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国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等について

平成13年4月20日
 

   文化審議会(会長  高階秀爾)は,4月20日(金)に開催される同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,新たに21件の美術工芸品を国宝・重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申する予定である。

   この結果,近日中に行われる官報告示を経て,国宝・重要文化財(美術工芸品)は10,036件(国宝を含む。)となる予定である。
   指定物件の詳細については別紙参照のこと。

 

   今回の指定の特筆すべき事項

  1  慶長遣欧使節関係資料けいちょうけんおうしせつかんけいしりょう
   仙台城主・伊達政宗が家臣の支倉常長ら一行をローマ教皇のもとに派遣した慶長遣欧使節に関する一括資料である。
   歴史資料の部では最初の国宝指定となる。

  2  上杉家文書うえすぎけもんじょ
   わが国の古文書の中で畳み方や封など文書のさまざまな姿を最もよく伝えている。

 

○ 国宝・重要文化財(美術工芸品)件数一覧

  
事      項 新指定件数 合      計
種      別 国      宝 重要文化財
絵      画 (1) 3 1,917(155)
彫      刻   2 2,576(123)
工  芸  品   3 2,374(252)
書跡・典籍   1 1,837(224)
古  文  書 (1) 2 689(56)
考古資料   4 530(39)
歴史資料 (1) 3 113(1)
合      計 (3) 18 10,036(850)
()内は国宝で内数である。

 



   目      次

絵画の部
   (重要文化財を国宝に一件)
   一、紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図 宗教法人大長寿院
   

(未指定文化財を重要文化財に三件)

   一、紙本著色聖母子十五玄義・聖体秘跡図 国(京都大学総合博物館保管)
   二、絹本著色二美人図   かつ飾北斎筆 宗教法人世界救世教 ((財)エム・オー・エー美術文化財団MOA美術館保管)
   三、絹本著色吉野曼荼羅図 宗教法人西大寺
      
彫刻の部
   (未指定文化財を重要文化財に二件)
   一、銅造如来立像 独立行政法人国立博物館 (東京国立博物館保管)
  
二、墓守    朝倉文夫作
   石膏原型
台東区(台東区立朝倉彫塑館保管)
      
工芸品の部
   (未指定文化財を重要文化財に三件)
   一、銅鷲置物   鈴木長吉作 独立行政法人国立博物館 (東京国立博物館保管)
   二、水指(青海)   備前 財団法人徳川黎明会(徳川美術館保管)
   三、綾杉地獅子牡丹蒔絵婚礼調度 林原   健(財団法人林原美術館保管)
      
書跡・典籍の部
   (未指定文化財を重要文化財に一件)
   一、摧邪輪 宗教法人仁和寺
      
古文書の部
   (重要文化財に未指定文化財を追加して国宝に一件)
   一、上杉家文書 山形県米沢市(米沢市立上杉博物館保管)
   (重要美術品を重要文化財に一件)
  
一、融通念仏勧進帳    文安四年三月   日
   金銀泥下絵料紙
宗教法人禅林寺
   (未指定文化財を重要文化財に一件)
   一、東慶寺文書 宗教法人東慶寺
      
考古資料の部
   (未指定文化財を重要文化財に四件)
   一、奈良県佐味田宝塚古墳出土品 独立行政法人国立博物館 (東京国立博物館、奈良国立博物館保管)
   二、滋賀県雪野山古墳出土品 滋賀県八日市市(滋賀県立安土城考古博物館保管)
   三、京都府大風呂南一号墓出土品 京都府岩滝町(京都府立丹後郷土資料館保管)
   四、沖縄県斎場御嶽出土品 沖縄県知念村
      
歴史資料の部
   (重要文化財の名称及び員数を変更して国宝に一件)
   一、慶長遣欧使節関係資料 宮城県仙台市(仙台市博物館保管)
   (未指定文化財を重要文化財に二件)
   一、旧江戸城写真ガラス原板 東京都(江戸東京博物館保管)
   二、平削盤   明治十二年、工部省赤羽工作分局製 岩手県(岩手県立盛岡工業高等学校保管)
   (重要文化財を分割して重要文化財に一件)
  
一、 越後国頸城郡絵図
越後国瀬波郡絵図
山形県米沢市(米沢市立上杉博物館保管)

 



絵画の部

   (重要文化財を国宝に  一件)

一、 紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図こんしちゃくしょくこんこうにょうさいしょうおうきんじほうとうまんだらず 十幀
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関八二
宗教法人  大長寿院
       各縦 一三九・七cm   横 五四・八cm
        
      護国経典である『金光明最勝王経こんこうみょうさいしょうおうきょう』十巻を各巻ごとに宝塔の形に書写し、宝塔の周りに経の内容に即した場面を、やまと絵風の景色の中に描き表した本図は、経を金字、絵は色彩豊かな彩色とする独特の表現をもち、平安時代後期の仏教説話画、あるいはやまと絵の優品として評価が高い。奥州藤原文化を伝える遺品として注目され、十巻完存していることも貴重である。
  (平安時代)

   (未指定文化財を重要文化財に 三件)

一、 紙本著色聖母子十五玄義・聖体秘跡図しほんちゃくしょくせいぼしじゅうごげんぎ・せいたいひせきず 一面
国(京都大学総合博物館保管)
       縦 七三・九cm   横 六一・九cm
(竹筒)長 八九・九cm   内径 六・六〜七・〇cm
(竹軸)長 七三・五cm   径 〇・九cm
長 七三・〇cm   径 〇・七cm
        
      昭和五年(一九三〇)大阪府茨木市の民家の天井にくくりつけられていた竹筒の中から発見されたもので、キリシタン弾圧のために遺品の希少な本格的なキリスト教画。十五の場面で聖母の生涯を黙想するロザリオの祈りの主題と、聖体秘跡をザビエルほか四人の聖人が礼拝する図を合成している。江戸時代初期の禁制下に制作され、消滅を免れた初期洋風画の遺品として価値が高い。
  (江戸時代)

二、 絹本著色二美人図けんぼんちゃくしょくにびじんず   かつ飾北斎筆かつしかほくさいひつ 一幅
静岡県熱海市熱海二三二−一
   宗教法人   世界救世教
((財)エム・オー・エー美術文化財団 MOA美術館保管)
       縦 一一〇・六cm   横 三六・七cm
        
      かつ飾北斎は浮世絵のあらゆる分野で優れた作品をうみだしたが、肉筆画においても最も重要な作家とされている。本図は北斎美人画の代表作として定評があるもので、物憂げな長身の立ち姿の美人と横坐りして振り返る美人の対比が、緊張に満ちた絶妙な均衡を画面につくり出している。精細を極める細部描写、洗練された色彩感覚も特筆される。
  (江戸時代)

三、 絹本著色吉野曼荼羅図けんぼんちゃくしょくよしのまんだらず 一幅
奈良県奈良市西大寺芝町一−一−五
   宗教法人   西大寺
       縦 九四・二cm   横 四〇・〇cm
        
      吉野曼荼羅は大峯修験道おおみねしゅげんどうに基づく垂迹画で、西大寺本は現存最古の作品である。蔵王権現を中心に、役行者や吉野八所明神等を規則的に配置する。画面上部には大峯山の山並みの中に大峯八大童子おおみねはちだいどうじを描き、画面全体で吉野から大峯に至る霊場空間と神々の体系を表している。丁寧な筆致と繊細な文様描写など優れた作風を示し、中世の山岳信仰の成熟を窺わせる垂迹画の遺例として重要である。
  (鎌倉時代)

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彫刻の部

   (未指定文化財を重要文化財に   二件)

一、 銅造如来立像どうぞうにょらいりゅうぞう く
独立行政法人国立博物館
(東京国立博物館保管)
       全高 五三・七cm
        
      台座の刻銘により太平真君四年(四四三)、高陽こうよう(現在の河北省博野県)のえんえんしんという者の造立と分かる。北魏ほくぎ金銅仏の最古の在銘像として著名なもので、また数少ない北魏初期の基準作でもある。同七年に行われた太武帝たいぶていの廃仏前の作があまり残っていないことを鑑みると、それ以前の製作と確定できる稀有の作例である。
  (中国・北魏時代)

二、
墓守はかもり    朝倉文夫作
   石膏原型
く
台東区(台東区立朝倉彫塑館保管)
       像高 一八〇・八cm
        
      明治四十三年、朝倉文夫(明治十六年〜昭和三十九年)が二十七歳の時に、第四回文展に出品した作品。最高賞である二等賞を得た。モデルは谷中天王寺てんのうじで偶然見付けた老人で、ポーズをとらせずに自然な姿を写したという。彫刻におけるテーマ性を排し客観主義を打ち出し、以後のわが国近代彫刻の方向を決めた記念的な作品である。
  (明治時代)

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工芸品の部

   (未指定文化財を重要文化財に   三件)

一、 銅鷲置物どうわしおきもの   鈴木長吉作すずきちょうきちさく 一基
独立行政法人国立博物館

   (東京国立博物館保管)

       高 四五・五cm   両翼幅 八八・五cm
        
      鋭く目を見開いて獲物を狙う岩上の鷲を、写実的に表現した青銅製の置物である。各細部にいたるまで軾型鋳造の技術で的確につくられている。本品は、明治二十六年に米国シカゴ・コロンブス世界博覧会の博覧会事務局依頼品として製作・出品され、同博覧会美術館に展示された受賞作。明治二十九年に帝室技芸員となった鋳金家・鈴木長吉の高い技量を示すとともに、江戸時代から継承した技術を発展させ、国の内外で評価を受けた明治時代の金工を代表する優品である。
  (明治時代)

二、 水指みずさし青海せいかい)   備前びぜん 一口
東京都豊島区目白三−八−十一

   財団法人   徳川黎明会(徳川美術館保管)

       高 一八・〇cm   口径 一八・二cm   底径 一三・八cm
        
      中世窯を代表する備前で焼造された水指である。器形は素朴な桶形を呈するが細部にわたり細やかで整った作行をなし、端正で完成された形姿を示す。日常容器を水指として見立てたものではなく、口造りなどに認められるように明確に水指として製作された作品である。室町時代に遡る作行優れた水指の最古遺例であるとともに、和物茶陶の出発点をかざる作品であり、茶道文化史上極めて価値が高い。武野紹鴎たけのじょうおう(一五〇二〜五五)所持と伝え、尾張徳川家に伝来した。
  (室町時代)

三、 綾杉地獅子牡丹蒔絵婚礼調度あやすぎじししぼたんまきえこんれいちょうど 十九種
岡山県岡山市東古松四ー九ー八

   林原   健(財団法人林原美術館保管)

       厨子棚 高 七三・七cm   幅 九三・六cm   奥行 三八・五cm
        
      棚飾りや貝合せ具を中心に化粧道具・香道具・文房具などを揃えた婚礼調度である。すべて木製漆塗りで、金銀の粉を巧みに蒔きわけて綾杉地とし、金銀の高蒔絵を主調とする各種蒔絵技法で獅子と牡丹の文様を描き、葵紋を散らしている。婚礼調度の組み合わせが成立をみる江戸時代初期の作で、幕府御用蒔絵師であった幸阿弥家の作風を示す精妙細緻な優品であり、国宝・婚礼調度類(東京・徳川黎明会所蔵)に次いでまとまって遺存する極めて貴重な作品群である。
  (江戸時代)

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書跡・典籍の部

   (未指定文化財を重要文化財に   一件)

一、 摧邪輪ざいじゃりん 二帖、一冊
京都府京都市右京区御室大内三三

   宗教法人   仁和寺

       縦 二七・五cm   横 一七・三cm
        
      『摧邪輪』は、明恵上人高弁こうべん(一一七三〜一二三二)が法然撰になる『選択本願念仏集』の専修念仏説を批判した書で、高弁の思想を伝える著述の第一に挙げられるものである。本書は伝来が知られる最古写本として、宗教史研究上に価値が高い。
  (鎌倉時代、室町時代)

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古文書の部

   (重要文化財に未指定文化財を追加して国宝に)

一、 上杉家文書うえすぎけもんじょ 二千十八通、四帖、二十六冊
山形県米沢市(米沢市立上杉博物館保管)
        
      旧米沢藩主上杉家に伝来した古文書で、中世越後を中心に関東、北陸におよぶ地域の政治過程や社会構造を明らかにする史料群である。また、畳み方や封など文書のさまざまな姿を最もよく伝えている点で稀有な存在であり、武家文書研究の最高峰のものである。
  (鎌倉時代〜江戸時代)

   (重要美術品を重要文化財に   一件)

一、
融通念仏勧進帳ゆうずうねんぶつかんじんちょう 文安四年三月   日
金銀泥下絵料紙
一巻
京都府京都市左京区永観堂町四八

   宗教法人   禅林寺

        
      融通念仏宗は、天台宗の僧侶良忍りょうにん(一〇七三〜一一三二)の創始と伝え、声明の功徳を融通し、現世来世の功徳を得て往生を遂げるという。本巻は、巻末に来迎図が描かれた最古のもので、金銀泥下絵料紙に後花園天皇宸翰と伝える筆跡で書かれた優品である。
  (室町時代)

(未指定文化財を重要文化財に   一件)

一、 東慶寺文書とうけいじもんじょ 七百七十三通、二十冊
神奈川県鎌倉市山ノ内一三六七

   宗教法人   東慶寺

        
      東慶寺は、鎌倉時代に創建された尼寺である。江戸時代に、女性が寺に駆込んで離婚をする寺法が幕府から認められていたため、駆込み寺とも呼ばれていた。駈込み件数約二六〇件を中心にしたもので、法制史・女性史研究上に重要な文書群である。
  (南北朝時代〜明治時代)

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考古資料の部

   (未指定文化財を重要文化財に   四件)

一、 奈良県佐味田宝塚古墳出土品ならけんさみだたからづかこふんしゅつどひん 一括
独立行政法人国立博物館

   (東京国立博物館、奈良国立博物館保管)

        
      奈良盆地西部に所在する古墳からの出土品一括。明治十一年(一八七八年)に地元の有志によって発掘され、後に国有品となった。「神人車馬画像鏡しんじんしゃばがぞうきょう」を中心とする多種の鏡、石製模造品の多様性は、前期古墳の副葬品の内容を知るうえで貴重である。
  (古墳時代)

二、 滋賀県雪野山古墳出土品しがけんゆきのやまこふんしゅつどひん 一括
滋賀県八日市市

   (滋賀県立安土城考古博物館保管)

        
      全長七〇メートルの前方後円墳である雪野山古墳の竪穴式石室から出土した一括である。三角縁神獣鏡三面を含む銅鏡五面、鍬形石等の石製品、鉄冑てつかぶと等の鉄製品、糸で菱形文様を編み上げた後に黒漆を施したゆぎなどで構成され、古墳時代前期を代表する一括資料である。
  (古墳時代)

三、 京都府大風呂南一号墓出土品きょうとふおおふろみなみいちごうぼしゅつどひん 一括
京都府岩滝町

   (京都府立丹後郷土資料館保管)

        
      日本海を望む尾根上に築かれた、墳丘墓から出土した一括。腕飾り(ガラスくしろ・銅釧・貝輪)、勾玉・管玉、鉄剣等の鉄製品から構成される。中でもガラス釧は、透明感溢れる青色の優品で、遺存状態も極めて良い。弥生時代後期の墳丘墓副葬品として、その価値は高い。
  (弥生時代)

四、 沖縄県斎場御嶽出土品おきなわけんせーふぁうたきしゅつどひん 一括
沖縄県知念村
        
      琉球王府直轄の御嶽である斎場御嶽から出土した一括である。三箇の金製勾玉を含む九箇の勾玉、青磁の碗・皿・盤、九枚の金製厭勝銭ようしょうせんと銭貨から構成されている。特に金製の勾玉と厭勝銭の組み合わせは他に例がなく、琉球王府の信仰形態を知ることのできる貴重な一括資料である。
  (尚氏第一〜第二王統時代)

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歴史資料の部

   (重要文化財の名称及び員数を変更して国宝に   一件)

一、 慶長遣欧使節関係資料けいちょうけんおうしせつかんけいしりょう 一括
宮城県仙台市(仙台市博物館保管)
        
      仙台城主・伊達政宗(一五六七〜一六三六)が家臣の支倉常長(一五七一〜一六二二)ら一行をローマ教皇のもとに派遣した慶長遣欧使節に関する一括資料である。いずれもその折りに将来されたもので、ローマ市公民権証書、肖像画、聖画・聖具類、馬具・染織類に大別される。史上に著名な歴史事象を証する資料であり、我が国のキリシタン史研究及び日欧交渉史研究上等にその価値は極めて高い。
  (江戸時代)

   (未指定文化財を重要文化財に   二件)

一、 旧江戸城写真ガラス原板きゅうえどじょうしゃしんがらすげんばん 二十九枚
東京都(江戸東京博物館保管)
      縦 二三・〇cm   横 二九・八cm
        
      重要文化財「旧江戸城写真帖」製作のための撮影に供されたガラス原板である。四つ切り大のガラス面全体を覆う乳灰色から、コロジオン湿板法による撮影であることが判明する。先の「旧江戸城写真帖」と共に、近代文化財保護の原点といえるのみならず、我が国の写真技術発達史上に貴重である。
  (明治時代)

二、 平削盤ひらけずりばん   明治十二年、工部省赤羽工作分局製こうぶしょうあかばねこうさくぶんきょくせい 一台
岩手県(岩手県立盛岡工業高等学校保管)
      全長 二八一・五cm   全幅 一二三・〇cm   全高 一六八・〇cm
        
      明治十二(一八七九)年に、工部省赤羽工作分局で製造された平面切削するための工作機械である。岩手県が北上川に建設した船舶修理所に設置するために発注され、同所で稼働後、明治三十四年に岩手県立実業学校(盛岡工業高校の前身)に実習機として引き継がれた。日本機械工業の黎明期の実状を伝える工作機械として、我が国工業発達史上に貴重である。また、国産の工作機械としては初の指定を図るものである。
  (明治時代)

   (重要文化財を分割して重要文化財に   一件)

一、 越後国頸城郡絵図えちごのくにくびきぐんえず
越後国瀬波郡絵図えちごのくにせなみぐんえず
一鋪
一鋪
山形県米沢市(米沢市立上杉博物館保管)
      頸城郡絵図   縦 三四〇cm   横 五八六cm
瀬波郡絵図   縦 二四三cm   横 六九三cm
        
      頸城郡・瀬波郡絵図は慶長二(一五九七)年頃製作の巨大な絵図で、城郭・村落や自然景観などを彩色で描き、村名・検地高等を墨書する。近世最初期の郡絵図の形姿を示す最古・唯一の資料である。従来、これらの絵図は、上杉家文書として古文書の指定に含まれていたが、近年、歴史資料部門において近世絵図の指定を系統的に進めており、本図もその遺例として評価することが適当と判断されるので、上杉家文書より分割して単独に指定を図ることとした。
  (桃山時代)

-- 登録:平成21年以前 --