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原子力機構の再就職者に関する調査の結果及び問題点と改善方策について

平成22年1月20日

  昨年12月7日及び8日に、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下単に「原子力機構」という。)のOBを含む常陽産業株式会社(以下単に、「常陽産業」という。)等の顧問に対し、勤務の実態がないにも関わらず報酬が支払われ、国税当局からの指摘で追徴課税を受けていた旨の報道があった。

  この報道を受け、原子力機構からの再就職者(以下単に「再就職者」という。)の勤務条件・勤務実態及び契約の実態について、原子力機構が調査を行ったところであるが、文部科学省としても調査を行い、問題点を抽出し、それに対する改善方策を講ずることを原子力機構に要請した。

常陽産業等に顧問等として在籍していた再就職者について

 報道のあった顧問が在籍していた常陽産業等4社及び再就職者が顧問等として平成21年4月1日現在在職していた全7企業・公益法人の同意のもと、勤務実態、勤務管理等について聴取を行った。

調査結果

  •  報道された2名の再就職者である顧問が在籍した常陽産業等4社から任意で聴取したところによると、顧問就任にあたり、両名に対しては、文書による委嘱及び勤務状況の管理は行われていないという問題が判明した。
     
  •  常陽産業等以外の7企業・公益法人には、のべ26名の再就職者が顧問等として在籍しており、全て文書により委嘱手続きが行われていたものの、勤務条件が委嘱状に明記されていない事例が4件、明確な勤務状況の管理が行われていない事例が3件あることが判明した。


問題点と改善方策

 今回調査を行った企業・公益法人は、いずれも原子力機構と取引があり、このような企業・公益法人において、違法な事項があったわけではないものの、条件が不明確な報酬が顧問等の名の下に再就職者に支払われていることは誤解を生じかねず、改めるべきものである。
 このため、再就職者の雇用条件と勤務管理が不明確な状態を原子力機構が取引企業等と連携してなくすよう、原子力機構に対して要請した。

原子力機構の退職者管理について

 報道で指摘された不適切なあっせんや働きかけの有無を確認するため、原子力機構における退職者管理について聴取を行った。 

調査結果

  •  原子力機構においては、退職者管理についての明確な規定は存在していない。
     
  •  原子力機構の歴代人事担当者によると、組織的に強圧的な再就職のあっせん、職員がその地位を不正に利用した再就職及び退職者の不正な働きかけといった不適切な事例は発生していないとのことであった。 

問題点と改善方策

 不適切なあっせんや働きかけの抑制は、現状では個々の退職者や職員のモラルに依存している状況であり、組織的な取組がなされていない。
 このため、以下に示すとおり、国家公務員法を参考に、不適切な事態の発生をなくすべく、原子力機構における明確な退職者管理の規定を策定するよう、原子力機構に要請した。

  1.  職員が他の役職員又は役職員であった者の再就職あっせんを行うことの禁止(技術移転等のために必要な場合を除く)
     
  2.  役職員の地位を利用した不当な求職活動を行うことの禁止
     
  3.  再就職者から不公正な働きかけを職員が受けた場合に報告させ、問題事案には指名停止等の措置を講じる制度の構築

原子力機構と常陽産業等との契約の妥当性について

 原子力機構に対し、1.原子力機構の契約手続きについての聴取、2.常陽産業等との契約のうち、各企業で契約金額の大きい案件についての抽出調査、3.常陽産業等と随意契約の割合が高い要因についての聴取を行った。 

調査結果 

  1.  原子力機構の契約規程は国の契約規程と同等のものとなっており、企業・公益法人に対して行った契約は全てこの契約規程に則って手続きが行われていた。
     
  2.  各契約とも書類等の不備はなく、原子力機構の契約規程に沿っていることを確認した。
     
  3.  原子力機構によると、常陽産業等と随意契約の割合が高い要因として、これら事業者は大手に比べコストが低く、長年の業務の実施により技術的能力も高まってきたためということである。しかしながら、競争がないことにより、コスト改善への意識が不十分であるという問題点が認められる。

問題点と改善方策

 原子力機構の現場において、同じ企業・公益法人が業務を行うことが妥当との認識のもとに随意契約が結ばれる例が多く見受けられ、コスト削減の意識が不十分であったという問題点が認められることから、以下の取組を行うよう、原子力機構に要請した。

  1.  核不拡散、核物質防護、原子力災害の防止の観点から真に必要なものを除き、競争性のある契約とする。
     
  2.  個別案件ごとに更に厳格な審査を行い、入札条件の継続的な合理化等による契約金額の削減及び役務要員の合理化を図る。
     
  3.  一般競争入札における一者応札削減のため、過度な入札条件の禁止、契約内容をわかりやすく記載した仕様書の提示、十分な公告期間の確保等を行う。

独立行政法人日本原子力研究開発機構による報道発表

お問合せ先

研究開発局原子力研究開発課

課長 板倉康洋、課長補佐 池田一郎、業務係長 澤田和宏
電話番号:03-5253-4111(内線:4166)

(研究開発局原子力研究開発課)