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文化審議会第36回総会議事録

1.日時: 平成16年2月17日(火曜日)14時〜16時

2.場所: 東海大学校友会館 望星の間

3. 出席者:
(委員) 高階会長,阿刀田副会長,岡田,齊藤,津田,富澤,中村,中山,野村,前田,松岡,渡邊の各委員
(文部科学省 ・文化庁)稲葉副大臣,河合文化庁長官,素川文化庁次長,森口審議官,寺脇文化部長,木曽文化財部長,鈴木文化財鑑査官,尾山政策課長ほか関係官

4. 概要
(1)  第4期文化審議会会長の選任が行われ,前期に引き続き,高階委員が会長に選任された。高階会長により,阿刀田委員が副会長に指名された。

(2)  事務局より,「文化審議会運営規則(案)」,「文化政策部会の設置について(案)」及び「文化審議会の議事の公開について(案)」についての説明があり,了承された。

(3)  高階会長より,文化政策部会に所属する委員として,津田委員,富澤委員,中村委員,野間委員,高階会長の5名が指名された。

(4)  次のような意見交換が行われた。
 国語は,文字文化というだけでなく,精神構造の構築というような問題にも関わっており,非常に幅広い問題である。
 先日の答申については,答申して終わりではなく,いかに実効のあるものにしていくかを見守っていかなければならない。
 日本人の質が落ちていて,日本は国として成り立っていくか心配。国を立て直すためには,一人一人の人間力が重要であり,今,力を一番発揮してもらわなければいけない省庁が文部科学省であり,文化庁である。
 言葉は流動的なものではあるが,日本語がかなり乱れてきている。
 日本では,韓国とちがって国を挙げていい映画を作ろうという体制が今はない。映画を振興しようと思うなら,文化庁は他省庁へ協力をお願いしないと,予算がいくらあってもいい映画はできない。
 文化財は保存し,継承していくためだけではなく,たくさんの人に見てもらう,あるいは,観光資源として活用することが必要である。
 これからの消費の対象は,物品ではなく,文化芸術になるのではないか。
 文化の東京一極集中はよくない。ぜひバランスのとれた文化政策を進めてほしい。
 言葉と音楽は,文化の一番基本的なものであると思う。
 知的財産制度について,新しい制度や法律ができたが,クリエイターなどが活躍しやすいよう環境を整備することが重要である。
 国語力は非常に重要。現在は漢学の素養がなくなり,安易に外国語を使っている。
 国語の辞書の編集は現在,企業で行われているが,このような事業は国でやるべきである。
 これからは,ますます自分たちの文化を自覚する意味でも,交流ということが非常に大事になってくる。
 イギリスでも,若い人の言葉遣いが乱れており,文章を書く能力が落ちてきており,本を読まなくなってきている。母語の問題は日本だけの問題ではなく,他の国と力を合わせるなどの方策も必要ではないか。
 文化財保護が専門家のためではなく,開かれた世の中のためのものになってきている。
 日本文化を理解することで初めて,日本の国が魅力あるものと理解されると思う。

(5)  事務局より,第37回総会については追って連絡する旨説明があり,閉会した。

(文化庁長官官房政策課)


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