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著作権分科会 私的録音録画小委員会(第16回)議事録・配付資料
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資料
著作権保護技術と補償金制度について(案)
平成20年1月17日
1 権利者の被る経済的不利益と補償の必要性について
著作権保護技術の施された著作物の私的録音録画に関する権利者が被る経済的不利益については、例えば権利者の要請による技術などについては、原則として補償の必要性がないことは、関係者に異論はないと考えられる(注1)。
(注1)例えば、次世代オーディオ(例えばDVD-
Audio
)については、権利者側の要請に基づき著作権保護技術が採用されているものであり一般に補償の必要性がないと考えられる。
ただし、一方でデジタル録音録画については、高品質、品質の劣化がない等の特性を有していること、著作権保護技術の採用の経緯・その内容等は様々であることから、上記の場合以外の全ての利用形態について、一律に経済的不利益は解消され、権利制限規定の下において補償の必要性がなくなるとまでは言い切れないと考えられる。
2 私的録音録画補償金制度による解決について
補償金制度は、著作権保護技術がない時代に制度設計され導入されたものであるが、著作権保護技術により、録音録画について一定の規制が行われる場合、いままでのように事実上無制限の私的録音録画が行われる状況は解消されることになる。
この著作権保護技術は、著作物等の提供者又は権利者の要請により機器メーカー等が開発している場合がほとんどであり、機器メーカー等は、権利者が望まない録音録画の抑制について、一定の役割を果たしていることは評価しなければならないと考える。
補償金制度は、私的録音録画の拡大に伴い、権利保護と利用の円滑化に関し録音録画機器等のメーカーに補償金の支払いについて一定の協力を求めるという考えをもとに制度設計されているが、著作権保護技術が普及し、録音録画の制限に機器等のメーカーが一定の役割を果たしている現状から、著作権保護技術の開発・普及のみならず、補償の必要性がある分野であっても協力義務者か支払義務者かにかかわらず機器等のメーカーに一定の負担を強いるのは関係者の理解を得られなくなってきており、現行の補償金制度による解決は、今後縮小し、他の方法による解決に移行すべきであると考える(注2)。
(注2)著作権保護技術による録音録画の制限を緩和し、関係者の合意により補償金制度で対応するという選択肢を否定する必要はなく、将来そのような合意が成立すれば、補償金制度を存続させることは可能と考える。
3 補償金制度による対応を検討する分野
2のとおり補償金制度による対応を縮小することとするが、当面補償金制度での対応を検討する必要がある分野としては次のとおりである。
ア 音楽CDからの録音
音楽CDは基本的に録音自由のメディアであり、SCMS方式により第一世代の録音しかできないものもあるが、それ以外は機能していない。
イ 無料デジタル放送からの録画
我が国の無料デジタル放送の新しい著作権保護ルールであるダビング10については、
ダビング10の採用に関する一連の経緯等から、権利者の要請により策定されたものでないこと、
無料放送は他の放送等に比べて公共性が高い放送であり、できるだけ多様な情報や娯楽を積極的に国民に提供するという使命を有していることから、例えばコピーワンスという技術的に採用可能な方法を選択権の一つとして確保することが事実上できないこと、
などの特殊性があり、かつ、無料放送であることから権利者と利用者との契約により対応もできない。
なお、ダビング10は暫定ルールであるが、例えば、権利者の要請などに基づく新たなルールが導入された場合は、補償金制度は必要ないものと考える。
4 権利者が被る経済的不利益の解消について
著作権保護技術の採用されている分野の中で、3以外については現行の補償金制度による解決が不適当であるとしても、利用者の私的録音録画により権利者が経済的不利益を被り、また補償の必要性も否定されない利用形態が残ることになるが、権利者が被る経済的不利益を解消するためには、著作物等の提供者を介する場合も含め、権利者が契約により経済的利益を確保できる場合においては、契約モデルによる解決に委ねるべきと考える。
この場合、問題になるのが契約環境の整備である。30条2項を改正し、私的録音録画について、無許諾、無償の録音録画を認めた上で、契約モデルに移行することも考えられるが、利用者の利便性の確保や大きな不利益を被らないことを前提として、例えば可能な分野(例えば配信事業)から30条の段階的縮小を行うことにより、権利者が契約によりその利益を確保しやすくすることを考慮していく必要がある。
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