平成22年2月10日(水曜日)8時~
衆議院第1議員会館 第1会議室
(1)文化審議会への諮問について
(2)国立教育政策研究所の調査研究について
・理科教育の改善施策の立案に資する調査研究状況について
・少人数指導等に関わる研究について
(3)その他
来年度に取り組むべき課題も含めて役所の方で検討していることをご紹介したい。
まず、税制調査会においては、「新しい公共」の在り方の一つとして、寄付税制の見直し等を含めた改革案を5月までにとりまとめる予定。また、科学技術関係では、総合科学技術会議、研究開発法人、独立行政法人、特殊法人等の組織の見直しを進めたい。さらに、研究資金の配分に関しては、基礎科学をイノベーションにつなげるまでの期間、いわゆる「死の谷」に対する支援のあり方について検討を進める。また、環境技術に関する研究開発についても取り組んで参りたい。文化に関しては、文化審議会において基本的方針を定め、著作権への対応や知的財産のアーカイブ化等を含めて検討するとともに、我が国の文化を観光資源として活用する方策についても検討する。さらに、国際的な観点で言えば、アジアに対する発信力の強化や、外国人児童生徒の教育の充実についても取り組んで参りたい。
(資料1「文化審議会への諮問について」に基づいて説明。)
○中川副大臣
今回は、我々の施策方針に基づいて課題を絞った形で諮問をお願いしている。
○ 文化財の保存は重要であるが、市民の協力のもと文化財を利活用する視点も重要である。
○ 文化審議会の委員の方々は、伝統文化等に精通した方が多いようだが、近年、我が国の文化の特色の一つになっているメディア芸術等を含めてご議論いただけるのか。
○後藤政務官
メディア芸術等の分野の専門家の方にも、専門委員としてご参加いただく予定である。
(資料2-1「理科教育の改善施策の立案に資する調査研究状況について」に基づいて説明。)
理科教育における課題としては、児童生徒の理科を学ぶ意義や社会とのつながりについての認識の低さや、教員の理科指導に対する苦手意識、専門家による指導や観察実験等の機会の不足などが、国内外の調査結果から挙げられる。
(資料2-2「少人数指導等に関わる研究について」に基づいて説明。)
学級規模に関する教員への意識調査の結果、教科等によって異なるがおおむね21~25人程度を適正な規模と捉える教員が多い。また、学力との関係については、学級規模の縮小は指導方法の改善を伴ってこそ効果がある。さらに指導類型別に分析した結果、学級を混ぜることなく、個に応じた指導を意図した展開による比較的少人数な集団における指導が望ましい。
○ 国立教育政策研究所では、文部科学行政の下請けではなく、独自の観点で研究し、研究に基づく提言を行うべきである。
小中学校段階の学びに大きな影響を与えている大学入試の在り方を見直すべきではないか。理科教育については、博物館の活用を視野に入れるべき。また、日本はPISA等の国際調査の結果を意識しすぎているのではないかという意見もある。
○国立教育政策研究所
従来、当研究所では、文部科学省における学習指導要領の見直しに資する学力の実態把握に努めるとともに、中長期的な観点等からのプロジェクト研究、国際的な共同研究を進めてきた。今後とも、より深い観点からの課題の設定に努めたい。なお、PISA等の我が国の結果については、点数に加え、子どもの学習意欲等が低かったことが強いインパクトを与えたものであり、その後、学びの有用性等を実感できるような指導の実現に留意するよう施策の充実に活かされたと認識している。
理科教育における博物館等の学校外のリソースの活用は重要であると考えており、現在、国立科学博物館と共同で研究を進めているところである。大学入試については、理科の観点から言えば、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)や国際科学オリンピックにおける成果を評価するなど多様化の事例がみられるものの、まだ課題は多い。
○ 国立教育政策研究所における課題設定と研究の成果を政策にどのように反映していくのかという視点が必要である。
○ 調査研究の意図が不明確。地域や発達段階によって適切な学級規模は異なる。少人数指導と「学力」との関係を示しているが、学習指導要領に基づくテストを行うことが「学力」を測る尺度として適切なのか。
○ SSHにおいては、専門性の高い実験等を行うとのことだが、基礎となる知識を十分習得できているのか。
○ アメリカやシンガポールがTIMSSで高い学習意欲または学力を示している理由について分析を行っているか。また、SSH等の既存施策の検証が不十分ではないか。SSHをモデル事業として捉えると、当該学校における効果のみならず、波及効果についても検証が必要。
○ 国立大学法人附属学校における調査との連携は行っているのか。
○国立教育政策研究所
海外の状況も踏まえて、SSHについては、高校生に高度な学習機会を提供する必要があり、科学者の教育への貢献の促進も重要である。一方で、SSHに在籍する生徒は全体の1%程度であるため、その他の学校を含めた科学技術人材の育成のための施策について、広く検討する必要がある。
○科学技術・学術政策局
SSHにおいては、しっかり指導できる教員が配置されており、基礎学力も習得しつつ、SSHの活動に取り組んでいるところであり、平成14年の事業開始以降、理系の進路選択者が増えているなどの成果がみられる。今後は、SSH出身者の大学進学後の状況についても引き続き検証してまいりたい。地域の他の学校との連携等も進めて参りたい。
○国立教育政策研究所
国立大学法人附属学校については、全国の附属学校を包括的にカバーした調査研究は行っていないが、複数の附属学校を研究協力校として指定して協力いただいている。
○鈴木副大臣
国立教育政策研究所は、あまりに目的志向すぎるのは、研究所の在り方としていかがかと思う。研究所においては、仮説の構築・検証を行うにあたっても、客観的・網羅的・中立的な調査研究を行うことが必要であり、また、学問的な正確性が求められる。その結果に価値観を入れて、その結果を踏まえて具体的な政策案を組み立てるのは省内各部局の役割である。さらに、政治的な優先順位を踏まえて最終的な政策判断を行うのは我々政務三役の責任である。
例えば、今回のテーマであった少人数指導に関しては、研究所からは、算数・数学については学級を混ぜることなく少人数による指導を行うことが有効であるとの結果が示された。これを踏まえた政策の一つの案としては、理数の専科教員数の増加が考えられ、定数に反映した。
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