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首都直下地震防災・減災特別プロジェクトにおける震度分布図の公表について

平成24年3月30日

1.経緯

 文部科学省では、平成19年度から平成23年度まで、東京大学地震研究所、独立行政法人防災科学技術研究所及び京都大学防災研究所への委託研究として「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」を5年プロジェクトとして実施してきた。
 本プロジェクトの成果のうち、3月8日の成果発表会時点では精査中であった地表の震度分布図について、精査が完了したため、最終成果報告書が提出される3月末に結果を公表する。
なお、本プロジェクト全体の研究成果は、4月初旬に、文部科学省のホームページ等で公開するとともに、内閣府(防災担当)や関係自治体に通知する予定。

2.試算の前提

 フィリピン海プレート上面の深さが、平成17年に中央防災会議が採用したプレート構造モデルより約10km浅くなっていることが確認されたという研究成果を踏まえて、中央防災会議が想定した18の地震のうち最も被害が大きい「東京湾北部地震」の地震動がどのように変化をするかということを明らかにするために試算を行った。また、本プロジェクトの別の研究成果によれば、地震調査委員会が「その他の南関東の地震」として評価した過去5例のうち、4例はスラブ内地震と考えられるので、このタイプの地震も試算の対象とした。
 なお、「東京湾北部地震」は、過去に起こったことが確認されていない地震であるため、震源断層の位置や強い地震動を発生する領域の位置は中央防災会議と同じと仮定したが、断層の破壊開始点については、中央防災会議の仮定と同じ中央部(ケース1)に加え、必ずしも中央部から破壊が開始されるとは限らないことから東端部(ケース2)、西端部(ケース3)を新たに仮定して試算を行った。

3.結果

 平成17年の中央防災会議の検討と比較すると、西側に仮定された強い地震動を発生する領域の近傍で震度6強の領域が広くなるとともに、中央防災会議の検討ではほとんどみられなかった震度7の地域が点在する結果となった。また、神奈川県中部に現れていた震度6弱の領域の一部が震度5強と試算されるなど、本プロジェクトで確認されたフィリピン海プレート上面の深さの変化だけでなく、地下構造モデルが精緻化されたことの影響も伺える。
 また、スラブ内地震に対する試算結果では、震源断層の直上を中心に、やや広い領域で震度6強となる震度分布が得られた。

4.試算の限界

 上記のように、「その他の南関東の地震」の過去5例のうちに、東京湾北部地震と同様のフィリピン海プレート上面の地震は1例も含まれていない。したがって、次の首都直下地震が東京湾北部地震になるかどうかはよくわかっていない。また、過去の例がわかっていないので、試算のために作成した震源モデルは上記のように多くの仮定に基づいている。
 試算の際に用いた地下構造モデルの空間分解能は数km程度であるので、結果の空間分解能も同程度である。したがって、公表した図面以上の精細さで結果を表示することは結果の空間分解能を超えている。

5.今後の成果の活用について

 本成果は、首都圏下のプレート構造や地下構造がより精緻に明らかとなったことによって、どのような揺れの違いが現れるかの一例を研究成果として試算したものである。
 ケース1、ケース2、ケース3といった破壊開始点の設定により震度分布にも違いが現れている。このほか、フィリピン海プレート内のスラブ内地震による震度分布も試算しているものの、中央防災会議が設定した他の地震についての試算までには至っていない。
 以上を踏まえれば、具体的な防災対策を検討する内閣府(防災担当)や東京都をはじめとする関係自治体において、必要な見直しが行えるように、本プロジェクトの研究成果の一つである首都直下地震の震源モデルや過去の例の解析結果などの提供を行っていくこととする。

6.特記事項

 以上のように、今回の試算は多くの仮定に基づいているので、結果の中で強い揺れが予測された地域だけ将来の地震災害に備えれば良いということを意味しない。南関東のどこでも首都直下地震による強い揺れに備えるべきである。

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

南山、富田、高橋
電話番号:03-5253-4111(内線4446)

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(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成24年03月 --