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第16回文部科学省政策会議(平成22年2月3日)

1.日時

平成22年2月3日(水曜日)8時~

2.場所

衆議院第1議員会館 第1会議室

3.議題

(1)「大学等発ベンチャーの現状と課題に関する調査」の結果について
(2)その他

4.概要

【鈴木副大臣 挨拶】

1月29日に高校無償化法案が国会に提出された。年度内の早期成立をめざしたい。
また、学校耐震化の予算が削減されたという誤った認識があるようなので改めて説明する。耐震化は、公立学校等施設整備費の内数で行っており、たしかに施設整備費の総額は前年度より若干減少しているが、耐震化分の予算は、前年度783億円から約130億円増加の910億円とし、対象棟数も1,900棟から2,200棟に増えている。耐震化の予算は最重要であるので、今後も、予算の執行状況を踏まえ、2兆円の景気対策枠の活用も視野に入れてさらに充実を図る。また、昨年度に耐震化事業の補助率を引き上げるための法改正が実現したが、平成22年度がその特例措置の最終年度になるので、引き続き支援を充実するための議論を進めたい。

(1)「大学等発ベンチャーの現状と課題に関する調査」について

【中川副大臣説明】

本日は、「大学等発ベンチャーの現状と課題に関する調査」について、科学技術政策研究所から報告をお願いしたい。数年前、我が国では、アメリカのスキームを導入して、ベンチャーを科学技術分野における新しい活力にしていこうという気運が生まれたが、十分な結果を生んでいない。その原因を究明し、日本式のスキームを再構築する必要がある。

【科学技術・学術政策局長説明】

(資料に沿って説明。)
本調査報告は、主にベンチャー等に対するアンケート調査の結果をまとめたものである。
我が国では、ベンチャーは累積で1,775社設立されているが、2004年をピークとして減少傾向にある。ライフサイエンス分野、情報通信分野、製造業、サービス業の割合が高い。また、ライフサイエンス分野、製造業では、大学教員等が中心となるものが多く、情報通信分野、サービス業では、学生が中心となるものが多い。共通する課題は、資金調達、販路確保等であるが、分野等によって特徴がみられる。例えば、ライフサイエンスは、特許を重視する傾向があり、資金調達が最大の課題であるが、情報通信分野は、特許取得よりもノウハウの蓄積を重視し、人材の確保が主たる課題である。

【質疑応答】

○ 本調査の目的がはっきりしない。日本では、企業設立に伴う手続が大きな負担である。事情が異なる欧米との単純な比較には意味が無い。この調査では、ベンチャーが抱える課題や、数が減少している理由が不明である。問題提起と改革の方向性をベースにして調査をする必要があるのではないか。

○ 大学等発ベンチャーの定義と根拠法、行政における位置づけを教えていただきたい。

○ 国費を投入したにも関わらず、ベンチャーが減少している原因について、政策的に分析するべき。うまくいっていない一つの原因としては、省庁間の縦割りだと思う。

○科学技術・学術政策局長
大学等発ベンチャーの定義は、「大学における教育や研究に基づいた技術、ビジネスの手法をもとに新しく設立された企業」である。大学等が持っている研究成果等をイノベーションに結びつけるための一つの方法として支援している。

○科学技術政策研究所
今回の調査の目的は、全体の状況を統計データとして示し、総合的に分析することである。今の段階で言えることとしては、技術を有する研究者はいるが、経営人材等の確保が難しいという問題を抱えているベンチャーが多く、さらなる分析が必要である。現在活動中のベンチャーは1,600程度だが、その中にはもう少しで成果が出るというところも多い。ベンチャーの成功要因を含めて、引き続き検証が必要である。

○ 大学等発ベンチャーは根拠法に基づかない抽象的な概念なのか。また、国費を投入した結果得られた大学の研究成果等を活用する場合、権利関係はどうなっているのか。

○研究振興局 研究環境・産業連携課長
根拠法は一般的な民間企業と同じである。その中で大学等の研究成果等を活用するものなどを大学等発ベンチャーと呼ぶ。特に、リスクが高く、大企業が事業化しにくい分野においては、ベンチャーが有効な手法である。文科省としては、ベンチャー設立の前段階となる研究開発を支援しており、運営段階については、中小企業支援と同じ枠組みの中で政府系金融機関や一般金融機関、ベンチャーキャピタル等により支援が行われている。また、国立大学法人化を契機として、大学研究者の特許は原則として機関帰属とする流れとなった。大学における特許をもとに起業する場合は、大学と契約を結んでロイヤリティを支払う形が基本となる。ベンチャー減少の理由について関係者に聞くと、アメリカと異なり、ベンチャーキャピタルが充実していないことや人の流動性が低いこと等が挙げられた。また、市場の問題として、一般的にM&A又は株上場によりベンチャーが次の段階へ進むという方式がある中で、日本ではM&Aが少ないという傾向がある。さらに、市場や世論がベンチャーに対して不信感を抱いていることや、経済情勢が厳しいことも影響しているのではないかという意見がある。
文科省としては、専門家の意見を聞きながら、ベンチャーに特化せず、幅広い政策の中で支援していくよう制度的な改善を図っているところである。

○ 科学技術の成果を実用化するための手法としては、従来から中小企業との連携などがある。それを乗り越えて大学の研究者に起業を働きかけるのはリスクが高いのではないか。欧米とどういう基準で比較しているのか。欧米では、大学がビジネス化しているので予算の中でリスクを負うことはあるが、国が研究者等の起業を支援するような施策を行っている国は他にはないのではないか。

○ 中小企業支援と何が異なるのか。また、地域の中小金融機関等にも意見を聞くべきではないか。省庁の縦割りを取り払うべき。

○ ベンチャーに対して公的支援を行うのであれば、太陽エネルギー、ナノテク、ロボットなど政策的に重要な分野に限定するべき。

○後藤政務官
ご意見を踏まえ、科学技術をシーズとして活かすという観点から、既存施策の問題点や新たな課題への対応について検討し、縦割りではない形で制度設計していきたい。

○鈴木副大臣
複数の大学発ベンチャーに関わった経験から申し上げると、日本の大学には、ビジネスに知見のある教員等が少なく、さらに、彼らを支援する優れたベンチャーキャピタルも少ないことが問題である。特に、ライフサイエンスは、基礎研究から実用化までに少なくとも10年を要する場合も少なくない。この「死の谷」を乗り越えるには、ベンチャーではなく、マージ&ディベロップメントというビジネスモデルが有効であると思うが、我が国では、主体となるべきメガファーマ等の国際競争力が弱い。また、医薬品の認可制度がベンチャー政策と違う方向を向いていることも問題。この点については、十分なスキルと倫理性が確保される研究機関等に対して「特区」的な独自の認可システムを適用することが有効ではないかと考えている。国費により創出された研究成果等を事業化することについては、科学技術が世の中に還元されるとともに大学の収入にもなるので、意義あることだと考えるが、支援のあり方については、バランスを考えていくべきだろう。 

5.配付資料

お問合せ先

大臣官房総務課法令審議室

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