資料4

共同実演に関する論点について

1.問題の所在

○知財計画2007(知的財産戦略本部2007年5月31日決定)

(2)クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みの下で、円滑な利用を進める

3権利の集中管理を進める

 マルチユースに際し、クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みとして権利の集中管理や権利管理情報の整備を促進するとともに、著作権法上の実演家の著作隣接権の共有に関する解釈を明確にし、利用に関しほとんどの権利者の合意が得られるコンテンツの流通を促進するための方策について検討を行い、2007年度中に結論を得る。

(総務省、文部科学省、経済産業省)

2.実演家の著作隣接権の共有に関する解釈について

○ 著作権法上「共同実演」の定義はないが、共同著作物とパラレルに考えられるような概念は存在するのか。

・平成13年12月「文化審議会著作権分科会審議経過の概要」

・「共同実演」の基準について

 一個の実演と概念されるためのメルクマールは、共同著作物に関する第2条第1項第12号の定義の考え方に準じて各実演家の寄与を分離して個別的に利用することができないかどうか

(出典;加戸守行『著作権法逐条講義第5訂新版』)

(参考)著作権法第2条第1項12号

(定義)

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
  • 十二 共同著作物 二人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。

○ 放送番組の場合の実務上の取扱い

 基本的に、使用するコンテンツの出演者とされている者に個別に許諾を求めており(例えば、ドラマ全体の使用であれば、a、b、cに、シーン2のみの部分使用であれば、b、cに)、必ずしも「共同実演」という捉え方で実態が動いているようには見受けられない。

3.議論のポイント