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富山大学における遺伝子組換え生物等の不適切な使用等について

1.経緯

 平成26年8月5日、富山大学(富山県富山市)から、7月21日及び22日、同大学生命科学先端研究センター動物実験施設(以下「動物施設」という。)において、不活化措置を行ったはずの遺伝子組換えラット3匹が蘇生した状態で死体一時保管冷凍庫で発見された旨の第一報を受け、文部科学省は、平成26年8月8日に同大学に対し現地調査を実施するとともに、事実関係の整理を行うよう指示した。
 その後、8月21日、同大学より、動物施設において、同大学の遺伝子組換え生物等使用実験安全管理規則に基づく審査・承認後に実施された遺伝子組換え動物実験において、上記事案も含めて、同規則に基づかない方法で遺伝子組換え動物の不活化行為が行われていた事案があったことが判明した旨の第二報を受け、さらなる事実関係の整理とともに、その他に同様の事案がないかどうかについての調査を指示した。
 10月15日、原因と今後の対策を取りまとめた報告を受けた。

2.富山大学からの報告の概要

 同大学から報告のあった本件に関する事実関係、再発防止策等は、以下のとおり。
(1)事実関係
 1 平成26年7月21日及び22日、同大学動物施設における遺伝子組換え生物等の管理区域外の死体一時保管冷凍庫で、不活化措置が行われた遺伝子組換えラット※が、蘇生した状態で発見された。発見されたラットは、施設管理者によりその場で不活化措置が行われた。
    
 ※ 本件遺伝子組換えラットには、大腸菌由来のマーカー遺伝子(遺伝子組換えが起こったことを確認するためにのみ用いられる遺伝子)が導入されているが、同遺伝子には哺乳動物等に対する病原性等はなく、「P1Aレベル」の拡散防止措置(遺伝子組換え生物等を扱う際の拡散防止措置として、必要な措置が最も簡易なもの)で取扱い可能。
    
 2 その後、当該ラットに対して最初に不活化措置が行われた際に、遺伝子組換え生物等の管理区域外において、遺伝子組換えラットをケージ間で移し替えていたことが判明した。
    
 3 上記を踏まえ、同大学が自ら動物施設における遺伝子組換え動物等の取扱いに関する規則等の遵守状況の確認を行ったところ、動物施設において実施された遺伝子組換え動物実験のうち、1及び2の事案も含めて、同大学の遺伝子組換え生物等使用実験安全管理規則に基づかない方法で行われた遺伝子組換え動物の不活化措置(具体的には、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」によって求められる拡散防止措置をとった管理区域外での不活化措置)が、平成17年度以降に少なくとも128件あることが実験記録により判明した。
    
 4 上記の不活化措置においては、遺伝子組換え動物として適切な管理は行われていなかったものの、学内における動物飼育室・実験室飼育管理マニュアル等に基づき行われているものではあり、自然環境への遺伝子組換え動物の逃亡を防止する措置が執られており、生物多様性への影響はないと考えられる。
    
 5 なお、同大学が、動物施設以外の施設で行われた実験について学内調査を行ったところ、不適切な取扱いが行われていた事例がないことを確認した。
   
(2)原因
 同大学においては、遺伝子組換え生物等を取り扱うにあたって遵守すべき学内の規則について、研究者等が執るべき措置についての規定が不十分であり、遺伝子組換え実験の審査・承認の際の不活化措置等に関する確認作業についても十分に行われていなかった。また、学内の遺伝子組換え生物等使用実験安全管理規則等に関する教育訓練も十分に行われていなかった。
(3)再発防止策
 1 遺伝子組換え生物等を取り扱うにあたって遵守すべき同大学の規則を整理・改定するとともに管理体制を強化する。
 2 遺伝子組換え実験の審査・承認の際の不活化措置等の確認作業の強化を行うとともに、実験室の施設要件及び承認された遺伝子組換え実験の実施状況について、年に1回の点検調査を行う。
 3 遺伝子組換え生物等を取り扱う実験実施者及び事務職員等に対し、改めて教育訓練を行う。

3.報告に対する当省としての考え方

 本件については、遺伝子組換え生物等による生物多様性への影響等の可能性はないと考えられるが、学内における遺伝子組換え生物等の管理体制や法律遵守の認識が不十分であったことにより、同大学の遺伝子組換え生物等使用実験安全管理規則に基づかない方法で遺伝子組換え生物等の管理が行われていたことは不適切であった。

お問合せ先

研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室

伊藤、新井
電話番号:03-6734-4113(直通)

(研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室)

-- 登録:平成26年10月 --