実施機関:東京大学(総括責任者:濱田 純一)
協働機関: シャープ株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、株式会社富士通研究所、株式会社QDレーザ
実施期間:平成18~27年度
課題の概要
ナノエレクトロニクス分野で世界を牽引する国際研究拠点としてナノ量子情報エレクトロニクス研究機構をさらに発展させる。次世代ナノエレクトロニクスプロジェクトなどとの連携を一層充実するとともに、深い基礎力を有し産業的出口も俯瞰できる国際的人材育成に取り組む。研究開発においては、量子ドットレーザの高性能化と実用化実証を進めるとともに、光電子融合技術、ポストCMOS技術開発を行う。また、単一光子発生素子等量子情報素子の開発により、量子ネットワーク実現に向けた基盤技術の確立を図る。これらのナノ技術、量子科学、ITの融合領域研究により、グリーン社会に向けたITイノベーションを創出する。
(1) 評価結果
総合評価:A(所期の計画と同等の取組が行われている)
(2)評価コメント
本拠点は、ナノ量子情報エレクトロニクスを標榜し、光電子融合技術や量子暗号通信など多岐に渉る応用展開に向けて、デバイスからシステムまで幅広いスコープで研究開発に取組んでいる。特に、量子ドットレーザは様々な応用展開を想定してすでに部品としての事業化を果たし、担当する協働機関は事業継続が見込めるまでに成長していることから、総じて所期の計画どおりの取組が行われていると評価できる。今後はこれらの成果をシステム化、事業化につなげる取組を期待したい。
進捗状況:基礎的な研究開発を中心に着実に成果があげられていると評価できる。デバイス関連では量子ドットレーザが上市まで進んでおり目標を超えた成果が得られている。システム関連では光電子融合技術や量子暗号通信などについても実現の可能性が示されている。ただし、システムの実用化までを見通した骨太の取組には至っておらず、協働機関の実用化に向けた課題に取り組む意欲にも差が見られた。
拠点形成:機構を設置し、各協働機関が実施機関内において協働する体制が整備されており、大学主導の下に協働機関間の連携が進められていることが評価できる。イノベーション創出の観点から成果があがっているテーマがある一方で、学術的連携に留まっているものも多く、拠点化は充分とは言えず、今後は実用化に向けた拠点の構成、活動内容の見直しが必要である。
研究開発:目標設定した基礎研究の成果は着実にあがっていると評価できる。量子ドットレーザは世界最高の科学技術的水準にあり、製品も上市が実現していることから高く評価できる。一方で、イノベーション創出の観点から、太陽電池、光電子融合技術、量子暗号通信等は事業化イメージの具体化が必要である。そのため大学には、自らの範囲を基礎研究に留まらせずに、協働機関の事業化活動を促進する努力を期待する。
人材育成:産学連携を背景とした人材育成が行われている。グローバルな環境で産業界とのインタラクションができることなど、育成すべき明確な人材像を持っており、外国人ポスドクの採用を積極的に行うなどの取組がなされていることは評価できる。今後はイノベーション創出に向けて、システム系の人材育成に期待する。
最終目標達成の見通し:基礎的な研究開発を中心としたミッションステートメントが立てられており、課題終了時におおむね所期の目標を達成していることと期待できる。しかしながら、量子ドットレーザ以外の応用展開については、本課題の実施期間中、あるいは期間終了後の近い将来にシステム的な実用化・事業化が実現する見通しが得られたとは言えない。今後、課題終了後5年後までにイノベーション創出の見通しをつけるために、優位性、完成度を高め効果実証を進めるとともに、ニーズ、仕様、開発すべき技術を明確にした工程表を作成し遂行するよう期待する。
電話番号:電話番号:03-5253-4111(内線3893)、03-6734-4194(直通)
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