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第2次大学院教育振興施策要綱

平成23年8月5日
文部科学大臣決定

第一 趣旨

「グローバル化社会の大学院教育」(中央教育審議会平成23年1月31日答申)及び「新時代の大学院教育」(中央教育審議会平成17年9月5日答申)を踏まえ、大学院の課程の多様な機能や特色に応じ、大学院教育の一層の充実・強化を図る観点から、今後の大学院教育の改革の方向性及び文部科学省として早急に取り組むべき重点施策を明示し、体系的かつ集中的な施策展開を図ることを目的として、第2次大学院教育振興施策要綱を策定する。

<経緯>

知識基盤社会において、大学院の果たすべき役割は極めて大きく、平成17年9月の中央教育審議会答申「新時代の大学院教育」(以下「17年大学院答申」という。)を踏まえ、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)と国際的な通用性、信頼性(大学院教育の質)の向上を通じ、国際的に魅力ある大学院教育を構築していくため、平成18年3月に、5カ年計画として「大学院教育振興施策要綱」(以下「施策要綱」という。)を策定した。

中央教育審議会は、「17年大学院答申」に掲げた大学院教育の実質化の進捗状況等の検証をもとに、答申「グローバル化社会の大学院教育」(平成23年1月)をまとめた。同答申は、グローバル化や知識基盤社会が進展し、国籍を問わず優れた人材の獲得競争が激化する中、大学と社会の連携による多様な要請への対応、学生が将来への見通しを持って切磋琢磨できる環境を一層重視し、国内外の社会の様々な分野で質の保証された大学院修了者が活躍できるよう、大学院教育の更なる改善を求めた。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、我が国に未曾有の被害をもたらし、社会経済システムから人々の生き方、価値観にまで大きな変革を迫っている。

我が国は、この国家的な危機から力強く復興・再生するとともに、人類社会が直面する未知の課題を世界に先駆けて克服することを通じ、将来にわたる持続的な成長と人類社会の発展に貢献し、国際社会の信頼と存在感を保ち、更に高めなければならない。そのためには、俯瞰的視点から物事の本質を捉え、危機や課題の克服や新たな社会の創造・成長を牽引し国際社会で活躍するリーダーの養成が急務である。

その一方、東日本大震災を受けて、雇用への影響や優秀な人材の流出の影響も懸念される。大学が国内外の社会への情報発信と対話を深めるとともに、国内外の優秀な学生が自らの能力を磨くことのできる世界に開かれた魅力ある教育研究環境の構築が一層求められている。

第二 本施策要綱の基本的視点

グローバル化や知識基盤社会の更なる進展、震災からの復興・再生、新たな社会の創造・成長等を見据え、大学院教育の実質化に向けた取組を強化することを基本に、国内外の多様な社会への発信と対話、質の保証された大学院修了者の活躍の視点を重視し、以下に掲げる方向性に沿って、大学院教育の質の保証・向上のための施策を実施する。

  1. 博士、修士、専門職学位を授与する課程制大学院制度の趣旨に沿って、学位プログラム(明確な人材養成目的に基づき、個々の専門分野を超えた組織的な指導体制で展開される体系性・一貫性ある教育)に基づいた大学院教育を確立する。
  2. 前期・後期一貫した博士課程教育を確立し、俯瞰力と独創力を備え新たな社会の創造・成長を牽引するリーダーとなる人材を養成する拠点を形成する。
  3. 教育情報を公表し社会に対する説明責任を果たすとともに、大学と社会との対話と連携により教育を充実し、学生が将来への見通しを持てる環境を構築する。
  4. 海外大学との質の保証された連携・交流と、外国人学生・日本人学生の垣根を越えた協働教育を推進し、大学院教育のグローバル化を促進する。
  5. 社会経済の各分野で指導的役割を果たすとともに、国際的にも活躍できる高度専門職業人を養成する制度創設の理念に立ち返り、専門職大学院の質の向上を図る。

第三 実施期間

平成23年度から平成27年度まで

第四  大学院の人材養成機能と各課程の目的・役割

1 大学院の人材養成機能

知識基盤社会において、大学院には下記の人材養成機能を担うことが求められている。各大学院は、教育理念、各課程の目的等に応じて、これら1つ又は複数の機能を発揮する特色ある教育を実施していくことが必要である。

  1. 創造性豊かな優れた研究・開発能力を持つ研究者等の養成
  2. 高度な専門的知識・能力を持つ高度専門職業人の養成
  3. 確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成
  4. 知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の養成

2 各学位課程の目的

我が国の大学院は、一定の教育目標、修業年限及び教育課程を有し、学生に対する体系的な教育を提供する場(教育の課程)として位置付けられ、一定の教育の課程を修了した者に特定の学位を与えることを基本とする課程制大学院制度を採っている。我が国の大学院教育の国際的な通用性、信頼性を向上していくためには、各課程、専攻ごとにそれぞれの人材養成目的を明らかにするとともに、それに即した教育研究体制の構築や教育研究活動の実施を促進することが重要である。

【博士課程】

研究者として自立して研究活動を行うに足る又は高度の専門性が求められる社会の多様な方面で活躍し得る高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を養う。

【修士課程】

幅広く深い学識の涵養を図り、研究能力又はこれに加えて高度の専門的な職業を担うための卓越した能力を培う。

【専門職学位課程】

幅広い分野の学士課程の修了者や社会人を対象として、特定の高度専門職業人の養成に特化して、国際的に通用する高度で専門的な知識・能力を涵養する。
 

第五 具体的な取組施策

1 学位プログラムに基づく大学院教育の確立

(1)課程制大学院制度の趣旨に沿った体系的な教育の確立

博士課程、修士課程、専門職学位課程を編成する専攻単位で、人材養成の目的や学位の授与要件、修得すべき知識・能力の内容を具体的・体系的に示す。その上で、コースワークから研究指導へ有機的につながりを持った体系的な大学院教育を確立する。

  • 人材養成目的に沿った体系的なコースワークや研究指導等に関する取組状況の把握や、魅力ある教育の取組の情報提供に努め、大学院教育の改善を推進する(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 明確な人材養成の目的に基づき、高度な専門的知識・能力に加え、幅広い視野、専門応用能力、コミュニケーション能力、国際性等を課程を通じて体系的に修得させるプログラムや、関係する産業界や研究機関、他大学等との連携による優れた教育方法の開発など、大学院教育全体の質の向上につながる優れた取組を推進する(平成23年度から実施)。

(2)学生の質を保証する組織的な教育・研究指導体制の確立

1.組織的な教育・研究指導体制の確立

各教員の役割分担と連携体制を明確にし、教員間の綿密な協議に基づいて体系的な大学院教育を提供し、学生の質を保証する組織的な教育・研究指導体制を確立する。
また、専攻の枠を超え多様な社会の要請に柔軟かつ機動的に対応するために教育研究組織の見直しを促すとともに、学生数の非常に少ない博士課程等の専攻の再編や専攻間・大学間の連携・協力を促し教育の質を確保する。

  • 異なる専門分野の複数の教員が論文作成等の研究指導を行う体制の確保など、各大学院の組織的な教育・研究指導体制の現状と優れた事例の積極的な情報提供を推進する(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 学生数が非常に少ない博士課程等の専攻における教育の質を確保するため、それぞれの基礎となる学部・学科の上に設置されている専攻間の壁を越え、各大学の強みを生かした融合型の専攻への再編や、専攻間、大学間の連携・協力を促す(平成23年度から実施)。
  •  定員の充足状況や社会的需要等を総合的に勘案し、必要に応じ、自ら入学定員を見直すよう促す(平成23年度から実施)。

2.教育・研究指導能力の向上

教員の教育研究活動の適切な評価と処遇等への反映、組織的な研修体制の充実などを一体的に推進し、大学院教育に携わる教員の教育・研究指導能力の向上を図る。

  • 教員の教育研究活動の評価において、論文数等のみではなく研究業績を適切に評価するとともに、教育業績や能力の多面的な評価に資するよう評価指標の開発を推進する(平成23年度に調査研究を開始)。
  • 大学教員の教育力の向上のため、共同利用拠点を中心に大学院における優れた大学教員の養成のための取組(プレFD)等を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 優れた大学教員を養成するとともに、大学教育の質を高めるため、TAの取組を充実し、修士課程・博士課程(前期)等の教育活動の中で組織的に推進する(平成23年度から実施)。

(3)実効性ある大学院評価の取組の推進

分野別自己点検・評価の促進を図るとともに、分野別第3者評価の形成・導入支援を行う。

  • 分野別自己点検・評価の実施の進展を踏まえて、引き続き、その実施状況を把握・情報提供するなどにより、各大学院の積極的な取組を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 試行的な分野別第3者評価のための調査研究の結果等も踏まえ、分野別第3者評価の在り方について検討する(平成23年度に調査研究を開始)。

 2 新たな社会の創造・成長を牽引する博士の養成

(1)前期・後期一貫した博士課程教育の確立

博士課程前期・後期を通じ一貫した学位プログラムを構築し、産学官の中核人材として活躍できる高度な人材を養成する博士課程教育を確立する。

  • 広範なコースワークや複数専攻制、研究室ローテーションなど専門分野の枠を超えた統合的な教育を経て、学生に独創的な研究活動を遂行させる一貫した学位プログラムを構築し、質の保証された博士課程教育を推進する(博士課程教育リーディングプログラムの実施など)。
  • 博士課程(前期)の修了時に、修士論文の作成に代えて、体系的なコースワーク等を通じて修得される博士論文作成に必要な基礎的能力の包括的な審査(Qualifying Examination)を行う仕組みの導入を進めるため、大学院設置基準の規定を整備する(中央教育審議会での議論を経て平成23年度中に改正)。
  • 博士課程における一貫制と区分制の趣旨をより明確にするため、標準修業年限や修得単位数の在り方を検討する(中央教育審議会での議論を経て平成24年度中までに結論)。
  • 各大学院における学位授与の円滑化に関する取組や学位授与状況を把握・情報提供する等により、学位授与の円滑化に関する積極的な取組を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 社会人の博士課程への入学や教育プログラム、学位取得等の状況の把握・情報提供を行う(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。また、各大学と産業界等が積極的に連携し、社会人の学位取得促進のための魅力的な学位プログラムの在り方について検討する(平成24年度中までに結論)。

(2)新たな社会の創造・成長を牽引するリーダーの養成と世界的な大学院教育拠点の形成

俯瞰力と独創力を備え、広く産学官にわたり国際社会で活躍し、新たな社会の創造・成長を牽引するリーダーを養成するため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産学官の参画を得つつ、前期・後期一貫した学位プログラムを構築する博士課程教育改革を支援し、世界的な大学院教育拠点を形成する。

  • 広く産学官にわたって活躍し、新たな社会の創造・成長を牽引するリーダーを養成するため、「リーディング大学院」の形成を支援する(博士課程教育リーディングプログラムの開始)。
  • 「リーディング大学院」の形成を促進するため、拠点の形成に必要な施設・設備等の整備を図る。
  • グローバルCOEプログラムを着実に推進するとともに、その成果を踏まえ、国際的に卓越した博士課程の教育研究機能を発揮する環境を形成していくための取組を推進する(平成23年度から実施)。

3 社会との対話と連携による教育の充実と、学生が将来への見通しを持てる環境の構築

(1)教育情報の公表の推進

大学の社会に対する説明責任を果たすとともに、産業界や地域社会等が大学院教育に対する認識を深め、学生が将来のキャリアパスを描くことができるよう、大学院教育の「可視化」を進める。

  • 教育情報の公表に関する学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)の改正(平成23年4月施行)を踏まえ、入学者の受入れ方針、教育課程、成績評価、教育研究組織、学習環境、学生支援等の情報の公表に加え、修得すべき知識や能力、学位授与に導くプロセスや学位授与の状況、就職状況等の具体的な内容の公表を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 人材養成の目的、カリキュラム、入学者受入方針、特色ある教育実践等の大学院教育に関する情報を集約し、一覧できる仕組みの整備を検討する(平成23年度中に結論。その後、整備に着手)。
  • 人文・社会科学系大学院において、学位授与の要件、学位授与までの各過程に必要となる期間、学位取得後のキャリアパス等の情報の公表を促す。また、論文作成に係る研究テーマや研究方法、詳細な工程等を記載した研究計画の作成や研究進捗状況の中間発表等を通じて、学生と教員との間で学位授与に必要なプロセスを確認・共有することを促す。

(2)優れた学生が将来への見通しをもって大学院で学ぶ環境の整備

1.学生に対する修学上の支援

フェローシップやTA・RAによる経済的支援の充実や、授業料減免措置の拡充等、高等教育段階における経済的支援を充実させる。

  • 特別研究員事業及びフェローシップ・TA・RA等としても活用可能な競争的な経費の充実を図る。
  • 独立行政法人日本学生支援機構における奨学金事業を引き続き充実する。
  • 独立行政法人日本学生支援機構奨学金の予約採用実施方法について、進学予定先大学院の推薦を、在籍学部の推薦に見直すなどの検討を行う。
  • 学生が経済的な不安を抱えることなく修学することができるよう、各大学が実施する授業料減免に必要な所要の経費を支援する。
  • 大学院在学を通じて必要な学生納付金等や修学上の支援等に関する見通し(ファイナンシャル・プラン)の公表を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)

2.国内外に開かれた入学者選抜の実施

入学者受入方針を明確化するとともに、国内外に開かれた公正な入学者選抜を確保する。

  • 入学者受入方針に基づき、狭い専門領域を超え、十分な基礎知識と多様な能力や意欲、将来性を見極める公正な入学者選抜を推進するため、大学院設置基準(昭和49年文部省令第28号)上に関係規定を整備する(中央教育審議会での議論を経て平成23年度中に改正)。
  •  渡日前入学許可の拡大から就職など修了後の進路支援に至る外国人学生の受入れを体系的に推進する。

3.将来への見通しを持って学び、柔軟に進路変更ができる仕組みの整備

国内外、男女、大学の出身等を問わず意欲と能力ある学生が、大学院教育を通じて自らの可能性に挑み、多様な社会へのキャリアを築いていくため、将来への見通しを持って学べる充実した大学院教育の環境の整備を図る。

  • 他の大学院や企業等の研究所で研究指導を受けることにより、多様な学修研究機会に接する教育を推進するため、研究指導委託の制度の活用を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 入学後に専門分野や研究室等の変更をしようとする際の期限等のルールの整備を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。

(3)産業界など社会との連携の強化と多様なキャリアパスの確立

1.産業界など社会との連携による人材養成機能の強化

社会の様々な分野で活躍できる高度な人材を養成するため、産業界や地域社会等の多様な機関との対話と連携を通じ、これらの資源も活用しながら多様なキャリアパスに対応した教育を展開する。

  • 世界を牽引するリーダーとなる博士・修士課程レベルの高度人材の養成と活躍の好循環を実現するため、企業と大学が従来の産学連携の枠を超えて対話し、具体的なアクションを起こす、新たな産学対話の場を設置する(平成23年度中に実施)。
  • 大学と産業界等が、大学院が養成する人材像と産業界等の評価や期待に関する認識を共有し、大学院修了者のキャリアパスに関する認識を高めるため、各大学と産業界との間での対話の場の設置を促す(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 上記の取組等を通じて、各大学院におけるカリキュラムの編成に当たり、企業、研究機関、NPO、学協会等の関係機関と研究のみならず教育面での連携を強化していくことを促す。
  • 博士課程の学生や修了者、ポストドクターの適性や希望、専門分野に応じて、企業等における長期インターンシップの機会の提供を図るなど、キャリア開発の支援を推進する(ポストドクター・インターンシップ推進事業の実施など)。
  • 人文・社会科学系大学院において、教育機関、企業、行政機関、NPO等との積極的な連携を強化し、産業界等と連携したインターンシップや地域社会と連携したフィールドワークなど実社会での経験を通じた教育や、国際的な研究経験、分野横断的な教育等を展開していくことを促す。
  • 理工農系大学院において、産学の共同研究プロジェクトへの参加やワークショップ等への参加、PBL、一定期間の研究経験や実践的なインターンシップの実施など、多様なキャリアパスに対応した大学院教育の展開を促す。
  • 医療系大学院において、未来の医療を拓く基礎研究を担う者を確保するとともに、国際的に通用する医療系人材や、ライフ・イノベーションを担う人材を養成するため、教育、研究、診療の適正なバランスの維持を図りつつ、他の医療機関や研究機関、学内外の他専攻等と有機的に連携し、面的に拡がりのある教育の展開を促す。

2.多様なキャリアパスの確立

教育・研究機関をはじめ、企業、行政機関、NPO、ジャーナリズム、国際機関といった社会の様々な分野で活躍する多様なキャリアパスを確立するための取組を充実する。

  • 教育情報の公表に関する学校教育法施行規則の改正(平成23年4月施行)等を踏まえ、修了者の進路やキャリア支援等の教育情報の学生や社会への公表を促進する。
  • 博士課程修了者の進路の実態を適切に把握する(平成24年度以降、学校基本調査の調査項目を改善)。
  • 国、地方公共団体など公的部門が大学院修了者の採用を拡大するよう促す。
  • 産学対話の場の設置等を通じて、産業界等における、大学院教育への具体的なニーズの明示、大学院修了者の実力を適正に評価した人材の採用、社会人学生の大学院在籍期間と復帰後の適切な処遇等を促す。

(4)若手教員等の教育研究環境の改善

震災による人材流出も懸念される中、若手研究者に自立と活躍の機会を与え、キャリアパスを見通すことができるよう、若手研究者のポストの確保とともに、キャリアパスの整備を進める。
また、博士課程学生、ポストドクター、助教等の若手教員等が安全で効果的に教育研究に専念できる教育研究環境の整備を進めるため、計画的な施設整備を図るとともに、施設マネジメントによる教育研究スペース確保の取組等を促進する。

  • 大学が、その目的や特性に即して、業績や業務に応じた処遇の見直しを検討し、例えば、一定年齢を超えた研究者の再審査や別の給与体系への移行によって、若手研究者のポストの拡充や優秀な研究者の登用を図ることを促す。
  • 競争的に選考された優れた若手研究者が、自ら希望する場で自立して研究に専念できる環境を構築するため、フェローシップや研究費等の支援を大幅に強化する(科学研究費補助金の一部基金化、特別研究員事業の実施など)。
  • 各大学の目的や特性に応じて、テニュアトラック制の普及、定着を進める大学への支援を充実する(テニュアトラック普及・定着事業の実施)。
  • 優れた資質を持つ若手研究者が海外で積極的に研鑽を積むことができるよう、海外派遣のための支援を充実する(海外特別研究員事業の実施、頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業の実施、戦略的国際共同研究プログラムの実施など)。
  • 男女を問わず研究者が、出産、育児と研究を両立できるよう、研究サポート体制の整備等を行う大学等を支援する(女性研究者研究活動支援事業の実施など)。
  • 研究者の研究活動を活性化させるための環境整備、科学技術人材のキャリアパスの多様化及び大学等の研究開発マネジメントの強化を目的として、研究者とともに研究活動の企画、マネジメント及び成果の活用促進を行うリサーチ・アドミニストレーターを育成・確保する大学等を支援する(リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備の実施)。
  • 国立大学法人等の施設整備に当たっては、国立大学法人等全体の施設整備計画に基づき、計画的・重点的な整備を推進するとともに、若手研究者等に対するスペース確保等のための施設マネジメントの取組を促進する。
  • 私立大学については、若手教員等の教育研究環境の整備が積極的に進められるよう、研究施設・設備の整備を図る。

4 大学院教育のグローバル化の促進

(1)国際的な連携・交流と質保証の推進

我が国の大学の情報の国際的発信を促進するとともに、国際的な大学の質の保証に関する協議を主導し、欧米のみならずアジアをはじめとする国々との連携・交流や我が国の大学の国際展開を促進する。

  • 日中韓サミットの合意に基づく「キャンパス・アジア」構想をはじめ、質の保証を伴った大学間交流の国際的な枠組みを主導する(大学の世界展開力強化事業の開始など)。
  • 国際化の拠点としての大学の総合的な体制整備、これらの拠点間のネットワーク化、産業界との連携を通じて、大学の国際化を推進する(大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業の実施)。
  • 大学に関する情報の積極的な海外発信を促すとともに、高等教育機関に関する情報ネットワークの整備を図る。

(2)外国人学生・日本人学生の垣根を越えた協働教育の推進

海外の大学と連携し、日本人・外国人学生の垣根を越えた交流を通じた協働教育により、語学力を含むコミュニケーション能力や、異文化を理解し多文化環境下で新しい価値を生み出す能力を備えたグローバル人材を養成する。

  • 米国等の大学との協働教育プログラムの開発を支援することにより、日本人学生と外国人学生の双方向交流を推進する(大学の世界展開力強化事業の開始)。
  • ダブル・ディグリーの更なる推進と専門教育の充実の観点から、大学院教育の実質化と質の保証に留意しつつ、単位互換における単位の上限数の引き上げについて検討する(中央教育審議会での議論を経て平成23年度中に結論)。
  • 海外大学とのジョイント・ディグリー(複数大学による連名の学位記を授与)の実現に向けた制度・運用の質保証のあり方を検討する(平成23年度から検討開始)。
  • 各大学が、修得すべき知識・技能等を明確にしつつ、自らの使命・役割に沿って、グローバル人材の育成のための到達目標等を明確に設定することを促す。
  • 人文・社会科学系大学院でのグローバル人材育成の促進方策を検討する。
  • 大学生の海外留学を大幅に促進するための環境整備を行う。
  • 外国人教員や国際的な教育研究活動実績を有する日本人教員の積極的な採用を促進する(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。
  • 外国人学生比率、外国人教員比率及び各大学の外国人受入れのための取組の把握・情報提供を行う(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。

5 専門職大学院の質の向上

社会経済の各分野で指導的役割を果たすとともに、国際的にも活躍できるような高度専門職業人材を養成するという制度創設の理念に立ち返り、専門職大学院の教育内容の充実や質の向上等を図る。

  • 専任教員の他の学位課程の必置教員数への算入の特例措置について、特例措置終了後の教員組織の在り方や制度的対応を検討する(中央教育審議会での議論を経て、平成23年度中に結論)。
  • 認証評価機関が存在しない場合に認められている特例措置のうち、自己点検・評価とその外部検証による代替措置を廃止するため、学校教育法施行規則を改正する(平成23年度中に改正、平成25年4月から施行)。
  • 認証評価基準や実施方法について、より質に重点を置いた評価を行う観点から、関係規定の改正を検討する(中央教育審議会での議論を経て平成24年度中までに結論)。
  • 実務家教員について、専任教員に占める割合等を明確化する観点から、関係規定の改正を検討する(中央教育審議会での議論を経て平成24年度中までに結論)。
  • 産業界や職能団体等との連携協力により、基礎的な知識・能力に関する共通的な到達目標の設定や教材開発等の取組を促進するとともに、特色ある教育拠点の形成を促進し、修了者が社会で能力を発揮し評価される環境を整備する(平成25年度中までに優れた取組事例等の情報をとりまとめ提供)。

第六 取組施策の評価

大学院教育振興に係る個別の取組状況等についての調査・公表を行うとともに、我が国の復興・再生に向けた取組の状況も踏まえながら、必要に応じ本要綱の見直しを行う。
また、実施期間終了後に大学院教育改革状況について取りまとめ、その具体的な成果等について公表する

「第2次大学院教育振興施策要綱」等における各大学院の取組状況について

お問合せ先

高等教育局大学振興課

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