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「著作権法に係る検討事項(仮題)」の整理に向けた意見について

委員名 茶園 成樹
1.  映画の著作者への利益還元
 映画製作の活性化のためには、映画の著作者が適正な報酬を得られるようにすることが必要です。著作権法29条には一定の合理性があると考えるが、映画製作者との間の契約に委ねるだけでは十分でないのであれば、権利処理の複雑化の問題を考慮しつつ、映画の一定の利用形態について映画の著作者に報酬請求権を認めること等の方法を検討すべきと思います。
 (「2.著作者の権利(11)関連」)

2.  いわゆる「マンガ喫茶」でのコミックの利用に係る利益の著作者への還元
 「マンガ喫茶」でのコミックの利用が、これまでマンガ主たる利用形態であったマンガ本の売上げに大きな影響を及ぼしているという状況にあるのであれば、その利用から得られる利益の一部を著作者に還元する方法を考える必要があります。とりわけ、新たに認められた書籍・雑誌の貸与権は、貸与されたものが複製されるという問題とは無関係なものであって、貸与と「マンガ喫茶」での利用は同様の性質を有すると思われるので、貸与権とのバランスからも、検討を要すると思います。
 (「2.著作者の権利(13)関連」)

3.  行政手続に関する制限
 特許法や意匠法に基づく登録手続や薬事法に基づく新薬申請手続においては、他人の著作物を利用しなければならない場合があるが、そのような利用は行政手続の適正な遂行のために必要なものであり、かつ、著作権者の利益に悪影響をほとんど及ぼさないものと考えます。そのため、そのような利用は著作権制限の対象とすべきであり、さらに、行政手続一般についても同様のことがいえるのであれば、一般的に、行政手続のために必要と認められる範囲における著作物の利用を著作権制限の対象とすべきと思います。
 (「4.著作権等の制限(83)、(84)、(85)関連」)

4.  技術の利用に伴う著作物の利用に対する著作権の制限
 技術の利用に不可避的に伴う、又は不可避的とはいえなくても通信の効率化等の有益な目的のために行われる著作物の利用については、国民が多種多様な著作物を安心して享受することができるようにするために、著作権を制限すべきと思います。解釈論によって対応できる部分も少なくないでしょうが、解釈論を超える問題については、利用が著作権者の利益に悪影響を及ぼさないかを考慮しつつ、新たな著作権制限規定を設けることで対応すべきと思います。
 (「4.著作権等の制限(90)、(91)、(92)、(93)関連」



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