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著作権審議会

2000/12/21 答申
社団法人日本音楽著作権協会 著作物使用料規程の一部変更について(答 申)

社団法人日本音楽著作権協会
著作物使用料規程の一部変更について

(答 申)

 平成12年9月28日付け平成12年諮問第8号で諮問のあった社団法人日本音楽著作権協会著作物使用料規程の一部変更については、このたび別紙のと おりの結論を得ましたので、答申します。
 
1 業務用通信カラオケ関係

  (略)

 

2 インタラクティブ配信関係
(1)答申議会の判断
 本変更案については、個人利用については、1曲(入れ替え自由)の月額単価を150円程度、年間通して1曲(同)を利用する場合の包括的な年額を1,200円程 度とし、また、備考において「映画、ゲームソフト等の構成部分として著作物を利用 する場合その他特別の事情により本規定により難い場合は、利用者と協議の上、これと異なる額を定めることができる」という特例的規定を設けるとともに、施行期日に ついて、商用利用以外の部分については、平成13年7月1日から施行するよう実施 の時期を延期し、商用利用に係る部分については認可の日から施行することとして、それら以外の部分については申請どおり認可するよう答申することが適当である。

(2)理由
 本変更案は、ネットワーク音楽著作権連絡協議会との合意に基づき、平成10年度 以来、実際上権利処理が行われてきた商用配信に係る契約を中心的な内容とし、それに非商用目的でのアップロードや、個人によるアップロードについての取扱いを加えたものである。これについては、急速にネットワーク上での音楽利用が増加する中で、幅広い利用者が適法に配信を行えるようにするため、利用者から強く求められている ことも踏まえ、権利処理のルールを使用料規程上に明確に位置付けることは妥当であ る。
 しかし、その内容については、次のとおり取り扱うこととするのが適当である。

○ 個人利用の取扱い
 個人利用者がダウンロード形式により著作物を公衆送信する場合の使用料については、利用する著作物の入れ替えが容易な点、アクセス・ログの管理をすべての個 人に求めるのは困難な点などを踏まえ個人が行う事務処理負担を考慮するととも に、商用利用や非営利団体等による利用に比較して一般的には零細な利用であるこ とに配慮して、10曲まで入れ替え自由で包括的な使用料として年間10,000円とすることとしている。しかし、法律上、権利が及ぶことは明らかであるとしても、1曲でも10曲でも同じ使用料ということは、個人のホームページ等でBGMと してごく少数の著作物が利用されるような場合には必ずしも適切ではなく、1曲単 位の使用料も定めた上で、個人利用者が多数の著作物を利用するときには包括的に 処理することによるメリットを受けることができるような規定とすることが適当で ある。既定の使用料率には本件に類似するものはないが、入場料無料の演奏の最低 の場合では1曲1回100円、レコード録音の最低の場合では1曲1枚8円10銭 であることから考えると、複製及び公衆送信が複数回にわたって行われることを総 合的に勘案して、1曲1回(入れ替え自由)のアップロードについて月額150円 程度とすることが適当である。また、年間通して1曲(同)を利用する場合には包 括的なメリットを含めて年額1,200円程度に抑えることが適当である。
 なお、ストリーム形式の使用料についても同様の措置を講じることが適当である。

○ 映画の著作物の取扱い
  (略)
○ 施行期日
 このたびの規程変更案については、平成12年11月1日からの施行を原則とし つつ、商用利用以外の部分については平成13年4月1日から施行することとして 申請されているが、判断に慎重を期す必要があり審議に時間を要したこと、インタ ラクティブ配信の個人利用に関する周知徹底に相当期間が必要であると考えられる こと、特に個人利用者からの許諾申請手続きを簡便にするための方策について準備する必要があることなどから、商用利用以外の部分については、平成13年7月1 日から施行するよう実施の時期を延期することとし、商用利用に係る部分について は認可の日から施行することが適当である。

 

3 運用にあたっての答申議会としての補足意見
(1)利用者団体との協議及び使用料規程の適宜の見直し
 現行の仲介業務法においては、仲介業務団体が事前に利用者団体と使用料規程の額について協議することは必ずしも義務ではないものの、円満な利用秩序の形成のために、これまで行われてきたような協議は重要な取組として評価できる。特に、IT革命の推進 により、今後、様々な著作物の利用形態が出現することが予想され、これまで以上に緊 密に権利者団体と利用者団体とが協議を深めていく必要がある。また、著作権等管理事 業法においては、著作権等管理事業者に、利用者団体等から意見を聴取する努力義務が 課されているところであるが、今回の認可申請に対する意見具申の中でも触れられているように、各著作権等管理事業者においては、十分な協議と状況の変化に対応した使用料規程の柔軟な見直しが期待される。
 また、平成11年の著作権法改正を踏まえ、今後、著作物等の流通に当たり権利管理 情報を付加したり技術的保護手段を講じることにより著作権の保護の強化を図ることが一層求められてくることを考慮すれば、このような取組を推進するための利用者の理解と協力を促すため、著作権等管理事業者において、適切な運用上の工夫を進めることも 必要である。

(2)著作権思想の普及啓発
 今回の変更案のうち、インタラクティブ配信の個人利用に関して寄せられた意見の中 には、例えば、
・ 趣味や個人的交流を目的として音楽をアップロードしているのは、非営利、無料、無報酬のストリートパフォーマンスと同じなのだから、使用料を支払う必要はない。
・ MP3により無断でCDを配信することは問題だと思うが、MIDIデータは自分のイメージ(耳コピ)で苦労しながら作成した別の作品なので自分に権利がある。
・ オリジナルをそのまま利用しているのではないのだから、使用料は徴収しないでほしい。
・ インターネットにおける音楽著作権の管理は、表現の自由を奪うものである。
・ 実際にダウンロードされなくても、ホームページに掲載されただけで使用料が発生するのはおかしい。
・ 過去に存在した著作物を自由に利用できないのでは、新たな日本文化育成を阻害する。
・ 数多くのフリーウェア・ソフトが今日のネットワークを支えてきたにもかかわらず、このような世界に使用料を課すことはネットワークの破壊になる。
・ 使用料の徴収は、多くの音楽サイトをアングラ化させるだけである。 などといった意見が数多く見られ、この問題への関心の高さがうかがえるものの、必ず しも著作権制度に関する理解が十分とはいえない状況が見られる。著作権等を管理する団体においては、これらの状況を踏まえ、それぞれの団体の特質を生かした方法により、 個人を含めた利用者に対する著作権思想の普及啓発を行う必要がある。また、文化庁に おいても、若年層を含めた国民一般に対する著作権思想の普及啓発について一層の取組を進める必要がある。


(文化庁長官官房著作権課)

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