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文化審議会著作権分科会 契約・流通小委員会(第2回)議事録
1.
日時
:
平成16年10月14日(木曜日)14時〜16時3分
2.
場所
:
経済産業省別館10階1020会議室
3.
出席者
:
(
委員)
荒川,池田,石井,上原,児玉,駒井,佐々木,椎名,菅原,瀬尾,寺島,土肥,生野,松田,三田,村上,森田,山本の各委員,齊藤分科会長
(
文化庁)
吉川著作権課長,池原国際課長,川瀬著作物流通推進室長,ほか関係者
4.
議事次第
1
開会
2
議事
(1)
著作権等管理事業法の見直し等について
(2)
その他
3
閉会
5.
資料
資料1
著作権等管理事業者概況について
資料2
著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見の整理
資料3
著作権等管理事業法の概要
参考資料1
著作権等管理事業法案に関する附帯決議
参考資料2
文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会(第1回)議事録
(※第1回議事録へのリンク)
その他の資料
1
著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見(個票)
2
著作権審議会権利の集中管理小委員会報告書
(※著作権審議会へのリンク)
3
著作権審議会権利の集中管理小委員会専門部会中間まとめ
(※著作権審議会へのリンク)
6.
議事内容
【土肥主査】
それでは、定刻になりましたので、ただいまから文化審議会著作権分科会「契約・流通小委員会」平成16年度第2回を開催いたします。議事に入ります前に、本日の会議の公開について決定したいと存じます。すでに、傍聴者の方には入場していただいておるようでございますけれども、本日予定されております議事内容をみますと、非公開にするには及ばないと考えられますので、公開としてよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【土肥主査】
ありがとうございます。それでは、本日の議事は公開といたします。それでは早速ですけれども、議事に移ります。はじめに事務局より配布資料の確認をお願いいたします。
【溝口著作物流通推進室室長補佐】
それでは、議事次第により、ご説明させていただきます。下半分のところで、配布資料一覧というのがございます。本日は、資料1としまして、管理事業者の概況について、資料2としまして、管理事業法の施行状況等に関する意見の整理、3としまして、管理事業法の概要。参考資料1としまして、著作権等管理事業法案に関する附帯決議、2としまして、文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会第1回の議事録でございます。
それから、委員の皆さまには、二つのファイルの別冊を手元に用意してございます。一つは、この管理事業法を制定する前に検討されました、権利の集中管理小委員会の報告書、専門部会の中間まとめがピンクのファイルで用意してございます。緑色のファイルにつきましては、今回募集しました管理事業法の意見募集の個表がおいてございます。以上でございます。不足等ありましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。
【土肥主査】
本日の議題は、「著作権等管理事業法の見直し等について」ですけれども、本議題につきましては、第一回目の審議ですので、事務局からまず、著作権等管理事業者の概況、制度の概要、それから先ほどもらいました意見募集の結果の説明をいただきまして、その後、著作権等管理事業法の見直し等についての各委員のご意見を頂戴したいと存じます。
それでは、まず「著作権等管理事業者の概況」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【溝口著作物流通推進室室長補佐】
はい、それでは資料1をご覧いただきたいと思います。まず、項番1としまして、管理事業者の登録事業者数の推移ということで、平成13年の管理事業法の施行から、16年の9月末現在でございますけども、年度別に登録事業者数と廃止事業者数を年度ごとにに表したものでございます。
13年度は22ございました。このうち、仲介業務法から許可を受けた4団体を含んでおりますけれども、現在、登録時業者数としては36ございます。廃止した事業者数は、3ということになっておりまして、現在管理委託契約約款と使用料規程を届出して、管理事業を行っているという事業者は、25事業者でございます。
それから2にまいりますが、平成15年度における管理事業者の事業の実績ということでございます。徴収総額につきましては、約1,130億円でございます。管理手数料につきましては、これは先ほどこの(1)の徴収総額の内数になりますけれども、約153億円ということになっております。これは、先ほど25事業者があると申しましたが、平成16年3月決算までの、20事業者による集計でございます。
(3)としまして、主な取扱い著作物の種類による使用料徴収額の比較ということでございます。主な著作物ということで、音楽、美術、言語、言語の複写ということで、4つのカテゴリにして、それぞれのカテゴリにおける管理事業者の使用料の徴収額と、そのカテゴリに占めるパーセンテージを示したものでございます。それから、この表の下の…たとえば音楽ですと、ダイキサウンド株式会社、8月決算というふうになっておりますが、これは実際事業を行っておりますが、8月決算ということで、この集計には入ってこないということで、欄外に記載させていただいております。その他美術、それから言語についても、9月決算、10月決算とございますが、同様でございます。
1枚おめくりいただきまして、15年度の実績ということで、36の事業者を、2つの表に分けて、個表という形で表しております。上の大きな表につきましては、これは実際届出をして事業を行っているというところでございます。網かけの項番8番、12番、18番、25番のところは、先ほど申しましたとおり、決算期がまだきてないということで、空欄になっております。それから、項番15番の社団法人日本美術家連盟の著作物等の件数につきましては、注意書きに書いておりますとおり、美術家の作品すべてを管理対象にしているということで、正確な著作物数が不明であるということで、ここも空欄にさせていただいております。それから項番20番のNPO法人日本視覚芸術著作権協会につきましては、これは主に外国に美術管理団体の代行業務を実施しているということで、正確な委託者数と、著作物数については不明であるということでございます。
参考として下に、項番1番から11番まで事業者の一覧載せておりますけども、この事業者につきましては、まだ管理委託契約約款と使用料規程が未届であるという事業者の一覧であります。この11事業者につきましては、注釈の3番にございますとおり、現在、契約約款や使用料規程の届出の準備を行っているということでございます。以上でございます。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。ただいまの概況の説明につきまして、ご質問等ございますでしょうか。この表はよろしゅうございますか。はい、それでは特にご質問はないということで、先に進めさせていただきたいと存じます。よろしゅうございますか。
それでは、次に、「著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見募集」の結果につきまして、制度の概要の説明も含め、事務局より説明をお願いしたいと思います。
【溝口著作物流通推進室室長補佐】
はい。それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。平成16年8月16日から9月30日までの、約1カ月半の間、文部科学省および文化庁のホームページ上で意見の募集を行いました。その結果、合計86のご意見が寄せられたところでございます。
内訳としては、企業・団体等からのものが35件、個人からのものが51件でございました。個表につきましては、本日委員の手元においております緑のファイルの中に綴じてございますので、適宜それをご参照いただければと思います。
主な意見の概要としましては、管理事業法が施行されて3年経ったところでございますけれども、新規の参入事業者もいくつか出てきているところであります。主な意見としては、利用者団体または利用者等からは、もっと規制を強化すべきではないか、というような意見が多く寄せられているところでございます。
それでは、具体的に制度と意見の概要につきまして、ご説明したいと思います。1枚おめくりいただきまして、(1)規制対象、というところをご覧いただきたいと思います。この資料は、関連する条文単位をまとめまして、それに関する意見を整理したという形でまとめてございます。それでは(1)の規制対象からご説明いたします。
規制対象としては、
にございますア)の信託契約によるもの、イ)の取次ぎ又は代理による委任契約が規制対象となっております。その中で、委託者が使用料の額を決定するもの以外ということで、受託者である管理事業者が決定するものを対象としております。規制対象外としては、使用料額を委託者自身が決めるいわゆる非一任型の管理事業というもの、それから媒介による委任契約、委託者と受託者との間に人的関係、資本関係などにおいて密接な関係にあるもの、例えば親子のような親族とか、親会社・子会社、それから関連企業といった資本に関係があるような場合、公的性格に着目した国・地方自治体・独立行政法人・TLOなどが、規制の対象から除かれるということでございます。
意見の概要としては、いくつか項目ごとに整理しておりますけれども、主な意見をご説明しますと、現在規制が行われていない非一任型の管理事業を規制対象に含めるべき、一任型の管理事業を行っている管理事業者は、非一任型の管理事業はできないように分離すべき。管理事業を行うためには、著作権等の移転は必要ないので、管理委託契約は委任のみにすべきであるという意見。特定の分野における管理事業者を一元化すべき。一つの著作物等において、利用区分ごとの適否について検討すべき、というような意見が寄せられております。
もう1枚おめくりいただきまして、(2)の事業の登録等ということでございます。制度の概要としましては、著作権等管理事業を行う場合は、文化庁長官に登録の申請を行いまして、登録を受けなければならないことになっております。登録の拒否する要件として、
から
までのいずれかに該当する場合は、その登録を受けることができないことになっております。管理事業者は、その登録事項に変更があった場合につきましては、その日から2週間以内に変更の届出を行わなければならないということになっております。
主な意見としては、現在は登録申請時に管理委託契約約款及び使用料規程を必要としないが、登録だけを受けて管理事業を開始しない事業者がいることから、登録申請時にこれらも含めて添付書類として提出することを義務付けるべきであるという意見。届出期間の2週間につきまして、添付書類などの準備にかかる期間の実情に配慮した運用とすべきではないか、という意見がございます。株式会社については、主要株主の変更がしばしば起こり得るため、記載事項の省略をしてほしいという意見がございました。
1枚めくっていただきますと、変更届出期間につきましては、参考ということで、登録制をとっている――いちばん右端の枠の中をご覧いただきたいと思いますが――登録制をとっている他業法の例ということで、2週間以内の届出をしている例、それから遅滞なくということで具体的に期限を決めていない例、それから30日以内の届出としている例ということで、いくつかを参考としてあげさせていただいております。
1枚おめくりいただきまして、(3)の監督というところにまいりたいと思います。文化庁が行う指導・監督としては、3つのものがございます。まず一つは、報告徴収及び立入検査でございますけれども、これはその管理事業者に対して、文化庁がその業務又は財務状況について報告をさせたり、事業所に立ち入り、業務の状況もしくは帳簿処理などを検査したり、関係者に質問をすることができる、ということものでございます。
参考欄にもございますとおり、事業を行なっていない、まだ管理事業者が11ございます。報告徴収及び立入検査につきましては、今年度から実施する予定でございます。
二つ目の監督としまして、業務改善命令というものがございますが、業務改善命令は、委託者又は利用者の利益を害する事実があると認めるときには、必要な限度において、管理委託契約約款又は使用料規程の変更、その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができると、いうものでございます。
三つ目としまして、登録の取消し等というのがございます。これは、以下のア)からウ)のどれかに該当する場合につきましては、登録を取り消す又は、6ヶ月以内の期間を定めて、管理事業の全部もしくは一部の停止を命ずることができる、というものでございます。
この監督関係での主な意見につきましては、文化庁の指導・監督を強化して、管理事業を実施していない事業者や、利用者の利益を害する恐れのある事業者等に対して十分に指導・監督を行なうべきであるという意見。定期的な立入検査と結果の一般公表を行なうべきである、といった意見が寄せられております。
1枚おめくりいただきまして、(4)管理委託契約約款でございます。管理委託契約約款と申しますのは、委託者と管理事業者が、管理委託契約を結ぶ際に必要となるものでございまして、管理委託契約の種別、例えば先程申しました信託、取次ぎ、代理等といった種別と契約期間、徴収した著作物等の使用料の分配方法、管理事業者の報酬などを規程したものでございます。管理事業者は、事業を開始する前に、この管理契約委託約款を、文化庁長官に届け出なければならないということと、変更の届出をしたときには、遅滞なくその委託者にも、管理委託契約約款の内容を通知しなければならないということでございます。
また、管理事業者は管理委託契約約款によらなければ、管理委託契約を締結してはならないことと、契約を締結する際には、契約の内容を説明しなければならないということを義務づけております。
主な意見としては、管理事業者は、委託者の広い意味での利益となるためなら、管理委託契約約款にとらわれず、柔軟な裁量権を与えるベき、という意見。一部の管理事業者が行っている委託者の管理委託契約解約後の一定期間の再契約の禁止は、自己管理又は他の管理事業者への管理委託への変更を実質的に制約しているので改善の余地がある、という意見がございます。
1枚おめくりいただきまして、使用料規程でございます。使用料規程とは、管理事業者が利用許諾の条件として、利用者に請求する著作物等の使用料を利用区分ごとに定めた規程でございます。管理事業者は、これも約款と同様でございますけれども、事業を開始する前にこの使用料規程を文化庁長官に届け出なければならないということでございます。意見聴取の努力義務につきましては、管理事業者はその使用料規程を定めるとき、若しくは変更しようとするときには、利用者又はその団体からあらかじめ意見を聴取するように努めなければならない、ということでございます。
先に制度を説明しますので、1枚おめくりいただきたいと思います。使用料の規程を届出した場合におきましては、その概要を公表しなければならない、ということ。それから管理事業者は、使用料規程に定める額を使用料として徴収してはならない、ということ。使用料規程の実施期間というのがございまして、利用者に対する、これは周知の期間と、利用者側の準備期間などを趣旨として設けられたものでありまして、文化庁長官はその円滑な利用を阻害する恐れがあると認めるときには、3ヶ月の範囲内で実施期間を延長することができる、というものでございます。
この使用料規程に関しての主な意見としては、代替性のない著作物の利用の場合には、著作物の円滑な利用を確保するため、旧仲介業務法で規程されていた認可制を復活させるべき、という意見。意見聴取及び協議につきましては、運用面における配慮が必要であるという意見。使用料規程を制定または変更する場合はパブリックコメント等により広く利用者から意見を聴取すべき、また意見聴取を義務化すべきである、といった意見。使用料規程から減額する場合の根拠が明確ではないためルールを公表すべきである、という意見。その他としまして、利用促進のために柔軟な使用料体系、利用形態での許諾が必要である、音楽の著作物における包括契約のあり方について検討すべきであるといった意見が寄せられております。
もう1枚おめくりいただきまして、(6)の使用料規程に係る指定管理事業者と利用者代表の協議というところでございます。
まず制度としましては、これは使用料額の水準に対する影響が大きい管理事業者につきまして、文化庁長官が指定管理事業者として指定しまして、指定管理事業者に対し、利用者の代表と認められるもの、これを利用者代表と呼んでおりますけれども、利用者代表から使用料規程に関する協議の求めがあった場合につきましては、当該協議に応じる義務を課しているということ。それから管理事業者が協議に応じない場合、または協議が不調に終わった場合には、その利用者代表の申し立てにより、文化庁長官が協議の開始、またはその再開を命ずることができるもので、管理事業者と利用者の協議により、適正な使用料の額の形成を図ろうというものでございます。
主な意見としては、指定管理事業者だけでなく、すべての管理事業者に利用者からの求めに応じ協議に応じることを義務付けるべきであるという意見。利用者代表以外の利用者の意見が反映されにくいため、利用者代表が存在しない利用区分における意見聴取が困難であるため、旧仲介業務法以来の問題が解決されていない、という意見。協議・裁定制度を柔軟に活用できるようにすべき、という意見がございます。指定管理事業者につきましては、これら6つの事業者が、現在指定されているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、(7)の裁定制度でございます。この制度につきましては、先ほど協議のところを説明しましたが、協議が成立しない場合におきまして、いずれかの当事者の申請により、文化庁長官が裁定を行なうことになっております。これは、当事者間で協議を実施されたものにも関わらず、合意に達する見込みがない場合におきましては、公権的解決によらなければ著作物等の円滑な利用を実現することができない、というふうに考えられているためでございます。裁定をする場合には、文化庁長官が、文化審議会に諮問しなければならないということになっておりまして、裁定をした場合には、その旨を当事者に通知しなければならない、ということになっております。
主な意見としては、裁定制度は“迅速な手続き”という部分を考慮すると、最良の方法とは思えないため、法制度の改善、または運用上の改善を検討すべき、という意見。法24条第3項を削除し、使用料規程実施禁止期間中に裁定が行なわれるようにすべき、という意見がございます。参考までに、文化庁長官が裁定を行なったという実績は、本日現在0件でございます。
1枚おめくりいただきまして、利用許諾の拒否の制限ということでございます。応諾義務というふうに書いておりますけれども、著作物等は代替性が低いという場合が多いことから、利用者に多大な不都合を生じさせるということになりますので、管理事業者が、利用者の許諾の申し込みに、自由に拒絶できないようにするため、応諾義務を課しているというものでございます。これにつきましては、特に意見はございませんでした。
1枚おめくりいただきまして、情報の提供・財務諸表の備付け等というところをご覧いただきたいと思います。
これは、制度としては、同一の著作物等の分野におきまして、複数の管理事業者が管理事業を行なうことが予想されておりましたので、ある著作物等について、利用者がどの管理事業者が管理しているのか、ということを知りたいというニーズがありますので、それに応えるために、管理事業者に対して、その取り扱っている著作物等に関する情報を提供する努力義務を課した、ということでございます。
主な意見としては、情報提供は努力義務となっているが、義務化すべきという意見がございます。管理事業者に著作物等の管理権限を証明する資料等の提供を義務付けるべきであるという意見。同一分野に複数の団体が存在することから、インターネット上に総合的な窓口機能を開設する等の工夫が必要である、という意見。財務諸表については、委託者だけではなく、これから委託しようとするものも財務諸表の閲覧を可能とすべき、という意見が寄せられているところでございます。
もう1枚おめくりいただきまして、(10)管理委託契約約款・使用料規程の公示というところでございます。制度としては、管理委託契約約款と使用料規程につきましては、委託者と利用者を保護する観点から、管理事業者がそれらの内容を委託者、利用者の双方が知りうることができるように、公示義務を課すことにしたものでございまして、公示方法としては、事業所における掲示、インターネットによる公開、その他公衆が容易に了知しうる手段による公開、の方法がございます。
意見としては、公示方法として事業所のみでは不十分であるため、その他の方法との併用を義務付けるべきであるという意見がございます。
それから1枚おめくりいただきまして、その他というところで整理させていただいておりますけれども、先ほどご説明したのは、基本的に条文にそった形で整理しておりますけれども、(11)につきましては、条文に直接該当するものがない、制度全体に関わるというものなどがあるということで、整理をさせていただきました。11頁の1枚目、2枚目に意見がございます。ご覧いただきたいと思います。
資料3をご覧いただきたいと思いますが、資料3の別紙1がございますが、最後から3枚目でございます。これにつきましては、先ほど申しました指定管理事業者における使用料規程の届出に関することと、協議されている流れを概要にしたものでございます。ご参考としていただければと思います。その次頁が指定管理事業者以外の管理事業者における使用料規程の届出から変更、実施までのフローを書いたものでございます。
もう1枚おめくりいただきまして、資料3の別紙2には、著作権等管理事業法と仲介業務法との比較ということで、表の形でまとめてございます。主な違いとしましては、対象物が「著作物だけ」から「著作隣接権」にも拡大された、ということ。対象事業には、除外規定がなかったけれども、新たに除外規定を設けた、ということ。参入規制につきましては、許可制から届出制に変わった、ということ。管理委託契約約款と使用料規程は、許可制から届出制になったということなどが、主な変更点でございます。以上でございます。
【土肥主査】
はい、どうもありがとうございました。それではただいまの事務局からの説明を踏まえまして、本委員会において次回以降ですね、検討すべき論点等について、各項目ごとにご意見をいただいていきたいと考えております。
この検討は、法の施行後3年経過した、というところで始まっておると了解しておりますけれども、事務局におかれましては、本法施行の状況を勘案し、ということになっておりますが、なにかいまの報告以外に付加されるようなことございますか。あるいはアンケート全体通しての、付加されるような…なにかありますか。
【川瀬著作物流通推進室長】
意見の中身は資料のとおりですが、溝口が冒頭申しましたように、意見の全体的な感じとしては、規制を強化してほしいというような意見が多いように思われます。ただ、これは施行後3年しか経っていないという諸事情もあるのではないかなというように事務局としては考えています。
【土肥主査】
ありがとうございます。それでは、以下ですね、今事務局から説明のございました項目の順番で、ご意見を頂戴していきたいと考えております。一応時間としては、十分、まだ1時間半ほどございますので、本日できるだけすべて議論を尽くしていきたいとは思ってはいますけれども、もしかすれば時間が不足するということも想定されますので、もしそういうふうな状況がございます場合も考えましてですね、場合によっては次回の小委員会までに追加のご意見を頂戴する機会も設け、本日のご意見と、それから追加のご意見をあわせて、それを踏まえて事務局のほうで論点整理をしていただいて、次回で議論を深めていきたいと、こう考えておりますけれどもよろしいございますでしょうね。
それではですね、まず順番の1番ですが、規制対象、第2条関係の規制対象です。これにつきましてご意見をお願いいたします。はい、三田委員お願いいたします。
【三田委員】
私は文芸家協会でありますけれども、われわれの文芸部門でですね、作家が個人的にエージェントを持っている場合とか、数人の作家が一つのエージェントをもつような場合は別として、かなり広く、たとえば200人以上の作家を抱えて管理事業をやっている業者が現にあるんですけれども、ここが非一任型であるということで、届出もしていないし、使用料規程もないということで、これは利用者の側から料金がいくらなのかわからない、とかですね、それから著作物の使用を申し込んだのに、ちゃんと斡旋してくれないとか、苦情が出ております。
要するにこの、管理事業法という法律は、届出をしないとまったく、届出をしない業者に対してはなんの力もないわけで、これは現実的に利用者の方々に、たいへん不便をお掛けしている、逆にいえば登録している管理事業者だけに規制を強化してしまいますと、公正な競争原理が働かない、ということにもなろうかと思います。ですから、登録ということについて、もう少し検討する必要があるんではないかというふうに考えます。以上です。
【土肥主査】
ありがとうございました。本日は、意見を頂戴してですね、特にその軽重をつけ、あるいはその整理をしなくてもいいという理解でよろしいんでしょうね。皆さんのご意見をいただいて、それに基づいて次回以降の検討事項を絞り込んでいくと、そういうことで広くいただいたほうがよろしいということですね、はい。佐々木委員。
【佐々木委員】
一任型の管理事業者が、非一任型の著作物の管理も…いわゆる可能だということはですね、利用者からすると非常に混乱を生じる可能性があります。ようするに、事業のなかには包括契約をさせていただいて、それを前提にビジネスモデルを作っておりまして、そういう前提で利用を申請し許諾を受けるときにですね、突然この曲は非一任なんで、この通常の料金規程とは違います、というようなことが頻繁に起こる、という可能性がございまして、こういった、やはり一任型の管理事業者が、そういった形の管理をあわせてできるというふうなことは、やはり利用者に混乱をもたらすので、これは完全に分離したほうが、市場の混乱はないのではないか、というふうな印象がございます。
【土肥主査】
ありがとうございました。ほかには。はい、池田委員。
【池田委員】
放送事業者では、日常的に、実演家さんに関しまして、部分利用ですとか、二次利用に関する許諾を得た処理をしたりしておるわけですけれども、現在…現時点でこう、管理事業団体として登録されているなかに、実演家さんに関しましては、実は芸団協さんしかいらっしゃらない。ところが実際われわれの業務のなかでは、芸団協さんではない、実演家の団体の方に対して、窓口として許諾申請をしておるということがあります。
そういう団体が、外形的には管理事業者として業務を行っているように見えるのだけれども、実際には登録されていないというのは、非一任型であるというふうにわれわれは言われておるわけですけれども、必ずしも彼らが扱っている実演家さんの権利というものが、すべて非一任型であろうかと、いう疑問もつくんでありまして、ひょっとしたら非一任型のものと一任型のものと、混在しているんではないかと。われわれから見ましてそれが非一任型であるのか、一任型であるのかというのは、外形からわかりませんので、こういった混在したものにつきましては、先ほど佐々木委員のほうから分けるべきだということもございましたが、われわれとしてはそれも含めてこの管理事業法のなかで捉えていくべきではないかというふうに考えているところであります。
【土肥主査】
どうぞ、寺島委員。
【寺島委員】
まずわたくしども、実は脚本家連盟が事務局を引き受けておりますけれど、美術、脚本、写真、それから映画関係の著作者団体、20団体ぐらいですけれど、著団協というのをやっております。それでわたくしは、そこの場で、はじめのうちはうちがやっているように、当時は仲介業務ですけれど、いまでいう管理事業みたいなのをなさったらどうですかって言おうかと思ったんですけれど、いまは、私はたいへんね、管理事業に向いてる団体っていうのは、そうはないような気がするんですよ。
ことに来週、ソウルでCISACの総会があるんですけれど、そこにシンポジウムがありまして、翻訳家の女の方、ちょっとお名前失念しましたけれど、翻訳…日本の人が、外国のシンポジウムに、翻訳家の女の人が出てるんですね。どういう人かわからなかったんですけど、それでふと思いついたんですけれど、あるとき翻訳家協会の方がうちに入りたいと言っていらしたことがあるんです。うちは当然、映画・放送の脚本は、信託でやってますし、出版とか舞台は代理でやっております。希望者だけやるという形なんですね。ですから、うちはそういうふうにやりますよってやってるんですよってご説明したら、ぜひ入れてくださいとおっしゃって、結局、それっきりいらっしゃらないんですね。
それで、つくづくわかったんですよ。翻訳の方は、出版が主ですからうちには向いてないんですよ。うちもいわゆる放送番組の、アメリカのテレビ映画とか、アメリカの映画とかなんかを翻訳してる人たちは入れてますし、ちゃんとその人たちのために契約を結び、使用料を決め、そしてしょっちゅう窓口になってやっておりますけれど、出版は、信託ではありませんから。わたくしはね、つくづくね、どうも出版はほんとのこといって、管理業務が向いてないのではないかと。たとえば翻訳なんかですよ、それから文芸家協会いらっしゃるからどうお考えか知りませんけどね、言ってみれば翻訳をしてくださいって頼まれたら、そこで話し合って契約が成立すりゃいいわけでしてね、統一的な契約の必要もないんだし、しようがないような気がするんですよね。どうもね、おそらくソウルではなにをおっしゃるつもりか知らないけど、その翻訳家の方が。ソウルのCISACの会議っていうのは、CISACっていうのは管理業務団体のインターナショナルな団体です。ですから、そんなことCISACに訴えたってしょうがないのでは、おやりになるなら自分たちでやるよりしょうがないのになんだろうね、って実は言ってるんですよ。
【土肥主査】
先生のところはあれですか。一任型、非一任型については、脚本の場合は非一任型ということも、
【寺島委員】
あります。ですからま、放送・映画等の脚本に関しては、一任型ですけれど、おおざっぱにいって、舞台ですとか出版の場合には非一任型だと思います。
【土肥主査】
はい。
【寺島委員】
そのへんが私は、ちょっと勘違いが…著作者団体の側にですよ、あるんじゃないかと。こういう管理事業でやるほうがいい、利用者にとっても便利だし、著作者側にとっても必要だというものはいいんですけどね。なんかやたらやりたがられてもね、いかがなもんかなってちょっと思います。
【土肥主査】
すいません、お待たせしました、椎名委員。
【椎名委員】
いま、実演家に関するお話しがあったのでちょっとお答えをしておきたいんですが。実演家の場合、まず実演家自らがプロダクション等自分で管理する場合、それから音事協さんていう団体に委任されている方が、非一任型のものを音事協さんに委任されている場合。それから、大多数を占める一任型の業務処理を望んでおられる方が、芸団協隣接権センターに委任する場合と、3通りに分かれてしまう。これは実演家の権利処理の特性とでもいうようなところがあるんですが、現在映像に関わる管理事業法に基づいた業務処理というのを、実演家著作隣接権センターのほうで整備中でして、ここのところの管理事業登録が済みましたらば、いまよりも円滑な業務処理ができると思います。
ここでの話題として、一任と非一任の混在で、ある種混乱をしているというご指摘なんですが、そこらへんの線引きができますと、逆に非一任の場合はどこに話をしたらいい、一任の場合はどこに話したらいい、ということが明確になってきますので、ここでの公的な改正を必要とする案件にはあたらないような気がいたします。以上です。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。それでは上原委員。
【上原委員】
非一任型と一任型の問題は、現実の制度運用のなかで、ある程度混乱が起きているという実態から、いろいろな要望が出ているところだと思うんですね。一つには、一任型と思われる事業をやっているのに登録をしていないと。もしほんとに一任型であるならば、これは登録義務違反になるわけですが、ここの部分に関しては、まだ施行3年後ということでですね、文化庁さんのほうからの管理が行き届かないというかですね、十分に手厚い対応はしていない部分があるかもしれませんが、登録義務違反になっているものに対するチェック、ということですね。そちらのほうの目があまり働いていない部分があってですね、こういう混乱が起きやすいというところの問題となっているんではないかと。それは法制度の問題の前に、やはり運用上お考えいただいたほうがいいところがあるのではないかと、そのへんを、文化庁さんとしてどう考えているのかというものをあとでお聞かせいただければと思っております。
それと先ほど佐々木委員からありましたが、とはいえ、一任型の事業者が非一任型を、抱えて一緒にやられた場合、たいへん混乱するというのは実情としてございまして。現実に、現在の法律の定めでは、どれだけのものを一任型として扱っています、ということを100%明示する義務は、管理事業者は負っておりませんので、そうすると話をしているうちにどれが一任型で非一任型かわからなくなってですね、先ほど佐々木委員が言ったような、現実の問題が起こるという状況が起こりますので、ここの部分に関しましては、そういう混乱が起きないような手当て、これは施行規則などで明示したうえで、業務命令で済まし得るのか、あるいは法制度として考えるべきなのか、そのへんを現実の関係で精査していただいたらといかがかというふうに思っております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。荒川委員。
【荒川委員】
いま上原委員がおっしゃられたことと非常に近いんですけれども、先ほどございました一任型と非一任型の分離っていうところで、そこまで法のなかで規制をかけてくっていう強固な対応策というのは、もうちょっとじっくりと考えてほしいんですが、それよりもやはり、のちほどやはり管理著作物の情報提供、これが明確になされていないというような話にもつながってくるかと思うんですけど、そういったなかで、この管理著作物については、非一任型で管理をされている、もしくは一任型で管理をしている、というところの部分を、規則化するなどの対応でやっていくべきであって、頭ごなしに一任型と非一任型、これを同一事業者がやってはいけないっていうようなところまで踏み込むべきではないのではないかというふうに考えます。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。佐々木委員、先ほどおっしゃった中身なんですけれども、その開示の部分がきちんと行なわれた場合には、どういうふうに…先ほどおっしゃったようなご意見でしょうか。
【佐々木委員】
最初からですね、これはある一定期間、相当な期間ですね、相当な期間、これはもう非一任ですということが、事前に明確になっていればいいわけですけど、突然これを一任にしたり非一任にしたりとかですね、されるとですね、われわれとしては、事業者としては数千、数万曲という曲を、包括的に事業化するビジネスモデルを多くやってる場合、1曲1曲っていう場合は別ですけど、やはりそのたんびに、それを精査して、除外したり入れたりという作業になりますので、最初からこれはもう非一任ですと。もう10年なり20年なり相当な期間、それを一任型に入れるとかそういうことはないと、そういうことであれば、これは混乱しないと思うんですけども。今の状況ですと、特別な曲が特定な期間だけ、非一任にしてですね、ある…なんていうんですか、期間を経たら一任型に戻しますよ、とかそういうことですと混乱すると、そういう趣旨でございます。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。菅原委員お願いいたします。
【菅原委員】
いまの議論、非一任・一任の整理をするうえで、二つ分けて考えたほうがいいと思いますのは、寺島委員も言ってましたように、いろいろの対応が違って、Aの対応では非一任、Bの対応では非一任とはっきりしてるものについては、利用者にとってはおおきな支障はないんだろうと思います。結局一つの、同じ対応を一つの規程のなかで非一任だったり一任だったり、混在することが、利用者が混乱することが、利用者がたいへん迷惑することだろうと思いますので、そういう視点をもった議論ができればと思います。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。ほかにはよろしゅうございますか。一任型・非一任型管理に関する、この1番ですね、検討項目1番の問題については以上、ということにさせていただきたいと存じます。これは事務局におかれて取りまとめられるということでよろしいですね。いまここでまとめなくていいということですね。はい、わかりました。
それでは、(2)の事業の登録等、3条〜7条関係ということでございますけれども、ここについて。これも、手続きの厳格化等の要望が出ておるやにありますけれども、それから変更届出、ここは緩和ということになりましょうかね。ご意見、どうぞ、生野委員。
【生野委員】
意見書でも書かせていただいたんですが、変更届の期間に関してぜひ延長の方向で検討をお願いしたいと思います。レコード協会でも具体的に2週間という期間に間に合わなかったケースがあります。今年の7月20日に事務所を移転しました。タイミングもちょうど株主総会の集中的な開催のあとということで、法務局のほうが混雑していたということもあるんですが、7月20日に事務所を移転しまして、旧所在地と新所在地の法務局で、登記手続きが完了したのが、8月17日でした。これは別にのんびりやってたわけじゃなくて、すぐアクションを起こして、完了したのが8月17日ということで、実際の変更届出書の提出が8月19日、約1カ月近くかかったことになります。変更届でも、登記に関わること…住所変更などは一定の期間がかかります。これは違反しますと、罰則の対象にもなります重いものなので、ぜひ実態に合わせた形で必要な期間を設けていただきたいと、そういうふうに考えております。
【土肥主査】
はい、罰則はどこになるんですか。32条ですか。
【吉川著作権課長】
32条です。
【土肥主査】
そうですね。ありがとうございました。ほかに、いかがでしょうか。佐々木委員。
【佐々木委員】
いろいろご意見も出てると思いますが、登録事業者のなかには、実態としてビジネス…管理事業をですね、具体的に実施する体制が整っていない、または相当期間、ただ単に登録しただけというのもございまして、われわれ利用者側からしますとですね、やはり管理事業者として登録するだけ、登録する要件を強化していただいて、やはり実務が可能になった段階で登録を受けつける、もしくは登録事業者として登録させるということがないとですね、単に登録した管理事業者ですという看板だけでですね、われわれに対応してくる事業者もあるわけで。そういったことに非常に煩わされる事例も出てきておりますし、やはりこの実務的な体制が整って、なおかついわゆる管理すべき権利その他、規程等も整って、はじめて登録事業者として登録していただかないと、われわれとしては実務上、いろいろなリスクが出てくるということが現実にございます。あとからも出てくると思いますけど、利用者のリスクをどういうふうにですね、今後もそういった部分からなくしていくのかという部分も、議論させていただければというふうに思います。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。はい、上原委員どうぞ。
【上原委員】
登録の厳格化といいますか、その点につきましては佐々木委員とほぼ同様の見解をもっております。お出しいただいた資料を見ましてもわかりますけれども、管理事業者として登録してから、すでに3年を経過して、いまだに利用規程が届けられていない事業者等もあるわけでございまして、これに登録の意味があるのか、ということになろうかと思います。実際に、これが事業を始めたということになりますと、そこに対して、そこがもし扱っている作品なりがありますと、そこに対して交渉しなければいけないわけです。そうすると、その分野に関しては、文化庁さんに一度そういうものがあがりますと、実際にいつ利用規程が出るのか出ないのか、というのをしょっちゅう見なければいけない。いつまで見ても、半年経っても1年経っても開かれない、という状況がありまして、これは実質的に無意味な登録がなされているという実情がございますので、これにつきましてはいま佐々木委員がおっしゃったような、つまり実態が整ったところにのみ登録を認めるように登録要件を強化するのか、あるいは逆に言うと、登録後一定期間を経ても、実態業務が始まらない場合には登録を取り消すのか。それもたとえば現行法のままで、たとえば30日を経ても使用料規程があがらない場合には、早く作れという命令を出して、命令が一定期間で守られなかった場合には、命令違反で登録取消しというのは、運用上不可能ではないことかと思いますが。どうするかは別にしまして、実態上、やはり是非ご検討いただきたいと思っております。
【土肥主査】
はい。瀬尾委員どうぞ。
【瀬尾委員】
いま登録の件に関して、いま上原委員の意見と、非常に近いところがありますが、実態を伴わないうちに登録をしてしまったことによって、たとえばわれわれが、一つの事業を行なおうとしたときに、実態を伴わせるためにいろんな努力をすると。それまで登録を行わないで準備をしているわけです。そのときに、実際に実態を伴わないで、先に登録をしてしまうと。そうすると「私たちは先に登録をしたんだから」と言って、権利者の委託に関する自由な競争に関して、優先的な位置を得てしまうような場合がある。われわれはもう登録をしています。ですからわれわれに信託をしてくださいと。ただ実態を伴っていないのにも関わらず、そういうふうになって、そのまま放置されることは、信託を行なった権利者の利益を大きく損なうのではないか、というふうに思います。ですので、これは一定の期間、実態が伴ってからの登録ということはなかなか難しいかと思いますが、一定期間内での使用料規程などの届出がない場合には、仮登録のような形になるのかもしれませんけれども、登録は無効になってしまうような仕組みにして、実際に稼動するような新たな仕掛けを考えていただきたいなと。
そこらへんのところで、非常に公正な競争を、登録したしないで妨げているのではないかと、思います。以上です。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。駒井委員お待たせしました。
【駒井委員】
この問題は、のちに出てきます17条とも絡んでくるかと思いますけれども。いずれにしましても、民からの登録という形で門が広げられたわけですけれども、その場合に、いろんなタイプの事業者がいるわけです。ですから、先ほどもでてましたように、準備が整っている事業者も、整っていない事業者も、あらゆる事業者が登録という形式をとればできる、ということでございますので、それに伴っていろんな問題が噴出しています。それはこれからも出てくると思うんですが、そこでですね、広げる部分は広げた、ただし、きちっとすべき部分はきちっとする、ということが大事なのだろうと思います。したがいまして17条の、情報開示の務めというところの業務に関わるわけですけれども、それとともに登録の部分に関しても、しかるべき手を打つべき。で、21条に、登録を受けてから1年以内に管理事業を開始しないというような場合は、登録を取り消すことができる、ということがあります。で、そのようなことは実際にやられたのか、今後やるのか、どうするのか。やらなくする部分としっかりする部分とこの2つのバランスでもって、この法律の運用をすすべていくべきでないか、という意見をもっています。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。三田委員どうぞ。
【三田委員】
登録の条件を厳しくすることはけっこうなんですけれども、登録しない業者がなにか管理事業のようなことをすることに対して、なにか規制をしないとですね、例えばブローカーのような人が個人的に、10人20人という著作者から委託を受けて、仕事をするということも可能なわけですね。ご承知のように、こういう著作者というのは、売れている人って10人20人くらいしかいないんですね。その人を全部個人的なブローカーがおさえてしまったらですね、わりと日本の文化の中枢を握ってしまうということも起こり得るわけです。そうしますと、登録ということを厳しくすることの意味というものがあまりなくなってくるんじゃなかいかと。むしろ登録しない業者に対して、登録した業者は確実にこれだけメリットがあるんだということをはっきりと示しておかないと、実際的にその日本の文化を支える管理事業というのが、ざるみたいなことになってしまうのではないかということを心配します。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。椎名委員どうぞ。
【椎名委員】
先ほどもお話したとおり、映像実演に関わる管理事業登録をしようという実務をやっているときに、当然、使用料規程と管理委託契約約款を作ってから登録しましょうよ、というのが隣接権センターの理解でありまして、それが別々に出るという事態がある、というのははじめて知ったわけです。なんらかの使用料規程と管理委託関係がなければ管理事業自体ができないわけですよね。それなのに、登録を受けて、それをなんらかの別のステイタスとして使うという実態があるならば、やはり使用料規程と管理委託契約約款はマストのアイテムとすべきだと思います。
【土肥主査】
ありがとうございました。事務局におかれましては、この前半の部分ですね。実態のない登録、これについて運用上の、なにか感想をお持ちでしょうか。
【川瀬著作物流通推進室長】
いま駒井委員がおっしゃいましたように、管理事業法第21条第2項では、登録を受けてから1年以内に管理事業を開始しないとか、引き続き1年以上管理事業を行っていないと認めるときには、その登録を取り消すことができることになっています。管理事業の実態がないとか、約款及び使用料規程の届出がないということであれば、登録を取り消すことで対応することができると思いますが。現状においては、担当者から、まだ届出をしていない事業者について、できるだけ管理事業の廃止届けを出してもらうように指導はしております。しかし、それぞれの団体からは、今準備中なんです、もうしばらく待ってほしい、というような団体が多く、とりあえず今の段階では、様子を見ているというのが正直なところでございます。
監督方針については、昨年度管理事業者を集めまして、文化庁の指導・監督についての考え方を説明しているところでございます。基本的には、年度ごとの定期的な報告を行っていただくということで、15年度分については、3月決算のところはすべていただいておりまして、この会議の場で今回公表しております。それから立入検査も16年度から始めるつもりですので、先ほどおっしゃいましたような、一任型管理のところで非一任型管理がされているようなところについても、順次お話しは聞いていきたいと思っております。取消しについてはまだ1件もないのですが、その基準等については、こういう場での議論も踏まえまして整備していきたいと思っております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。確かに3年ということは、もう3年ということもあるかもしれませんけども、まだ3年ということもあるわけでございます。ちょうど端境期のところにあるんだろうと思われます。若干、先ほど室長から、今年からやっていくというようなさまざまな施策について話がございましたけれども、きちんとした運用で対応できる部分もあるのかもしれません。
この(2)の事業の登録等につきましては、おそらくいま頂戴したご意見でよろしいのではないかなと思いますので、いま、ありますか。
【寺島委員】
すいません。小さいことなんですけど、後ろから2枚目なんですけど、(11)その他のところの、おしまいのほうに、複写権センターの閉鎖性が問題っていうご意見があるんですね。それでわたくしも複写権センターの理事をやっておりますんで、まったくこういうことは、考えられないし、あけび書房さんっていうのは、複写権センターに入っているのは、書協さんとか、雑協さんとか、出版団体がまとまって入ってるんですね。ということがありますから、なんか勘違いしてらっしゃるのかなと思うし、出版流通対策協議会っていうのはなんなのかよくわからないんだけれど。ま、事実として、複写権センターは、入会を拒否したという前例はありません。
【土肥主査】
ないと。はい、わかりました。これはですね、おそらくその他のところでまとめていただいているところの部分については、いわゆる管理事業法と直接つながってはいない話なんだろうと思いますので、そこでまとめてありますが、もし時間があればまたあとで、と思っております。(3)のところに入りたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。
19条〜22条関係というところでございますけれども、先ほど室長から少し説明のあった部分にもつながるわけでございますが、ご意見ございますか。監督の部分については。先ほどの室長の説明でよろしゅうございますでしょうか。よろしいですか。参考のところにございますように、定期報告徴収及び立入検査等については、本年度から実施をしていくということでございます。事業実績についても、提供するということで、先ほど来、説明のあったところでございます。
それでは、監督について格別ご意見がない…あ、ありますか。駒井委員。
【駒井委員】
この監督に関しましては、20条のところに業務改善命令というのがありますが、この部分のようするにここではですね、業務の運営に関して、委託者が利用者の利益を害する事実が認められる場合は、という但し書があるんですけれども、どのへんをもって害するかというのは難しい点ではありましょうが、その監督基準をきちっとやっていただくことによって、登録する…準備が整っていない方も含めていろんな方が登録する、という事業者の足並みをそろえるということもできようかと思いますので、この業務改善命令、言葉はちょっと厳しいですけれども、監督・指導という部分を実態に合わせて強化していただくのをお願いしたいところでございます。
【土肥主査】
はい、そういう要望でございますか。それでは、(4)の管理委託契約約款、この点についてご意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。池田委員はございます?よろしいですか。特にご意見がない、ここにある意見の概要について、で述べられているような意見はございますけれども、本日の意見としては特にないということのようでございますので、(5)の使用料規程、13条、14条関係について、この点についてご意見をお願いいたします。はい、児玉委員。
【児玉委員】
すでに、前のほうで述べさせていただいているんですけども、分野における許可制の採用なんて、これだけ見ますとたいへん後ろ向きの意見のようなんですけれども。実はこの著作権等管理事業法ができるにあたって、何回も何回もご説明お聞きして納得してできてきたたいへんいい制度だというふうに思っておりますけれども。実際に3年間運用して、この管理事業法のもとで実務を行ってきて、若干の矛盾点を感じたのがこの点でございます。
新しい制度では、当然自由競争が働くということで、たいへん合理的でよろしいわけなんですが。ただ、新しく作品を作る場合にはそれができるんですが、二次利用とかあるいは、特定の支分権だけを利用するような場合には、もうすでに権利者は決まっちゃっておりますんで、売り手と買い手の…買い手が売り手を選べるという自由な原理が働かないんですね。どうしてもその段階では優越的地位と非優越的地位の格差ができてしまう。こういうことで、一応事前使用料規程の協議ということがあるんですけれども、結果的にその協議の場はどうしても有利と非有利の立場になる、ということで、そういう意味で、そういった部分にだけは、やはり従来にありましたような許認可制というものも、あるいは公なところの関与と言いますか、そういう許認可というものがあったほうがいいんではないかということでの意見をさせていただきました。
【土肥主査】
現状特に、児玉委員のご意見からすると、問題があるということになりますか。つまり、映像の場合だとだいたい競争がないということなんですね。
【児玉委員】
競争というよりも、選択ができない。
【土肥主査】
選択ができない。ほかには。はい、三田委員。
【三田委員】
確かに、児玉さんの言われることは妥当であると思うんですけど、やはり例外のようなことは必ずどんなものにもあるわけでして。例えば非常に零細なプロダクションが、お金ほとんどないんだけれども、なんとかこの原作で映画を作りたいというようなケースがあってですね、それに対して著作者のほうも、じゃまぁあの、原作料を、ゼロとか非常に少ない金額でいいですよといった映画がですね、たまたま賞を受けたりしてですね、二次利用のときに、非常に需要が高くなるということがあるんですね。そういうのは事前には予想できないんです。もちろん契約書をちゃんと作っておけばいいんですけれども、やっぱり作品の、出来とか評価とか状況とかによって、二次利用での売れ行きというのがまったく条件が違ってくる場合があるわけですね。ですから、それを一律に、自動的に二次利用ができるようにしてしまいますと、原作者としては、結局、最初の映画を作るときにいろんな複雑な条件をつけざるを得なくなるということですね。映画そのものが作りにくくなる、というようなケースもあるのではないかなということで。もうちょっと細かいところで考えを進めていきたいなというふうに思っております。
【土肥主査】
はい、どうぞ、佐々木委員。
【佐々木委員】
使用料規程に関しましては、利用者団体と権利者との協議が、3年のなかではかなり機能してきていると思うんですが。ちょっと問題な部分は、旧法での仲介業務法のもとで契約されたものが、新法というか新しい管理事業法によって、権利者が増えたわけですね。管理事業者が増えたと。従来ですと、音楽の場合ですと、JASRAC(ジャスラック)さんと包括的な契約をすれば、ほぼ100%に近い形で使用ができたわけですけど、当然のことながら、管理事業者が増えますと、従来1社JASRAC(ジャスラック)さんとだけやればいいところが、2社もしくは3社でやらなきゃいけない。このときには、特にストリーム系のサービスにおきましては、旧法である程度ルールが決まって、一つのビジネスモデルができていたところを、新しい法律の権利者ができたことで、そのへんの分配方式の協議がなかなかうまく進まない、という側面がございます。
事業者としては、全体の使用料を権利者に応じて、曲数等の按分でやりたいわけでございますけど、これを全部個別に協議したうえで調整しなきゃいけないということで、たいへんな労力とかいろいろな協議に要するエネルギーが生じております。こういったものをどういうふうに解決したらいいのかってなかなか難しいわけでございますけど、私どもとしては、いろんな方向があると思いますが、一つは、使用料を権利者に公平な形で再分配する仕組みがあれば、いちばん簡単にいくわけでございますけど。じゃあもしそれができなかったときには、すべての管理事業者と、利用者団体が集まって協議するのか、それとも個別に協議するのかというところで、なかなか時間がかかるわけなんですね。そういうことで、やはり使用料規程が新しい制度のもとでまだ、十分使用料規程のルール作り、もしくは規程作りに…3年間で片付いてない問題があると。これをできるだけ速やかに解決できる政策を、もちろん関係者の皆さんの努力もお願いしたいですし、行政としてこういった部分をどういうふうにしたらいちばん、権利者にとっても利用者にとってもいいのか、この事業法の運用の部分でなんか考えられないかと感じております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。この使用料規程の部分につきましては、各団体はもちろんですけれども、個人の、一般の方からも多々ご意見が寄せられておるところでございまして、事務局におかれて原案を作っていただく際には、一般の方のアンケートで述べられている部分についても、考慮してお作りいただければと思っております。
それで透明性の部分について発言が多いんですけれども、そういう問題はあるんですかね?つまり使用料規程の査定において。
【川瀬著作物流通推進室長】
私の口から言うのはおかしいような気もしますが、私が理解しているのは、たとえば音楽の場合ですと、1曲いくらというような算定方法ですと、たとえばAという管理団体が1曲100円で、Bという管理団体が1曲90円で、Cという管理団体が1曲80円だとすれば、レコードに、A団体、B団体、C団体の著作物がいくつか使われていることになります。それを足し上げれば、使用料の金額が出てくるわけです。
窓口が3つになって煩雑だということはございますけれども、これは参入規制を撤廃したことから仕方がない部分でございまして、そうすると1曲単価は違うかもしれないけれども値段は出てくることになります。しかし、いま、何人かの委員の方がおっしゃった包括使用の場合は、旧法というのはたぶん仲介業務法の意味だと思いますが、仲介業務法のときに、例えば音楽の場合ですと、JASRAC(ジャスラック)が唯一の管理団体だったので、基本的な考えとしては――これは法律的な考えというか実務的な考えなんですが――JASRAC(ジャスラック)はほぼ100%管理をしていて、JASRAC(ジャスラック)と包括使用料…例えば収入の何%を著作権料として払うと算定すると、前提はJASRAC(ジャスラック)がほとんど管理しているということですから、例えば100万円収入があったうちの20%とすれば、20万円を払えばいいことになります。これを前提にして管理事業法ができて、他に、JASRAC(ジャスラック)以外にA社、B社が入ってきたときに、そうすると仲介業務法の時代のルールのままだと、20万円は相変わらず払わなければならないけれども、A社、B社の管理事業者が管理しているものについて、たとえば1万円とか2万円を請求されると、トータルとしては23万円払わなきゃならないと。
そうすると、JASRAC(ジャスラック)の使用料規程が変更されて17万円になれば、トータルで20万円になるのですが、そこはなかなか難しい。そうすると包括使用料の場合においては、規制緩和して、参入規制が撤廃されて、事業者がたくさん入ったことによって結局は利用者の負担が大きくなるのではないかというご懸念だと思います。
それではどういう解決があるのかというと、たぶん管理事業者が集まって、使用料について調整をしたりすると、これは村上先生がご専門でしょうけれど、まずカルテルの疑いとかあって、なかなか難しいんではないかなと思います。したがって個別に話をして、例えばいまのケースであれば、JASRAC(ジャスラック)の算定の方法を変えてもらうようなことができるかどうかだと思います。したがって、この件は制度の話というよりも、実務上の一つの課題。私としては実務上の過渡期と言いますか、仲介業務法の体制から管理事業法の体制に変わった過渡期の大きな問題であると認識しております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。じゃ、佐々木委員。
【佐々木委員】
私の説明が稚拙で、詳細な解説ありがとうございます。そのとおりでございまして、ただ、こういった問題を、当事者間というかですね、利用者と権利者が個別に解決できるのか、それとも第三者機関的なところで、日なたでですね、公明正大に議論すべきなのかというところがちょっと、運用面でですね、工夫としてはあるのかなというふうなことをちょっと最後に言いたかったところでありまして、すみません。
【土肥主査】
次の、(6)もですね、これは指定管理事業者、との関係になるわけですけれども、問題としては同じようなところもあるのではないかと思うんですけれども、両方含めて、(5)、(6)含めてご意見を頂きたいと思います。はい、瀬尾委員。
【瀬尾委員】
いま(6)も含めてということで、非常に私もそう思うんですが、まず、今回のこのいろんな運用上の問題のなかで、まず包括という契約の形態というのが、これは競争原理が働いて、いっぱいそういう管理団体があることを前提にした形態なのかどうかということが、まず疑問に思われます。1団体が管理団体である場合、全部をまとめた包括という形態が有効ですけれども、このように競争原理が働いて、たくさんのところがしたときに、どの分野をまとめていくのか、そのジャンルを分けてどう包括していく、というのは非常に難しいのではないかと。基本的にたくさんの管理業務の団体が、個別のものを管理していて、それが明確になっていて、そして利用者がそれを一元的に管理できると。選択できると、いう新しいシステムに移行する際の問題点が、いま非常に出てきたのではないかなというふうに思います。
それに伴いまして、競争原理が働いて、利用者と権利者の利益を守って、さらに競争原理を導入して、健全な市場を作ろうと、この法律の目的というようなところがあるのかと思います。ただ、競争原理が働けば、当然利用者は混乱をいたします。どこが何を管理しているかが、一元的に見られない。探しまわって、その著作物は誰が管理しているかを探さなきゃいけないというのは、逆に実は大きく利便性を欠いてしまっているという現状があるのではないかなというふうに思います。
そして、またこれはちょっと、あとで違う情報の開示のところになりますけれども、昔ありましたJ-CIS構想というのが、現在いちばん、実務的に稼動すべき時期に来ているというのは、この法律の運用上必要なことということと、もう一つは競争原理におけると、やはり強いところはどんどん強くなっていって、そしていわゆる非常に優劣ができてしまうと。強い管理団体というのは、その分料金的にも当然反映されていくし、あとから参入しようとするところは、価格的にも新規参入の価格設定をしなければいけないという、非常に競争の原理が働いてくるから、これを管理するとする、たとえばたがをはめていくとすると、この法律の趣旨に合うのかどうか。もともとのこの法律を作ったおおもとの趣旨から、これが自由競争、ある程度たがにはまった自由競争であるとすると、そういう価格的な問題、不満というのは、法的な問題というより、実務の問題なんじゃないかな、というふうに思います。
雑駁的にちょっといろんな分野になりましたが以上のところが。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。情報提供、開示はまたあとでさせていただきますけれども、この(5)(6)で、上原委員。
【上原委員】
ただいまの瀬尾委員のお話にもちょっと絡むところで、2点ほど申し上げたいと思いますが。先ほど児玉委員のお話のところに戻るところではあるんですが、これはにわかに具体的にどうこう、という問題ではなくて3年たっての見直しというところですので、だいたい今のところお投げしておきたいなと思うのは、これ作るときから検討材料にも入っておりましたことではありますが、はたして、代替性が必ずしもきくものではない著作物の世界において、自由競争というものがなじむのかなじまないのかということです。これが大前提としてありまして、児玉委員がおっしゃりたかったのは、そこの部分があるので、登録制度はどうなんだろうか、届出制度はどうなんだろうかという話だったんだろうと思います。そこのところがやはり、3年やってみても実務的に乗りきれていない大命題が残ってますね、ということは確認したいと思いますし、今後の大テーマとしてさらに研究しなければいけない問題だろうと。どこで申し上げればいいのかわかりませんが、やはり利用料にいちばん関わるところですので、その点が1点。
それからもう1点、これもやはり大テーマの問題でございますが、さきほど主査から、もう3年、まだ3年という話もありましたが、やはりこのデジタル時代の3年というのは非常に早いものだな、というふうに考えます。この管理事業法のなかにある、言葉としては当然、個別の事業者とも協議するというふうなことが書かれているわけが、基本的にはやはり何回かの話し合い、というのが前提になって協議のスキームなりなんなりが考えられるし、あるいはそこで話し合いによって料金が定められることによって、市場原理あるいは競争原理ということを予定調和的に考えていた、という部分があると思うんですが、いまや1億総ユーザー、1億総権利者といわれる時代になってきたときに、果たしてそれがどこまでなじむのか。つまりこの制度が10年経ってなじむまでの間に、1億総ユーザー、1億総権利者の時代にむしろなじまない制度になってくる問題もあり得るのではないか、ということも大テーマとしてはちょっと考えておく必要があるんではないかと思います。
それは個人の方からのご意見で、いろいろな意見が出ているところはやはり、個人の人がまとめて利用者代表をさあ作りましょう、と言って個人利用の部分の利用区分に対応する、ということは、まず現実的に不可能なことでありますが、個人の利用が非常にインターネットを含めて増えている、という状況のなかで、若干そこの工夫の部分が大テーマとしてはあるのかなと、いう2点を、問題提起だけさせていただきたいと思います。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。ほかには。はい、池田委員。
【池田委員】
使用料規程の作成にあたりましては、管理事業者は意見聴取の努力義務、それから指定管理事業者は、利用者代表との協議というふうになっておりますが、この一般の管理事業者におきましては、単に意見聴取をするのが努力義務としてあるだけであると。例えばわれわれのところにも使用料規程につきまして、この使用料規程を考えておるがいかがであろうという問いかけに対しまして、われわれとしてはそれでは高いのではないか、というふうな返し方をすることがあると。そのときにこれが登録の際には、届出の際にはどのように取り扱われているのか、というのが一つ疑問としてございます。
それともう一つ、指定管理事業者との協議につきまして、たとえば今、日脚連さんと、映像ソフト協会さんとのあいだで、ビデオの使用料規程の協議がなされているというふうに伺っておりますが、たとえば放送事業者は、放送番組のビデオ化というのをかなりやっております。実際に日脚連に対して使用料のお支払いをしているというなかで、ところがこの部分においては、実は利用者代表になりえない。つまり、われわれはすべて映像ソフト協会さんのほうにお任せせざるを得ない、これがわれわれの大事なコンテンツについて、なんらお話し合いする部分が法律上はない、実際にはありうるのではないかというふうには、日脚連さんとわれわれの関係であるのかもしれませんが、法制度上はないというところで、たとえば、利用者代表の区分におきましても、放送番組のビデオ化とか、たとえば放送番組のインタラクティブ配信とか、そういった細かい区分というのが、もっと柔軟になされるべきではないのかというふうに思っております。以上です。
【土肥主査】
はい、じゃ、寺島委員。
【寺島委員】
いまの発言にも関わるんですけれど、実はうちは、やっぱり民放…NHKさん、民放局さんとは団体協約ありますから、この前に最初に値上げ要求のときは、いちばん最初にNHKさん、民放連さんにお話をしました。
実はですね、それはそもそも放送のビデオで起こった問題だったんですね。TBSさんが、たいへん熱心に、むしろわたくしどもの味方になってくれて、いろいろ文化庁さんにも言ってくだすったんですね。ところが文化庁さん、いまの、もちろん課長さん違いますし、担当の方も違いますよ。だけどあの、ひどく冷たくビデオに関しては、利用者団体は映像ソフト協会だけです、と門前払いしたんですよ。それで怒ってました、TBS、とっても。ですから、わたくしどもも別にね、民放さんとかNHKさんを無視するつもりはないし、それどころか正直言って最初のところでは、NHKさん、民放連さんに話をしたんですよ。問題が放送番組で起こったもんですから。ですから、それは文化庁さんの認識の問題だと思いますので、お決めください、文化庁さんのほうで。
【土肥主査】
はい、児玉委員どうぞ。
【児玉委員】
説明しなきゃならないあれなので。利用者代表の件ですけれども、それは当然利用者代表というのは、今のシステムでわれわれは、ビデオグラムの脚本使用料については、事業者代表だということで、いま動いていますんで、当然うちだけで決めてしまうことは考えていませんし、すでに映画製作者連盟とは一緒に意見を出しながら、いま協議をしているという段階です。それはのちほど皆さんにも一応その協議の内容をお伝えして、うまく…
【土肥主査】
ありがとうございました。どうぞ。
【川瀬著作物流通推進室長】
制度について誤解があるかもしれませんので、ご説明しておきますと、利用者代表というのは、使用料規程の利用区分に応じて、基本的には利用者代表が組織されます。利用者代表の要件は、法律をうけた省令で基準が決まっておりますので、それに適合すれば利用者代表になれるのですが、基本的には利用者代表ですから、当該利用区分については、利用者代表は一つということになっています。したがって、利用者側もできるだけ、利用者の意見をまとめるように努力していただいて、組織化に努めていただくということが一つの条件になっています。
ただ制度としましては、第23条第1項を見ていただくと、法令集だと298ページですが、これはちょっと第23条は裏から書いているのですが、その括弧書きにありますように、その「利用状況を勘案して当該利用区分をより細分化した区分についてこの項の指定をすることが合理的であると認めるときは、当該細分した区分」ということで、たとえば使用料規程では、映像のビデオ化というのを利用区分にしていても、文化庁長官が細分化したほうがいいと認める場合には、その届け出られた使用料規程の利用区分に関わらず、それを細分化して指定することができることになっています。
したがって、仮に、ある指定管理事業者の利用区分が、例えばビデオの複製ということで、例えば劇映画、放送映画、ミュージックビデオというように細分化してない場合には、あらかじめ文化庁と協議をして、もちろん管理事業者の意見も、利用者団体の意見も聞いた上ですが、文化庁長官が必要と認めれば、利用区分をその3つに細分化すれば、それぞれの区分ごとに利用者代表ができますので、それぞれにもとづいて協議をしていただく、ということになりますので。制度としては、管理事業者が利用区分を変更しないから、自分たちは利用者代表になれないということはない、ということを誤解をしないでいただきたいと思います。
ただもちろん、それは、いろんなご意見を聞いた上でということですから、希望があればそうします、ということに即はつながらないのですが、制度としては、利用区分を細分化すればそれに対応する利用者代表も細分化できるということです。例えば同じ映像のビデオでも、ミュージックビデオということに限定するんであれば、たぶんレコード協会が利用者代表になるのだと思いますが、ただ映像ソフト協会には、実はそういったレコード会社さんも入っておられるので、そのへんは利用者の実情もあると思います。
【土肥主査】
はい、細分化しない場合に、足して過半数割ったという場合、そういう場合は利用者代表になれるんですか。
【川瀬著作物流通推進室長】
はい。利用者代表の要件は、省令で決められておりまして、利用者代表になるためには、支払い使用料の額、権利者の人数が問題になりまして、いずれも全体の50%以上を確保していれば、これはもう間違いなく利用者代表です。ただそういう団体ばかりではないので、省令ではどちらか一方が50%確保しているのも認めています。例えば全体の利用者は100人いるけれども、20人しか組織していないが、使用料の額の90%を払っているという場合ですと、利用者の数は50%以下だけれども、使用料の額だと90%ですから、こういう場合も利用者代表として認められます。また反対に、額は半分切るのだが、90%の利用者を組織化してますというような場合も認められます。
それから、組織化が非常に遅れているというような場合も、額と人数がおおむね20%以上あると認められると、利用者代表になれるということになっておりますので。私どもとしては、法令のなかでできるだけ利用者代表になりやすいような形で、柔軟には制度化しているつもりをしております。
【土肥主査】
はい。それじゃこの…あ、菅原委員。
【菅原委員】
先ほど包括契約に関する意見がございますので、意見を少し述べたいと思います。よく、誤解されては困るんですが、まず使用料の支払いという観点の包括というふうに言われておりますけれども、まずその前提となる、許諾ということから考えて見る必要があるのかなと。つまり大量に、継続して楽曲なり著作物を使うときに、本来、著作物…財産ですから、事前にどの曲を例えばどういうふうに使います、というものが必要なわけですけれども、その特定ができないときの方法として、こういう包括的な許諾があるということです。これは、日本だけではなくて、諸外国、たとえば複数団体あるアメリカなどでもそういうものが実際上採用されている、ということがあげられます。ですからそこの許諾を含めて包括許諾というものを、どういうふうに考えるかという点。
それからもう1点、これについて、管理事業になったことによって、実際上利用者の方の不利益が生ずるという点でございます。実際上そうかもしれませんけれども、仲介法時代と変わりませんのは、JASRAC(ジャスラック)指定団体の許諾というものは、あくまでJASRAC(ジャスラック)の管理しているレパートリーについての包括的な許諾だと。それ以外のものの許諾は権限がないわけですので、それはできないわけで、意見のなかにも、あたかも仲介時代に、管理を預けてないものもなにか申し立てをすれば分配が受けられる、というような誤った記載がございますけれども、実際上管理しているのは、JASRAC(ジャスラック)の管理だけであって、そのことは現在もまったく変わっていない。
従前は、他の事業者がいなかったので、個別処理はあったけれども、比率の問題はあろうかと思うんです。新しい事業者が出ることによって、JASRAC(ジャスラック)の管理範囲以外のレパートリーが広がってきたことによって、そこがより顕在化してきたということはあろうかと思いますけれども、おおもとは変わっていない。またそのことについては、やはり先ほど言ってました実務的にはやはりどう考えるかという必要があろうかと思いますけれども、考え方としての許諾という点では変わるものではないのではない、というふうに思います。
【土肥主査】
はい、たぶん前者については皆さんそういうふうにお考えなんだろうと思うんですけれども、いまおっしゃったところの後者のところの点ですね、どうぞ、荒川委員。
【荒川委員】
いま話題にあがっておりますいわゆる包括契約、という部分で、例えば私どもジャパン・ライツ・クリアランスという形で、音楽分野の管理事業を行っておりますけれども、いわゆる…なんていうんでしょう、現実問題としまして、実際に著作物が生まれた瞬間に、著作権が生まれ、だけれども、それを誰が管理するかと、もしくは自己管理するのか、それとも非管理という形になるのかっていうことは、著作権が生まれた瞬間と、数ヶ月、場合によっては半年とかもっと経つ場合もあるかもしれませんけれども、そういうようないわゆる現実的な問題として、そこに乖離が生じてくると。
しかしながら、例えばじゃ仮に3ヵ月、空白期間とでも言いますか、それがあったときに、だけどその3ヶ月間もやはり利用者としては使いたい。で、その使う拠り所として、包括契約で、包括的に許諾をされている、というところに負っていく。後だしジャンケンのように、いや実はそれはうちでしたとか、僕が自己管理でやっています、というような作家、経営者が出てきた場合の部分っていうのが、どうしてもこれは手当てができない部分が生じてきてしまうと。これを法律的にどういうふうに手当てしていこうっていう議論とはたぶん別で、今菅原委員のほうからもありましたけれども、実務的にどう解決していくかっていうことも非常に重要で。
実際は、われわれも佐々木委員のNMRCさんとかを通じて、この2年、3年のあいだに限りなく協議を重ねて、ベストではないけれども、次善の次善ぐらいの策は講じてきているのではないかというふうには考えておりますが。
今後…ちょっと話はそれるんですけれども、この仲介業務法から管理事業法に変わってきた大きなきっかけの一つというのは、やはり世の中のデジタル化の流れにおいて、著作権者であり利用者っていうのが、莫大に、今までに比べて拡大していくというところで、このデジタル化の流れってのがあったときに、例えばその包括契約の流れのなかでも、どういうふうになにがどこで使われてるのかっていうことについて、できるだけデジタルの流れのなかで管理できるように、そしてそのことが権利者にとっても利用者にとっても、次善の策であるような、そういう実務的な部分をいかに整えていくかってことがすごく重要で。そうなってきたときに、共通の…先ほど瀬尾委員のなかでもありましたけれども、J-CISのようなそういうようなデータベースの構想であるとか、そういうところを、やはり実務的な部分でいかに追いかけて、現実に追いついていくかっていうことを、同時に討議していくっていうことも非常に重要ではないかというふうに考えております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。いま荒川委員のお話のなかにありましたように、開示の問題もかなり先ほど来から出ておりまして、その問題に入りたいと思っておるんですけども、(7)の裁定、それから(8)の利用許諾、ここはあまりご意見は頂戴してないところなんですけれども、ございますか。(7)と(8)につきましては。よろしいですかね、ここは。
それでは、(9)の情報提供の部分、財務諸表の備付けも含めますけれども、この17・18条、この二つ、この規程に関係してご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(9)ですね、(7)と(8)、先ほどお尋ねしたんですけれども、これはよろしいですかね、特にご意見がないよう…いただいておりませんし、裁定に代わるようなものをなにか考えるというのもたいへんだと思うんですけども、(7)と(8)はもしよろしければ承りますけれども、なければ(9)には入りたいと思いますが。その開示の問題、先ほど来からですね、かなりご意見いただいておりますので、時間もそろそろ考えないといけない頃かと思うんですが、どうぞ、情報提供、(9)のところでご意見お願いしたいと思いますが。はい、佐々木委員。
【佐々木委員】
ここは実務上、相当重要なところでございまして、管理事業者がですね、登録のところでも申し上げましたんですが、事業の実態が十分整わないうちに、私ども事業者はですね、利用者と契約を結ぶ交渉に入るわけでございますが、事前にどういう楽曲があるのか、どういう条件なのかということがですね、公示が努力義務なわけですね。したがって、相当長期間、インターネット見ても載ってないし、直接事務所行かないとしょうがないみたいなところで、やはりこれは努力義務ではなくて、最低たとえばインターネット等できちんと閲覧できる、というようなことを明確に義務化する必要があると。
それから、最近けっこう話題になっておりますが、外国楽曲の場合はですね、ほんとに権利者かどうか確かめようがないわけでございまして、こういった場合、契約を結んで使用料をお支払いしてもですね、ほんとうにそれがきちんと海外へ送金されて、権利者のほうへ渡るのか、それともですね、また別な権利者が、というか正しい権利者がまた別途現れて、二重に請求されるようなことにならないだろうか、という形で、いろいろなリスクが、利用者側から想像できるわけでございます。
実際に、われわれは、きちんとした、登録事業者として権利者から信託を受けている、もしくは正式な、法律上もきちんとした契約に基づいて許諾を出している、という保証が必要なわけで、そういったところも含めて、総合的に情報提供をしていただかないと、従来から権利者としてお付き合いのあるところは、もちろん十分、われわれもわかっておるわけでございますが、いろいろな新規参入事業者が、今後…現実に出てきておりまして、そのなかでもこういった問題がもうすでに出ているわけで、今後ますますこういう問題が出てくる可能性があります。そういたしますと、やはり利用者側がほんとうに正しい情報提供をしていただかないとですね、いろいろなリスクを背負うことになってしまいますので、ここのところは非常に大きなウェイトをもって改善していただけるようにご議論お願いしたい、というふうに思っております。
【土肥主査】
はい。まさに、おっしゃるようにですね、競争を促進していくには、マーケットの透明性がないといけないわけですから、そこの情報が十分開示されていないと、これは適正な競争ができないだろうと思うのでけれども。他にいかがでございますか。
【駒井委員】
この部分が、先ほど申し上げましたけれども、登録に絡む多くの参入者があって、いろんなタイプの事業者の方がいらっしゃる。それをきちんと整理するのが、この部分でもあるわけです。したがいまして、佐々木委員もおっしゃってましたけども、努める、というよりも、もうちょっと強い措置が必要であろうかというふうに思いますし、それとあと、それはいつか、ということもあわせて必要であろうと思います。
本来ですと、いろんな登録をするときに、そういったようなものが、すべてきちっと提示されて、はじめて登録という認識を持ちますけれども、そのへんがあまり厳しくすると、参入が困難とか、いろいろと難しい問題もあわせてあろうかとも思いますけれども、実際業務をやる場合に、非常に混乱を生じますので、この部分の「努める」というのから一歩グレードアップした部分と、あと「いつ」という部分をわれわれで検討していきたいというふうに思います。
【土肥主査】
はい。どうぞ、石井委員。
【石井委員】
いまの各方のご意見と同じ趣旨でございますけれども、どこの著作物をどこが管理しているのか、これは複数の管理事業者が出てきたときに、利用者にとってはどうしても知りたいことである、ということで、ぜひこの部分はですね、いろいろな今データベース構想もできておりますけれども、整理していただけるとありがたい。ということと、もう一つの問題は、終わりから2ページあたりにも書いていただきましたけれども、場合によっては、複数の管理団体のあいだでどちらが管理しているのかよくわからない、ということも今後起こり得なくはない。あるいは、管理団体のデータベースに載っていたから、それを信じて、そこで許諾をとってやっていたら、実はそれは違っていたとかですね、やや曖昧なところがあったとか。そういう可能性がありますと、なかなか安心して著作物を使うということもできませんので。
例えばそのデータベースに載ってるものについて、きちんと団体の許諾を得て使用したものは、少なくともそれについて著作権法違反とかそういうのに問われることがないだろう、というようなところを、なにか制度的なことを考える必要があるのではないか、というふうに考えております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。(9)財務諸表の備付け、閲覧の問題、約款・使用料規程の公示、(10)番ですね、こういうふうなことにつきましてもあわせてご意見いただければと思いますが。はい、池田委員。
【池田委員】
いま、データベースにつきましてですけれども、先ほど一任型と非一任型のことをお話させていただきましたが、仮に一任型のみがこの管理事業法の枠内であるとしますと、非一任型のものにつきましては、データベースに載らないということもございます。われわれとしましては、非一任型であっても、どこかの事業者が管理しているんであれば、それもあわせてデータベースのなかには入れてほしい、というのがあるわけです。ですから、一任型であろうが、非一任型であろうが、データベースとしては大きな網をかけてほしいなということも、先ほど申し上げたなかには含まれております。
それから、民放連のほうから出させていただきましたなかにも、利用方法、使用料規程等の公示方法ですが、これにつきましても、例えば事業所内に掲示ですむ、というふうになりますと、地方局などは、なかなか詳細を知ることができない、ということが事実上ございますので、これがインターネットによるとか、そういったものも入れていただきたいと思います。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。どちらから…それじゃ寺島委員。
【寺島委員】
いえ、いま、あの、わたくしデータベースのことなんですけれど、うちはもう属人主義で、うちの会員に関しては、さっき申し上げた放送・映画は信託、それから代理もね、データベースに載っけてほしいなんておっしゃるけれど、代理はね、その人が自分でやるんだったらうちは手を出さないですから、やってくださいって言ってこない限りは。だからそんなものね、データベースにしたってしょうがないんですよ。それから、前の信託のものなんですけどね、毎日毎日ね、放送なんていうのはね、1局が24本とはいいませんけれどね、1時間もので言えば、17本ぐらいの新しい著作物ができるんですよ。で、うちの人たちは、かなりな量を書いています。うちの人たちが。だけれどもね、そんなものをね、いちいち毎日毎日ね、データベース増やしていくことできませんよ。ですからね、それは今のうちがやっているように、属人主義でうちはやっていこうと思います。
ただ、やっぱりいくらかね、事務局にいますとね、それはシナリオ担当さんですから、シナリオ担当さんにね、電話何番ですからそちらに言ってください、なんて言ってますし、それから、これはうちでシナリオを預かっておりません、個人ですと言って、それを親切にですね…忙しいときやってるかどうか知りませんよ。だけど親切にね、著作権情報センターの名簿を見てね、住所とか電話も教えてあげてますよ。しょうがないんです、それは、どうしたって。ですからあんまりね、無理なことを言わないでください。
【土肥主査】
じゃあ今のことに関してですか。はい、じゃ、児玉委員。
【児玉委員】
向こう3年のあいだ、次の見直しをする間の、次の3年のあいだに、やはりシステム化、データベース化、電子化っていうのものすごく進んできて、おそらくわれわれのこの権利許諾業務のなかも相当電子化されることが想定されるんで、そういう意味で今回の見直しのなかにそういう問題を、極めて重要に配慮していかなきゃいけないというふうに思っております。ただですね、いま一般的に今回出ている意見のなかにも、むしろ公開義務みたいなもののほうが付されてきてるんですけども、実は私どももいま、遅ればせながら、権利管理情報のシステム化というものに非常に一生懸命に取り組んでおるんですけれども、実際じゃあ、それをどういうふうに利用するんだということが、非常に実は曖昧でありましてですね、基本的には全部クリックしたらば、原著作者の方々の許諾も得られるようなシステムでありえれば、それは理想なんですけれども、現実問題、そんなとこまで必要なのか、というのが実はわれわれ内部にはかなりあります。
例えばですね、たとえ権利の所在であっても、われわれは売りたくないものをですね、逆にほかの利用者の方が、システムを利用して脚本家ないし音楽なり、原作者の方の許諾も、もう私はもらっちゃいましたから、あなた、ほかのビデオを売ってくださいってこういうこともあり得るわけなんで、そういう意味で私が思うのは、やっぱり公開義務だけではなくて、やっぱり守秘義務というものも、十二分にやっぱり事業者の方が、やっていただかないといけないんではないかというふうに思います。
【土肥主査】
ありがとうございました。はい、椎名委員。
【椎名委員】
すいません、手短に済ませます。別に管理事業法のカバーする範囲と、データベースの整理とは、必ずしも一致しない。その利便性を向上させるためにデータベースの整備をしなきゃなんないっていうのはおっしゃるとおり、池田委員のおっしゃるとおり、一任型の取扱いをされても、どこかで検証できなければ、まったく行き場がわかんないわけですね。
それと同じようなことで、実演家、著作のことを取り扱う場合に、実演家著作隣接権センターでは委任を受けたものの管理をするわけですが、それ以外の実演家についてもコーディングしていく必要があると考えていますし。実はそのJ-CISっていうのはなくなったわけではなくて、レコード協会さんとJASRAC(ジャスラック)と、芸団協、3者によって実は継続されています。その下のレイヤーで、ミュージックJ-CISというのを作りまして、おもに商業レコード音源に関する権利情報を集約してリンクという形でデータベースを作っています。そのなかでも、例えばJASRAC(ジャスラック)管理楽曲でもないものにも、JASRAC(ジャスラック)さんは楽曲コードをふってたり、ということが出てきます。そういった整備を、先ほどから出ている利用者団体の問題とか、どことどこがデータを見合ってコミュニケーションしていくのか、というようなことを整理していくなかで、やはり相互利用のシステムっていうのは充実させる必要があると思っています。
【土肥主査】
ありがとうございました。時間がだいたい来ておるんですけれども、その他を含めて全体でですね、ここはというところがもしございましたら、お出しいただければと思いますが。はい、松田委員。
【松田委員】
コンテンツの利用の促進のために、データベースを作ること私も大賛成でありますけれども。この費用は、…まさに寺島委員が言われたとおり、膨大な費用が、もし一元的にやるとしたらたいへんなんですよね。方向性から言えば、いまのインターネット技術から言うと、自分が持っている情報を発信していれば、そこに利用者が製作してもらえる技術というのはどんどん高まっていますから、ぜひこれを利用するということにし、載せたくない人は、あまり利用されたくなくて載せたくない人は載せないと。このルールでいくほかないんじゃないかと私は思います。
それから、なんらかのものに載せた以上は、それを信じて、取り引きをした者を保護してくれというのは、一方において非常に妥当のように思うんですけれども、逆の立場で権利者が載せられちゃった場合にですね、それを…その利益をどうするかということに、いつも両方考えなきゃいけないのね。やっぱり、過去、管理事業者に任せていたけれども、その後辞めた、こういうものについてはやむを得ないかもしれません。それからある種のものは任せているけれども、たまたまある作品については任せていなかった、権限を超えちゃった、とこういうような場合もしょうがないと思うんです。こういうことはある意味両当事者のバランスを勘案して、どっちに権限がないかわりに危険を負わせるかというルールというとき、一般にどうしてもならざるを得ないと思うんです。その点の両者の討論が必要だろうというふうに私は思います。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。ほかに、最後におっしゃっておきたい、という方ございますか。はい、石井委員。
【石井委員】
これはちょっといろいろな意見のあるところかもしれませんけど、私この3年間で、管理事業を、というか管理事業制度というのがいちばん威力を発揮するのは、なんていいますか、多数の権利者の著作物をですね、大量に利用するというところにおいていちばん発揮するのではないかと思います。はっきり言って、まあなんていうか一日に1件とか、一月に1件ぐらいでしたら、一任型・非一任型というのは、そう違いがないのではないかなと思えるときもあるわけです。そうなりますと、2枚目に書いておきましたように、直接管理事業法の問題ではないんですけれども、そのように、多数の著作物あるいは隣接権と対象物というものが、ある分野でしかも大量に利用されることがあるというようなものについて、具体的に言うと、実演とかレコードの分野についての今後の管理事業の発展というものを検討する機会があればいいなというふうに考えております。
【土肥主査】
はい、ありがとうございました。先ほど、冒頭に申し上げましたようにですね、本日できるだけ時間をとりまして、検討項目についての議論を検討してだいたわけでございますけれども、本日の小委員会において、まだじゅうぶん、意見をおっしゃることができなかったような場合とか、あるいは独自のご意見等をお持ちであるかということもございましょう。ですから、追加でご意見をお持ちの場合は、10月26日火曜日までにですね、事務局のほうに出していただいて、それを踏まえて本日の議論と、その追加の意見を踏まえてですね、次回の検討項目のたたき台を、事務局によって作っていただきたいと、こう思っております。そういう取扱いでよろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。それではそのようにさせていただきたいと思います。
よろしければ、本日の第2回契約・流通小委員会を終わらせていただきたいと思っております。本日は本当にありがとうございました。最後に、事務局から連絡事項ございましたら、お願いをいたします。
【溝口著作物流通推進室室長補佐】
先ほど主査のほうからもご説明ございましたとおり、追加のご意見につきましては、各委員のお手元に、意見の提出先という1枚紙を置かせていただいておりますので、ここにあります、FAX、郵送、もしくは電子メールにて、10月26日まで、事務局のほうまでご提出いただけるようによろしくお願いいたします。
なお、次回は11月11日木曜日、14時からここと同じ場所であります、経済産業省の別館10階1020会議室にて開催いたします。委員各位にはあらためてご案内させていただきます。本日はありがとうございました。
(了)
(文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室)
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