【本報告の概要】学校が社会と協働して一日も早くすべての児童生徒に充実したキャリア教育を行うために
平成23年12月9日
第1章 なぜ「キャリア教育」が必要なのか(学校が社会と協働してキャリア教育を行っていく前提として、関係者間で求められる共通理解)
1.キャリア教育の理解の共有(「キャリア教育」とは何か、子どもの教育に関わる者が共有するために)
「・・・より分かりやすく言えば、「キャリア教育」とは、子どもたちが、社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限発揮しながら、自立して生きていくために必要な能力や態度を育てる教育である・・・」
2.学校、教育界へのメッセージ
- なぜ、今、学校でキャリア教育に取り組まなければならないのか。
- 学校での生活や学び・進路選択に、子どもたちがはっきりとした目的意識を持って取り組めていないのではないかという問題。
- 社会の「本物」に触れさせたり“働くことの喜び”を伝えると同時に、“世の中の実態や厳しさ”を伝え、子どもたちがその両面を学ぶことが重要。
- 「なぜ学ぶのか」を学ぶ教育として、キャリア教育は最重要課題に位置づけられる。
3.家庭、地域・社会、産業界へのメッセージ
「・・・近い将来、日本の社会・経済を支えることになる子どもたちに、学校での生活や学び、進路選択に気付きや考えるきっかけを与えることは、家庭や地域・社会、産業界も連携して担う役割であろう・・・」
第2章 学校が社会と協働して「キャリア教育」を行うために学校、教育委員会は何をすべきなのか
1.現状認識
- キャリア教育を進めるに当たって、各学校段階それぞれに特有の課題が見られるというのが実態。
- 高等学校普通科におけるキャリア教育を、これから関係者が一丸となってどのように作り上げていくかということは大きな課題。
- 学校が外部の教育資源等と連携・協働していくに当たって、その調整に課題がある場合が多く見られる。
2.教育課程の中にキャリア教育をどのように位置付けていくべきか
- 教育活動全体を通じて意図的・体系的・系統的にキャリア教育に取り組むため、全体計画や年間指導計画の作成が必要。
- 全ての学校の特別活動や総合的な学習の時間、道徳の時間で、ある程度の時間を割いて取り組むことが求められる。
- 体験活動のねらいを達成していくためには、一過性のイベントとして終わらせるのではなく、体験活動とその事前指導、事後指導について、さらに言えば、その学校におけるキャリア教育全体について、体系的・系統的なものとしていく必要がある。
- 教員がキャリア教育に取り組みやすく、子どもたちに学びの意味を実感させ理解させることができるような題材を集め、すぐにでも使用できるような実践例・授業例や指導案などの提供も有効。
- 高等学校普通科において「産業社会と人間」等のような中核となる時間を明確に位置付けることについて検討を進めることが必要。
3.学校、教育委員会は何をすべきなのか
- 各教育委員会の方針や計画においてキャリア教育に明確な位置づけを与えることが重要。
- 各教育委員会において、継続的にキャリア教育を推進していくためには、キャリア教育の中核的人材を育てていくことが求められる。
- キャリア教育を進めていくためには、学校全体を司る立場の校長や教頭のキャリア教育に対する理解を深めていく必要がある。また、学校の教職員に、よりキャリア教育について理解を深めてもらうことが、学校で外部の教育資源と連携・協働したキャリア教育を進めていく上での基盤となる。
- 学校現場においては、学校全体が組織的に一つの方向に向かって、キャリア教育を推進していかなくてはならない。
- 大学の教員養成課程におけるキャリア教育の位置付けについても検討することが期待される。
第3章 どうすれば学校外部の教育資源と連携・協働した「キャリア教育」がより行われるようになるのか
1.誰が本気になってキャリア教育を行っていくのか
- キャリア教育は様々な主体の連携によって進められるものであるが、その場合でも中核となるのは学校。
- ただ、家庭は、子どもたちの健やかな育ちの基盤であり、子どもたちの社会的・職業的自立という視点に立って、子どもたちを育み、支えていくことが強く求められる。
- 学校を支える教育委員会が率先して牽引役となる例や、首長部局や地域の産業界が主体的に学校や教育委員会と連携して成果を挙げている例もあり、こうした取組の更なる広がりが期待される。
- 地域・社会や産業界にとっても、次世代の日本の地域・社会を担う若者を育てることは極めて重要であり、公共を担う主体として果たすべき役割のひとつである。
2.教育関係機関と地域・社会や産業界が連携・協働していくためには何が必要か
- 出来るだけ教職員の負担とならないような形で、いかに学校外部の教育資源を確保していくかということがポイント。
- 学校と学校外部を結ぶ窓口として、学校と学校外部の双方に連携を担当する組織や人材が必須であり、それらの結節点が効果的に機能することにより、円滑に連携を進めていくことが期待できる。
- キャリア・コンサルタントやキャリア教育コーディネーターといった外部人材の所在や実績など具体的な情報を、学校が利用しやすい形で提供する体制を整えることが有効。
- 外部人材と連携・協働したキャリア教育を効果的に実施するためには、事前に授業の目的は何か、この活動を通して子どもたちにどのような能力を身に付けさせたいのかなどを、外部人材とも共有する必要がある。
- さらに、取組の成果などについて、外部人材や児童生徒の保護者に発信し、理解を求め、さらなる協力を求めていくことが肝要。
3.地域・社会や産業界がキャリア教育に取り組むようになるには何が必要か
- 各自治体単位で、キャリア教育のための連携を進めるべき。
- そのためには、教育界、首長部局や産業界等が一体となった協議の場を設けることが必要。
4.全国規模でキャリア教育を後押しするためには何が必要か
- 国におけるキャリア教育コンソーシアムの設置は今後期待されることの一つ。
- 多忙な教員や学校外部の地域・社会・産業界が簡単にアクセスしてキャリア教育を進める上で必要な支援情報等が一覧できるキャリア教育ポータルサイトを文部科学省HPに作成することが強く望まれる。
※本文は文部科学省ホームページ内で公開
(キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議)
初等中等教育局児童生徒課