○ |
私立博物館は税制措置上,特定公益増進法人に認定され得るが,実際に認定された法人数が少ないのはなぜか。また,能は伝統芸能として発展していくためにどのような方策を考えているのか。
|
△ |
そもそも特定公益増進法人になるために申請してくる数が少ない。現在,財務省の定めた税制上の基準を満たす必要があることについて周知に努めている。
|
◎ |
能は興行的には成り立ちにくく,公的支援をお願いしたい。
|
○ |
博物館の「対話と連携」を進めるためには,収蔵とサービスの機能が両輪で働かなくてはならず,学芸員等の養成や税制措置を進める必要がある。博物館の中には運営に疑問を抱かざるを得ないものも見受けられるが,現在はどのような博物館が増えているのか。
|
◎ |
生涯学習社会を向かえて内容が大きく変化している。大きな博物館でも従来の手法で,来る人だけ来ればよいというものは衰退していかざるを得ない一方,小さくても市民の需要に直接結びついていく努力をしているところは注目されている。
|
○ |
伝統芸能は人材育成が重要である。小学校や中学校のクラブ等で子供に伝統芸能をやらせてみるのはどうか。「家元制度」や「家」と伝統芸能の公共性の関係をどのように考えるのか。
|
◎ |
伝統芸能のクラブをもつ学校もあり,積極的に各学校を回っているが,なかなか受け入れられない点もある。「家元」は各流儀の伝統を守ると同時に,よいものを新しい伝統として後世に残し,道具を守っている面もある。
|
○ |
評価については国としての戦略が欲しい。その際の評価過程は全て公開し,十分納得できる形で行う必要がある。 |
○ |
経済不況から企業の支援が難しく,劇場が閉鎖される状況があるが,どのように考えたらよいか。
|
○ |
経済的余裕や鑑賞の習慣がない親の子供にも鑑賞の機会をつくるべきである。母親にとっては託児サービスがあっても切符が高く,遠く,手間がかかるとの負担が大きい。
|
◎ |
子供,身障者,老年者,障害者に対しては,無料公演や地域の団体に委託した託児サービス,生活に根ざした暮らし方やライフスタイルの提案等を行っている。更に子供向けの低料金設定,無料招待,世界レベルの公演の共同制作,海外公演等,メリハリをつけた事業も行っている。身近な素材を活かすことが新世紀のライフスタイルにつながるので,衣食住デザインの概念が基本方針の骨子案にないのが疑問である。文化庁における助成等の審査は,審査員・事務局の体制強化を行う必要がある。審査に当たって地方公演は目が届きにくいので,地方分権の視点が必要ではないか。地方の公共劇場に専門家集団が一定期間赴き,企画助言すると基盤整備にもなる。また,文化への財政支出のための理論を各種の調査に基づき構築してはどうか。
|
○ |
団体あるいは地方の公共施設に専門スタッフが少ないが,どのようなところから専門家を派遣できるのか。
|
◎ |
既存の演劇集団や民間会社にはよい人材がいるので,短期的に依頼するのはどうか。
|
○ |
文化全体を分析し,理論を構築して支援する必要がある。漫画やアニメが支援しなくても国民に浸透しているのに対し,伝統芸能が放っておいたら鑑賞されない傾向があるが,公平かつ総合的に理論化し,支援する方法があるのではないか。
|
○ |
客観的に芸術の良質性を見極める尺度はあるのか。
|
◎ |
一般的には支持者の多さは尺度の一つである。スキル,技術,メッセージ性,全体的な芸術的雰囲気,斬新さ等の要素が絡み合って「良質」といえる。
|
○ |
個人が興味をもつよう,教育プログラムに伝統芸能を入れるなどするとよい。
|
○ |
古来より民間で守られてきた民俗芸能は,鑑賞者を増やすためにどのような工夫をしているのか。テレビで地域のイベントや催しを広報する等,文化庁は観客を集めることに予算を使うべきではないか。民俗芸能継承者の表彰や,活動にやりがいをもたせる環境づくり等をしていかなければならない。
|
◎ |
活動者が元気を出すために,リーダー格が表彰されるのはよい。後継者育成のため教育課程等に民俗芸能を取り入れていく必要がある。
|
○ |
省庁横断で色々な問題を解決する必要もあり,基本方針を策定する場合,文化庁が他省庁と話し合いをする必要があるだろう。 |