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父の遺志を継いで,書店を大切にし,自社で出版する本についてメッセージを持って活動でき,読者に良い本を手渡せる小さな出版社をということで,出版社を立ち上げた。現在,本に関心のないような書店や店員が多い現状を目にしており,出版や書店の意識改革の必要性を強く感じている。また,出版した本の読書会など読者との交流の場の必要性を感じている。 |
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朝の10分間読書については,全国12,580校で実施されるようになり効果が上がっているが,保護者が本を読んでいないなどの家庭での課題が出てきている。 |
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再販制度破りによる本の安売りが,本の大切さを失わせているのではないか。再販制度の見直しが時々言われるが,そのようなことになると,このような良心的な会社は成り立ち得なくなるのではないか。さらに,文庫本というのは,古典として価値のあるものを入手しやすくするためのものであったが,今では廉価な本というだけの扱いになってしまい,本当の古典が追いやられてしまっている。 |
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学校図書館はすべての学校にあるのか。また,その基準はあるのか。 |
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図書館ではなく図書室という名称の場合もあり各学校により様々であるが,法律上すべての学校に必要である。基準は学校図書館図書標準により冊数により示しているが,現在それを100%満たしている学校は小で33.7%,中で26.5%である。現在,その達成のため地方交付税措置を行っている。 |
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文部科学省が平成15年に作成した「家庭教育手帳」「家庭教育ノート」を先ほどの説明の中で紹介いただいたが,参考にしたいので準備してほしい。 |
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すぐに用意してお渡しする。 |
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読書活動推進について,学校教育以外の民間への支援があるというが,子供の本の専門店は対象になっているのか。 |
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書店に直接支援することは行っていないが,子供の読書活動の推進のための活動を行っている団体については支援している。 |
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図書館がある市町村が4割を切っているのは,やる気がないのか予算がないのか,文部科学省としてはどう考えているのか。 |
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市町村によって事情が違うと思うが,理由を尋ねることはしていない。昨年度は全国で30〜40も図書館が増えていることから進みつつあると考えている。また,人口の少ない所では,図書館としてではなく公民館に図書コーナーを置くなどの対応をしている所もある。国としては図書資料整備の費用を地方交付税として交付している。ただし,現在では施設を建てる国庫補助制度はない。 |
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読書活動優秀実践校に私立校が少ないのはなぜか。 |
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文部科学省としては公立や私立で区別はしていない。各都道府県教育委員会からの優秀校の推薦をもとに決定している。 |
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「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」には,いろいろなことが既に盛り込まれており,相当網羅されていて,我々が新たに言うべきことはないように感じた。今後,発想を全く転換して考えるのか,「公」としてできることという枠組みの中で考えるのか議論する必要があるのだろう。ただ,学校図書標準の通知がずっと以前に出ていながら,いまだに満たしている学校が30数%にとどまっているというように,(計画はあっても)現実がそうなっていないことが問題なのではないか。 |
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「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」はよくできていて,このまま実施されれば,読書好きになると思うので,あとは「実行あるのみ」と感じる。また,幼児教育においては,どのように本に親しませるかが大切なので,これから子供が生まれる両親にこそ,読み聞かせの楽しさを感じさせる場が必要である。そのためにも,父親が参加できる場を設定する必要がある。読み聞かせの楽しさを両親に指導できる人材,言葉を軸にした文化活動のリーダーといった人材の養成が重要で,例えば,大学等でも考えていくべきであろう。 |
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「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」は施策がよく網羅されていると感じている。ただ,子供が自ら読みたいという方向に向かうような工夫が必要である。例えば,臼杵市の「平成寺子屋塾」では,土曜休みを利用して,読書だけでなく,「心の教育」として他の要素も加えることで,読書に関心のない子供たちも自主的に参加できるような取組を進めている。学校の教育方針や教育委員会の基本方針に「読書活動の推進」を明文化することが大切であるが,形だけでは駄目である。こういうことを議論していくべきである。 |
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「子供が自主的に」ということが大切なことで,推薦図書の押し付けは考えものである。読書活動がなぜ普及・定着しないのかを探るためには,成功例ばかりでなく,失敗例も見るのが良い。子供の本の専門店なども含めた成功例と失敗例について資料を準備し,メモを出したい。 |
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標準冊数の到達度を都道府県単位で示すなどの情報公開を行い,住民による評価で,良い方向に持っていくべきではないかと社説に書いたが,学校図書館関係者からは,それだけでなく市町村単位での公表が必要であるとの意見をもらったことを申し上げておきたい。二つ目に,国の読書活動推進のための基本計画に続き,各自治体でも基本計画を作成中のようだが,具体的な数値目標を欠くものが多く,数値目標を示して評価を受けるのが良いのではないか。 |
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最後に,大人が読まないことが問題であり,大人への働き掛けも必要である。例えば,企業や役所における朝の読書の実施,銀行や駅・空港での図書コーナーの設置など図書館以外での読書環境整備などが考えられる。経済団体への働き掛けも考えられるだろう。 |
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「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」は大変網羅的で,今後提言を考える者にとってはある意味,絶望的とも思える。しかし,手は打っているのに現実がそうなっていないという事実に目を向けることが大事である。実行に向けて,発想を転換するか落ち穂拾いをするか,両方やっていくのかを考える必要がある。発想の転換については,本を本屋だけで売るという発想を変えてはどうか。映画館やレストラン,劇場などいろいろな場所で本を入手できるようにしてはどうか。また,本のあらゆる漢字にルビを振るということで,抵抗感をなくしたり,イマジネーションを広げる材料にするというのはどうか。ここで言うルビは,正しい読みを振ったものだけを言うのではなく,例えば「園林」に「ていえん」とルビを振るようなことだ。これも既に出版されているものがあるが,我々のイマジネーションを広げてくれる効果が認められる。 |
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「良い本」「良くない本」というのは大人の判断である。村上隆氏や中島かずき氏は自分の創作の原点が漫画であると言っているように漫画を良くないと言い切れるものではない。学校図書館の本も大人の目だけで選定されているのでは問題であろう。子供が本を読むことを生理的喜びであると感じられることこそ大切で,教養を身に付けさせようというのはいかがか。 |
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「平成14年度読書活動実践事例集」に紹介されている活動は既に全国的に行われているのではないかと思うが,朝の読書などの活動が逆に本嫌いを増やしているのではないかと感じている。朝の読書に関して,子供たちは本当に読書が好きになっているのか,また,どんな本を読んでいるのか,どのように本を選んでいるのか気になる。マンガや悪書と言われるものであっても読めば良いのではないか。大人が読めと言っているだけでは失敗となってしまう。 |
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「平成14年度読書活動実践事例集」の活動について,このような活動が本嫌いを増やしているのではという意見があったが,むしろそうした活動をやっていない所が多いから本好きが増えないと考えるべきである。朝の読書によって中学生の読書時間が増えたというデータがあるので,効果があったと考える。また,子供の自主性や自発性は大切であるが,大人による教育的配慮はあってよいであろう。読書に関しては,小・中・高の体系的積み上げができていないのではないか。 |
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読書の重要性や必要性を学習指導要領の中にもっときちんと位置付けてもらえるように提言したい。 |
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市川市の図書館システムの推進者からのヒアリングを行うための交渉を進めてほしい。 |
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子供の本の専門店の事例や図書館,学校での取組事例についてのメモも委員から提出いただけるとうかがったので,今後,取り上げていきたい。 |
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出版界の方から,読書活動を進めるために「公」の手助けとして,どのようなことが望ましいのか聞きたい。 |
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出版界からのヒアリングは賛成である。 |
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第3回と第4回でヒアリングを予定しているので,出版界からも時間的な都合を考慮し検討する。 |
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座席配置を円卓状にして,委員同士の顔が見える形にしてもらいたい。 |