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第6回文部科学省政策会議(平成21年11月11日)配付資料1-3

美術品の国家補償制度について

 1.現状と課題

<1> 大規模展覧会を巡る状況

(1) 展示美術品の保険料(=美術品評価額×保険料率)の高騰

 1)国際的テロや大規模災害の発生による保険料率の大幅上昇。
 (参考)保険料率の推移 2000年:0.1%後半→2008年:0.25%程度

 2)新興国での美術品への関心の高まり等に伴う評価額の上昇。
 (例)ピカソ「夢(1932年)」 1997年:57億円→2006年:165億円

→ 保険料の高騰、高額保険に不可欠な再保険確保の困難化。
 (例) 国立美術館のある展覧会では、保険料の高騰等のため、当初の企画内容から作品数を3割、評価額で3.5割削減して開催された事例もある。

 (2) 景気悪化に伴う民間の撤退・縮小

これまで大規模展覧会を主導してきた百貨店系美術館が相次ぎ閉館、また新聞社も撤退・縮小が進んでいる。

→ (1)及び(2)により、大規模展覧会の開催が困難になってきており、国民の質の高い鑑賞機会の確保が課題。

<2> 諸外国における対応

諸外国では、質の高い展覧会の開催を国として支援するため、借り受けた美術品の損傷等に対する国による補償制度を導入し(注)、保険料負担を軽減。
(注) ロシアを除くG8各国、その他の主要国でも導入が進んでおり、ノルウェーの補償制度では、民間保険であれば億単位の保険料が9割以上軽減された事例もある。
→ 我が国でも国による補償制度の導入が必要。

2.制度設計に当たっての方向性

<1> 補償の対象となる展覧会の要件
 【方向性】
 補償の対象となる展覧会の主たる要件として以下のものを設定。
 (1) 美術品の評価額の総額が一定額以上であること。
 (2) 国民の鑑賞機会の充実を図るための企画内容を有すること。
 (例)地方への巡回展の開催、高校生以下の無料化等の本制度により受益を受ける層を幅広いものとする取組等
 (3) 展覧会を開催する施設及び設備の状況、美術品の展示及び輸送に関する計画が一定の安全性等の基準を満たしていること。

 <2> 国による補償の範囲
 【方向性】
 ○ 官民の役割分担を図る観点から、美術品に損傷等が発生した際の国の補償の免責額(主催者の自己 負担部分)を設定。
 ○ 国による年間の補償引受総額について、財政規律の観点も踏まえ、現在の大規模展覧会の開催実績を勘案した額を設定。
 (参考) 評価額100億円以上の展覧会の開催実績:年間10数件

 <3> 補償の財源
 【方向性】
 毎年度の支出は予定していないため、財源は予備費等で措置。
 (参考) 政府の補償制度を設けている原子力の損害賠償制度では、一会計年度内に締結できる補償契約の限度額を一般会計予算の予算総則に規定し、支出が必要となった場合は予備費や補正予算等により対応することとされている。

 <4> 対象となる開催美術館の範囲
 【方向性】
 国立館及び地方の美術館の巡回展も含めて対象とすることについて引き続き検討。
 (参考) 開催美術館は国立館に限定する考えもあるが、文化振興の観点から国公私立の全ての美術館を対象とすることも検討。 

<5>   補償の対象となる展覧会及び補償額の決定手続
 【方向性】
 展覧会の主催者の申請に基づき、文化審議会の意見を聴いて、展覧会の企画内容や安全性の観点から補償の対象となる展覧会及び損害発生の際の補償額を決定。補償対象となる美術品の評価額及び国の補償額が適正に決定されるよう審査方法を設計。

お問合せ先

大臣官房総務課法令審議室

-- 登録:平成22年03月 --