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著作権審議会

2000/10/11 議事録
著作権審議会マルチメディア小委員会図書館等における著作物等の利用に関するワーキング・グループ(第1回)議事要

著作権審議会マルチメディア小委員会図書館等における著作物等の利用に関するワーキング・グループ(第1回)議事要旨
平成12年10月11日(水)
 
10:30〜13:00
 
東海大学校友会館「三保の間」

 

・出席者
委員:半田座長、糸賀委員、児玉委員、後藤委員、齋藤委員、酒川委員、佐藤委員、杉野委員、関委員、土屋委員、筒井委員、中西委員、名和委員、前園委員、松村委員、三田委員、紋谷委員

事務局:林審議官、吉田著作権課長、尾崎マルチメディア著作権室長、その他担当官

1.開会

2.委員及び事務局の紹介
 事務局から委員及び事務局の紹介が行われた。

3.議事
(1)配付資料説明等
  事務局より、本日の議事及び配布資料の説明があった。
(2)議事
一.著作権審議会マルチメディア小委員会図書館等における著作物等の利用に関するワーキング・グループの審議内容の公開について
 事務局から対処方針について説明が行われた。以下のような意見交換が行われた後、了承された。

(○・・委員、△・・事務局)
○議事録は公開できないのか。

△議事録については公開していないが、発言者の意見を反映させた上で議事要旨を公開しているところである。

○公開の方法はどのような形をとっているのか。

△文部省のホームページに載せているところである。

○できるだけ早急な公開をお願いしたい。

二.著作権審議会マルチメディア小委員会図書館等における著作物等の利用に関するワーキング・グループにおける検討事項について
 事務局から資料に基づき説明があった後、各委員による以下のような意見交換が行われた。

○著作物には、学術文献、ベストセラー小説、芸術作品など、様々な種類の著作物があるがこれを一括に論じることには無理がある。
 デジタル図書館でデジタル図書を読むことと紙でできた図書を読むこととの差は全くなくなることが将来想定されるが、その時にデジタル情報だけに課金をすることは奇妙なことになる。
 また、売れ筋の本しか図書館に置かず、少部数発行の図書は置かないということとなると、資料を収集、整理、保存するという図書館が果たすべき重要な役割が抜け落ちてしまう恐れがあるので、その点を配慮してほしい。

○著作物の利用方法は様々であるため、一つ一つの著作物に管理情報を付与することが必要だと思う。この点も含めて著作権法の基本的な枠組みを整えるべきである。

○図書館資料というと一般に書籍を思い浮かべるが、その他に映像やCD、大学で行われているLL(ランゲージ・ラボラトリー)などがある。それも図書館の枠に含めて議論する必要がある。

○かつての図書館は本を読んで調査するための機能が主だったが、昨今は市民の憩いの場としての機能を果たしている。図書館そのもののコンセプトが変わりつつある中、映像メディアの位置づけは重要になっている。
 館内上映は、著作権法第38条第1項で、非営利、無料の上映と解され権利制限があるが、実態が映画館と同じ様な利用の仕方になっているため、権利制限であっても何らかの条件を付けないと権利者の権利が守られない。
 また、デジタルの配信を考えると、インターネットで映像が館外に流れた場合には恐怖を感じている。ワーキング・グループの検討項目として映像の上映問題を入れてほしい。

○日本の図書館の設置状況は欧米各国と比べるとまだ少ない。米国の公共図書館は約1万6千館、日本は約2千6百館程度である。数でいうと米国の6分の1、人口あたりで数えると3分の1程度しかない。中でも、町村の図書館の設置率は4割にとどかない状況である。日本の図書館は、まだまだ、発展途上段階であるけれども、図書館がいいコレクションを構築していくことで、むしろ市民の読書意欲がわき、本の購買意欲につながっているという側面は否定できない。
 また、電子図書館というと館外へ送信することを想定するが、館内での利用も電子図書館構想の大事な機能だと思う。両者は一体として考えられる。

○電子図書館構想に関連して、公衆送信権の権利の見直しを行っていただきたい。

○デジタル化するときに、新聞の声欄、俳句や短歌などの投稿はどのように権利処理しているのか。

○データベース化する際には、著作者から承諾書をとっている。

○図書館の機能として、娯楽目的の機能ばかり目立つという意見があったが、利用者が娯楽目的で利用する場合でも、図書館は利用者の人格形成に大いに関与しており、これは、図書館の役割の一つに位置づけられている。
 現在、図書館でデジタル化を行っているところもあるが、図書をデジタル化する際には、必ず著作権者の許諾を得ていることを付け加えておく。

○大学図書館ではデジタル化の著作権処理を真剣に取り組んでいるが、権利処理が多大な労力を要しているため、デジタル化に関するガイドラインを作成するという方向での議論をお願いしたい。
 また、デジタル化に際して、すでに著作権者と利用者の間で正常に機能している慣行がある場合には、それが阻害されることは避けたいので、考慮いただきたい。
 すでに公表の時点でデジタル化されている著作物の問題と公表後にデジタル変換された著作物の問題を区別して議論すべきか一緒に議論すべきか、また、遠い将来をにらんだ議論を行うのか、ここ何年ぐらいの議論を行ってどのように法律に反映させるのか示していただきたい。

○図書館での著作物の利用形態が変化している状況の中で、図書館員は著作権問題に関して真剣に悩んでいるのが現状だと思う。この問題は様々なセクションと一緒に考えなければならない。また、資料を提供するという図書館の所期の目的を、どうすれば達成できるのか議論いただきたいと思う。

○CD-ROM付き書籍、単品のCD-ROMの取り扱いについて、館外貸し出しを行う際にどういう考え方をとるのか、あるいはインターネットを利用して公衆に提供する場合にどう考えるのか大いに議論すべきである。日本電子出版協会では、現在、書協、雑協とも相談して館外貸し出ししてもよいものについては、CD-ROMにマークを付けるということで対応している。

○現行法31条では、法人による調査研究のための複製も含まれており、この概念は非常に広いと言える。
 31条制定当時と現在の状況を比べると、企業の状況も図書館の状況も変化してきた。昭和45年ごろの企業の図書館には、大量の論文誌が存在したが、今はほとんどなくなっている。これは、公共図書館を利用すればコピーができることから、公共図書館へ図書が移行したためと考えられる。この点、海外の図書館の利用と比べると落差は非常に大きい。この点を検討事項に入れて議論いただきたい。

○公共図書館では、企業からの複写申し込みや企業宛の領収書を申し出る利用者の場合には複写サービスを断っているということを付け加えておきたい。

○図書館を建てそこに本を揃えればそれでいいというのではなく、ソフト面の充実を図るべきであろう。
 また、現在デジタル出版が行われているが、従来から紙媒体の図書を置いている図書館はいいが、新設の図書館は絶版となった名作をデジタル化して元の本を置かない図書館も存在することとなる。個人でパソコンを持っている者は、デジタル出版物を読む場合に課金され、図書館に行って読む場合には課金されないということについて疑問を投げかけたい。

○大学図書館を新設する際、従来のように広大な書庫を用意すべきか、ネットワーク設備に力を入れるべきか意見が分かれると思う。ここ10年くらいの間で図書館は様変わりしてゆくと思う。このような時に著作権問題を扱う難しさを改めて感じている。今後とも積極的な議論をお願いしたい。

4.次回日程等
 次回については、事務局から、図書館出身の委員の方々から図書館における著作物等の利用の現状についてご説明いただき、具体的な日程については、追って連絡したい旨の発言があった。

5.閉会

 

(文化庁著作権課)

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