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参考資料

(私的録音録画小委員会(第2回)配付資料(資料2)の修正)

私的録音録画小委員会(第1回) 委員意見概要

1  制度全般
1   制度上のバランス
  (権利者の保護と利用促進)
私的録音録画にかかる議論の本質は、権利者の保護と利用促進において、どのようにバランスをとっていくかである。
 
クリエーターとユーザーの対立ととらえるのは間違いではないか。
クリエーター、メーカー、ユーザーの他、レコード製作者、放送事業者等の意見も考慮すべき。
技術的保護手段により極端にコピーが制限され、消費者の購買欲が低下すれば、コンテンツ業界も打撃を受ける。

  (ユーザーとクリエイターの関係)」
補償金制度は、ユーザーとクリエーターの相互補助制度という観点もあるが、クリエーター、ユーザーといってもいろいろあり、クリエーターの中には、頻繁にコピーする人としない人、創作活動によって生活を支えている人、そうでない人との相互補助制度というみ方もあるのではないか。
2   技術の進展との関係
議論の前提として、技術の進展にかかる共通認識を形成する必要がある。昨年の法制問題小委員会での議論において、この共通認識が形成されていなかった。
 
現状では、DRMが機能しているのは音楽配信で、全体の売り上げの1割にも満たない。売り上げのほとんどを占めるパッケージにおいては、DRMは全く機能していない。
パッケージに用いられる技術は「DRM」なのか等、「DRM」の定義を明確化すべき。
共通認識を形成するため、当分はワーキングチームではなく小委員会形式で議論を進めるべき。
技術の進展について共通認識を形成した上で議論するために、最初にヒアリングを行うべき。とりわけ、DRMについて(例:「iTunes Music Store」)。
3   著作権法第30条との関係
技術の進展、ビジネスモデル・流通形態の変化に鑑み、現在の私的録音録画の法的位置づけ、特に、現在の技術によりコントロールされている範囲と著作権法第30条が本来想定していた範囲の関係を確認する必要がある。
著作権法第30条にかかる議論なしには、私的録音録画補償金制度の将来について結論を出すことはできない。また、著作権法第30条にかかる議論を行った上で、具体的な制度を検討にすることが、議論の流れとして適切である。
4   諸外国の状況との関係
私的録音録画にかかる諸外国の制度、運用上の工夫、実際上の問題点について資料を整えるべき。

2  現行制度について
1   現行制度の評価
現行制度において、一定の安価な料金を補償金として支払うことで、消費者の聞きたい・視聴したいという欲求に、ある種の担保が与えられるのであれば、消費者にとっても利益があるものになっていくのではないか。そういう視点の議論があっても良い。
消費者は、制度についてほとんど知らないまま、補償金を支払ってきた。
2   現行制度の今後の在り方
  (ハードディスク内蔵型録音機器の指定の可否)
昨今、DRMによる個別的な課金が可能になってきており、現行制度の下、どんぶりで取るのは社会的に受け入れられない。よって、指定すべきではない
従前の指定されているメディアとの公平性という観点から指定すべき。
内蔵型機器を指定すべきではないが、既存の対象には従来どおり課金し続けるべき。

  (現行制度の見直し)
ハードディスク内蔵型録音機器(以下内蔵型機器とする)が指定されなかったことで、指定されている機器とのアンバランスが生じている。現行法の執行として、この点を解決すべき。
DRMとの関係から時代遅れで消費者の利益に反するといわれるが、果たしてそうなのか。
「二重徴収」、「二重課金」について、引き続き検討すべき。
見直しのために調査等を行いながら、現行制度を維持することは、コストがかかる。

  (現行制度の廃止)
音源の売り上げのうちDRMによる権利処理が8割くらいになった時点で廃止してはどうか

3  新しい制度について
1   新しい制度の構想
ユーザー、クリエーター、メーカーにとって、究極のコピーコントロールの構築が望ましい。
メーカーは多くの人材と資金を投入し技術開発を行ってきており、その技術を用いて、新しい制度を構築したい。
技術と文化振興との対立でなくむしろ技術も文化の1つであり、その技術を用いて、新しい制度を構築したい。
DRMを前提とした個別課金制度の可否は、法令で定めるのではなく、市場に任せるべき。
いかに技術を用いても、私的録音録画を完全に反映した究極のコピーコントロールは実現しない。現時点では、「デジタル的どんぶり」のようなものが必要である。
機器を購入するだけで補償金を支払う制度は、現在の契約社会において理解できない。配信サービス等で複製時にサービスの対価を支払う方が、消費者にとってわかりやすい。
2   新しい制度にかかる論点
  (議論の前提)
まず、現行制度の対案となるDRMを前提とした個別課金制度がどういうものになるのかを集中的に議論すべき。
DRMを前提とした個別課金制度のあり方は、ビジネスモデルの問題であり、市場の選択にゆだねるべきという意見があるが、それが社会的な制度である以上、本委員会において、望ましいあり方を検討すべき。
技術の進展により、DRMを前提とした完璧な個別課金制度が構築されることが理想だが、現状はその段階に至っていない。

  (制度構築にあたって)
DRMを前提とした個別課金制度を導入した場合の、著作権法30条1項も含めた、著作権法全体の法体系がどういうものになるのかを検討する必要がある。
DRMをかけられていない著作物は保護しなくてよいとすることは、現行法上問題があるのではないか。
今後、市場に出てくるコンテンツについてDRMがかけられる可能性はあるが、既存のものは保護しなくていいのか。
技術の進展、トランザクションコスト、或いは社会全体のコストのバランスが争点となる。


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