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「脳科学と教育」研究に関する検討会

2003年5月15日 議事録
「脳科学と教育」研究に関する検討会(第7回)議事概要



  
「脳科学と教育」研究に関する検討会(第7回)議事概要

  
1.日  時   平成15年5月15日(木)16:00〜18:00

2.場  所   文部科学省   分館   6階   601会議室

3.出席者  
(委  員)   伊藤座長、小泉委員、小西委員、多賀委員、津本委員、野村委員、 星委員、山田委員
(事務局)   林科学技術・学術政策局長、井上科学技術・学術政策局次長、大槻教育課程課長、倉持基盤政策課長、戸谷ライフサイエンス課長、今里教育課程企画室長   他


4. 議  題
(1)「脳科学と教育」研究に関する報告書案について
(2)その他


5. 配布資料
資料1   「脳科学と教育」研究に関する検討会(第6回)議事概要(案)
資料2   「脳科学と教育」研究の推進方策について(案)
資料3   「脳科学と教育」研究の推進方策について(概要)(案)
資料4   戦略的創造研究推進事業における平成15年度新規研究提案の募集開始について


6. 議事要旨
(1) 伊藤座長より開会の挨拶があった。  
(2) 事務局より配布資料の確認があった。
(3) 事務局より「資料2「脳科学と教育」研究の推進方策について(案)」を説明した。

(4) 資料2中「1.はじめに」について、以下のような意見、質疑応答があった。
「ニーズオリエンテッド」などカタカナ語が全体的に多すぎるのではないか。
「算術能力」という語は「計数能力」又は「計算能力」とすべきではないか。
OECDの文書では「numeracy」となっており、適切な訳語について検討する。
「取り巻く」と「とりまく」が混在しているので整理が必要。

(5) 資料2中「2.教育の役割と教育を取り巻く環境の変化」について、以下のような意見、質疑応答があった。
(1)2に「動機付け」とあるが、「動機づけ」としたほうがいいのではないか。
(1)4に「少子高齢化社会」とあるが、この文脈では「少子」は不要ではないか。
(1)5の文章は主語がはっきりしない。
この文章の主語は「障害のある人々」と「他者」の両者である。
(2)2「原っぱなどの無意味空間」とあるが、原っぱは無意味ではない。
「無意味と思われている空間」としてはどうか。
(2)6に「人の現役時代も伸び、」とあるが、生涯現役という考え方もあり、この文言は不要ではないか。
(3)に「学童期(6−15歳)」とあるが、中学生は学童なのか。
様々な定義があるが、一番長い例では児童の権利条約で18歳までを「児童」としている。また、「学童保育」といった場合には小学生のみを対象としており、様々な扱いがある。
(3)に胎児期という分類がないが、含めた方がよいのではないか。
ここでは現実の教育の場で具体的に現れている課題を分類しているので、生まれる前の時期である胎児期については記載していない。

    (6) 資料2中「3.「脳科学と教育」研究の推進に当たっての基本的考え方」について、以下のような意見、質疑応答があった。
(2)1に「集団の平均値」とあるが、「集団の統計的偏差」としたほうが理解しやすいのではないか。
「ヒト」と「人」という語が混在している。整理が必要ではないか。
生物種としてとらえる場合は「ヒト」、それ以外は「人」と整理している。
(3)3の「追及」という字は、ここでは「追究」又は「追求」とすべきではないか。
(3)4でmRNAだけ記述するより、より広い研究対象を記述したほうがよいのではないか。
「遺伝子の発現解析法の開発が進みつつある現在、環境による遺伝子発現への影響に」としてはどうか。

(7) 資料2中「4.「脳科学と教育」研究において取り組むべき研究課題」について、以下のような意見、質疑応答があった。
カリキュラムと言った場合に教育カリキュラムを指すことは自明であるため、教育カリキュラムの「教育」という語は削除したほうがいいのではないか。
医療の分野では、臨床カリキュラムもあるのでここでは意味を明確にするため、「教育」を残した方がいいのではないか。
(3)4に「学制」とあるが、「学校制度」としたほうがわかりやすい。
(1)2104)に「脳科学による分析」とあるが、あまりに対象が広すぎるので、「脳のメカニズムの解明」としてはどうか。
最近、子どもの読書離れということが言われており、本を読むという習慣と脳の発達との関係についての研究課題をぜひ盛り込みたい。
(1)2105)に含まれていると考えられる。
「さまざまな」と「様々な」という語が混在しており、整理が必要。
(1)110)と34)の課題が似ているので整理が必要ではないか。
(1)2104)〜107)は、それ以外の課題に比して概念が広すぎるのではないか。
それぞれの分野の専門家の意見によりつけ加えた課題もあるため、必ずしも厳密な整理ができていない。
(2)1の研究領域は対象がかなり広く、1)〜4)の課題内容が合っていない。
1)の「解明」を「発達と可塑性」としてはどうか。
2)の「NCC問題の解明」を「意識の発達」としてはどうか。
3)の「感受性期」は「感受性期の有無」としてはどうか。
1)〜4)すべてに「〜と環境要因との関係の解明」を加えてはどうか。
(2)2の「コーホート研究」の注釈中の「集団的前方位的研究」とはどういうことか。
prospectiveの訳なので「集団的前方視的研究(prospective)」と記載したほうがいいのではないか。
(2)85)「実験動物など」とあるがこの箇所に関しては、「など」は要らないのではないか。
(4)は4、5行目に「設定し」が重なっているので、最初の「設定し」を「定め」としてはどうか。
緊急性・重要性についての説明が必要ではないか。「中」と「大」しかないが、「小」はないのか。
緊急性・重要性は28ページの本文中に定義を書いてあるが、表の下にも追加したほうがよい。重要な領域だけ挙げているので、「小」はないという整理をおこなった。
表2の(3)の各領域に、基礎的評価がなされていないのはどうしてか。
28ページ本文に記載されているように、(3)は(1)及び(2)の研究領域を支える基盤となる研究であるため、同様に評価することはできないという判断である。
表2にも注釈をつけるべき。
「当面から短期」と「中長期」の両方に○がついているものがあるが、説明が必要ではないか。
このような表は研究の進捗等にしたがって、たえず見直していく必要がある。

    (8) 資料2中「5.「脳科学と教育」研究の推進に当たっての体制整備」については、特に意見はなかった。
 
(9) 本日の議論を踏まえた本報告書案の修正は座長に一任され、委員の了承が得られた後に、公表することとされた。




以  上

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

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