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第5次評価報告書(AR5)気候変動の緩和に関する第3作業部会(WGIII)報告書政策決定者向け要約のポイント

SPM.1 序論

  • 本報告書は、様々な統治レベルや経済セクターが利用できる緩和選択肢を評価し、種々の緩和政策が社会に及ぼす影響を評価するものであるが、特定の緩和選択肢を推奨するものではない。

SPM.2 気候変動の緩和のアプローチ

  • 各主体が各々の関心事を個々に進めていては、効果的な緩和は達成されない。温室効果ガス(GHG)のほとんどは長期にわたって蓄積し、世界的に広がり、またあらゆる主体からの排出が他の主体に影響を及ぼすことから、気候変動は世界的な集団行為問題という性質を有している。このため、GHGの排出を効果的に緩和し、その他の気候変動問題に対処するため、国際協力が必要である。緩和を支援する研究開発は知識の波及効果をもたらす。国際協力は知識と環境に適した技術の発展、普及、移転において建設的な役割を果たしうる。

SPM.3 温室効果ガスのストックとフロー及びその排出要因のトレンド

  • 人為起源のGHG排出量は、1970年から2010年の間にかけて増え続け、10年単位でみると最後の10年間(2000~10年)の排出増加量がより大きい(確信度:高い)(図SPM.1)。
  • 1970年から2010年の期間における全GHG排出増加量の78%は化石燃料燃焼と産業プロセスにおける二酸化炭素(CO2)が占めており、2000年から2010年の期間でもそれらがほぼ同じ割合を占めている(確度:高い)。
  • この40年間に排出された人為起源CO2は、1750年から2010年までの累積排出量の約半分を占めている(確信度:高い)。
  • 世界的には、経済成長と人口増加が、化石燃料燃焼によるCO2排出の増加の最も重要な推進力である状態が続いている。2000年から2010年までにおいて、人口増加の寄与度は過去30年と比べほぼ同じである一方、経済成長の寄与度は大きく伸びている(確信度:高い) 。
  • 2000年から2010年までの間、経済成長と人口増加はエネルギー強度の改善による排出削減を凌駕した。(図SPM.3)他のエネルギー源と比べて石炭の使用量が増加したことにより、世界のエネルギー供給が徐々に低炭素化していく長期にわたる傾向は逆転した。
  • 追加的な緩和策のないベースラインシナリオでは、2100年における世界平均地上気温が、産業革命前の水準と比べ3.7~4.8度(中央値。気候の不確実性を考慮すると2.5~7.8度の幅)上昇する(確信度:高い)。

SPM.4 持続可能な開発を背景とした緩和への経路及び緩和策

SPM.4.1 長期的な緩和経路

  • 様々な緩和水準に整合する幅広い技術的・行動的選択肢を伴う複数のシナリオがあり、それらのシナリオには様々な特徴と持続可能な開発に与える影響がある。本評価のために、公開された統合モデルに基づき、データベースに約900の緩和シナリオが集められた。その幅は、2100年において、大気中のGHG濃度がCO2換算で430ppm から720ppmを超えるレベル(RCP2.6~RCP.6.0の間の2100年放射強制力に相当する)に至る。人為起源のGHG排出による気温上昇を産業革命前に比べて2℃未満に抑えられる可能性が高い(66%以上の確率)緩和シナリオは、2100年に大気中のCO2換算濃度が約450ppmとなるものである(確信度:高い)。2100年にCO2換算で500ppm程度の濃度に達する緩和シナリオでは、2100年までに一時的にCO2換算でおよそ530ppmの濃度に「オーバーシュート」しない(期間中、一時的に濃度がおよそ530ppmを超えない)場合は、どちらかといえば(可能性が高い)(50%~100%の確率)産業革命前からの温度上昇を2℃未満に抑えることができる。なお、「オーバーシュート」する(期間中に濃度がおよそ530ppmを超える)場合は産業革命前からの温度上昇を2℃未満に抑えられるかどうかはどちらも同程度(33%~66%の確率)である。
  • 2100年まで大気中のGHG濃度をCO2換算で約450ppmに達するシナリオ(産業革命前に比べて2℃未満に抑えられる可能性が高い(66%以上の確率))は、エネルギーシステムと潜在的な土地利用を大規模に変化させることを通して、今世紀半ばまでに人為起源GHG排出を大幅に削減することを前提としている(確信度:高い)。同濃度に達するシナリオは、2010年と比べて2050年の世界のGHG排出量は40~70%低い水準であり、2100年にはほぼゼロ又はマイナスに至る。2100年に約450ppm に達する大半のシナリオで特徴的なことは、エネルギー効率がより急速に改善され、再生可能エネルギー、原子力エネルギー、並びに二酸化炭素回収・貯留(CCS)を伴う化石エネルギー又はCCS付きバイオエネルギー(BECCS)を採用したゼロカーボン及び低炭素エネルギーの供給比率が2050年までに2010年の3倍から4倍近くになっていることである。より高い濃度に至るシナリオも同様の変化を伴うが、より緩やかな時間軸である。一方、より低い濃度に至るシナリオはより速い時間軸での変化を必要とする。
  • 2100年に大気中のGHG濃度をCO2換算で約450ppmに達するシナリオの典型は、500ppmから550ppmに達する多くのシナリオと同様に、一時的に「オーバーシュート」する。「オーバーシュート」の程度にもよるが、「オーバーシュート」シナリオの典型は今世紀後半におけるBECCS及び植林の利用と広範な普及に依拠している。BECCS、植林その他の二酸化炭素除去技術・手段の利用可能性や規模は確かではなく、多かれ少なかれ、課題やリスクを抱えている(確信度:高い)。
  • カンクン合意に基づいた2020年のGHG排出量は、産業革命前の水準と比べて気温上昇を2℃未満に抑える可能性がどちらも同程度(33~66%)(2100年のCO2換算濃度が約450ppmから500ppm)となるコスト効率的な長期緩和経路と整合していないが、同目標を達成する選択肢を排除してはいない(確信度:高い)。
  • 2030年まで緩和の取り組みを遅延させると、長期的な低排出レベルへの移行が相当困難になり、産業革命前から気温上昇を2℃未満に抑え続けるための選択肢の幅が狭まる(確信度:高い)。 
  • 緩和に係る総経済コストの推定値には大きな幅があり、モデルの構造と前提、及び導入される技術の性質や緩和のタイミングといったシナリオの想定に大きく依拠する (確信度:高い)。ある想定(注1)では、2100年までにCO2換算濃度450ppm程度を達成する緩和シナリオでは、緩和対策を行わないベースラインシナリオ(今世紀中に300%~900%以上に消費が拡大することを前提)と比べ、2030年で1%~4%(中央値:1.7%)、2050年で2%~6%(中央値:3.4%)、2100年で3%~11%(中央値:4.8%)の損失が世界の消費に生じることになる。これは緩和による気候変動の削減や緩和の「コベネフィット」「副作用」を考慮していない。これらの数値は、ベースラインにおける年間1.6%~3%の消費の拡大と比べて、今世紀中に0.04~0.14%ポイント消費拡大が減少することに相当する。技術が利用できなかったり、利用に制限があると、想定する技術次第では緩和コストが大幅に増加しうる。(表SPM.2 オレンジの部分)追加的な緩和の遅れは、中長期的な緩和コストを増大させる(表SPM.2 青い部分)。
    (注1)第5次評価報告書では全ての国が緩和の取り組みを直ちに開始し、世界単一な炭素価格が導入され、全ての重要技術が利用可能という前提をおいたシナリオがマクロ経済コストの算出の基準として用いられている。

SPM. 4.2 部門別緩和経路及び部門横断型緩和経路並びにその対策

SPM. 4.2.1 部門横断型緩和経路と対策

  • ベースラインシナリオにおいて、GHG排出量は、農林業・土地利用部門(AFOLU)のCO2の純排出量を除き、全ての部門で増加する。(証拠:確実、見解一致度:中程度)エネルギー供給部門はGHGの主要な排出源であり続け、最終的には建物と産業部門の電力使用による間接排出の大幅な増大が予想される。
  • 社会をGHG 強度の大きい排出経路に固定化(「ロックイン」)するインフラ開発並びに長寿命製品を変えることは、困難あるいは非常に高いコストを伴う可能性があり、このことは、野心的な緩和に向けた早期の行動の重要性を強める(証拠:確実、見解一致度:高い)。
  • 2100年にCO2換算で約450ppm又は500ppmの大気中濃度に達するシナリオにおいて、持続可能な開発を阻害せずにベースラインシナリオと比べてエネルギー需要を削減するために効率性を向上させ行動様式を変化させることは、鍵となる緩和戦略である(証拠:確実、確信度:高い)。

SPM.4.2.2 エネルギー供給

  • 第5次評価報告書(AR5)で採用されたベースラインシナリオでは、エネルギー供給部門からのCO2直接排出量は、過去のエネルギー強度の改善速度を大きく超えない限り、2050年に2010年の水準(14.4Gt/年の排出)の約2倍から3倍になると評価している(証拠:中程度、見解一致度:中程度)。
  • 第4評価報告書(AR4)以降、再生可能エネルギー技術は性能向上及びコスト低減の面で大いに進展した。また大規模な普及が可能な成熟度に達した再生可能エネルギー技術の数も増えている(証拠:確実、見解一致度:高い)。
  • 原子力エネルギーは成熟した低GHG排出のベースロード電源だが、世界における発電シェアは1993年以降低下している。低炭素エネルギー供給への原子力の貢献は増しうるが、各種の障壁とリスクが存在する(証拠:確実、見解一致度:高い)。
  • エネルギー供給によるGHG排出は、天然ガスが利用可能で、掘削と供給に伴うGHG漏出が小さい、若しくは緩和されれば、既存の標準的な石炭火力発電を最新の高効率天然ガス複合発電や熱電併給発電に置き換えることによって、大幅に減らすことができる(証拠:確実、見解一致度:高い)。2100年までにCO2換算で約450ppmに達する緩和シナリオでは、CCSを伴わない天然ガス発電は「つなぎ」の技術として用いられ、その普及は、2050年までに増加した後ピークに達して現在の水準以下に低下し、更に今世紀後半に減少する(証拠:確実、見解一致度:高い)。

SPM.4.2.3 エネルギー最終消費部門

輸送部門

  • 世界的に増え続けている旅客輸送と貨物輸送によってCO2排出量が急速に増え続けており、今後の緩和策による効果を一部、相殺してしまう可能性がある(確信度:高い)。
  • 全ての交通様式を対象とする技術的及び行動的な緩和策と、新たなインフラと都市再開発への投資により、2050年の最終エネルギー消費はベースライン比で約40%減る可能性があり、緩和ポテンシャルはAR4で示したポテンシャルよりも高いと評価される。(証拠:確実、見解一致度:中程度)。

建築部門

  • 近年における技術、ノウハウ、政策の進展により、今世紀中頃までに世界の建築部門におけるエネルギー利用を安定化又は削減する機会を提供することができる(証拠:確実、見解一致度:高い) 。
  • エネルギー効率政策のポートフォリオの立案・実施はAR4以降大きく進展した。建築基準と電気製品の省エネ基準が、正しく設計・実施されるならば、排出削減の最も効果的な手段であることが実証されている(証拠:確実、見解一致度:高い)。

産業部門

  • 産業部門のエネルギー原単位は、特に利用可能な最高の技術を使用していない国々やエネルギー集約型ではない産業における広範な改修・更新・利用可能な最高の技術の展開により、現行水準と比べておよそ25%低減しうる(証拠:確実、見解一致度:高い)。エネルギー効率向上を促進する代表的な施策は、情報プログラムを筆頭に、経済的な支援策、規制措置、そして自主行動などがある。
  • 産業部門におけるGHG排出量の大半を占めるのがCO2である。しかしCO2以外のガスについても大きな緩和機会がある(証拠:確実、見解一致度:高い)。
  • 企業間・部門間の体系的な取組や協調行動は、エネルギーと物資消費の両方を削減することを通してGHG排出も削減しうる。(証拠:確実、見解一致度:高い)大規模なエネルギー集約産業と中小企業の両方で、部門横断的技術(例:効率的なモーター)や手段(例:空気や蒸気の漏れを減らす)は、プロセスのパフォーマンスと工場の効率をコスト効率的に改善させうる。

SPM.4.2.4 農林業・土地利用(AFOLU)

  • AFOLUは食料安全保障と持続可能な発展において中心的な役割を負う。最もコスト効率の高い緩和策は、林業では新規植林、持続可能な森林経営、及び森林減少の抑制が挙げられ、その相対的重要性は地域によって大きく異なる。農業では農地・牧草地管理等が挙げられる(証拠:中程度、見解一致度:高い)。
  • バイオエネルギーは、緩和において重要な役割を果たしうるが、取り組みの持続可能性やバイオエネルギーシステムの効率性等を考慮する必要がある(証拠:確実、見解一致度:高い)。

SPM.4.2.5 人間居住、インフラ、空間計画

  • 人間居住における最大の緩和機会は、都市形態及びインフラがロックインされていない急速に都市化が進行している地域に存在するが、そのような地域ではガバナンス、技術、財政、制度面での能力が限定されていることが多い(証拠:確実、見解一致度:高い)。

SPM.5 緩和政策及び制度

SPM.5.1 部門別政策、国家政策

  • AR4以降、複数の政策目標を統合し、コベネフィットを増大させ、副作用を減少するように設計された政策への注目が増大している(確信度:高い)。
  • 第4次評価報告書(AR4)以降、GHGのキャップ・アンド・トレード制度を始めた国や地域の数は増えている。キャップが緩い又は義務的でなかったため、短期的な環境効果は限定されている(証拠:限定的、見解一致度:中程度)。原則として、キャップ・アンド・トレード制度は、コスト効率の良い形で緩和を実現しうるが、その履行は各国の事情に依拠する。
  • 炭素税を実施している幾つかの国では炭素税が技術や他の政策と組み合わさり、GDPと炭素排出の相関を弱めることに寄与してきた(確信度:高い)。多くの国において、燃料税は(必ずしも緩和目的で設計されたものではないにしても)部門別炭素税として機能している。
  • 様々な分野におけるGHG関連活動への補助金削減は、社会経済的背景次第で、排出削減を達成することができる(確信度:高い)。
  • 技術政策は他の緩和政策を補完する (確信度:高い)。技術支援政策は、重要なイノベーションと新技術の普及を促進してきた。

SPM.5.2 国際協力

  • 京都議定書は、特に、参加、実施、柔軟性メカニズム、環境に対する効果という点で国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)の究極目標の達成に向けた教訓を与えている(証拠:中程度、見解一致度:低い)。
  • 地域、各国、国以外の関係者の気候変動政策の間の政策の連携は潜在的な緩和及び適応の便益を提供する(証拠:中程度、見解一致度:中程度)。

概要資料中参照された図表

図SPM.1 ガス種別人為起源温室効果ガス排出の年間総計の推移

 (抜粋)
1970-2010年における、化石燃料燃焼と産業プロセスにおけるガス種別人為起源温室効果ガス排出の年間総量(GtCO2eq/年)、林業・土地利用部門(FOLU)部門からのCO2排出、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、京都議定書の下で扱われるフッ素化ガス。2010年のGHG排出は、エラーバーで示される不確実性(90%の信頼区間)の下、要素に分解されている。人為起源GHGの年間総量の不確実性は、第5章(5.2.3.6)で個別のガス種ごとに評価されている。

図SPM.3 化石燃料起源のCO2排出要因の変化

SPM.3 化石燃料起源のCO2排出要因の変化の図

表SPM.1 AR5・WGIIIで評価されたシナリオの特徴

SPM.1 AR5・WGIIIで評価されたシナリオの特徴の表 

  1. 430-480ppm CO2eq(訳注:二酸化炭素換算濃度)シナリオの「全期間」は、Table 6.3に示されているこれらのシナリオの小分類の10-90パーセンタイルに相当する。
  2. ベースラインシナリオ(SPM.3参照)は、>1000と750-1000ppm CO2eqに分類されたシナリオに含まれる。後者は緩和シナリオも含む。後者のベースラインシナリオの気温変化は、産業革命前基準で2.5-5.8℃に達する。>1000ppm CO2eqの分類と合わせると、ベースラインの2100年の気温変化は2.5-7.8℃(中央値3.7-4.8℃)となる(訳注:中央値は気候モデルの不確実性を含まない計算結果)。
  3. ここで評価された累積CO2排出量の推定値は、WGIの結果、1870年から2011年までに排出された量が515 [445〜585] GtC (1890 [1630~2150] GtCO2)[Section WGI 12.5]と対比される。ここでの累積排出量は、異なる期間(2011-2050と2011-2100)で示されている。一方、WGIの累積排出量は、それと比較可能なRCPシナリオ(2012-2100年)の排出合計、若しくは所定の可能性で目標気温以下にとどまる場合の合計排出量として示されている。
  4. 2010年の世界の排出量は1990年の排出量より31%多い(本報告書で示された過去のGHG排出量の推定値と整合的)。CO2相当排出量は、京都ガス(CO2、CH4、N2O as well as F‐gases)全体を含む。
  5. WGIIIの評価は、科学文献として公刊された多数のシナリオを含んでおり、RCPシナリオに限定されたものではない。これらのシナリオについて、温室効果ガス濃度と気候変化を評価するために、MAGICCモデルの確率評価モード(AnnexII参照)が使われた。MAGICCモデルの結果とWGIで使われたモデルの結果を比較については、WGI 12.4.1.2、及びWGI 12.4.8と6.3.2.6を参照。WGI SPM Table.2との違いは、基準年の違い(1986-2005年と1850-1900年、後者がWGIII)、結果をまとめる際の年の違い(2081-2100年と2100年、後者がWGIII)、シミュレーションの設定(CMIP5は濃度駆動の計算、ここでのMAGICCは排出量駆動の計算)、及びより広範囲のシナリオを使っていること(WGIはRCPのみ、WGIIIはAR5シナリオデータベースの全シナリオ)による(訳注  濃度駆動の計算:濃度を入力条件として与える計算、排出量駆動の計算:排出量を入力条件として与える計算)。
  6. 気温変化は2100年について報告しており、AR4(Table 3.5、Chapter 3 WGIII)で報告された平衡昇温と直接的には比較できない。2100年の気温推定には、システム特性値として過渡的気候応答(TCR)が最も関係する。MAGICCのTCRは、90パーセンタイルの不確実性幅が1.2-2.6℃(中央値1.8℃)と仮定されている。これは、CMIP5(WGI 9.7)のTCRが90パーセンタイル幅で1.2-2.4℃であること、及びIPCC AR5 WG1で報告された複数の証拠から可能性の高い範囲として評価された幅1-2.5℃(Box 12.2 in chapter 12.5)と同様である。
  7. 2100年の気温変化は、MAGICCの計算の中央値として与えられ、これは、それぞれのシナリオ分類の中での排出経路の違いを表している。丸括弧の気温変化の幅は、それに加えて、MAGICCモデルで表される炭素循環と気候システムの不確実性も含んでいる(詳細は6.3.2.6参照)。1850-1900年を基準年とする気温データは、1986-2005年基準で計算された全ての気温上昇に、HadCRUT4(WGI TableSPM.2参照)に基づき、1850-1900年から1986-2005年にかけての0.61℃を加えて算出した。
  8. この表の(likelihoodの)評価は、MAGICC、及び気候モデルでカバーされていない気温予測についてのWGIの不確実性評価を用いて、WGIIIの全てのシナリオ群について計算された確率に基づく。したがって、言明された評価は、RCPのCMIP5ラン、及び不確実性評価に基づくWGIの言明と一貫性がある。このため、可能性についての言明は、両方のWGからの様々な証拠を反映している。このWG1の方法は、CMIP5ランのない(実施されていない)中間の濃度レベルのシナリオについても適用されている。可能性についての言明は、示唆的な表現のみ(6.3)であり、大まかには気温予測のWGI SPMで使われる用語...(略)、にしたがっている。
  9. CO2等価濃度は、ハロゲン化ガスと対流圏オゾンを含む全ての温室効果ガス、エーロゾル、及びアルベド(地表面の反射率)の変化による強制力(簡易炭素循環・気候モデルMAGICCの全強制力に基づいて計算)を含む。
  10. この分類のシナリオの大半は、濃度境界に当たる480ppm CO2eqをオーバーシュート(一時的に超過)する。
  11. この分類のシナリオについては、CMIP5ラン(WGI AR5 12章、Table 12.3)もMAGICCによる計算(6.3)も、それぞれの気温レベル以下にとどまるものがない。それでも、現在の気候モデルに反映されていない可能性のある不確実性を考慮して、「可能性の低い(unlikely)」を当てている。580-650ppm CO2eqに分類されるシナリオは、オーバーシュートシナリオと、(RCP4.5のように)その分類の高濃度側の境界レベルを超えないシナリオの両方を含んでいる。後者のタイプのシナリオは、一般に、2℃レベルを超える可能性がどちらかと言えば低いと評価され、前者はほとんどがこのレベルを超える可能性が低いと評価される(訳注 MAGICC realizationは、MAGICCの計算条件の異なる多数の計算を意味する)。

表SPM.2緩和コスト評価(コスト最適、技術制約、対策の遅れに関する分析


SPM.2緩和コスト評価(コスト最適、技術制約、対策の遅れに関する分析の表

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-- 登録:平成26年04月 --