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文化財の説明 この資料は、福島県の南西部、新潟県に接する只見町内で収集された伝統的な生産用具と仕事着のコレクションである。 只見町は政治的には会津圏にありながら、人的・経済的には八十里越(はちじゅうりごえ)、 六十里越(ろくじゅうりごえ)の峠道を経て越後地方と密接につながっていた。また、山間地にありながらも只見川、伊南川(いながわ)の流域には早くから稲作栽培が行われているなど、冬季の多雪と河川の影響を受けつつ特色ある生活文化を伝えている。 資料のうち生産用具は、自然物採集用具、農耕用具、狩猟用具、漁撈用具、山樵用具、製糸用具、蔓細工(つるさいく)用具、屋根葺き用具に分けられ、それぞれ作業工程順に整理されている。仕事着は男女別に山用、里用に分けられ、上着から履き物、雨具に至るまで一式が収集されている。 この地域の生産用具の特色としては、自然物採集用具の中のゼンマイ採りの用具や、農耕用具の中の湿田用具、焼畑用具などの中には越後地方からの影響を強く受けた用具が見られる。また、狩猟用具、屋根葺き用具の中には技術の系譜関係や儀礼の作法を記した巻物類が多く見られ、さらに、仕事着では貴重な木綿布を上手に使うための技法や刺し子の手法などの工夫が見られることなどに、この地方の特色が示されている。