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札幌周辺を核とする道央地域

1 事業概要
○ 地方自治体:北海道、札幌市
○ クラスター名:さっぽろバイオクラスター構想“Bio-S”
○ 特定領域:ライフサイエンス、情報通信
○ クラスター本部体制:本部長 高橋 はるみ(北海道知事)
   事業総括 鈴木 文夫
   研究統括 五十嵐 靖之(北海道大学 特任教授)
   科学技術コーディネータ 本間 直幸、木村 宏二
○ 中核機関:公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター
○ 核となる大学・公的研究機関等:北海道大学
○ 概要:先端的な分析・評価系を利用した機能研究に基づき、北海道産の一次産品の付加価値を高め、高機能化された食材・食品や医薬品原料の開発・実用化を行うことにより、健康科学産業の一翼を担う国際的なバイオクラスターの構築を目指す。具体的には、北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学等を中心とした大学と産業界が連携し、臨床学的意義を検証しながら、機能性食品開発をはじめ、医薬品・化粧品の原料となる素材の開発や機能性食品開発のためのインフラ整備及びシステム構築等を行う。

2 総評
  地域の特性を生かした「食」に特化した健康科学産業クラスターの構築を目指したもので、明確な目標とロードマップの設定、国際優位性を築くための仕組みの構築が計画的に行われていたことは評価される。中間評価を経て、選択と集中が適切に行われ、研究、特許・論文、事業化と概ね当初目標を達成している。また、一般市民とも連携したフードイノベーション拠点を形成した点が他のクラスターにない特徴として評価される。フード特区の事業化支援基盤として、本クラスターの今後の貢献が期待される。医学部の積極的関与による優れたプロジェクト例であるが、事業化面で、フラッグシップとなる成果が期待されるとともに、今後は、企業、工学部、農学部等のさらなる関与が求められる。

(1)事業実施計画
  クラスター形成へ向けた地域構想について、本事業は、素材探索と機能性評価を強みの軸とし、フードサイエンスを核とした、ICT・観光・医療等と広く連携した健康科学産業クラスターを目指すというものであり、地域構想もクラスター戦略も適切である。Bio-S構想段階から地域の特色や地域の振興政策とも連携して特色のあるクラスターを実現している。特に大きな目標の一つである5つのフードイノベーション拠点設置をはじめとするインフラ整備は、今後の展開に大きな力となると考えられる。ビジネスモデルは工夫されているが、ビジネスモデルの妥当性の検証のために早期にその効果を定量的に示すことが期待される。食材機能性評価と道産一次産品の振興という目標に対しては、更なる農学からのアプローチが求められる。
  広域化・国際化及び関連施策等との連携については、今後、更なる明確な戦略性と、それに基づく具体的な連携が期待されるが、国、地方自治体等との連携は十分行われ、いくつかのテーマで、グローバルなネットワーク形成が意識されている。 
  事業化戦略については、大規模な事業化を進めるために、知的財産を含めた総合的な戦略の構築が期待される。また、素材の開発、評価手段としてのバイオマーカーの探索、ヒト介入試験等の評価システムの構築と必要な要素を構築し、これを統合して商品化を図る戦略的なスキームは、クラスターとしての存在意義を高める方法として評価できる。
  知的財産戦略については、技術の特性に基づく特許戦略が構築されており、特に共通基盤技術を地域に集積させようとする試みは、今後のクラスターの発展に大きく寄与すると評価できる。特に特許の有効性が小さいテーマに関しては、ブランド向上策を絡めるなど、戦略的なシナリオが描かれている。しかし、有効な国際特許が限られているため、今後は国際化の事業戦略を更に明確にし、事業化の進展に伴い体制を充実させてほしい。
  人材育成戦略については、フードサイエンスカレッジ等、ユニークな取組は見られるが、ポスドクの定着等、育成された人材の地域内集積のための工夫が期待される。
  事業推進体制については、第1期からテーマ変更があり、集積・目標達成のための時間が他の地域よりも限定される中で、ここまで引き上げてきたマネジメント力は評価できる。地域構想の実現に向けて、さまざまな事業・計画を並行的に展開し、フードイノベーション拠点を構築した点も評価できる。本事業を進めることで、科学そのものが良い意味での変貌を遂げており、モデルとなる事業推進体制である。

(2)研究開発内容 
  研究開発計画は、テーマ間の有機的なネットワークを形成させ、共通基盤技術開発と実用化研究を目指した関係府省連携枠を設けるなど、研究開発の実施に工夫がなされた点が評価される。評価系の開発とともに、出口としての素材開発による事業化・製品化に至る研究計画は、緻密に策定されており、大いに評価される。
  研究開発の進捗状況については、概ね計画に沿って研究開発がなされ、効果的に進められ、大きな成果につながったものもある。一方、実用化を目指したアプローチは開発途上のものも多く、これからの具体的な展開が求められる。 
  事業化の可能性については、各テーマの市場調査などの結果を適宜反映して、ロードマップの作成や重点化、事業中止などの判断に活用し、特区とも連携したビジネスモデルを構築しつつある。国際的な競争性などの根拠となりうる海外との国際ビジネスモデルの構築については、一歩踏み出した段階であり、今後の取組が期待される。

(3) 地域へのコメント
  これまでの活動で得られた集積を、戦略的にさらなる発展につなげるために、巨視的な視野・視点を持ち、世界で活躍できる人材を多数育成するなど、世界に飛躍できるクラスター形成を図ってほしい。また、共同研究とポスドクの採用の両面で力になるであろう企業をプロジェクトの早期から巻き込むなど、産学連携と大学からの人材供給のパイプを更に強化することが期待される。

(4) 項目別評点結果 

 総合評価

A

 事業実施計画の評価

 クラスター形成へ向けた地域構想と達成目標及びその評価

S

広域化・国際化及び関連施策等との連携

A

 事業化戦略

A

 知的財産戦略

A

 人材育成戦略

A

 事業推進体制

S

 研究開発内容の評価

 研究開発計画

S

 研究開発の進捗状況

A

 事業化可能性

A

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局 産業連携地域支援課

課長 里見朋香
電話番号:03-6734-4168
ファクシミリ番号:03-6734-4172
メールアドレス:tiiki@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)