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4.特別免許状の活用促進のための具体的方策

(1)制度上の改善
   1    授与要件の緩和
     特別免許状の性格が社会人として培った知識・技能を活用するというものであることから、学歴にかかわらずその専門性を評価することが重要であるため、特別免許状の授与要件として、学士の学位を求めないこととする。
   2    授与手続の簡素化
     特別免許状を授与する場合、学識経験者から意見聴取を行うこととされている手続を、免許状の授与権者として教育職員検定を行う都道府県教育委員会の判断に委ねることができるよう検討すべきである。
   3    有効期限の撤廃
     特別免許状に5年以上10年以内で教育委員会規則で定める期間という有効期限が付されていることが、授与を受ける側にとって身分について不安感を与え、特別免許状の授与が進まない要因の一つと考えられることから、特別免許状の授与を受ける者の身分の安定を図るため、特別免許状の有効期限を撤廃する。
   また、特別免許状の有効期限の撤廃に伴い、教員不足や大学における養成になじまない教科等にかかる教員を確保する目的で実施している教員資格認定試験の在り方については、廃止することを含めその見直しを行うことが必要である。
   4    臨時免許状の授与要件の改善
     特別免許状は普通免許状と同じ教諭の免許状であり、特別免許状を授与し採用できる者が存在するにもかかわらず、臨時免許状を授与して助教諭として任用することは適当でないと考えられ、臨時免許状の授与要件を、「普通免許状又は特別免許状を有する者を採用することができない場合に限り」とすることが適当である。
(2)運用面での改善
   1    社会人特別選考の実施の促進
     都道府県教育委員会等においては、社会人活用を促進するため、新卒者とは別の、例えばその者の民間企業等での勤務経験を適切に評価するような、社会人特別選考の実施を促進すべきであり、また、その中で教員免許状を持たない社会人に特別免許状の授与を前提とした特別選考の実施を検討すべきである。
   2    分野を限定した活用の促進
     特別免許状は、社会人として培った知識・技能を活用するという性格から、社会での実務経験が強く生かされる分野等での活用が期待され、今後、都道府県教育委員会等において、例えば、工業、商業、看護、理科、公民等の教員について活用を検討すべきである。
   3    特別免許状を授与した非常勤講師の活用の促進
     特別免許状は、教科の一部領域しか教授できない特別非常勤講師とは異なり、教科の全領域を教授するものであることから、教員定数を使って非常勤講師を任用する場合に、特別免許状を授与して社会人を活用するなど、非常勤講師についても、特別免許状の活用を促進することが望まれる。


(1)    制度上の改善
     特別免許状の授与を促進し、特別免許状による社会人活用を増大していくためには、その授与要件、授与手続及び有効期限について次のような改善を行うことが必要である。
   1    授与要件の緩和
     現在特別免許状の授与要件として、学士の学位の要件が課されている。しかしながら、特別免許状の性格が社会人として培った知識・技能を活用するというものであることから、学歴にかかわらずその専門性を評価することが重要である。したがって、今後、特別免許状の授与要件として、学士の学位を求めないこととする。
   2    授与手続の簡素化
     現在、特別免許状を授与する場合、通常の教育職員検定の手続に加え、学識経験者から意見聴取を行うこととされている。しかしながら、教育職員検定の中においてもそのような意見聴取を行うことが可能であり、また、一律に手続として求めるのではなく、免許状の授与権者として教育職員検定を行う都道府県教育委員会の判断に委ねることができるよう検討すべきである。
   3    有効期限の撤廃
     現在、特別免許状の有効期限は、5年以上10年以内で教育委員会規則で定める期間となっており、都道府県教育委員会等でその年数は異なるが、最長で10年となっている。
   このように特別免許状に有効期限が付されていることが、授与を受ける側にとって身分について不安感を与え、特別免許状の授与が進まない要因の一つと考えられる。今後、特別免許状の授与を受ける者の身分の安定を図るため、特別免許状の有効期限を撤廃する。
   特別免許状の有効期限の撤廃に伴い、教員不足や大学における養成になじまない教科等にかかる教員を確保する目的で実施している教員資格認定試験の見直しの検討が必要となる。例えば、高等学校看護の教員については、現在大学においても養成を行っているが、養成人数が少なく教員不足となっているため、教員資格認定試験を実施し確保している。しかし、特別免許状の有効期限を撤廃することにより特別免許状の授与で制度上代替できることになる。この他、高等学校教科領域一部免許状、小学校二種免許状等も含め、今後の教員資格認定試験の在り方については、廃止することを含めその見直しを行うことが必要である。
   4    臨時免許状の授与要件の改善
     現在、臨時免許状の授与要件については、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、教育職員検定に合格した者に授与する(免許法第5条第5項)こととなっている。このため、普通免許状を有する者は採用できないが、特別免許状を有する者を採用できる場合であっても、臨時免許状を授与して助教諭として任用することが可能である。しかしながら、特別免許状は普通免許状と同じ教諭の免許状であり、特別免許状を授与し採用できる者が存在するにもかかわらず、臨時免許状を授与して助教諭として任用することは適当でないと考えられ、臨時免許状の授与要件を、「普通免許状又は特別免許状を有する者を採用することができない場合に限り」とすることが適当である。この措置により、現在特別免許状を授与できるにもかかわらず臨時免許状を授与していたケースで、特別免許状の授与がまず検討されることとなり、特別免許状の授与の促進につながることになろう。
(2)    運用面での改善
     運用面において、特別免許状の授与を促進し社会人活用を増大していくためには、特別免許状を活用した教員採用の工夫が求められるとともに、非常勤講師に対する特別免許状の授与を促進することが考えられる。
   1    社会人特別選考の実施の促進
     前述したとおり、各都道府県・指定都市の教員採用選考試験においては、現在、ほとんどの県市で教員免許状の所有を前提とした選考を実施しており、教員免許状を持たない社会人にとって教員採用の門戸はほとんど開かれていない。また、教員免許状の所有を前提とした採用選考について、教員免許状は取得したが大学卒業後すぐに教職に就かず民間企業等に就職した者を対象とした社会人特別選考を実施している都県も存在するが、通常、教職の専門性を見るための学力試験が実施されている。仮に教員免許状を有する新卒者と同じ試験を社会人に対して実施した場合、社会人がたとえ教職に対する意欲、適性を有していたとしても、採用試験に合格することは非常に困難と考えられる。
   このため、都道府県教育委員会等においては、社会人活用を促進するため、新卒者とは別の、例えばその者の民間企業等での勤務経験を適切に評価するような、社会人特別選考の実施を促進すべきであり、また、その中で教員免許状を持たない社会人に特別免許状の授与を前提とした特別選考の実施を検討すべきである。
   2    分野を限定した活用の促進
     これまで、特別免許状の授与実績を教科別に見ると、英語8件、工業7件、商業6件、数学6件、理科4件、宗教3件、社会2件(公民を含む)、看護2件、農業、水産、国語、書道、家庭、保健体育各1件となっている。
   特別免許状は、現在、その活用できる教科は限定されていないが、社会人として培った知識・技能を活用するという性格から、活用のニーズが大きいと考えられる分野があると考えられる。例えば、工業、商業、看護などのいわゆる専門教科、英語、理科、社会などの社会での実務経験が強く生かされる分野等であり、このことは、これまで授与された特別免許状の教科からもうかがえる。今後、都道府県教育委員会等において、例えば、工業、商業、看護、理科、公民等の教員について活用を検討すべきである。
   3    特別免許状を授与した非常勤講師の活用の促進
     特別免許状は制度上、現在でも「教諭」のみならず「講師」に対しても授与が可能となっているが、現在までの授与例では、全て常勤の教員に対してのみ授与されており、非常勤講師には授与された例はない。平成13年3月に公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律が改正され、教員定数を使って非常勤講師を任用する場合に、特別免許状を授与して社会人を活用する方策が考えられる。
   特別免許状は、教科の一部領域しか教授できない特別非常勤講師とは異なり、教科の全領域を教授するものであることから、非常勤講師についても、特別免許状の活用を促進することが望まれる。

 

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