審議会情報へ

教育職員養成審議会

1999/12/10議事録
教育職員養成審議会総会(第35回)議事要旨

教育職員養成審議会総会(第35回)議事要旨

1.日   時:平成11年12月10日(火)10:30〜12:00

2.場   所:霞ヶ関東京會舘「シルバースタールーム」

3.出   席:
(委員)麻生、阿部、安斎、安藤駿英、市村、植木、岡崎、岡本裕之、岡本靖正、加藤、四方、島田、高倉、田邊、田村、永井、長澤、西嶋、野村、蓮見、服部、平出、三田、村崎、森、山内、山極の各委員
(文部省)中曽根文部大臣、矢野教育助成局長、田中教育助成局審議官、尾山教職員課長、他関係官

4.開   会:
(1)審議及び資料の公開について
   審議及び資料の公開について、当日の審議についても公開となる旨確認が行われ、以下公開された。

(2)「養成と採用・研修との連携の円滑化について(第3次答申)」について
   答申に当たっての会長挨拶の後、蓮見会長から中曽根文部大臣に、「養成と採用・研修の連携との円滑化について(第3次答申)」が手渡された。その後、答申を受けて文部大臣挨拶が行われた。会長挨拶及び文部大臣挨拶は以下のとおり。

(会長挨拶)
1.文部大臣に第3次答申を行うに当たり、会長として一言御挨拶を申し上げます。

2.本審議会は、平成8年7月29日に文部大臣から「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」諮問を受けて以来、3年余りにわたり、調査審議を行ってまいりました。この間、平成9年7月には第1次答申、続いて平成10年10月には第2次答申を行ってまいりましたが、本日の答申はこれらに続く一連の答申の最後として、これまでの審議を締めくくるものであります。

3.21世紀を目前に控えまして、今日の社会はかつて予想できなかったほどの大きな変化に直面しております。教育の分野においても、子どもたちの発達の段階において様々な問題が生じ、本審議会が平成8年に文部大臣から諮問を受けた後におきましても、教育を巡る状況もめまぐるしく変化しました。こうした中、国民の信頼に応えうる生き生きした学校教育を実現することを目指して広範な教育改革が進められているところでありますが、このような教育改革を成功させるためには、学校教育に直接携わる教員の在り方というものが鍵を握っております。

4.教員の資質能力は、教員の生涯を通じ、養成・採用・研修の各段階を通して高められるべきものであり、それぞれが有機的に関連して進められる必要があります。本審議会の第1次答申においては、得意分野を持ち個性豊かな教員を確保することを目指して、養成段階におけるカリキュラムの改善についての提言を行いました。また、第2次答申においては、大学院を積極的に活用した現職教員の再教育の推進について提言を行っておりますが、これらをより実効あるものとしていくためには、従来以上に大学、教育委員会、学校の間の連携・協働が重要となります。

5.本審議会では、このような観点から、採用の改善、研修の見直し、大学と教育委員会等との連携方策について体系的・具体的な検討を加えるとともに、教員養成課程の教育内容を実践的なものとし、教員養成の一層の充実を図る観点から、教職課程の充実と教員養成に携わる大学教員の指導力の向上について検討を行いました。その際、第一次答申以来一貫して目標としてまいりました、得意分野を持ち個性豊かな教員を確保すること、現場の課題に適切に対応し、学校において個性や特色のある教育活動を展開するために必要な教員の資質能力を確保することを念頭に置きつつ検討を重ね、今回約1年の審議の成果として、それぞれについての改善・見直しの方向と具体的な方策を取りまとめ、第3次答申「養成と採用・研修との連携の円滑化について」として提言するものであります。

6.本答申における諸提言が十分な効果を上げるためには、国、大学、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、現職教員など、関係するすべての人々の理解とそれぞれの役割の自覚が不可欠であると考えます。提言の具体化に当たり、これら関係者の一層の努力と協力を強く期待して、答申に当たっての私の御挨拶とさせていただきます。

(文部大臣挨拶)
1.会長をはじめ審議会の委員の皆様方におかれましては、日頃から文教行政につきまして格段の御指導をいただいており、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
   ただいまいただきました第3次答申に関し、一言御礼の御挨拶をさせていただきます。
   平成10年10月29日の本審議会の第2次答申以降、約1年にわたりまして、委員の皆様方には、教員の「養成と採用・研修との連携の円滑化」という重要な課題について熱心に御審議を賜り、誠にありがとうございました。

2.現在、心の教育の充実、個性を伸ばし多様な選択ができる学校制度の実現などの視点から教育改革を進めているところでありますが、このような教育改革を実現するためには、教員の資質能力の向上が大変重要な前提となります。
   ただいまいただきました答申は、このような状況を踏まえ、採用の改善、研修の見直し、大学と教育委員会等との連携、教員養成に携わる大学教員の指導力の向上について具体的な方向性と改善方策をお示しいただいたものであり、教員の資質能力の向上を図る上で極めて貴重な御提言をいただいたものと高く評価させていただいているところであります。
   特に、教員の社会体験研修の充実に関する御提言につきましては、私もかねてより関心を持っていたところであり、これらの諸提言を速やかに実現すべく、適切な予算措置や関係者への趣旨徹底に努めるなど、可能なものから所要の措置を講じてまいる所存であります。

3.最後に、平成8年の諮問以来、約3年の長きにわたり賜りました会長・副会長、特別委員会主査・副主査をはじめ委員の皆様方の御尽力と御労苦に対し、重ねて厚く御礼申し上げ、今後とも引き続き御協力、御指導を賜りますようお願い申し上げまして、御礼の御挨拶といたします。

(3)事務局より関係資料の説明があった。

(4)蓮見会長より、第34回総会の議事要旨について報告があり、欠席者に照会の上会長が確定することで了承された。

(5)自由討議
   主な意見発表は以下の通り。(○:委員、△:文部省)
○   1次答申関係では、障害児教育にかかわる免許状の在り方が課題。2次答申では、プロフェッショナルスクールについての議論が欲しかった。3次答申では、父兄・地域が校内研修に参加する機会について触れるべきであったと思われる。
○   今回は諮問になかったので、議論にならなかったが、教育職員免許法そのものの見直しについても議論すべきではないか。総合学科の高校などに見られるように、教育改革が進められる中で、その施策に応じた柔軟な免許制度のあり方等に関する検討が今後必要になってくる。
○   社会体験研修については、少年院のような施設を体験することも大切ではないか。
○   教員にとって大切なのは、学力である。一種免許状から専修免許状への上進の単位が6単位では少ない。12とか15単位くらい必要ではないか。教員の生涯学習をサポートする形で、もっと学力面での教員のインセンティブを高めていくようすべき。
○   今回の3本の答申のイメージ図にもう少し軸付けをしたものを作成し、答申をPRできるようになればいい。
○   この審議会も教員養成に関係する団体に限らず、より広く教育関係の学会の意見を聞いていくことも考えてよいのではないか。
○   1次答申で教職に関する科目と教科に関する科目の比率を変えたが、これは従来型の学部を前提にした議論の結果である。学部を卒業すればある程度教科に応じた学力が付くであろうということであったが、最近では学部自体の性質が変わってきており、それほど教科にリンクした学力が育たなくなっている。各大学の努力によるところではあるが、課程認定の作業での目配りが必要ではないか。
○   教職と教科とを二項対立的に捉えるのではなく、教師にとってふさわしい学力とは何なのかという議論をもっと深めるべきではないか。総合演習のように、従来のような教科主義の学力ではなく、教科を生きたものにできる総合的な学力など、学力に関する哲学を示しておくのが望ましい。今後、臨床教育や教育人間学など、大学側の学問の蓄積も期待されるところである。
○   教育職員養成審議会の今後はどうなるのか。
△   今後、一連の答申が施策としてどう実現されていくか、または既に行った制度改正に関するフォローアップを中心に考え、その帰趨等を見極めながら今後についても考えていくことになる。また、平成13年1月からは本審議会も中央教育審議会に統合されることになる。
○   特殊教育にかかる免許状などの免許制度の見直しについては、必要があれば諮問が無くても審議会において議論することも可能であり、何が真に必要なのか、今後見極めていく必要がある。
○   答申のPRは意図的・計画的にやっていく必要がある。県の教育委員会ですら答申を十分に読んでいないというような状況であるとすれば仕方がない。それぞれの実施主体に答申を投げかけて終わりにするのではなく、それ以上の積極的な働きかけを期待したい。
○   何をなぜ教えるべきかという哲学がないと、複雑な状況になったときに教員が抜け出せなくなる。デジタルに解析されている情報は伝わりやすいが、学校はここから離れてしまっている。しかしまた、どのくらい離れてしまっているかを測る哲学もない。このような状況のままでは、現場に出ていく教員は気の毒である。
○   これからの学校は、常勤の教員だけでやっていけるわけではない。カウンセラー、地域の人々との連携などこれからの学校に求められる役割も踏まえた上で、教員の資質向上を図って行くべきである。
○   今後、本審議会が中教審に統合された際には、学校関係の委員以外とも連携をとって議論していくことができるし、またそうすべきである。
○   最近各審議会の答申が数多く出され、現場の教員に改革疲れ若しくは改革慣れのような状況も見えてきている。現場への刺激策が必要であろうし、また、新しい価値観等が定着していく上での混乱に対して、アフターケア等が必要である。
○   生きる喜びを子どもに語れることが、教育の基本であろう。これが現場から伝わってこない。
○   一定期間が過ぎたら全教員がゼロから再教育を受けることができるような条件整備が必要ではないか。
○   教育実習にしても、初任者研修にしてもまだまだ現場での受け止められ方が十分でないのではないか。
○   教育改革というと必ず教員の資質に関する話に行きつく。「資質」の前に「素質」があるのではないか。教員の「素質」を測る上でのネガティブチェックの基準は考えておくべきではないか。
○   教育に関する哲学については、社会変化に対応していく哲学という形での苦悩ばかりが目立つ。未来を創造する方向性の哲学がもっと考えられるべきである。
○   「連携」については制度的なものだけではなく、様々な方法を考えていって欲しい。
   社会の変化の中で、求められる教員の在り方も当然変わってくる。今後、本審議会においても他の審議会との連携が課題になってくるのではないか。

5.閉   会

 

(教育助成局教職員課)

ページの先頭へ