音楽CD等の還流問題に関する考え方
社団法人日本経済団体連合会
はじめに(1) | 輸入を含めた商品の流通の自由を最大限尊重するとの観点から、市場分割につながる輸入禁止を認める権利の導入は問題が多いが、還流問題がレコード産業に与える影響の大きさに鑑み、還流問題解決のために、輸入を制限する最小限度の著作権法上の措置(以下、便宜的に輸入権と呼ぶ)を講ずることはやむを得ないと考える。 |
(2) | 輸入権には、わが国音楽ソフトの世界市場における拡大をもたらす一方、国内の音楽ソフト価格の高止まりにつながるおそれもある。世界市場の拡大に寄与しているか、消費者利益にどのような影響を与えているかが不断に問われるべきであり、導入の理由が希薄化するなど前提条件が変化した場合や、消費者に与える影響が予想と異なった場合には、輸入権は役割を終えるべきである。 |
(3) | 本来的には、コンテンツ産業が、真にグローバル市場で活躍する産業に育っていくためには、市場制限的な措置がなくとも、競争力を確保していくことが不可欠である。消費者に与える影響を小さくする観点から、業界として自らなすべきことを明らかにすることや、市場制限的措置を、将来に向かってできる限り少なくしていくことを目指すことが期待される。 |
以 上