資料1

著作権者不明等の場合の裁定制度の現状について

1.著作権者不明等の場合の裁定制度について

(1)裁定制度の概要

 裁定制度とは、一般に利用されている著作物について、利用者側で許諾を求める意思がありながら、著作権者不明等の理由により、相当な努力を払っても著作権者と連絡することができないときは、文化庁長官の裁定を受け文化庁長官が定める額の補償金を供託させることにより、適法に著作物を利用することができる制度である(第67条第1項)。
 なお、文化庁長官が補償金額を決定する場合には、文化審議会に諮問しなければならないこととされている(第71条)。
 裁定制度の利用実績は、これまで34件(著作物数89,669件)である(別紙1参照)。

(2)裁定までの流れ

1申請者による文化庁への事前相談(電話又は訪問)

 文化庁は申請者に対して裁定制度の趣旨、手続の流れ等を説明。適宜、著作権者と連絡する具体的な方法等をアドバイス。

2申請者による調査

3申請者が裁定申請書を文化庁に提出

 「相当な努力」を疎明する資料(著作者の名前からの調査結果、利用者(出版社など)・専門家・著作権等管理事業者等への照会文書及び照会先機関からの回答文書、一般や関係者への協力要請文など)とともに、申請書を文化庁に提出。

4文化庁長官が文化審議会へ諮問

 文化審議会著作権分科会使用料部会において補償金額について審議

5文化審議会の答申を経て文化庁長官が裁定

(3)申請から裁定までに要する期間

おおむね1ヶ月程度

(4)裁定に要する経費

2.裁定制度の運用の改善について

 裁定制度については、厳格すぎて利用しづらく手続の見直しを求める意見があったことから、文化庁では、平成17年に裁定手続の見直しを行い、利用者が行う調査方法を明確にするとともに、事務的経済的負担の軽減を図った(別紙3(PDF:87KB)参照)。