| 教育職員養成審議会総会(第9回)議事要旨 |
教育職員養成審議会総会(第9回)議事要旨
1.日 時:平成9年3月28日(金)10:30〜12:30
2.場 所:霞ヶ関東京会館「エメラルドルーム」
3.出 席:
(委 員)安藝,麻生,阿部,市村,奥島,小林,佐々木,薩日内,佐野,四方,島田,高倉,中川,野村,橋口,服部,蓮見,平出,三田,宮本,村崎,森,山極,和田,渡辺の各委員
(文部省)小林教育助成局長,工藤審議官(教育助成局担当),板橋審議官(体育局担当),松元教職員課長,加茂川中学校課長,辰野特殊教育課長,高橋教育大学室長,外関係官
4.議 事:
(1)松元教職員課長より関係資料の説明があった。
(2)審議及び資料の公開について審議及び資料の公開について,当日の議事及び資料についても公開となる旨の確認が行われ,以下公開された。
(3)蓮見会長より,平成9年2月26日総会の議事要旨について報告があり,欠席者に照会の上会長が確定することで了承された。
(4)教員養成の実施状況等に関する調査(大学対象)について
事務局より,「教員養成の実施状況等に関する調査(大学対象)」の教育実習に係るものについて,調査結果の説明があった。その後討論が行われた。討議における主な意見の概要は以下のとおり。(○:委員,△:文部省)
○ 教育実習の指導体制としては,例えば教育実習研究指導センターを設置する一方で指導は教育実習委員会が行っている大学もあり,指導教員数については回答しにくかったのではないか。
○ 学生数の多い大学では学生の出身校での実習が定着しており,教育委員会との連携の下に大学近隣の学校で実習を行うことは難しいのではないか。
○ 全体的にはうまく行っているという回答の一方で,個別部分の評価ではできていないという回答もあり,結果の評価においてはこの点に注意する必要がある。
(5)特別委員会の審議状況について
高倉主査より,カリキュラム等特別委員会における検討の状況について説明があり,その後質疑が行われた。高倉主査の説明及び質疑における主な意見の概要は以下のとおり。(〇:高倉主査,△:文部省)(主査説明)
○ 特別委員会では,4月から草案審議を行い,5月末までに報告書をとりまとめ,その後,すみやかに総会に報告したいと考えている。
○ 特別非常勤講師制度等について討議し,具体的な結論付けはしなかったが,全体的な教育水準の維持に十分留意しつつ,より積極的に検討すべきとの方向で概ねコンセンサスを得た。
○ 教育実習については,「内容・方法」について多角的に改善が必要との方向で概ねコンセンサスが得られている。「期間」については,延長に積極的ないし延長も検討されてよいとの意見が多数である。ただしなお延長に消極的な意見もあることから,是々非々の立場でさらに具体的なつめが必要。その際,「事前指導」と「教育実習」それぞれの内容・分量,相互の分担関係を検討することが必要。また,現行の「教育実習」と,新しい試みとしての学校以外の様々な施設等での「体験的実習」のコンセプトを,養成カリキュラムで必修とするか否かということとの関連で,整理する必要がある。
○ 「カリキュラムの内容」についても,スクラップの視点をも重視しながら検討した。
○ 坂本昇一聖徳大学教授から教育相談に関しヒアリングを行った。また「免許制度の弾力化について検討すべき事項の例」について,事務局から提案があった。両者については,今後の報告書の草案審議に適時反映。
○ 特別委員会の審議の公開については,平成8年12月の総会決定により,「建議,答申,報告その他の審議のとりまとめに係る文書の草案に係る案件」については,非公開とされているところであるが,特別委員会としては4月以降の草案審議についても原則公開とし,実際に議事の円滑な進行に具体的に支障が生じる状況になった場合に改めて判断することとした。
○ 総会委員においても,「論点整理メモ」を吟味いただき,審議内容について意見があれば随時事務局に寄せられたい。
(討議)
○ 「ジェンダー学」というものが学問的に定まったものとは考えないが,男女共同参画社会についての認識を持っておくことは大切。
○ 特別委員会においても,今日的な様々な課題に対応する「総合課題」といったものを検討すべきという意見がでている。
○ 教員の資質として,使命感だけではなく,国家観念・国家意識にもふれる必要があるのではないか。
○ 教員に求められる資質として,「子どもに対する責任感」といったものが抜けているのではないか。
○ 新たな科目を教職カリキュラムに導入した場合,大学が何をいかに教授すべきか困ることが多い。ガイドライン的なものを,例えば教育大学協会等において研究・作成してはどうか。
○ よい教員を育てるためにははじめの出会いが重要。その意味でも,多少の困難があっても教育実習期間を延長し,教育実習の充実を図るべき。
○ ボランティア実習や福祉実習は,人間尊重という観点から重要であるが,単位化,必修化は難しいと考える。
○ 教員の自動車通勤等のため,地域の自然や住民,文化について理解していない教員が増えている。地域に根ざした個性的な学校づくりをすすめるため,こうした点を理解できる教員の資質が求められる。
(6)自由討議
大学院を活用した教員養成及び教員養成の在り方全般について,自由討議が行われた。主な意見の概要は以下のとおり。(○:委員,△:文部省)
○ 教育は10年先の社会の設計に責任がある。このため,教員は自らの中に設計図となるものをもっていなければならないが,現在の教員にはそのためのインセンティブがない。このためにも現職教員が大学院で学ぶ機会の拡充が必要。
○ だれしも長年の職業生活の中では惰性が生じるとともに,問題認識を明確に持たなければ学んだことは身に付かない。その意味で,職業生活を通じ問題意識を明確にした現職経験者の大学院進学を重視したい。○大学院の活用については,養成学部から修士課程へ直接進学する道,一般大学から修士課程へ進学しそこで集中的に教職過程を履修する道,現職教員が修士に進み,教職あるいは教科科目についての専門性を高めることを目指すことなど,多様な道を開き,多様な養成課程を経た,多様な能力をもった教員が集まって一つの学校を構成することが大切なのではないか。
○ 現職教員は経験を通じた問題意識が高く,学ぶ意欲が高い。このため,大学院の数量的拡充,夜間大学院や土日に通える大学院の整備,単位制大学院の検討,奨学金等の条件整備などを図るべき。
○ 大学院設置基準第14条の特例について,1年間の大学院での学習の後,学校に戻ってから論文を作成することは非常に困難。これを逆転し,科目履修によりある一定単位を修得した後,大学院で論文作成を行うことを検討してはどうか。
○ 現職教員が大学院で学ぶ機会の拡充を考えたい。その際,現行の4年間での養成では不十分なので修士課程にまで延長するという発想は避けるべき。
○ 修士課程の活用は,修士号の取得と,教員としての資質の向上のいずれを目的とするかにより異なるのではないか。
○ 大学院での科目等履修による単位により,学位授与機構から学位を授与することを検討してもよいのではないか。
○ 修士の学位取得には,論文作成を通じて「能動的に学ぶ姿勢」を修得するという効果がある。
○ 特殊教育については特別専攻科が多く設置されており,短期間に集中的に学部卒後の教育を行っている。
(7)次回の日程について
蓮見会長より,次回総会については4月21日に開催される旨,報告があった。
また,議事進行効率化のため,各委員からのプレゼンテーションを歓迎すること,また進行について改善意見等あれば会長又は事務局まで申し出てほしい旨発言があった。
5.閉 会:
(教育助成局教職員課)