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指導が不適切な教員の人事管理に関する取組等について

1.調査の趣旨

 学校教育の成否は、学校教育の直接の担い手である教員の資質能力に負うところが大きいことから、教員として適格な人材を確保することは重要な課題である。このような中、児童生徒との適切な関係を築くことができないなど、指導が不適切な教員の存在は、児童生徒に大きな影響を与えるのみならず、保護者等の公立学校への信頼を大きく損なうものである。
 このため、都道府県・指定都市教育委員会(以下、「教育委員会」という。)においては、指導が不適切な教員に対し継続的な指導・研修を行う体制を整えるとともに、必要に応じて免職するなどの分限制度を的確に運用することが必要である。
 本調査は、各教育委員会におけるこのような指導が不適切な教員に対する人事管理システムの適切な運用を促進するため、その取組状況について把握するとともに、併せて希望降任制度及び条件附採用制度の実施状況についてとりまとめたものである。
 なお、この調査は平成20年度の各教育委員会の人事管理システムによる指導が不適切な教員の状況等をまとめたものであるが、教育公務員特例法の改正により、平成20年度から指導が不適切な教員に対する指導改善研修の実施が任命権者に義務づけられたため、全ての教育委員会においてそれぞれの人事管理システムを同法にのっとった制度として整備・運用されているところである。文部科学省では、適正な運用を行うための参考となるよう、平成20年2月に「指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドライン(※教員の免許、採用、人事、研修等にリンク)(以下「ガイドライン」という。)」を策定した。

2.調査対象・調査時点

 47都道府県教育委員会及び17指定都市教育委員会を対象として、平成20年度の状況について調査した(岡山市は平成21年度から政令指定都市のため調査対象外)。

3.調査結果の概要

3-1指導が不適切な教員の認定者数等について

(1)指導が不適切な教員の認定者数(表1、図1)

 平成20年度における指導が不適切な教員の認定者は306名であり、その内訳は次のとおり。

認定者総数
(ア+イ+ウ)
ア20年度に研修を受けた者(計189名) イ研修予定者のうち、別の措置がなされた者 ウ21年度からの研修対象者
合計 現場復帰 依願退職 分限免職 分限休職 転任 研修継続 その他
306 78 40 3 5 6 55 2 15 102

※1 「アその他」の内訳・・・懲戒免職:1人、定年退職:1人
※2 「イ」は、20年度に研修を受ける予定だった者で、認定後、研修を受講することなく別の措置等がなされた者を示す。その内訳は、依願退職:2名、分限休職13名
※3 「ウ21年度からの研修対象者」とは、20年度に認定され、21年度から初めて研修を受ける者を示す。

○認定者306名の内訳は次のとおり。

  • 学校種・・・・小学校(55%)、中学校(23%)、高等学校(16%)、特別支援学校(6%)
  • 性別・・・・・・男性(73%)、女性(27%)
  • 年代・・・・・・40代(44%)、50代(36%)、30代(15%)、20代(5%)
  • 在職年数・・20年以上(60%)、10~20年未満(25%)、5年以下(9%)、6~10年未満(6%)

(2)指導が不適切な教員に関する人事管理システムの概要(表2)

ア.「指導が不適切である」教諭等の定義について
 「指導が不適切である」教諭等とは、知識、技術、指導方法その他教員として求められる資質能力に課題があるため、日常的に児童等への指導を行わせることが適当ではない教諭等のうち、研修によって指導の改善が見込まれる者であって、直ちに分限処分等の対象とはならない者をいう(ガイドラインP.7)が、各教育委員会では教育委員会規則等にその定義を示している。

イ.判定委員会等の構成員について
 指導が不適切な教員を認定するためには、教育委員会規則で定めるところにより、教育学、医学、心理学その他の児童等に対する指導に関する専門的知識を有する者及び保護者(親権を行う者及び未成年後見人)である者の意見を聴かなければならないこととなっており(教育公務員特例法第25条の2第5項)、それら専門家等からの意見聴取の場として判定委員会等が設けられている。判定委員会等の構成員については次のとおり。(回答は複数回答)

  • 医師 58教育委員会
  • 弁護士 54教育委員会
  • 教育学専門家 41教育委員会
  • 心理学専門家 17教育委員会
  • 保護者 64教育委員会
  • 臨床心理士 20教育委員会
  • 民間企業関係 20教育委員会
  • 教育委員 3教育委員会
  • 大学教授 41教育委員会
  • その他(退職教員、校長会関係者、地域の教育長関係者等)

ウ.指導改善研修について
 認定された教員に対して、指導改善研修を受ける者の能力、適性等に応じた指導の改善を図るために必要な研修を実施することが義務付けられており(教育公務員特例法第25条の2第1項)、各教育委員会において研修内容や研修場所等を定めることになる。
 なお、指導改善研修の期間は1年を超えてはならないこととなっているが、特に必要があると認めるときには、指導改善研修を開始した日から引き続き2年を越えない範囲内で、これを延長することができることとなっている(教育公務員特例法第25条の2第2項)。

(3)「指導に課題のある教員」に対する取組について(表3)

 教科等の指導に当たって一定の課題が見られるが、「指導が不適切である」教諭等であるとの認定に至らない教諭等についても、児童等に対する十分な教育上の配慮を行った上で、教育委員会として必要な支援策を講じることが求められており(ガイドラインP.8)、24県市教育委員会がこの「指導に課題のある教員」に対する研修を実施している。

(参考)
 ○指導が不適切な教員の認定者数等に係る推移

(単位:人)

H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
認定者数 65 149 289 481 566 506 450 371 306

 ○当該年度の研修対象者の推移(平成16年度より調査)

(単位:人)

H16 H17 H18 H19 H20
研修対象者 400 362 335 268 204

 ○認定された者のうち、現場復帰をした者の推移

(単位:人)

H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
現場復帰 18 39 94 97 127 116 101 87 78

 ○認定された者のうち、退職等した者の推移

(単位:人)

H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
依願退職 22 38 56 88 99 103 104 85 40
転任 3 1 2 7 2 6
分限免職 3 5 11 6 4 5 3

懲戒免職 1 1
合計 22 38 59 96 112 111 115 92 50

3-2 希望降任制度の状況について(表4、図2)

 平成16年度から20年度における希望降任制度の実施状況の推移は次のとおりである。

(単位:人)

H16 H17 H18 H19 H20
ア.校長からの希望降任 5 7 8 5 4
イ.副校長等からの希望降任 71 62 63 71 84
ウ.主幹教諭からの希望降任 12 27 89
エ.その他 5 2 1 3 2
合計 81 71 84 106 179
実施教委数 44 50 53 59 62

(注1) 「イ.副校長等」とは、副校長及び教頭を示す。
(注2) 「ウ.主幹教諭からの希望降任」には、主幹教諭相当の職からの希望降任を含む(平成19年度まで)。
(注3) 「エ.その他」は、部主事等からの希望降任を示す。

 平成20年度に希望降任制度により降任となった179名について、その主な理由を調査したところ、一番多いのは、健康上の問題95名(53%)であり、続いて職務上の問題44名(25%)、家庭の事情40名(22%)の順となっている。

3-3 条件附採用制度の状況について

(1)条件附採用について(表5)

 地方公務員の採用については条件附採用制度がとられており(地方公務員法第22条)、一般の地方公務員の条件附採用期間は通常6ヶ月間であるが、児童生徒の教育に直接携わる教諭・助教諭・講師については、その職務の専門性から6ヶ月間での能力実証では不十分として、教育公務員特例法第12条により条件附採用期間が1年間とされており、かつその間に初任者研修を受けることとなっている。
 平成20年度(平成20年4月1日から6月1日)に採用された公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の教諭、助教諭、講師(非常勤講師、臨時的任用職員、期限を付して任用した職員を除く。)のうち、1年間の条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者は、315名となっており、平成16年度からの推移は次のとおりである。

(単位:人)

H16 H17 H18 H19 H20
不採用 7 2 4 1 4
依願退職 172 198 281 293 304
うち 不採用決定者 ( 15) ( 16) ( 14) ( 12) ( 10)
うち 病気による者 ( 61) ( 65) ( 84) (103) ( 93)
死亡退職 5 6 5 5 2
分限免職 3 0 1 0 0
懲戒免職 4 3 4 2 5
合計 191 209 295 301 315
全採用者数 19,565 20,862 21,702 21,734 23,920

(2)条件附採用制度の厳格な運用や取組について(表6)

  • 特別評定の実施について
     33教育委員会において、条件附採用期間中の教員に対する勤務評定として、一般の勤務評定と実施時期や評定方法等が異なる特別評定を実施している。
  • 条件附採用制度の厳格な運用や取組について(特別評定を実施していない場合も含む。)
     ・一般の勤務評定と異なる評価項目を設けている。
     ・勤務状況報告書等の提出を求めている。
     ・学校訪問を行い、条件附採用職員の勤務状況を確認している。
  • 条件附採用職員の勤務評定にあたって考慮している事項について(特別評定を実施していない場合も含む。)
     ・初任者研修の指導教員の意見 18教育委員会
     ・校長等の意見 61教育委員会
     ・市町村教育委員会の意見 37教育委員会
     ・保護者・児童生徒等からの情報 5教育委員会

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課

課長 関 靖直(内線2336)、課長補佐 常盤木 祐一(内線4672)、専門官 米原 泰裕(内線2079)、専門職 奥田 米穂(内線2358)、専門職 高橋 洋平(内線4679)
電話番号:03-5253-4111(代表)、03-6734-2588(直通)

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(初等中等教育局初等中等教育企画課)

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