1 事業概要
○ 地方自治体:仙台市・宮城県
○ クラスター名:先進予防型健康社会創成仙台クラスター
○ 特定領域:情報通信、ライフサイエンス
○ クラスター本部体制:本部長 奥山 恵美子(仙台市長)
事業総括 後藤 順一
研究統括 後藤 順一
副事業総括 杉崎 勝治
事業化統括 馬渕 祐一
事業化コーディネータ 遠藤 忠宣、鈴木 智、白山 知子
○ 中核機関:株式会社 インテリジェント・コスモス研究機構
○ 核となる大学・公的研究機関等:東北大学、東北福祉大学
○ 概要:健康への高い関心と、大学における技術・知識の集積という地域の資源を活かし、市民・県民が個人の特性に応じた選択可能な健康サービスを享受することにより、自身の健康を管理する一次予防に重点を置いた健康サービスを創出し、生涯元気で働き続けることのできる先進予防型健康社会創成を目指す。
2 総評
本事業の目標としている健康サービスモデルの構築については、まだ事業化モデルが明確でない。一方、各種新規デバイス開発については、ようやく一部成果が出つつある。特に、超音波をベースとした血管弾性測定装置は、血管内プラークの性状分析デバイスとして医療現場において活用・転用の可能性がある。本事業当初におけるクラスター戦略には無理があったが、中間評価後は新事業総括を中心に修正が図られ、研究成果をあげている。しかし、全般的に遅きに失した感が強く、当該地域が目指してきた先進予防型健康社会創生の姿には遠く、国際的に競争力を持つまでには至っていない。特に、行政側の協力が今後の課題である。ただし、「広域仙台健康サービスコンソーシアム」の結成等、本事業終了後に事業化への取組体制が継続的に確保されていることは評価できる。
(1)事業実施計画
クラスター形成へ向けた地域構想と達成目標及びその評価について、先進予防型の健康社会を創成するという構想は、当地域のみならず国情を反映したものであり、その重要性は十分に認められるが、宮城県の産業構造や知の集積等を含めたSWOT分析等が十分でなく、将来社会のあるべき論が単独で先走りしている。しかし、次の事業展開等、これまでの成果を継続する動きが出てきており、今後の一層の努力を期待したい。
広域化・国際化及び関連施策等との連携については、他地域と共同で健康診断データ・レセプトデータの解析やフィンランドとのネットワークを通じた交流が試みられているが、その効果は限定的であり、国際化に向けた効果的な成果は明確でない。
事業化戦略については、医療デバイスの一部として、超音波をベースとした血管弾性測定装置等の事業化が見込める。しかし、健康サービスの事業化については、まだ具体的なレベルまでには達していないため、ソーシャルネットワーク、クラウド等のICTの動向を考慮しながらそれらを活用した当該地域のビジネスモデルを検討する必要がある。なお、現在、「広域仙台健康サービスコンソーシアム」が結成され、健康サービスの事業化に向けた実証実験が継続しているが、今後の当該地域における健康サービスの事業化について、その方向性を明確にする必要がある。
知的財産戦略については、中間評価後に体制を整えた結果、商標登録は別として、特許出願件数が当初目標値まで達したことは評価できる。しかし、国際展開に対する知的財産戦略・戦術については十分でないため、今後、特許戦略を立て、国際出願を図っていくことが必要である。
人材育成戦略については、研究人材の育成に一定の成果をあげているが、グローバルなビジネス展開を支える人材の育成・確保が十分でない。
事業推進体制については、中間評価から新事業総括を中心にある程度構築されているが、全体としてシーズ主導の傾向が強い。この地においてあるべき健康サービス事業など、提案されているビジネスモデルを可能とするためには、行政面からの積極的な関与も必要である。
(2)研究開発内容
研究開発計画については、第1期知的クラスター創成事業からの継続性が明確でなく、また、本事業の中間評価後に大きな研究開発テーマ変更をしている。変更後は可能な限り、変更前の研究成果を有効に活用されているため、見直しは効果的であった。今後は、健康サービスモデル開発も視野に入れながら、デバイス開発に取り組むことが必要である。
研究開発の進捗状況については、研究開発テーマ名を根本的に変更することで、より目標設定が明確になった。デバイス開発については、超音波血管弾性測定装置が実用化段階であるのをはじめとして、一定の成果が得られている。健康サービスモデル開発についても、まだ事業化に至っていないものの研究開発としては一定の成果が得られている。これらに対する進捗状況については評価できるが、本事業当初計画からの研究開発全体を通じた評価としては、研究計画が遅れていることになる。
事業化可能性については、健康サービスモデル開発は別として、本事業の成果となる個々のデバイスが独自の事業化を目指す体制を構築してきていることは評価できる。特に、ポータブル型超音波血管弾性測定装置と超音波治療器については、薬事法許認可取得と市販に目途をつけているため評価できる。
(3) 地域へのコメント
先進予防型健康社会創成を目指すグローバルな事業推進体制を、外部の力を借りて、早急に構築すべきである。また、本事業のテーマは、事業化の手本となるビジネスモデルが少なく、取組方が容易ではないが、我が国の将来を考えた場合に重要となる。具体的には、ヘルスケア産業の事業化においてブリッジの役割を担うベンチャーの育成が必要である。また、世の中のICTの動向や医療現場でのニーズを考慮しながら地域の健康サービスモデルを確立することが期待される。
(4) 項目別評点結果
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総合評価 |
B |
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事業実施計画の評価 |
クラスター形成へ向けた地域構想と達成目標及びその評価 |
B |
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広域化・国際化及び関連施策等との連携 |
B |
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事業化戦略 |
A |
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知的財産戦略 |
B |
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人材育成戦略 |
B |
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事業推進体制 |
B |
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研究開発内容の評価 |
研究開発計画 |
B |
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研究開発の進捗状況 |
A |
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|
事業化可能性 |
A |
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課長 里見朋香
電話番号:03-6734-4168
ファクシミリ番号:03-6734-4172
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