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高円宮妃殿下お言葉(和訳)

円宮妃殿下お言葉

平成25年3月6日
迎賓館赤坂離宮

 リーディ卿と評価委員会の皆様を歓迎するとともに、東京オリンピック50年を祝う公式夕食会に今宵、皆様方とご一緒できますことをうれしく思います。安倍総理とともに、皆様に温かい歓迎の意を表したいと思います。

 皆様の訪問は、多くのメディアで取り扱われ、経済界のトップやアスリート達が熱心にプレゼンテーションに協力しているのを目にいたしました。また、安倍総理が歌われているのを拝見・拝聴し、猪瀬知事がテニスコートで示す勇敢さも見せていただきました。これらの二つが日本の接待として典型的であるか否かはいささかの疑問がありますが、彼らが皆様をよくおもてなしていることを願っております。

 日本は20113月の地震や津波による大変困難な時期を経てまいりました。しかし、皆様がご存じの通り、世界中の友人達の支援により、日本は前向きに確かな歩みを始めております。窮地の時に、IOCが我が国にさしのべてくださったご支援に対し、皆様に心より御礼申し上げます。私達はけっして皆様に対しての感謝の念を忘れることはないでしょう。

 私はまた、IOC、特にリーディ卿と今宵ご出席の英国からの方々に、ロンドン・オリンピック・パラリンピックが素晴らしい成功を収められたことをお祝い申し上げます。私にとって特に印象深かったのは、パラリンピックのいろいろな競技場が多くの観客であふれていたこと、そして、オリンピックの超人と、パラリンピックの超超人の選手達が、大会の成功を祝うパレードに一緒に参加していたことです。もちろん、パラリンピックの原点に、ストーク・マンデビルがあることを考えると理解できます。ローマに続き、東京がパラリンピックを開催した2番目の都市で。今回、改めて、私達が長い道のりを正しい方向にむかって歩んできたことを確信いたしました。

(注:Super Human とはパラリンピックを盛り上げる為にメディアで放映されていた選手紹介のプロモーションビデオで彼らについて使われていた表現す。夕食会の会場にオリンピック選手も多かった為、敬意を表されまたもう一つ先まで進められ、オリンピアンを Super Human 超人と、パラリンピアンを Super-Super Human 超超人と表現されたものです。)

 昨年の夏季オリンピックの際、現地に赴きたい気持はありましたが、私はロンドンに参りませんでした。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は多くのスポーツ団体の名誉総裁や名誉会長を務めており、それらの団体のほとんどがロンドンにチームを派遣しておりました。チーム・ジャパンの健闘ぶりを見守るためには、昼夜を問わず、日本でテレビの前に釘付けになるのが一番有効な手段でした。プレゼンテーションをさせていただいた太田雄貴選手はフェンシングの選手ですが、彼が団体で銀メダルを獲得したのは、なんと朝の4時。私は携帯電話でチームの関係者と話をしましたが、あまりに嬉しく、それからよく眠れませんでした。日本の選手の活躍は、日夜の境を曖昧にし、日本国中の人々が試合によって興奮と喜びを味わいました。日中の眠気と若干の疲労感に襲われることがあっても、それにも増す興奮と喜びがもたらされたのです。

 ところで、ここ赤坂離宮は宮様のおじじさまにあたられる大正天皇が皇太子でいらしたときに東宮御所として建てられました。とても美しい建物で、いっけん完全にヨーロッパ調ですが、よく見ると、細部には和風な趣向が凝らされているのがわかります。

 オリンピックはその開催地に、多くの有形・無形のレガシーを残してくれます。1964年、日本にもたくさんのレガシーが残されました。たとえば、今宵演奏してくれているオーケストラがあります。また、各県で開催される国民体育大会のあとにパラリンピックにならった競技大会があります。これは東京オリンピックの翌年である1965年に開始され、全国障害者スポーツ大会として現在も続いています。そして、最も偉大な無形のレガシーとして、日本人に自信、誇り、希望、そして、チームスピリットをもたらしてくれたことです。それらは当時の日本の復興に極めて重要でした。

 長野の冬季オリンピックの際、各国王室から事前にいらしたIOCメンバーを宮様とご一緒に特別な夕食会にて歓迎申し上げました。猪谷氏もその時ご一緒で、よくご承知のことです。私どもは、その後も各国の王室からのお客をお迎えするために、たびたび長野を訪れました。たくさんの楽しい思い出があります。

 さて、細かいことは省かせていただきますが、一点だけ、私の立ち位置について、ここで明確にしておきたいことがあります。スポーツマンまたはスポーツウーマンとして、自身の立ち位置を確認することの重要性は皆様よくおわかりだと存じます。それぞれの国によって、その王室がどのように国のために仕えるかは異なります。日本の場合、皇族の役割は国民をリーダーとして導くことではなく、国民と共に歩むことです。オリンピックもこれに分類されると思いますが、多くの人々の生活に影響を与えるような事柄や決定に際し、もし、私達が一方あるいはもう一方の方向へ決定を導くような積極的な対応または態度をとれば、私は自身の役割をきちんと果たしていないことになってしまいます。

 しかしながら、どのような国内外の事柄や大会であろうとも、最終的な決定がなされたあとには、心からの全面的な支援を行います。今までにも、これからもそうである、とここで申し上げることは一線を越えるものではないと思います。まさに、1964年のオリンピックがその良い例といえましょう。

 最後に、オリンピック委員会とオリンピック・ムーブメントそして関係者全ての方に対し、敬意を表したいと思います。スポーツは友情を育み、平和と親善を促進し、若者にモチベーションを与え、励ますことにより、健全な人間性と社会を実現する上で極めて重要な役割を果たしています。オリンピック・ムーブメントの精神の実践に努められている皆様に対し、敬意をもって心から感謝申し上げます。

 皆様にとって残りの日本での滞在が実り多きものとなるよう願っております。この素晴らしいお天気を野外にて堪能なされなかったことは残念です。多くの時間を屋内で過ごされることを余儀なくされてしまわれましたが、たとえそうであっても、多くの良き思い出をお持ち帰りくださることを願っております。皆様には、あと2つの視察が残っておられます。道中の安全をお祈りしております。

 いつの日か、皆様とまたお目にかかる機会があることを心より願っています。そして、その際には、皆様方お一人お一人と個別にお話しができればと思います。オリンピックのメッセージがさらに広まることを願い、皆様と皆様方にとって大切な方のご健康とご多幸を祈念いたします。

 さて、明日は何が起こるかはわかりません。今度は安倍総理が走り出されるかもしれません。しかし、まだ時間がございます。今宵は迎賓館赤坂離宮の素晴らしい空間において、ゆっくりお楽しみくださいませ。

ありがとうございました。

 

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スポーツ・青少年局競技スポーツ課

電話番号:03-5253-4111(内線:2947)、03-6734-2947(直通)

(スポーツ・青少年局競技スポーツ課)