ということで説明させていただきます。

 30ページ目に、代表的なαサーベイメータの写真を示しております。説明は割愛いたします。

 31ページ目では校正をどのようにするかを示しておりまして、機器効率(εi)それから線源効率(εs)というのがあります。εsというのはJISで決まっていまして0.25、それから機器効率については測定して求めるということになりますが、ここでは、36.2という数値を使っています。そうしますと換算係数として、一番下の行でありますが、11.05Bq/s-1)、そういう形で得られるということでございます。

 それを用いまして、次の32ページで、検出限界計数率というのは右の式であらわしてありますが、その式と先ほどの放射能換算係数を用いますと、検出限界放射能というのを求めることができまして、ここでは、2.21Bqということになってございます。あとは単純な計算になりますけれども、例えばこの測定面積の窓で、ステンレス平板と一番上に書いてありますけれども、仮に113グラムあったとすれば、数値としては0.039Bq/gとなります。今度はこれを核種ごとに割りつけなくてはいけないということでありますが、先ほど冒頭に言いましたように、配分係数を用いますと、そこにあるように、U-232については、得られた数値に対する0.83掛けをする、それから234については0.88掛けをするということで計算しますと、一番右側のような数値で求まるということでございます。ですから、これは検出限界放射能、これぐらいの濃度であれば、こういう数値が得られる。ですから、これ以上の濃度があれば、具体的な数値として出てくるということになります。

 電離イオン式ですが、33ページに示しております。原理はいいですね。それから写真で、これはこういうものだということで見ていただければいいんですけれども、測定室内部、これはあけたところであります。棚みたいにありますけれども、そこに測定物を置いて測定する。左側から空気が流れて、右側にイオンチャンバがありますが、そこにイオンが当たって、そのイオンを計測するものでございます。

 34ページですが、同じように、これの検出限界放射能というものが右の式のように与えられております。これから計算をすると、検出限界性能というのは、大体25Bqくらいの数値が得られるということでございます。仮に1キロのもので検出限界性能以下、25Bqの汚染があったとすれば限界ぎりぎりですが、このときの濃度としては、0.025Bq/gということになるかと思います。

 その辺の測定の流れのフローを次の35ページに示しておりまして、実際には換算係数を求めて、それから正味の係数を求めて、全放射能を求める。それから、実際の数値、それから、この放射能濃度から配分係数を用いてα核種別の放射能濃度に換算するという方法をとってございます。

 36ページですが、曲面α測定の例を書いています。これは原理的にはZnSシンチレータを用いたものでありまして、そこにある絵のような形で検出器が設置されています。これの場合は対象物が円筒でございますが、そういう形に挿入されて、この対象物を回転させながら、検出器で測定する装置でございます。

 37ページに実際の測定のフロー等を示しております。バックグランドを3回測って、それから対象物を設定し、自動測定で回転させながら測定をする。対象物の重量を測って濃度を評価する、こういう一連の作業になるかと思います。

 実際の仕様が38ページに書かれておりまして、ZnSシンチレータと、ほぼ似たりよったりの形状でございます。外側と内側とそれぞれ測定するということで、実際の対抗面の対象物に合った形に加工、先端部が常に一定の距離に保てるように形状を工夫しているところがみそでございます。

 それから39ページ、実際の使う条件を示したものでございます。

 40ページですが、真ん中の絵のところは、校正をどういうふうにするかを図で示しておりますけれども、下にある写真のような線状のものを対象物模擬材に張りつけまして、実際の測定と同じ条件で回転させて測定する。1から測定が開始されて2のほうまで測定する。そういう形で係数を求めることになります。そういう求められた数値から校正するということで、式1.1と1.2がそれぞれの校正式を示しております。

 41ページですが、α線ですので、距離に対して誤差の影響が非常に大きいということで、距離に対して相対誤差がどれくらいあるかを求めたものがこのグラフでありまして、測定間隔を4ミリ、7ミリ、10ミリと振ってございますが、そうしますと、相対誤差としては4%から8%ぐらいまで変動するということが求められております。そうした線源の特性を用いて、実際には評価をすることになるかと思います。

 42ページは、先ほどの核種存在比を求めるための比率です。こういうデータから核種存在比を求める。

 43ページには、実際求められた存在比が下の太枠でくくった表に書かれている。こういう核種存在比が求まる。この核種存在比を用いて計測された数値について割り振りをするということで、核種に対する濃度が評価できることになります。

 評価の方法は44ページに示しておりますが、一応そういう形の評価をベースに検討するということです。

 以上でございます。

【川上主査】  ありがとうございました。

 それでは続けますか。

【江頭安全審査調整官】  続けていただいてくので良いと思います。

【川上主査】  では、質問はまとめてお受けすることにいたします。

【説明者(武部)】  では、参考資料1と2とあるんですが、1は安全委員会のウラン廃棄物埋設検討小委員会の中で検討された、諸外国におけるウランクリアランス制度の整備状況という形で報告されたものですが、これはかなり長いので、そこをまとめたものが参考資料2になっています。内容的には一緒なので、詳しいところは参考資料1を見ていただきたいと思います。参考資料2の抜粋したもので説明させていただきます。

 国際原子力機関(IAEA)ですけれども、1996年にBSSの115『電離放射線に対する防護と放射線源の安全のための国際基本安全基準』を出版して、規制除外とか規制免除とかクリアランスの概念を示して、公衆に対する実効線量が10μSvオーダー以下、集団実効線量では1man・Svとする基本原則が示されています。また、中程度のものとしては、1トンオーダーまでのTh、U系列の天然放射性核種及び人工放射性核種の規制免除レベルが、U・nat──天然のものですけれども──及びU-238の免除レベルが1Bq/g及び10Bq/gであることが示されています。

 この概念を通してIAEAのRS-G-1.7が取りまとめられて、RS-G-1.7では大量の物質に対する規制除外または規制免除が適用できる放射能濃度が示されている。天然起源の放射性核種については、規制除外を適用して、世界の土壌中の放射能濃度分布上限に基づいて設定され、K-40が10Bq/g、それ以外の核種については1Bq/gと示されて、人工起源の放射性核種については、規制免除を適用して、基準線量を10μSv/yオーダー以下とする核種ごとの放射線濃度が示されているという状況になります。

 あと、EUでは、『電離放射線から危険に対する作業者及び一般公衆の健康防護のための基本的な安全基準』を加盟国共通の放射線原則として示されています。

 規制された行為から発生したものを対象とした一般クリアランスレベルに関するガイダンスRP122Part1が2000年に出版されて、このPart1では、物の材質及び行き先に関係なく適用可能な基準であると示されています。クリアランスレベルの導入に当たっては、天然起源の放射性核種についても、人工起源の放射性核種と同様のべースで計算されているのがPart1という形になります。

 また、一般クリアランスレベルの導入シナリオでは、他の物質との有意な混合が想定される期間までとして、親核種に含める子孫核種の範囲を100年間という形で限定してきています。100年間の子孫核種という考え方のもとに、これが計算されてきている。

 あと、代表的なウラン核種のクリアランスレベルの計算方法は、次のページに書かれているんですが、U-234が1Bq/g、235が1Bq/gと、数値的には詳しいほうには234が0.67、235は0.77、238は0.69と、この数値を丸めて1Bqであろうという形で、丸めた数値で1Bqということが示されています。

 あと、諸外国の例として、アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、フィンランド、ベルギーを一覧表にまとめたものが、後ろのページに示してあります。エクセルの表になっておりますが、それぞれの外国の、この文章に書かれた内容を一覧表に示した形でまとめてあります。

 一番左端にあるアメリカですけれども、NRCが制定した規制指針、RG1.86に沿って、規制当局の判断により、アメリカ独自の運用がなされている。今、エネルギー・ソリューションというアメリカの会社で一括的にやっていますけれども、KEKとか大強度加速器とか、そういうところに溶融された金属ですか、遮蔽体という形で、既にアメリカから機構の中に導入されている。現在、遮蔽ブロックとして使われているというような実績もあります。アメリカの場合は、どちらかというと、今言ったRP122に沿っているというよりも、独自の考え方で、クリアランスという概念ではなくて運用してきているというような状況になります。

 あと、カナダですけれども、クリアランス及び規制免除については「核物質及び放射線源の規制に関する規則」で決められており、カナダ原子力安全委員会(CNSC)の個別審査によって、ケース・バイ・ケースで実施されてきている。ただ、審査基準は公衆被曝で1mSv/yを基本として、運用上は数10μSvの上限値で審査されている。RS-G-1.7を参考に、これを取り込もうという動きではあるんですが、現在、カナダはホールド状態で、まだ、とまっているという状況が報告されています。

 ドイツのクリアランスの実績ですが、Siempelkamp社の処理実績ということで、2万トンを処理されているということになっています。また、ウランで汚染した廃棄物についても、SiemennsやNUKEM、燃料製造工場、Urencoのウラン濃縮プラント等の受け入れ、商業ベースで溶融処理が実施されているという状況になります。

 イギリスですけれども、固体廃棄物の場合は0.4Bq/gを超えない場合には規制免除されて、ウランに対する基準としては11.1Bq/g以下という形で規制されている。クリアランスレベルはイギリスの法律では明確には示されていないけれども、RSA93の一覧表と低い放射能レベルの物質の免除命令では、無条件のクリアランスのため使用されるかもしれないレベルを含んでいる。判定基準は平均の放射能量濃度で400kBq/t、つまり、上に固体廃棄物と書いた0.4Bq/gとほぼ同じというような形で示されております。あと、クリアランスの実績ですけれども、大体、濃縮工場の解体から発生したアルミニウム、鋼材などの金属、約7,500トンが自由放出されている形になっています。また、建屋コンクリート廃棄物はクリアランスされて、サイト内での再利用または埋設が行われている。再利用できないインゴットについては、焼却灰を自治体の廃棄物処分場に集約して、750㎥埋設されているという状況にあります。

 表ですと一番右端のフランスになりますが、フランスは、規制除外とクリアランスの概念が法令、公衆健康コード、厚生労働基準法令によって導入はされている。ただ、EU指令を施行する新しい法律としては、2002年に命令に定められて、規制管理からの行為の免除は、命令のR43-22条で扱われているという状況にあります。あと、実施状況なんですけれども、フランスの場合にはゾーン区分を適用と表にも書いてあるんですが、やはりRP122を踏襲しているという状況ではなくて、ゾーン法で一般廃棄物との区分をして運用されてきているような状況になりますので、EUとはちょっと違った個別の対応をしている。

 あと、スウェーデンが次のページに書かれていますが、原子力エネルギー施設から発生する可燃物を含むすべての固体廃棄物の管理規則を定めています。条件付クリアランスは、金属の溶融処理や産業廃棄物処理施設への処分について認められているという形になっています。実績ですけれども、1987年から2006年までに認可された専業の金属溶融、StudsvikとかRadwasteで既に1万6,000トン以上の金属廃棄物を溶融処理してインゴットを作製して、一般市場に放出されているという状況になります。また、ウランで汚染された金属廃棄物に対しては、溶融処理後に放出しているという状況になります。今のスウェーデンですけれども、ドイツと一緒に、基本的にはRP89を使用していますので、ある程度、そういうような形で対応しているのかなという気もします。

 あと、フィンランドは、クリアランスの適用に関して、原子力安全センターが規定ガイドとして、原子力からの廃棄物に対する放射性核種のクリアランスレベルを提供し、公衆及び作業者の実効被曝線量10μSv/y、集団預託線量1manSvを超えないことを前提として、無条件規制解除についてはα線放出核種0.1Bq/g、βγについては、その放射線エネルギー別に1Bq/g、また10Bq/gの濃度基準を定めているほか、表面汚染密度についても定義して進めているという状況にあります。

 あと、ベルギーは、「電離放射線の危険性に対する一般公衆、労働者及び環境の保護についての一般規則に関す政令」に基づいて実施がなされている。EUのRP122Part1に示された核種のクリアランスレベルのうち半減期6カ月以上の核種について無条件クリアランスが規定されています。クリアランスの実績ですけれども、Eurochemic再処理施設の廃止措置においてクリアランスを適用している。鋼材等は1,300トンを除染または溶融処理して、67.5%は無条件放出した実績があります。コンクリートは、将来、路盤材等に利用されていくという条件になります。

 したがって、今、ドイツが抜けていますけれども、ドイツ自体は、このRP122の一番大もとの規制をつくったところですけれども、RP122Part1の一番のスタートになっている国がドイツになります。それとあわせて行われているのが、多分、ベルギーという形になります。したがって、人工、天然にかかわらず、核種の被曝制限という形でとっているのがドイツとベルギー、その2カ国が、あえていえばEUに従っているような形になります。それ以外の国については、それぞれの国の規制の状況に応じて、それぞれ運用の中で対応しているのが現状かなと思います。

 簡単ですけど、これで終わります。

【川上主査】  どうもありがとうございました。説明はこれでよろしいですね。2つ、学会標準にかかわるものとヨーロッパ各国の動向について、2つご説明をいただきました。今のご説明につきまして、何かご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いいたします。

 どうぞ、小佐古委員。

【小佐古委員】  学会標準のほうは、別に国の基準じゃないから、一生懸命議論しなくてよろしいんですかね。気がつくところをいくつか述べればよろしいんでしょうかね。量が相当ありますので、言えば切りがないので、気がつく範囲のところだけ……。

【川上主査】  学会標準の場合、いずれパブリックコメントに出ますので、もし、ご意見があれば、そっちのことというのはありますね。(笑)

【小佐古委員】  一番最初なんですが、学会標準の出だしのところで、例えばプリントの6ページに、自然起源と人工起源と分けて、234、235、238を自然起源としているのは、これは理屈の上ではおかしいんじゃないのかと思うんですね。原子炉等規制法で、この種のものが法律の中に入ってきたら、これはまさしく人工ということでして、自然起源だと主張するなら、プルトニウムだって自然にあるわけですから自然起源。EUの基準がありますけれども、ポロニウムとか、自然起源のものは、ほかにもいっぱいあるんですね。理屈の上からも、こういう言い方はないので。安全委員会の報告書は、ここら辺がぐちゃぐちゃになって書かれているんですけど、保安院側では、そこははっきり議論しようという流れになっておるんですが、理屈の上でもおかしいので、「自然起源の」という表現は、おやめになったほうがいいんじゃないかと思いますね。これは後ろ側ともすごく関係があって、自然起源だからサムアップしないと、ちょっと読めるんじゃないかというようなところがあって、やはり一度、炉規法の中に入ってしまえば、それはもう、自然にオリジンがあっても、量がコントロールされ、入っているということですから、こういうカテゴリーというのはおかしい、やめたほうがいい。

 一番いい例が、先ほどご紹介があった中で、2番目の資料のEUがここのところは非常に上手にまとめていて、先ほど2番目にご説明がありました資料11ページに、クリアランス対象物の種類を分けていますよね。それで、ここは私が言いましたところが非常に明確に分かれて表示されていて、自然起源、天然核種ということで、自然放射線源への適用ということで、こちらは実効線量300μSv/yを使って──300がいいのかどうかというのは私は若干、300というのは1μSvを守るための線量拘束値という人工のものをコントロールする流れにあるから、これがいいのかどうかは別なんですが、明らかに自然起源、天然物というのは分けて書いてあるわけですから、ほかのものは通常は左側に入れて流すわけですから、この表現は、工夫してやられたほうがいいんじゃないか。安全委員会のほうは、ちょっと混乱した書き方になっているんですけれども。

 それから10ページ、学会標準ですが、適用範囲のところまで論及、標準の本体を確かめておりませんので、はっきりわからないんですが、少なくともこの帯グラフは、適用範囲が小さいところまで及ぶとか、いろんなことを口にされているんですが、クリアランスの制度というのは、適用範囲をどういうふうにするか、あるいは検認とか、そういうところの仕組みをどういうふうにするかというのと非常に強くリンクしておりまして、適用範囲をパッと口にされるというのは、少なくとも政府でやられるときには、どこの範囲を適用するのかというところは、非常に慎重にやられるべきではないかと思うんですね。保安院側でも議論をやっているんですけど、製錬工程のところを入れるかどうかというのは、非常に微妙な議論になるということですね。製錬の部分というのは、まさしく自然と人工の境目のグレーゾーンにおりまして、そこのところはどこまで適用するかというのは、やっぱり、かなり微妙な議論をするわけですね。あるいはここのところで、あと、制度設計をしたときに、少量国規で、すごい数あるものをどうするかというようなところとリンクしているので、学会標準でおっしゃるならいいかもしれないんですが、政府の議論のときには注意が必要である。

 それから、同じような理由で13ページの評価単位の「数トン」という表現とか、拡張性のところに論及されているんですが、これも政府の基準でやるときには「数トン」というようなのはないわけで、どうされるのか。あるいは拡張のための条件とか、それは政府でおやりのときには、きちんとした議論が必要ではないか。

 17ページで、測定方法でいろんなことを口にされているんですが、いわゆる一般の表面汚染をベースにした金属等々が想定されているんですが、それと床、天井とかは素材も違いますし、αもあれば、めり込んでいるというような話も出てくるわけですから、一般的にやられるというような意味なのかもしれないんですが、適用されるときには分けて議論されるべしというか。

 18ページでβ、γが登場してきて、明らかにαがあればぶつかるということで、出てくればバックグラウンドとの切りも非常にいいんですが、β、γというのはかなり性格が違うので、方法の並べ方として、同列で並べるのはちょっとどうかというニュアンスの受け取り方をしました。

 19ページで、絵がずらずらっと並んで、右のほうにぱっぱっと出てくるのが容器詰めしたものって、中にごろごろっと入ったものとか、あるいはインゴットと言われている、ちょっとどういうものなのか、ここではにわかに想像しがたいんですが、場合によったら溶けたようなもので、左側のものとはかなり性格が違うかなという印象を持ちました。

 それから23ページ、ちょっとよくわからないのは、ICP-MSと並べられているんですが、これ、並べられると、45度のラインというか、もうちょっと上のところに来ないといけないんじゃないかと思ったのと、もう一つは、イオンのカレントを見たのとシンチレーションと系統的に3割ぐらいシンチレーションがダウンしているような気もちょっとしましたということで、これは簡単なので、教えていただければと思うんですが。

 それから25ページで、通常はαかなと思うんですが、場合によればβ、γというような話になって、実用性の観点で、この辺、バックとの境あるいは上の数字を見ても広がりがあって、どこまで適用できるのかというあたりで教えていただければと思いました。

 それから、31ページにキャリブレーションの話が出てきて、前に原子炉からのクリアランスの議論をするときに、最終的な確認のところでエフィシェンシーをどうするかとか、それは非常に需要な話になるんですが、私、ご提案させていただいたJNESのほうでは、標準線源は、いくつかのブラインドテストをやって、それでシステム総合チェックをやるのが一番有効ではないかというので、それを流したんですね。ここで提案されているのが、ウランの議論をしているのに、何でわざわざアメリシウムというのを持ち込まれているのかというのがいまひとつよくわからなかったといいますか、ウランでやるならやっぱり──もちろん、核燃物質とか、定量管理的なものとか、使用の制限とかがあることも想像できるんですけれども、やはり、ここのエフィシェンシーのところの議論は、ディテクター側を中心にして、かなり一生懸命やられているんですけれども、それよりは、例えば私が政府側だったら、むしろディテクター側というよりは、いくつかのものを用意してブラインドをやる。これがちゃんと出るかをやってみてくれと。で、プラマイに出てこなければ、これはもう有効じゃないという判断をされるという意味で、標準線源的なところの議論を丁寧にやられたらというふうに思いました。

 それから……。

【川上主査】  すみません、終わりが詰まっていますので、ちょっと早目にお願いします。

【小佐古委員】  はい。それでは、もう一つ、資料があることはあるんですが、その辺にしておきましょう。

【川上主査】  きょうは次に現地調査が入っていますので、もし、説明しきれなければ、次の機会ということもあり得ると思いますので、なるべく早目に説明をお願いします。

【小佐古委員】  とても尺にはまっていないので、また後の議論でいいと思いますが。

【川上主査】  どういたしますか。

【安念委員】  アメシウム241をどう用いるか、基本的にはウラン関係、できるだけ標準線源ということでは、きちっと実際の校正機関で校正された線源というものが念頭にありまして、その場合に、過去にはあったんですけど、今、ウランだけのもの(線源)というのはどうもないので、ここではアメシウムということで使用している。だから、それに相当するものであれば、十分使えると思います。

【小佐古委員】  ラインがあって、違うところだけをちょっと教えてください。ICP-MSと比べて。

【安念委員】  私、実データをちょっと存じていないので、どうしてこうなっているかというのは詳細に申し上げることはできないんですけれども。

【川上主査】  多分、これだけのご質問に対して、今、的確な答えを出すのは不可能だろうと思いますので、後ほど、文書あるいは適当なチャンネルを使ってご説明申し上げるという形にして、とりあえず、きょうの議題の2番目の資料をご説明いただいた上で、もし時間があれば、その部分の回答をお願いしたいと思います。

 では、今のご説明を踏まえた上で、ウランクリアランスレベル検認に係る技術的要件及び留意すべき事項について議論したいと思いますので、事務局からの説明をお願いいたします。

【江頭安全審査調整官】  資料9-3、開いていただくとA3になる資料でご説明いたします。

 左側の欄は、平成17年にこの技術ワーキングで、主に試験炉、それからホットラボ施設のクリアランスの検認ということで報告書をまとめていただきました形で、項目と記載内容を張りつけてあるものです。基本的には、クリアランスの検認、例えば測定、それから濃度測定の判断方法とか、そういったものの流れみたいなものは、おそらくウランクリアランスについても基本的には変わらないだろうということで、一応、平成17年の報告書の各項目に対して、例えば、ウランクリアランスの観点から特に指摘しておくことはどういったことかといったことを右の欄に簡単にまとめたものでございます。今後、このワーキングとして、最終的には報告書をまとめていただかなければいけないんですけれども、それをまとめていただくに当たって、ぜひ、こういったことは指摘しておいてもらいたいということを最終的にまとめるための材料にしたいということで、このような資料を作成しました。それでは、あまり時間がありませんけれども、順次、説明させていただきます。

 まず、はじめにというところは飛ばさせていただいて、左下に2-1クリアランスレベル検認の対象物について述べている欄でございます。対象物については、まず、対象物の性状、金属なのか、コンクリートなのかというようなことについてですけれども、ウランの取扱施設については、金属を対象としておりますので、金属を対象とする。それから、次に対象物に係る規制についてというのが書かれてあって、いわゆる核燃料物質と、そうではない他の放射性物質、両方を使っている施設もあるだろうということで、当時は両方の規制がかかっているところについては原子炉等規制法、それから放射線障害防止法の双方の整合をとりつつ、クリアランスレベルの整備を行う必要があると指摘していただいております。放射性障害防止法については、ご存じの方もおられると思いますけれども、現在、RIについてもクリアランスの制度を構築するということで検討中でございます。そういった検討を眺めながら、その両方の規制を図っている分について、今後、やはり行政庁の中でいろいろ調整していくのだろうと現時点では考えているところです。

 それから、クリアランスの対象物は、既に解体されたものも大量にあると思います。そういったものについては、17年のときでは、汚染とか除染の履歴等の記録に基づいて、クリアランス検認を行う際には、貯蔵されたものの放射性濃度測定に係る記録の妥当性を十分評価し、というようなことが指摘されておりまして、これはウランクリアランスの対象になるような資材についても同様だろうと思っております。

 それから、汚染形態についてですけれども、ウランクリアランスについては、基本的に対象物は、当時は二次汚染といっていましたけど、表面汚染のものがほとんどと考えております。それから、当然、汚染がないことが履歴等で明らかなものについては、放射性廃棄物ではない廃棄物ということで取り扱うことが可能ではないかと、これはおそらく同じ考え方であろうと思います。

 次は、クリアランスレベルの検認の基準等についてまとめてあるところです。

 まず、①で評価対象核種ということですけれども、これは今のところ原子力安全委員会のウランクリアランス報告書では、ウランの5核種、232、234、235、236、238ということで、それぞれのレベルを取りまとめていただいておりますので、おそらく、基本的にはそれを踏襲するのかなということを右の欄に書いております。

 次の②放射性核種濃度の評価、これは評価単位とか、測定点であるとか、当時、そういったことを指摘いただいておりますけれども、評価単位については、ウランの汚染物、資材については、濃縮度とか形状を考慮しながら評価単位を設定する必要があるだろうと。先ほど数トン以内という指摘がありましたけれども、「数トン以内」という表現については、平成13年の原子力安全委員会の検認報告書の中でも、評価単位の重量は通常数トン以内ということが述べられて、当時の技術ワーキングの報告書でも、そういったものを参考しながら、評価単位についても留意は必要であると。ただ、評価単位をどのように設定するかについては、個別の申請毎に内容を評価し、適切に判断するしかないのだろうと考えております。

 放射化については、今回はあまり関係ないだろうと。

 それから、測定点についても、原則、全数を測定するということだろうと思いますけれども、対象物に局在汚染の存在しないことが明らかであるとか、測定結果のばらつきの程度がある程度把握できるということであれば、こういった根拠が示せるのであれば、代表的な測定点とかサンプルの測定を評価単位全体に適用することができるかもしれないということを書かせていただいております。

 次のページはクリアランスレベルですけれども、17年の技術ワーキングでは、IAEAのRS-G-1.7のそれぞれの核種については値を用いることは適当であろうと。その理由としては、(1)、(2)、(3)と書いてありますけれども、クリアランスを含めた放射線防護の基準についての国際的整合性が得られる。それから、クリアランスされた物は国際的流通の可能性がある。さらに、当時ですけれども、文科省所管の核燃料使用施設以外の廃棄物への適用を考慮した場合の汎用性を有するということで、RS-G-1.7の値を用いることは適当だということを指摘いただいております。

 ウランクリアランスについては、前回のワーキングで原子力安全委員会の報告書をベースに議論いただきましたけれども、前回のワーキングの時点では、RS-G-1.7の規定を用いることは適切ではないかというお話をいただいた理解しております。

 次のクリアランスレベルを超える放射能濃度に関するもの、これも例えば意図的な希釈はだめとか、そういったことは当然のことながら、ウランクリアランスについても同様だろうと考えております。

 それから、クリアランスレベル以下であることの判断基準、先ほど小佐古委員からもご指摘があって、これからもご議論があろうと思いますけれども、安全委員会のウランクリアランスの報告書の中では、RS-G-1.7の判断方法を採用し、自然起源の核種についてはD/Cはそれぞれ1以下であること。それから、人工起源のものについてはΣのD/Cが1以下であること。それらが混合している場合には、両方の条件が満たされていることが必要ということになっております。

 それから、クリアランスの判断に用いる評価対象核種、これは対象物に含まれる放射性核種のD/Cの総和が90%以上、そういった場合には、その核種をクリアランスの判断に用いる評価対象核種とするということで、これは安全委員会の検認報告書の考え方そのものですけれども、これもウランクリアランスについても同様のやり方でいいのではないかということを書かせていただいております。

 駆け足で申しわけありません。次の4ページ目でございます。ここでは先ほどご説明いただいた学会標準、とりあえず今、学会標準で検討を進められておりますので、学会標準ではこういうことが示されているということを書かせていただいております。ワーキングあるいは文科省として、このやり方でいいということで書いているわけではなくて、今のところは学会標準の中でこんなことが書かれているということだけを書かせていただいております。

 次に2-3放射性核種濃度の決定の方法ですけれども、当時の報告書の中では、当時の原子力学会の標準委員会で検討中だった学会標準の妥当性を評価することによって、こういった手法に準拠した手法がとり得るものと考えるというような指摘をいただいております。今回も学会のほうで標準の作成を進めていただいておりますけれども、標準そのものを我々で審議して、ああだ、こうだということではありませんので、実際は個別審査の中で、例えば、その時点では既に学会標準ができていると思いますが、その学会標準の中にあるような手法を用いることの妥当性について、我々は個別個別の審査の中で、専門家のご意見も聞きながら確認していくのだろうと考えております。

 測定装置の点検・校正とか誤差といったことは、おそらくウランクリアランスについても常識的なことですので、当然、等しく適用されるのだろうと思っていますし、最後のページの品証活動に関すること、保管管理を適切に行っていただくための組織体制とか、それから、実際に作業を行う作業員の方に対する教育活動といったものが重要であることは、当然のことながら、ウランクリアランスについても同様だろうと考えております。

 最後の2-6その他留意すべき事項というのは、個別に文科省がクリアランスの申請を受けて審査するときに、当然、クリアランスの申請内容については、千差万別だと思いますので、その都度、必要な、適切な判断ができるよう、専門家のご意見をしっかり聞く必要があろうということを指摘いただいておりますので、おそらく、ウラン取扱施設というのは、小佐古先生のご意見もありましたけれども、特に文科省対象施設では、JAEAとか、それから、ウラン燃料を加工しているような事業所以外のところもございますので、そういったところからクリアランスの申請あるいはご相談があったときには、個別にいろんな意見を参考にしながら、そもそも申請として受け付けることができるのかどうかも含めて検討するのだろうと考えております。これについては、冒頭申し上げたように、本日、それから、少し時間をとって、いろいろご意見をいただいて、そういったご意見をもとに、論点とか、あるいは報告書の骨子に盛り込むポイントについて、まとめていきたいと考えております。

 以上です。

【川上主査】  ありがとうございました。ただいまご説明いただきました。これはいずれ、このワーキンググループの報告書の骨子になっていくものと理解しておりますが、これにつきまして、ご意見、ご質問がございましたらよろしくお願いいたします。ただし、ここを出るのが55分というリミットがかかっておりますので、ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

 どうぞ。

【小佐古委員】  2ページ目に安全委員会とIAEAのRS-G-1.7の話があって、安全委員会のほうは行政庁ではないということで、ご自分で政省令をつくられるわけではないですから、「数トン」と書かれても構わないと思うんですね。従前の判断でいきますと、物流がWTOそのほかで動くということをベースにして、安全委員会ではじいたものと、けたで違っていても1.7を採用した経緯があるので、通常は1.7を採用されるということになるのではないか。安全委員会でも、それを触れられているのでね。

 それから「数トン」のところは、先ほどもお話ししましたように、安全委員会側のほうはこれなんですけれども、こっちのほうは規制検討会で実際のことをやられるので、やっぱり「数トン」ではまずくて、こういうふうにやられたいというのを、場合によれば、こういうときにはこうなのかもしれないんですが。

 それから、放射化の汚染の対象外となっているんですが、実は文科省さんですと、あり得るんですね。どういうところであるかというと、放射化というのをどの程度に思うかなんですが、例えば、サブクリティカルアセンブリーなんてあるんですね。天然ウランなんかが入って、ペディスタルと呼ばれているところに線源を置いて、下側からあぶるんですよ。だから、キャンディングして入れているようなものは分けてというようなことになると、放射化がどのレベルかという話なんですけれども、あることはあるので、ちょっとマークしといていただけたらと思うんですが。

 それから、先ほどの3ページ、IAEAのBSSのほうでも、自然起源のほうでは235、238は明らかに人工側に入っていて、1.7は数字がはじかれていないだけ、木村さんのところでは正確な数字もはじかれて、1Bq/gという数字は踏襲されているようですけれども、これは天然側というふうに入れてフリーというのは、理屈の上ではちょっとおかしいんじゃないのかと思いますね。EUのあれなんかも、先ほど指摘しましたようにそうなっているので、Σに入れられたらいいのではないかと思います。

【川上主査】  ほかにいかがでしょう。

 答えは。

【江頭安全審査調整官】  先ほどの「数トン」というところですけれども、安全委員会の検認報告書とか技術ワーキングでも、当時、それを引用した報告書にしておりますけれども、おっしゃるとおり、個別の審査の中で、1トンなのか、もしかしたら数百キロなのかというのはありますので、例えて言うと、前回、我々が説明した旧JRR-3、文科省としては唯一のクリアランスの手続きをとっているものなんですけれども、それでは評価単位を1トンということにしておりますので、全体的に数トンとかというのがいいのかどうかというのはあろうと思います。数トン以内がいいとか何とかということをこの報告書の中で述べるのかどうかということであれば、そこは報告書作成の中で、そういうことを書かないとか、そういうのはあるかと思います。

 放射化のところについても、ここでは記載する必要がないというようなことを書いてしまったんですけれども、おっしゃるとおり、どんな申請があるかもしれませんし、そこは申請、それから事前の相談の中で、ほんとにこのウランクリアランスということの審査を受け付けてもいい対象なのかどうかというのは、当然、十分吟味すべきだろうと考えております。それは放射化しているかどうかということもそうですし、例えば違う、いろんなものを扱っているような施設もありますので、そういったものが入っているのか入っていないのかということも、当然、審査の上で、もしかしたら、それは申請されても困りますとか、申請できませんというものが出てくるかもしれないということは、我々も想定しております。

【川上主査】  安全委員会の報告書に書いてある内容の一部に、各事業者の持っているクリアランス対象物をベースにして、要するに、D/Cを考えているわけですね。したがって、それ以外のものが入ってくると話が変わるという、ある意味の不安定さはあるんです。だけど、それは一応サーベイした上で、出てきそうなものはこれだという前提で話が成り立っているという、ある意味、これは非常に独自のアプローチなんですね。国際的になれば、そんなことはやっていませんから。そこのバランスが1つ大事だろうと。

 それから、先ほど来、天然と人工という議論がありますが、1つは、日本以外のいろんな国では、クリアランスのレベルや何かの形で、鉱山関係のルールの中にウランの濃度が入っているんですね。それとのバランスにおいて天然と人工を分けてきたというのがRS-G-1.7のヒストリーでもあるわけで、この辺をどうバランスをとるかというところが1つあり得るだろうと。日本は鉱山保安法のほうは何も書いていないですから、というところがあります。

 ほかにいかがでしょうか。ご意見、ご質問ございますか。

 どうぞ。

【服部委員】  先回コメントをさせていただいた中で、測定単位と評価単位の関係を明確に整理して議論すべきだというお話をしたんですが、最後に資料9-3でご紹介していただいた中には、測定単位ということは入っていないんですね。これはやっぱり大事なことだと思っておりまして、規制を考えるときの技術的要件というところには、測定単位というのは入らないのかなという気がしています。やっぱり測定単位というのは、申請者側がどういうふうに図ればきちんと測定できるのかという形で決めていくものであって、そういう意味では、評価単位の話とは違うということですね。先回そういう発言をさせていただきましたので、補足ということでお話しさせていただきました。

【川上主査】  これは多分、はっきり分けて記述していかないと。

【江頭安全審査調整官】  そうですね。

【川上主査】  学会標準のほうでも、そこは一応、注意しているところなんです。

 あと1分ほどありますが、よろしいでしょうか。

【江頭安全審査調整官】  1つだけ質問なんですけど、先ほど小佐古先生から、ブラインドで校正のチェックをというご提案があったんですけど、例えばJNESでクリアランスをやられているときに、何かそういった考えでやっているということは例としてあるんでしょうか。

【川﨑委員】  原電さんの東海発電所のときには、小佐古先生のコメントを受けまして、標準線源をつくって、それを持ち込んで、要するに、事業者さんはわからないものを持ち込んで、それをちゃんと出るかというチェックはされています。ですから、標準線源といっても、ホットスポットでもないような配管とか板みたいなものをつくって、それを我々の任意の設定でやったときにどう出るかということで確認はしております。

【江頭安全審査調整官】  ありがとうございました。

【鎌倉保安管理企画官】  標準線源ではなくて、まさに、そういった模擬したものを作ったということですか。

【川﨑委員】  模擬したものをつくったということです。

【小佐古委員】  だから、切断した配管とか、それにペイントしたものとか、代表的なものですね。標準線源というと、面線源とか点線源とかね。

【川上主査】  チェッキングソースに近いね。

【小佐古委員】  いやいや、チェッキングソースじゃないんですよ。だから、実形状に近い、おそらく配管とか、困るだろうというようなものに既知量のものを塗って、それがちゃんと出てくるか。

【川﨑委員】  対象としては2種類ありまして、配管と平板が一番多いだろうということで、その2種類を選んで、それをいろいろ組み合わせておいて、それでもちゃんと出ますということを確認したと。

【川上主査】  まあ、それを廃棄確認──検認ですか、検認の認可のプロセスの中で見るのか、あるいは規制としてルール化していくのかというところは、これは行政庁の判断だろうと私は思うんですけど、どういうふうな規制体系を組み上げるかという問題だろうと思います。それというのは、JNESでおやりになるとき、それは明らかに安全性を向上するという意味での努力になる。規制としてそれをどうとらえるかというところは、また議論があるかもしれません。どちらともいえないかもしれませんが、この先の検討だろうと思います。

【小佐古委員】  ちょっとそのときに言ったのは、エフィシェンシーのところは、やっぱり複雑怪奇なんですよ。だから、出てきても正しいかどうかを検証するというのは、やっぱり、相当、手間がかかるということですね。ブラインドテストをやれば、大体、視野に入りますので。

【川上主査】  非常に直接的な形での検認はできるということですね。ただ、学会標準のほうは、そこに至るまでのプロセスをかなり書き込んではいるんですよ。

【小佐古委員】  まあ、標準は標準で、別に検査のあれじゃないですからね。

【川上主査】  マニュアルではありません。ただし、検認の計画をつくるときの参考にはなります。

【小佐古委員】  いや、やっぱり中軸だと思うんですね。きちんとした数字が出るかどうかというのは、特にレベルが低いですから、自己遮蔽とか、非常に重要だと思うんですね。そこでどうやって品質保証を担保できるかというのは、検認のところの中軸になるというふうに。

【川上主査】  確かに、それはそのとおりです。

 では、ということで、一応、時間ですよね。そろそろ閉めないと次のプロセスに入れませんので。

 きょうは、いろいろなご意見をいただき、まことにありがとうございました。傍聴者の皆さんにおかれましても、円滑な議事進行にご協力いただきまして感謝いたしております。

 以上をもちまして、研究炉等安全規制検討会第9回の技術ワーキンググループを閉会いたします。

【鎌倉保安管理企画官】  今ご議論いただきました資料9-3につきまして、ご意見等ございましたら、2月26日までに事務局にご連絡いただければ、次回の会合に反映させて、またご議論いただければと思っております。次回の会合につきましては、また別途ご連絡しまして日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

【川上主査】  では、資料9-3につきましては、2月26日までに事務局あてにコメントを出してください。それから、学会標準について、いろいろご質問、コメントがあったかと思います。これにつきましては、次回以降、適切に対応していただきたいということでございます。この場でやるか別途やるかは、お任せいたします。

【江頭安全審査調整官】  この場で学会標準について審議するということではないとは思いますので、学会標準はまたそちらの中で、たしかパブコメもやられますし、これからまた年末ぐらいまでにかけて、熟成されていくというふうに聞いていますので。

【川上主査】  いずれ、これも公開の場で議論いたしますので、そういう意味では、よろしいかと思います。

 では、引き続き、現地調査移動ということでございますので、あとは事務局にお任せいたします。きょうはどうもありがとうございました。

【江頭安全審査調整官】  どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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