資料4

「自由利用マーク(仮称)」について

平成    年  月
文    化    庁


完全自由 そのまま無料 障害者 学校教育

「自由利用マーク」とは?

  制作者が、自らの著作物を『「使用料なし」で「了解なし」に利用されてもいい』と思っている「利用方法」を予め表示するための「マーク」です。

  利用者は、「表示」された「利用方法」の範囲で、「使用料なし」「著作者の了解なし」で利用できます。

  自由利用マークとは“4つのマーク”の総称です。


自由利用マーク図


「マーク」を付けるとどうなるの?

    ◇   制作者にとっては、「自由利用マーク」を付すことにより、自分が創作した著作物が、様々な人に活用される可能性が高くなります。

    ◇   利用者にとっては、著作者から許諾を得なくても利用ができます。


<解説:著作権とは?>

    ▽   音楽、小説、写真、映画等は、思想又は感情を創作的に表現したものとして一般に「著作物」となります。

    ▽   「著作物」を創った人は、無断で著作物をコピーや公衆へ提供されない権利、すなわち「著作権」を持っています。

    ▽   「著作物」を利用したい人は、原則として著作者の許諾が必要です。

    ▽   詳細については、https://www.bunka.go.jpを参照下さい。

                              (注) 著作権は譲渡できますので、譲渡された場合には、「譲り受けた人」(著作権者)の許諾が必要になります。


「4つのマーク」の概要

「自由利用マーク」は、以下の4つのマークの総称です。

1「完全自由利用マーク(仮称)」
<利用可能範囲>
      下記の要件を満たせば、あらゆる利用ができます。
    (要件)・名誉・声望を害さないこと(用語解説1)


完全自由
2「そのまま無料提供利用マーク(仮称)」
<利用可能範囲>
  下記の全ての要件を満たせば、あらゆる利用ができます。
    (要件)・名誉・声望を害さないこと
            ・無料のサービスであること(用語解説2)
            ・変更・加工しないこと(用語解説3)


そのまま無料
3「障害者向け利用マーク(仮称)」
<利用可能範囲>
  下記の全ての要件を満たせば、あらゆる利用ができます。
  (要件)・名誉・声望を害さないこと
          ・障害者のための利用であること(用語解説4)
          ・実費以下のサービスであること(用語解説5)


障害者
4「学校教育での利用マーク(仮称)」
<利用可能範囲>
  下記の全ての要件を満たせば、あらゆる利用ができます。
  (要件)・名誉・声望を害さないこと
           ・学校教育活動の一貫での利用であること(用語解説6)
           ・実費以下のサービスであること
学校教育
 
                      ※ 「学校」とは、小学校、中学校、高校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園をいいます。


<用語解説1:名誉・声望を害さないこと>
著作者の創作能力についての評判を傷つけるような使い方など、社会的にみて著作者の名誉・声望を害すると認められる利用はできません。
次のような利用は、「名誉・声望を害する利用」に該当し、できません。
    ・ 芸術作品である写真を猥褻雑誌に利用
    ・ 悪文の例として利用  など


<用語解説2:無料のサービスであること>
「無料のサービスであること」とは、著作物を一般に提供等する際に、一切の対価を得ない利用をいいます。(営利・非営利は問いません。)
すなわち、印刷代、テープ代、郵送料などの実費であっても、対価を取る利用はできません。


<用語解説3:変更・加工しないこと>
「変更・加工しないこと」とは、一部分を書き換えたり、他の著作物と内容を融合させるなど、変更や加工を・・せず・に、著作物をそのまま利用すること(著作権法第20条及び第27条の対象とならない利用)をいいます。
なお、変更したり加工したりしていない場合は著作物の一部分をカットして利用することはできます。
また、CD音源をMP3ファイルにするなど形式が変わっても知覚的な内容が変わらない利用はできます。
次のような利用は、「変更・加工」に該当し、できません。
    ・ 小説をもとに、脚本や映画を作ること
    ・ 外国の本の日本語訳を作ること
    ・ 文章や映像の一部(色も含む)を差し替えたり、組み合わせたりすること
など


<用語解説4:障害者のための利用であること>
「障害者のための利用であること」とは、障害者の理解を助けるために利用することをいいます。その中には、次のような利用も含まれます。
    ・ 障害者の代理人である補助者に対し貸出等を行うこと
    ・ 障害者向けのサービスを提供する図書館等に対し録音図書等を提供すること
など
次のような利用は、「障害者のための利用」に該当せず、できません。
    ・ 障害者向けに作成した録音図書を健常者に対し貸出等を行うこと
    ・ 障害者向けに本を拡大して送信するサービスを健常者も見られるようにすること
など

「障害者」とは、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者(てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって長期にわたり生活上の支障がある者を含む)」(障害者基本法第2条でいう「障害者」)です。


<用語解説5:実費以下のサービスであること>
「実費以下のサービスであること」とは、一切の対価を得ない無料のサービス、又は、印刷代、テープ代、材料費、郵送料などの直接の実費のみを取るサービスでの利用をいいます。
次のような費用は「実費」に該当しません。
    ・ 製作に係った人件費、土地代等
    ・ サービスの提供に伴う管理費、賃貸料等  など


<用語解説6:学校教育活動の一貫であること>
「学校教育活動の一貫であること」とは、授業、文化祭、部活動など学校教育活動の一貫として考えられる利用をいいます。その中には、次のような利用も含まれます。
    ・ 学校の公式ホームページにアップロードすること
    ・ 他の学校の授業で使用するために送信をすること
    ・ 部活動で使用するためにコピーすること
    ・ 学校内でライブラリー化すること
    ・ 「学校だより」等に掲載すること
    ・ 教職員が教育の向上を図るための研究会で利用すること  など
次のような利用は、「学校教育活動の一貫」に該当せず、できません。
    ・ 学校の公式ホームページ以外にアップロードすること
    ・ 学校非公認サークル等において利用すること
    ・ 学校外でアップロードすること  など

「学校」とは、「小学校、中学校、高校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園」(学校教育法第1条でいう「学校」)です。



著作者が認める利用一覧

・・権利不行使を宣言(利用者は利用可)
× ・・宣言の対象外

 
完全
  自由
  利用マーク
そのまま無料
  提供利用
  マーク
障害者
  向け利用
  マーク
学校教育
  での利用
  マーク
利用目的の限定(以下全てにおいて限定) (特になし)   障害者のための利用に限定 学校教育活動の一貫の利用に限定
複製・譲渡
上映・演奏等
公衆送信
貸与
二次的著作物の作成及びその中での利用 ×
同一性が保持されない利用 ×
有料サービスでの提供等
(有料可)
×
(対価なしの提供等のみ可)
×
(ただし、実費は例外として可)
×
(ただし、実費は例外として可)
著作者名の表示 利用する著作物に著作者名が表示されている場合、義務ではありませんが著作者名を表示することを“マナー”としています。



著作者の注意点/「マーク」を付けるに当たって

「マーク」を付けることのできる者とは?

「自由利用マーク」を付けることのできる者は、

    著作者人格権、著作権の全てを持っている者※ です。

    ※ 著作者人格権と著作権を持っている者が複数にわたる場合でも、全員に同一の「マーク」を付す意思があるときには、共同でマークを付すことができます。


"付ける時"の注意点

○それぞれの「マーク」の内容を十分に理解した上で活用して下さい。

○「自由利用マーク」は撤回が困難です。
  ただし、マークの下に使用期限を付すこともできます。
  <使用期限:〜2003年12月>

ご自身が「マーク」を付けられる者であることを確認するとともに、他人の著作物が含まれていないか必ず確認下さい。他人の著作物に「マーク」を付けた場合、損害賠償を請求されうるので注意して下さい
※未成年者等が「マーク」を付す場合は、親などの同意を得ること。

○肖像権やプライバシーに十分注意して下さい。

他人の著作物に「マーク」を付しているとの誤解を与えないよう、「マーク」を付す位置に十分に注意して下さい。

「自由利用マーク」は、法律で定められたものではありません。
「マーク」を付すかどうかは、ご自身で判断して下さい。
「マーク」を付すに当たり、審査や登録等は一切必要ありません。


"利用した後"の注意点

「マーク」を付した場合には、“いつ、どの著作物に「マーク」を付したのか”という情報をしっかりと管理するようにして下さい。

著作権を第三者に譲渡する時は、引き続き「自由利用マーク」が有効となるよう、譲渡契約の中で確認しないと、トラブルの元になります。


利用者の注意点/著作物を利用するに当たって

利用が、「マーク」の利用可能範囲内であることを必ず確認下さい。
利用可能範囲に含まれるか微妙な場合、「マーク」はあくまで著作者の意思表示ですので、著作者に確認して下さい。

使用期限がある場合、使用期限後は、法律で認められた一部の利用を除き、利用はできませんので、計画的に利用して下さい。

○名誉・声望を害する利用はできません。

著作者名が表示されている著作物を利用した場合、著作者名を記述するのがマナーです。
(例)<○○○氏作  ※「自由利用マーク」により利用しました。>

有名アーティストの市販物など、第三者が「マーク」を付したと思われる場合には、利用しないことをお勧めします。
確認せずに利用した場合には、責任を問われる可能性があります。


より詳しく知りたい人には・・

  文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp)をご参照下さい。

お問い合わせ先:文化庁著作権課  Tel:3595−1336
  E-Mail:chosaku@bunka.go.jp


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