ここからサイトの主なメニューです

設置計画履行状況等調査の結果等について(平成23年度)

平成24年2月3日

1.調査の目的

 設置計画履行状況等調査(以下「アフターケア」という。)は,文部科学省令(※1参照)及び告示(※2参照)に基づき,大学の設置認可時等における留意事項及び授業科目の開設状況,教員組織の整備状況,その他の設置計画の履行状況について,各大学からの報告を求め,書面,面接又は実地により調査を行い,各大学の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として実施するものである。

2.実施体制

  大学設置・学校法人審議会大学設置分科会では,大学の質保証における「事前・事後の評価の適切な役割分担と協調」を確保する観点から,アフターケア等の取組の改善充実を図るため,平成17年5月,運営委員会の下に「設置計画履行状況等調査委員会」(以下「調査委員会」という。)(別紙1)を設置し,調査にあたっている。
 調査委員会の調査審議事項は,大学設置分科会の決定に基づき,(1)アフターケアの実施,(2)アフターケアの改善方策,(3)その他認可及び届出後の質保証に係る事項となっており,今般,平成23年度の調査が終了したものについてその結果と今後の調査の在り方について以下のとおり取りまとめた。
なお,法科大学院については,これまでと同様に法科大学院特別審査会において,また,教職大学院については,教職大学院特別審査会において,それぞれアフターケアを実施することとし,同審査会に付託する手続をとった。
 アフターケアの実施方法は,書面調査,面接調査,実地調査のいずれか又は併用となっている。
 書面調査は,認可申請により設置された大学等については認可後から設置計画が完成する年度までの間の大学(247件)全てに対して報告を求め,届出等により設置された学部等については,平成19年度以降に設置された学部等(902件)全てに対して報告を求めて実施した。書面調査では,事務局において定員管理状況を把握するとともに,設置時の計画からの変更の状況を確認した。また,すでに卒業生を輩出している,いわゆる完成年度を迎えたもののうち,昨年度に留意事項を付した大学(54件)(定員超過のみの36件を含む)については,当該留意事項の履行状況に対する報告を求め,調査を行った。
 面接調査は,完成年度に達する新設の大学院(10件:認可)及び書面調査に加え更に詳しく状況を確認する必要があると認められた大学(27件:届出)等,合計45件(認可14件・届出31件)を対象に実施した。
 実地調査は,大学関係者からの説明聴取,学生インタビュー及び施設設備等の調査を行うものである。認可時に留意事項を付したもの等のうち,昨年度の設置審査やアフターケアあるいは本年度の書面調査の結果として,当該大学を訪問して調査する必要があると判断されたもの等を対象に実施した(26件:認可26件)。この中には,完成年度に達するために実地調査を行った大学等(11件:認可)が含まれている。

3.平成23年度調査結果の概要

 本年度6月の大学設置・学校法人審議会大学設置分科会において,留意事項を付すに当たっては,「中長期的な大学教育の在り方に関する第二次報告」(平成21年8月中央教育審議会大学分科会)において,「設置認可時や設置認可後の設置計画履行状況等調査における指摘事項を認証評価で活用するなど,設置認可と認証評価との連続性を確保」することが,今後の検討課題として挙げられていることを踏まえ,アフターケアにおける「留意事項等の付し方」について,(1)留意事項を付す際には,記述可能な範囲で,より具体的な背景等の記述を行うこと,(2)留意事項を付す際の主な観点を共有し,留意事項の内容や水準に大きなばらつきがないようにするとともに,要望事項についてはその他意見として大学に別途伝達し,大学の自主的な改善を促すこととした。

 全体としては,科目開設や教員配置など設置計画が着実に履行されており,変更がある場合も,相応の理由や止むを得ない事情があったものと認められる。しかしながら,一部には,設置計画を着実に履行する必要性に対する認識不足などを背景に,履行状況が不十分な大学が見られた。

 特に,設置認可後から完成年度に至るまでの間における各種変更計画に係る手続に対する理解不足により,教員の新規採用又は担当科目の追加若しくは職位の昇格の場合に大学設置・学校法人審議会の教員審査を受けていないなど,変更に必要な手続を経ていないという,極めて不適切な事例も見られた。     

 今回のアフターケアの結果として,各大学に付した留意事項は別紙2のとおりであるが,これらの留意事項は,今年度の調査時の大学の状況に基づき付したものであることを付言しておく。

 本年度の調査を踏まえ,当該留意事項が付されている大学はもとより,その他の大学においても特に留意していただきたい点を以下にまとめた。

(入学定員管理)

 ○ 各大学は,様々な工夫の下で入学定員の充足に向けた取組を行っているが,当初計画の甘さなどから,学部学科等が開設して以来,入学定員の未充足が続いている大学も見られた。このため,各大学においては,学生や社会からのニーズを踏まえ,今後の入学定員の確保に向けた具体的な取組が求められる。

 ○ 他方,入学定員を大幅に超えた学生を受け入れた結果,適正な入学定員の管理が必要と考えられる大学も見られた。各大学においては,それぞれの教育環境を踏まえた教育の質の確保を図るため,自ら定めた定員に基づいた学生数の管理が必要である。

 

(教育課程等)

  ○ 1単位に必要な授業時間数については,大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)において,講義や実習等,授業の方法に応じて15~45時間とされており,講義の場合は,定期試験を除いて,1単位当たり最低でも15時間の確保が必要とされているが,15時間の授業時間に定期試験が含まれている大学も見られた。また,キャップ制(単位の過剰登録を防ぐため,1年間又は1学期間に履修登録できる単位の上限を設ける制度)については,1年間の履修上限単位数が多すぎて,各年次にわたって体系的に授業科目を履修するという趣旨に必ずしも沿っていない事例も見られた。このため,各大学においては,法令に基づいた単位の実質化を図るための取組が求められる。

 

(教員組織)

  ○ 教員組織について,予定された専任教員が未就任や退職となったことにより,授業が未開講や開講時期の変更になるなど当初の理念や計画の実現性が懸念される大学や,教員の退職により大学設置基準に定めた必要専任教員数を下回る大学など設置計画の着実な履行に対する認識が不足していると思われるような大学も見られた。このため,各大学においては,教育研究上の目的を達成するための教員組織の整備に対する意識の向上と適切な教員組織の整備のために必要な手続に関する学内関係者の理解の促進を図るための取組が求められる。

 

(ファカルティ・ディベロップメント(FD))

  ○ FDについては,様々な取組が行われているところであるが,特に,その一環として実施されている学生による授業評価については,評価結果が学生にフィードバックされておらず,授業評価がどのように活用され,どのように改善されているのか学生が確認できないといった事例も見られた。このため,各大学においては,評価結果について,学生等に対する公表等を通じて教員の教育改善への継続的な取組に活かしていくことが求められる。

  

(施設・設備)

  ○ 施設・設備については,専門誌や学術雑誌の種類及び冊数の不足等が見られた。各大学においては,図書館及び体育館,運動場等の体育施設の整備等,教育研究に必要な施設・設備の充実が求められる。

 上記については,特に留意いただきたい事例を示したものであるが,各大学においては,設置認可申請に係る書類,あるいは届出に係る書類は,「各大学が社会に対して着実に実現していく構想を表したもの」(「中長期的な大学教育の在り方に関する第二次報告」平成21年8月中央教育審議会大学分科会)であること,大学設置・学校法人審議会会長が大学の設置・運営に関わる全ての方に対して,改めて大学を設置する責任の重みを十分に自覚いただくよう要請するコメントを出している(平成19年11月27日「11月答申の提出に当たって」)ことを十分認識するとともに,適切な対応をとるように改めて強く求めたい。

  また,学生や社会からの多様な要請に応えるために,柔軟な組織改編等を行うことも重要ではあるが,一方で,中央教育審議会からは,「頻繁な改組や設置計画の変更によって,真に学生が体系的に学び,学習成果を達成できるのかどうかが危ぶまれる事例が生じてきている」(「学士課程教育の構築に向けて」平成20年12月24日中央教育審議会)との指摘がなされている。各大学においては,組織改編等を検討する際,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー),教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー),入学者受入れ方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし,学士課程教育として相応しく,ある程度,継続的に維持される組織改編等を期待したい。

4.設置計画履行状況等報告書の情報公開等

  設置後の履行状況を記載した設置計画履行状況等報告書を,大学として積極的に公開することは大変意義がある。また,中央教育審議会大学分科会質保証システム部会において,設置認可と認証評価との連続性を確保することが課題として挙げられており,大学設置・学校法人審議会大学設置分科会においては,本課題を解決するために認証評価機関からの求めがあった場合には,各大学から設置計画履行状況等報告書を直接提供するようにすることが適切であるとされたところであり,各大学におかれては,認証評価機関から提出が求められた際には,積極的に提供いただくよう,お願いしたい。なお,全ての大学が受けることを義務付けられている「認証評価」(※3参照)とアフターケアの有機的な連携が図られるよう,引き続き,各認証評価機関に対して,本調査の結果を参考資料として送付することとしたい。

5.平成24年度の実施方針

 本年度と概ね同様に,設置審査やアフターケアの結果として留意事項を付された大学,完成年度を迎える大学の中から,今後の調査委員会等における審議を踏まえ,実地又は面接調査が必要と認められる大学については,年度間を通じて計画的に調査を実施することとしたい。

  書面調査についても引き続き該当大学全てに対して実施することとしたい。その結果を踏まえ,大幅な計画変更など顕著な問題がある場合には,必要に応じて実地調査や面接調査を行うこととしたい。

  なお,従前どおり,今回のアフターケアで留意事項が付された完成年度を経過した大学に対しては,当該留意事項への対応状況について報告を求め,更に必要な場合には,実地調査又は面接調査を実施するなど,改善を促していく方針としたい。

 (参考資料)

 ※1 大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則(抄)

(平成19年3月30日 文部科学省令第10号)

 第14条 文部科学大臣は,設置計画及び留意事項の履行の状況を確認するため必要があると認めるときは,認可を受けた者又は届出を行った者に対し,その設置計画及び留意事項の履行の状況について報告を求め,又は調査を行うことができる。

 

 ※2

[大学]

 文部科学省告示第44号(抄)

 大学設置基準(昭和49年文部省令第28号)第53条の規定に基づき,新たに大学等を設置し,又は薬学を履修する課程の修業年限を変更する場合の教員組織,校舎等の施設及び設備の段階的な整備について次のように定める。

  平成15年3月31日

 (1・2略)

 3 文部科学大臣は,大学等の設置を認可した後,当該認可時における留意事項,授業科目の開設状況,教員組織の整備状況その他の年次計画の履行状況について報告を求め,必要に応じ,書類,面接又は実地により調査することができるものとする。

 

[短期大学]

 文部科学省告示第52号(平成15年3月31日)

 

[大学院]

 文部科学省告示第50号(平成15年3月31日)

 

 ※3 学校教育法(抄)

第109条

 1 (略)

 2 大学は,前項の措置に加え,当該大学の教育研究等の総合的な状況について政令で定める期間ごとに,文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。ただし,認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて文部科学大臣の定める措置を講じているときは,この限りでない。

 3 専門職大学院を置く大学にあつては,前項に規定するもののほか,当該専門職大学院の設置の目的に照らし,当該専門職大学院の教育課程,教員組織その他教育研究活動の状況について,政令で定める期間ごとに,認証評価を受けるものとする。ただし,当該専門職大学院の課程に係る分野について認証評価を行う認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて,文部科学大臣の定める措置を講じているときは,この限りでない。

 

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課大学設置室

Adobe Readerのダウンロード(別ウィンドウで開きます。)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、まずダウンロードして、インストールしてください。

(高等教育局高等教育企画課大学設置室)