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参考資料3

私的録音録画小委員会(第7回)意見概要

他人から借りたCD等からの複製を第30条の範囲から外すことについて、個人に対して権利を行使するのは困難であるという意見は理解できるが、アナウンス効果はある。

他人から借りたCD等からの複製について権利者が被っている影響は無視できず、何らかの制限をすべき。

他人から借りたCD等からの複製を第30条の範囲から外した場合のアナウンス効果を通じたCDの売上げの拡大の効果と、補償金で確保される金額とでは、前者のほうが大きいと考える。

法は規範であり、守らなければ法制度全般に対する信頼を失う。アナウンス効果さえあればエンフォースできなくてもよいという状態は好ましくない。

他人から借りたCD等からの私的録音録画について、第30条の範囲外とした場合、差止めや損害賠償、理論的には刑罰の対象にもなりうることを考慮すべき。

制度がどうあるべきかという議論が資料から抜けている。また、議論の視点として、国民にわかりやすいということがあるべき。

他人から借りたCD等からの私的録音録画について、第30条の範囲外とすることについて、日本国民は基本的には遵法精神が高く、啓発活動や技術的保護手段等の活用を進めればアナウンス効果はある。

実効性は第30条の立法趣旨の一つに過ぎず、私的複製が著作者の通常の利用を妨げず、かつ、権利者の正当な利益を不当に害しないのが大前提である。

プレイスシフトと言う場合、自分で購入したCD等以外から行うものは含まれないのではないか。

平成11年に技術的保護手段の回避規制が定められ、理論的には私的複製を完全に禁止することが可能となった。このような状況において、プレイスシフトやタイムシフトは実態としてたまたま今はできるというだけであり、法的な担保はない。このまま市場に任せていいかどうかを議論すべき。

権利の保護と公正な利用という観点から、第30条が、新しい知を創造するためにある一定範囲で著作物を自由利用することを積極的に認めるべきかどうかというような議論があってもいい。

DVDは複製を禁止しているため、資料1の21から「録画」をはずし、31ア、イから「DVD」をはずして欲しい。

第30条の趣旨には、一定範囲で法を私的領域に入らせないということもあるのではないか。

権利が一定の範囲が侵害されているから第30条の範囲外とするというのが唯一の方法論ではない。他の要素も総合的に考慮して、権利者、利用者双方にとってどれが好ましいかという観点から検討すべき。

第30条から外した場合には、利用のために権利者と交渉しなければならなくなるが、交渉のためのトランザクションコストも考慮する必要がある。

あまり細かい締めつけはせずに、なるべく緩やかにして文化的なものを重要視しながら利用していくほうがいい。

私的録音にかわる代替手段があるかどうかも一つのポイント。音楽配信などの様々な流通手段で音楽を提供しており、私的録音で全ての需要が満たされるのはいかがなものかと思う。

通常の利用を妨げるレベルのものについて補償金制度がどこまで有効なのかという議論もある。実効性が明らかではないので我慢しろというのは乱暴な議論である。

保護技術が進展してある程度の自由度を持った保護ができるようになれば、私的複製を零細なものにとどめておくことができ、問題はある程度解決できる。

他人から借りてコピーをすることを控えるようCD自体に書けばアナウンス効果は大きいだろう。その効果は補償金より大きいと思う。

CDの売上げが減った要因は私的複製だけではない。DVDや携帯電話への出費、人口減等もある。

他人の所有物からの私的複製が認められないとなると、絶版や廃盤となったものについて、例えば研究のために入手しようとしても入手できなくなる。コンテンツへのアクセス可能性も考慮すべき。

理念のレベルの話と実効性の確保の議論がまぜこぜになっているため、整理をして議論をしたほうがよい。第30条の趣旨目的も整理すべき。法制問題小委員会の報告書でも、オーバーライドについて、何でもできるわけではないと指摘されている。どういう場合には私的複製として守らなければならないかも趣旨目的の考え方に関わっており、他の議論にも影響する。

実効性の議論について、どういう場合に実効性を重視し、どういう場合に理念を重視するのかのメタのレベルの議論が明示的に書かれておらず、わかりにくい。全体としてみた時に権利者にプラスであれば私的複製の範囲から外すのがよいという議論であれば、実際の効果がどうかは事実の問題なので、事実のレベルで議論を詰めていけばコンセンサスが得られる。

アナウンス効果といっても、遵法精神が高くない人はいくらアナウンスしても意味がなく、正直者がばかをみるというような状態になりかねない。そういう状態がいいのか、きちんとエンフォースできる制度がいいのか、トータルとしてどちらがいいか見ていく必要がある。

レンタルしたCD等からの複製について許諾複製という可能性もありうるのではないか。また、放送といっても有料放送やビデオオンデマンドなどは適法配信と同じとの見方もある。

適法に配信された音楽をCDに複製した場合、パッケージCDからの複製と同じ状況が生まれる。そうなると、第30条から外す範囲の有料配信についてある程度のガイドラインを示さないと、事実上無限に近いコピーを許しているようなビジネスモデルまで含めてしまうのかという議論がある。

補償金の支払いと契約による支払いは制度として考え方が違うものなのだから、両方払うという考え方もあると思う。

「権利者は当該保護技術の範囲内の録音録画を許容していると考えられるがどうか」という点について、放送事業者は、許容するかしないかでRNPをかけているつもりはない。権利者の利益を害さないための特別な措置であると整理されるべき。

話の順番としては、まず、補償措置というものが、私的領域で行われる個々の複製に対するざっくりとしたロイヤリティーの支払いという性格のものか、それとも、第10小委員会で整理されているような権利制限の対象措置として存在しているものなのか、という点を確認させて欲しい。もし後者であれば、まずは保護技術をかけてはいけない範囲があるとすれば、それはどういうケースなのか議論し、その上でそのケースについて、それが有償であるべきか無償でよいのかを議論する、という順序で議論していただきたい。

放送に著作権保護技術をかけているのは、デジタル化で高品質になっている放送がそのまま流出することの懸念から、やむなく行っているものである。これはあくまで第30条の補償措置を前提にしたものである。

タイムシフトやプレイスシフトを個々にみると、必ずしもベルヌ条約のスリーステップテストを満足しないということには疑問がある。そうだとすると、複製の総体が仮に増えているということがあったことをもって補償措置の要否の議論にどう結びつくのか、きちっと議論をする必要がある


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