ここからサイトの主なメニューです

長野県全域

1 事業概要
○ 地方自治体:長野県
○ クラスター名:信州スマートデバイスクラスター
○ 特定領域:ナノテクノロジー・材料
○ クラスター本部体制:本部長 市川 浩一郎(公益財団法人 長野県テクノ財団 理事長)
   事業総括 田多井 俊夫
   研究統括 平井 利博(信州大学 教授)
   科学技術コーディネータ 森本 信吾、轟 碵允、草野 一俊、山岡 克郎、桃崎 英司
○ 中核機関:公益財団法人 長野県テクノ財団
○ 核となる大学・公的研究機関等:信州大学、東京理科大学、長野県工業技術総合センター
○ 概要:大学などが有するナノテクノロジー・材料分野の技術と、長野県産業の強みである精密加工関連・デバイス開発関連技術の融合により、将来型スーパーモジュールを創出すると共に、成果普及体制の整備、国内外との効果的な連携を行い、その成果を地域産業界に波及させ、高度で層の厚い「信州型スーパークラスター」の形成を目指す。 

2 総評 
 信州大学が有する世界トップレベルの技術と、地元の中小中堅企業群を中心とする加工組立業の産業界が、トップレベルの技術開発と実用化に近い技術開発を分担しながら、具体的な出口戦略を見出してきている点は評価できる。第1期クラスター事業を起点として今回の事業まで効果的な取組が継続的・発展的に展開された結果、研究開発・事業化・企業集積・人材集積のほとんどの項目で当初目標を超える成果が出るなど、国際優位性のある技術が育ち、クラスター形成への取組が着実に進んでいる。しかし、まだ一部のテーマに負うところが大きく、それ以外のテーマでは力点が分散している。今後の自立的発展のためには、地域の特色を出しながらも特許も含めた戦略的なビジネスモデルの構築とそれに基づく集中的な投資が必要である。

(1)事業実施計画 
  歴史的な精密機械工業の集積を背景に、スーパーモジュールの世界的基地を目指したクラスター形成という地域構想は順調に進んだ。中間評価での指摘事項についても適切な対応がなされ、研究テーマの絞込みと予算の重点配分が行われるなど、事業化の加速が図られた。テーマによるばらつきが大きく、更に戦略的な取捨選択が必要であるが、当初の目標を上回る成果があがった。
 国際優位性について強く意識され、建設的な努力が行われている。海外機関や大学との連携は、研究者の交流や、他のファンドによるトップクラスの研究者の招へい、マッチング交流など、基盤となるネットワーク作りが確実に進んでいる点は評価できる。しかし、国際ネットワーク形成等は一部の技術に負うところが大きく、国際競争を勝ち抜くための戦略性が不足している点は課題である。
 事業化戦略について、ナノテク・材料活用センターの設置など、市場ニーズに力点を置き、マーケティング戦略に基づいて研究者や企業にフィードバックを頻繁に行う体制は、事業化に極めて重要であり、評価できる。そうした努力の結果、参画企業数が当初目標を大きく上回った。また、ナノカーボン応用製品の事業化にあたり、コストアップでも成り立つビジネスモデルが検討されるなど、事業化の可能性は高いが、国際レベルのビジネスモデルの構築が課題である。
 知的財産戦略について、設定された基本戦略に基づいた取組が行われた点及び中間評価で指摘を受けた国際特許出願も積極的に行われた点は評価できる。今後は多数の特許をフォローするための戦略が求められる。特に国際特許については、出願国の選択や集中的な投資のための戦略性が重要であり、これに対応するための体制構築が急務である。
 人材育成戦略について、研究機関と企業との共同研究によるそれぞれの研究者のレベルアップや大学から企業へのインターンシップ派遣など多角的で実践的な人材育成の取組が実施されている点は評価できる。また、他のファンドによる博士課程の人材育成機関が設置されるなど地域構想を後押しする取組が実施されている。グローバル化に対応した取組として、ESP方式による英語教育の実施はユニークである。今後は、高度なマネジメント人材、ビジネスマインドを持った人材の育成・集積及び確保が必要である。
 事業推進体制について、自治体の産業振興の姿勢は明確であり、自治体による積極的な体制構築、統括等のリーダーシップ及び産業界出身者を多く起用した点は評価できる。特に事業化推進のためのナノテク・材料活用支援センター及び国際・広域連携チームの設置は、今後の自立化に役立つと期待されるが、国際競争への対応という点で、更なる努力が必要である 。 

(2)研究開発内容 
 研究開発計画について、目標及び達成時期が明確に示され、計画を実現するための課題の把握及びテーマ間の連携が十分行われた。中間評価後のテーマの重点化を通じ、ナノチューブ複合材やコンファームなどの実用化可能性を示す優れた成果も得られ、目標を達成したと評価できる。
 研究開発は、基礎から応用、実用化まで幅広くなされ、商品化に有望な技術が蓄積された。当初計画より優れた性質、性能を持つ材料開発及びデバイス開発が行われるなど、実用的に優れた成果が得られた。また、いくつかの課題は評価を得て別の外部資金の支援を受けており、海外のハイレベル論文誌への論文数も当初計画の3倍近くとなるなど、極めてハイレベルの研究成果が出された。
 事業化可能性について、新企業の創造とその育成については課題が残るものの、商品化、事業化も確実に行われ、売上も当初目標を大幅に超えている。また、研究成果の多くは、地域の企業と密着したものであり、今後の地域経済への波及効果が十分期待される。今後は個々の成果を更に融合させ、より強固な事業化につなげることが必要である。

(3) 地域へのコメント 
  今後の事業展開において国際競争に勝つための更なる戦略性が必要であり、将来を見据えた選択と集中による事業化の加速が必須である。また、今後もクラスター形成を持続するため、これまでの成果を次につなげる工夫が必要である。例えば、広域連携による出口探し、新規事業の企画立案やプロモートができる人材の発掘・育成及び高度研究人材を地域に集積する仕組みの検討が必要である。

(4) 項目別評点結果 

 総合評価

A

 事業実施計画の評価

 クラスター形成へ向けた地域構想と達成目標及びその評価

S

広域化・国際化及び関連施策等との連携

A

 事業化戦略

A

 知的財産戦略

A

 人材育成戦略

A

 事業推進体制

A

 研究開発内容の評価

 研究開発計画

A

 研究開発の進捗状況

S

 事業化可能性

S

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局 産業連携地域支援課

課長 里見朋香
電話番号:03-6734-4168
ファクシミリ番号:03-6734-4172
メールアドレス:tiiki@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)