1 事業概要
○ 地方自治体:大阪府、神戸市
○ クラスター名:関西広域バイオメディカルクラスター
○ 特定領域:ライフサイエンス
○ クラスター本部体制:本部長 井村 裕夫(公益財団法人 先端医療振興財団 理事長)、
顧問 岸本 忠三(公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団 理事長)
事業総括 高木 勉(公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団 審議役)
研究統括 山西 弘一(独立行政法人 医薬基盤研究所 理事長)、
西川 伸一(独立行政法人 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 副センター長)
科学技術コーディネータ 高木 勉、柳 秀樹、下田 文子、
○ 中核機関:公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団、公益財団法人 先端医療振興財団
○ 核となる大学・公的研究機関等:大阪大学、京都大学、神戸大学、奈良先端科学技術大学院大学、大阪市立大学、大阪府立大学、医薬基盤研究所、国立循環器病センター、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター
○ 概要:大阪北部(彩都)地域を中心とした「創薬」や神戸地域を中心とした「先端医療」を重点テーマとして、世界最高水準のライフサイエンスの研究基盤と日本最大のバイオ産業の集積を生かし、「日本NO.1バイオクラスター」から、大阪・神戸の強固な連携で「国際的競争力を有するバイオクラスター」を目指す。
2 総評
大阪、神戸それぞれの地域構想は個別に立案されており、その中で本事業も重要な施策として位置付けられ、それぞれに国際優位性のあるクラスター形成に向けた取組が相当程度実施されている。しかし、「関西広域地域」としての連携について、両地域の一体的な取組で期待されるシナジー効果が発揮されていない。
創薬における事業化戦略は概ね明確で、注目される研究シーズもいくつか生まれてきており、バイオ・メディカルチェーンの形成は概ね目標を達成したと評価できる。再生医療・予防医療の分野は実用化が見えているものが非常に少なく、総花的で、目標とした先端医療・生活習慣病におけるメディカルイノベーションシステムの基盤構築は不十分である。そのため、今後は両地域が研究・事業化面で一体として協働する仕組みを再構築し、リソースを集中投下して産業化を目指す出口戦略を図る必要がある。
(1)事業実施計画
クラスター形成へ向けた地域構想について、関西広域のバイオメディカルクラスターを形成するという構想の下、中間評価での指摘を踏まえ取り組んだが、分野によって目標達成状況は不十分である。また、本部の全体統括機能が弱く、研究についてのPDCAサイクルは実行されていたが、十分とは言い難い。
国際化については、欧米、中国等のバイオクラスター、主要大学との連携が進んでおり、個別の共同研究やベンチャー企業の事業が、国際化につながる事例もいくつか生まれてきている。特にマラリアワクチンについては、国際連携の成果が生まれつつある。広域化について、大阪、神戸相互の連携及び、本地域と全国の他地域との連携によりシナジー効果をもたらす取組が必要である。
事業化戦略については、地域のポテンシャルを生かした世界で勝つビジネスモデルが不明確な分野が見られる。創薬分野の事業化戦略は、概ね明確で、取組も有効に実施されているが、地場の大手製薬企業ニーズの吸い上げが弱いため、更に産業の力を活用する必要がある。
知的財産戦略については、知的財産支援のベンチャー企業を設立するなど独自の取組もある。しかし、国際優位性のあるクラスターとしてのグローバルな知的財産戦略が明確に示されておらず、外部の力を借りてでも、研究の初期段階からプロジェクト全体として知的財産戦略を考える必要がある。
人材育成については、バイオクラスター形成のため、多様な人材育成プログラムが必要となるが、研究からビジネスまでの幅広い研修がなされている。今後は、両地域が実施するユニークな人材育成システムを連携させることやビジネスマインドを持った人材の更なる育成が期待される。
事業推進体制については、中間評価の指摘を受け、事業総括が専従体制となり、一本化への努力がなされた。また、地域でファンドなどが組織され、ベンチャー企業の支援体制ができていることは評価できる。しかし、創薬と再生医療のシナジー効果が生まれるようなプロジェクトがなく、両地域が研究・事業化面において協働する仕組みを更に具体的かつ数多く作り出す必要がある 。
(2)研究開発内容
研究開発計画については、目標の達成に向けて個別テーマには効果的な取組が行われたものもある。しかし、臨床試験に向けた手続きを含めた基本的な認識の不足や、チーム内の連携不足等により、成果が出なかったテーマが見られた。特にコホート研究に関しては、本プログラムにおける必要性・成果が明確になっていない。
研究開発の進捗状況について、「ワクチン、免疫・感染症研究」の進捗や成果は目覚ましく、世界レベルにあるこの地域の研究実績と能力が示され、学術的な成果はある程度順調に得られたと言える。しかし、応用面での成果は一部を除いて当初計画から遅れており、十分ではない。
事業化可能性について、各研究開発テーマについては、先行技術・先行特許などに関する調査がなされ、計画にはある程度反映されているが、出口戦略など事業化に向けての取組が不足している。また、神戸地域のニーズを大阪地域の医療産業の技術開発につなげるスキームがほとんど実現されていない。研究成果を医薬品開発につなげるため、可能な限り早期からの製薬企業とのアライアンスを意識すべきである。
(3) 地域へのコメント
両地域が研究・事業化面で一体として協働する仕組みを具体的かつ数多く作り出す必要がある。再生医療・予防医療はテーマが広すぎるため、創薬研究のシナジー効果がより生まれやすい創薬支援系のプロジェクトに重点をおく必要がある。例えば、神戸においてSCLS計算機システムを利用した創薬応用シミュレーションと連携することが考えられる。また、グローバルな展開を視野において事業化戦略及び知的財産戦略を立て、産業化を見据えて地域内の製薬企業と連携すべきである。
(4) 項目別評点結果
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総合評価 |
B |
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事業実施計画の評価 |
クラスター形成へ向けた地域構想と達成目標及びその評価 |
B |
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広域化・国際化及び関連施策等との連携 |
A |
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事業化戦略 |
B |
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知的財産戦略 |
B |
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人材育成戦略 |
A |
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事業推進体制 |
B |
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研究開発内容の評価 |
研究開発計画 |
B |
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研究開発の進捗状況 |
B |
|
|
事業化可能性 |
B |
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課長 里見朋香
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