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《特別史跡の追加指定》 2件

 無量光院跡(むりょうこういんあと) 【岩手県西磐井郡平泉町】
 無量光院跡は奥州藤原氏の拠点、平泉に所在する寺院跡。秀衡の政庁「平泉館」と推定される柳之御所遺跡と谷を介して面しており、宇治の平等院に模して造営したと伝えられる。園池に臨む西側に翼廊付きの阿弥陀堂、園池の中島に3棟の礎石建物が確認されている。今回条件の整った部分を追加指定する。

 水城跡(みずきあと) 【福岡県大野城市】
 天智3年(664年)に大宰府防衛のために築かれた巨大な土塁を伴う防御施設で、土塁の博多湾側に幅約60メートルの濠を大宰府側に導水のための濠や樋が設けられた。今回、濠跡の一部と西側に展開する小土塁の遺構の一部を追加指定する。

《史跡の追加指定及び名称変更》 3件

 小浜藩台場跡(おばまはんだいばあと)松ヶ瀬台場跡(まつがせだいばあと)鋸崎台場跡(のこぎりざきだいばあと)(小浜藩松ヶ瀬台場跡) 【福井県大飯郡大飯町】
 幕末の異国船に対する警戒体制の一環として整備された小浜藩の台場跡で、発掘調査の結果、砲眼(ほうがん)を持つ台場跡や焼紅弾室(しょうこうだんしつ)跡などの遺構が良好に保存されていることが確認された鋸崎の台場跡を追加指定し、併せて名称変更をする。

 酒船石遺跡(さかふねいしいせき)(酒船石) 【奈良県高市郡明日香村】
 酒船石の周辺は、砂岩切石による石垣がめぐる丘陵と北側谷底の亀形石槽を含む水利用の施設が一体となった、大規模で特異な施設である。この施設は『日本書紀』の記事にある「両槻宮」とする意見がある。今回、関連する遺構を検出した範囲を追加指定し、併せて名称変更をする。

 大隅国分寺跡 附 宮田ヶ岡瓦窯跡(おおすみこくぶんじあとつけたりみやたがおかかわらがまあと)(大隅国分寺跡) 【鹿児島県国分市、姶良郡姶良町】
 宮田ヶ岡瓦窯跡は、大隅国分寺跡出土瓦と同笵の瓦が出土した国分寺所用瓦を焼成した瓦窯であり、発掘調査により丘陵斜面を利用した3基の地下式窖窯(あながま)を検出した。宮田ヶ岡瓦窯跡を追加指定するとともに、併せて名称変更をする。

《史跡の追加指定》 9件

 是川石器時代遺跡(これかわせっきじだいいせき) 【青森県八戸市】
 縄文時代晩期の亀ヶ岡文化を代表する集落跡で、新井田川の河岸段丘上に立地する。今回、新たに低地から水さらし場遺構や遺物包含層の広がりが確認され、漆製品も多数出土した。東北地方における縄文社会及び漆技術の系譜を考える上で極めて重要であり、遺構及び遺物が良好に遺存していた地域を追加指定する。

 柳之御所遺跡(やなぎのごしょいせき) 【岩手県西磐井郡平泉町】
 奥州藤原氏の拠点平泉に所在する、秀衡の政庁「平泉館」と推定される遺跡。北上川に直接面し、「猫間が淵」と称される谷に挟まれた台地上に立地し、二重の堀に囲まれた中枢部の内部には板塀に区画されて園池や大型建物が配される一画が確認されている。条件の整った部分を追加指定する。

 川尻石器時代遺跡(かわしりせっきじだいいせき) 【神奈川県津久井郡城山町】
 神奈川県北部、相模川北岸にある縄文時代中期から後期にかけての大規模な集落跡。古くからの調査歴をもち、豊富な遺物とともに、敷石住居、配石遺構、配石墓群など礫石を多用した遺構を特徴とする。今回、条件の整った中央部分及び遺構を確認した西側部分を追加指定する。

 正法寺古墳(しょうぼうじこふん) 【愛知県幡豆郡吉良町】
 三河湾に注ぐ矢作川河口部、三河湾に半島状に細く張り出した丘陵先端の海を眺望できる丘陵頂部に築かれる矢作川流域における最大規模の前方後円墳。今回、墳丘部分が史跡指定地範囲外に及ぶことを確認したため、必要な範囲を追加指定する。

 近江大津宮錦織遺跡(おうみおおつのみやにしこおりいせき) 【滋賀県大津市】
 天智天皇が天智6年(667年)に飛鳥から畿外の地である近江に遷都し、天武元年(672年)の壬申の乱によって廃絶するまでのおよそ5年間の都。今回、発掘調査の結果、掘立柱建物跡、塀跡、造営時の整地層等、大津宮の北限部分の様相を確認した部分を追加指定する。

 桜井茶臼山古墳(さくらいちゃうすやまこふん) 【奈良県桜井市】
 大和盆地南部に所在する全長208メートルを測る古墳時代前期の前方後円墳。墳丘東側のくびれ部で指定地外に葺き石列が広がることを確認し、その東で周濠状区画の東側肩部を検出した。今回、新たに遺構を確認した部分を追加指定する。

 万富東大寺瓦窯跡(まんとみとうだいじかわらがまあと) 【岡山県赤磐郡瀬戸町】
 鎌倉時代初期の東大寺再建瓦を焼成した瓦窯。窯跡1基及び関連する礎石建物1棟を検出した指定地の北側と、明確な遺構は確認できなかったが多数の瓦と窯壁片を検出し、窯が存在すると考えられる指定地の西側を追加指定する。

 周防国衙跡(すおうこくがあと) 【山口県防府市】
 古代、周防国(山口県東部)の政治の中心として栄えた政庁の跡。国府津推定地「船所・浜ノ宮」地区の周辺部を発掘調査した結果、7世紀末から13世紀にかけての国府津の具体的様相が明らかになった地域及び未指定であった旧鉄道敷を含む周辺地域を追加指定する。

 須玖岡本遺跡(すぐおかもといせき) 【福岡県春日市】
 須玖岡本遺跡は、『魏志倭人伝』に記された「奴国」に比定される地域の王墓やそれに連なる墓群及び甕棺墓群、さらには青銅器やガラス製品の製作跡や竪穴住居跡等からなる。今回、条件の整った部分を追加指定する。

《史跡の追加指定・一部解除》 2件

 おつぼ山神籠石(おつぼやまこうごいし) 【佐賀県武雄市】
 戦後発見され、初めて本格的な発掘調査が実施された神籠石で、幅9メートルの土塁や門跡などが確認された。今回現地の遺構の状況を踏まえ、保存に必要な範囲の追加指定及び指定時の地籍図の誤認と考えられる遺構の存在しない部分の指定範囲訂正を目的として一部指定解除する。

 熊本藩主細川家墓所(くまもとはんしゅほそかわけぼしょ) 【熊本県熊本市】
 肥後熊本藩主細川家の墓所は、妙解寺(みょうげじ)跡と泰勝寺(たいしょうじ)跡に所在する。妙解寺跡地区での発掘調査の結果、史跡地外で旧水路の切石積み護岸が確認され、参道地域では参道が北東に折れることが確認されたため、護岸部分を追加指定し、本来参道でない部分を一部解除する。

《天然記念物の追加指定》 1件

 標津湿原(しべつしつげん) 【北海道標津郡標津町】
 標津湿原は道東地区の海岸線に分布する縄文海進を起源とする一連の湿原の北端に位置するよく保存された湿原である。指定地に隣接した類似植生の地域及び湿原の保護のために必要な地域等を追加指定する。

《天然記念物の解除》 1件

 小浜神社九本ダモ(おばまじんじゃのきゅうほんだも) 【福井県小浜市】
 対象木は境内に生える9本が株立ちしたタブノキの巨木である。平成5年頃より樹勢が衰退し、懸命な樹勢回復事業を行ったものの、年とともに幹が枯死し、平成15年には最後の1本が枯死したため、解除する。



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