平成21年8月15日
文部科学省では、独立行政法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しておりますが、このたびブルガリア(プロヴディフ)で開催された「第21回国際情報オリンピック」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。 (共同発表:情報オリンピック日本委員会)
金メダル2名、銀メダル1名、銅メダル1名
4名の高校生(日本からは7回目の参加)
| 金メダル | 滝聞 太基(たきぎく もとき)さん ※1 | 筑波大附属駒場高等学校(東京都)3年 |
| 金メダル | 保坂 和宏(ほさか かずひろ)さん ※2 | 開成高等学校(東京都)3年 |
| 銀メダル | 副島 真(そえじま まこと)さん※3 | 筑波大附属駒場高等学校(東京都)3年 |
| 銅メダル | 平野 湧一郎(ひらの ゆういちろう)さん | 灘高等学校(兵庫県)3年 |
※1 滝聞さんは、昨年銅メダルを獲得。また、国際数学オリンピックにおいても2007年銀メダル、2008年銅メダル、2009年金メダルを獲得。
※2 保坂さんは、昨年金メダルを獲得。また、国際数学オリンピックにおいても2008年銀メダル、2009年金メダルを獲得。
※3 副島さんは、昨年銀メダルを獲得。また、国際数学オリンピックにおいても、2005年銅メダル、2007年金メダル、2008年金メダル、2009年金メダルを獲得。
80カ国・地域/301名
ブルガリア(プロヴディフ)/平成21年8月8日~15日(現地時間)
特定非営利活動法人 情報オリンピック日本委員会
○国際情報オリンピックは1989年にブルガリアにて第一回大会が開催された。
○2009年のブルガリア大会は、第21回目。
○日本は、1994年から3年間毎年2名の選手を派遣した後、9年間の中断を経て再開した2006年から毎年4名の選手を派遣。
○昨年のエジプト大会は、73ヶ国・地域、283名の選手が参加し、日本の成績は金メダル1名、銀メダル1名、銅メダル2名であった。
○本年は、80カ国・地域から301名の選手が参加し、日本は過去最高タイの6位[※1]となった(金メダル2名、銀メダル1名、銅メダル1名[※2])。また、保坂さんは全選手中2位の快挙であった。(なお、保坂さんは本年の国際数学オリンピックにおいても、金メダル(8位)を獲得している。)
※1 国別順位は国際大会主催者が発表した個人順位を元にしたものであり、公式データではない。
※2
2009年大会においては、成績優秀者に、上位より9%、17%、24%の割合で、金、銀、銅メダルが与えられた。
○今回のオリンピックで出された競技問題
今年から各競技日毎に4問となった(昨年までは各3問)。いずれも実社会の問題を想定し、コンピュータを利用して解決しようというもの。例えば、次のような問題が出題された。
『ある地域のいろいろな町で、異なる日程でさまざまな見本市が開催される。町の間の移動にはそれぞれ費用が発生する。各見本市での売り上げ予想が与えられたとき、どの日のどの見本市に参加すれば利益が最大になるか求めるプログラムを作成せよ。』
○エクスカーションなど競技以外の大会プログラム
練習ラウンドと開会式の間に旧市街を徒歩で散策し、古代ローマ時代の円形劇場や19世紀の屋敷などを訪れた。競技第1日と競技第2日の間にはプールやカートなどで体を動かした。また、競技第2日終了翌日には、黒海に面したプリモルスコという町まで足を伸ばした。
| 8月6日(木曜日) | 派遣直前合宿(1日目)、壮行会 |
| 8月7日(金曜日) | 派遣直前合宿(2日目)、日本出発(成田空港 21時55分発) |
| 8月8日(土曜日) | ブルガリア到着(ソフィア空港 13時55分) |
| 8月9日(日曜日) | 練習ラウンド(午前)、エクスカーション(午後)、開会式(18時00分~20時00分) |
| 8月10日(月曜日) | 競技第1日 |
| 8月11日(火曜日) | スポーツおよびレクレーション |
| 8月12日(水曜日) | 競技第2日 |
| 8月13日(木曜日) | エクスカーション |
| 8月14日(金曜日) | 自由時間、閉会式(21時00分~23時00分) |
| 8月15日(土曜日) | ブルガリア出発(ソフィア空港 14時45分発) |
| 8月16日(日曜日) | 帰国(成田空港18時00分着) |
| 8月17日(月曜日) | 文部科学省表敬訪問 |
| 滝聞 太基(たきぎく もとき) | 東京都 |
| 保坂 和宏(ほさか かずひろ) | 東京都 |
| 副島 真(そえじま まこと) | 東京都 |
| 平野 湧一郎(ひらの ゆういちろう) | 長崎県 |
滝聞 太基さん/筑波大附属駒場高等学校(東京都) 3年
今年は去年より良い環境で、試験であまり大きな失敗をしなかったので、取れる点数を取って金メダルを取ることができてよかったです。閉会式では今年も変な踊りをしていて面白かったです。
保坂 和宏さん/開成高等学校(東京都) 3年
今回のIOI(国際情報オリンピック)では、解き慣れたタイプの6問をすぐ解けて、難問2つに時間を使えたおかげで、2位という自分でもびっくりな順位になりました。トップとは14点差で少し悔しかったですが、昨年のギリギリの金メダルからはるかに良い結果になり、本当に嬉しかったです。
副島 真さん/筑波大附属駒場高等学校(東京都) 3年
今年も銀メダルを取ることができました。Misof(他のコンテストに参加していて有名な人)がISC(IOIの国際科学委員会)にいて、会うことができました。
平野 湧一郎さん/灘高等学校(兵庫県) 3年
初めての国際大会ということもあり緊張していましたが、観光なども多く楽しい大会でした。ミスも多く、悔いがないと言えば嘘になりますが、目標としていた銅メダルが取れ、個人的には満足しています。
団長 谷 聖一/日本大学文学部 教授
保坂君が2位という素晴らしい成績を収めてくれました。滝聞君が金、副島君が銀、平野君が銅と、チームとしてもこれまでで一番の結果となりました。選手の健闘を称えるとともに、これまでサポートしていただいた皆様に感謝したいと思います。また、素晴らしい大会にしてくれたブルガリアの皆さんにも感謝したいと思います。
副団長 伊藤 哲史/京都大学大学院理学研究科 助教
(1994年スウェーデン大会銀メダル受賞、1995年オランダ大会金メダル受賞)
異国の地で超難問が数多く出題された中、4人の日本選手の皆さんは実力を存分に発揮して本当によく頑張りました。選手の皆さん、おめでとう。堂々と胸を張ってよい、立派な成績だと思います。皆さんが今回の経験を糧に、実力により磨きをかけて世界で活躍してくれることを期待しています。
随行役員 秋葉 拓哉/東京大学理学部 3年
(2006年メキシコ大会日本代表選手)
2位を取った保坂君をはじめとして、今年も全員がメダルを取れて本当に良かったと思います。問題の翻訳作業が朝の6時までかかった日もありましたが、無事に、正確かつ理解しやすい翻訳を届けられたようで、安心しました。また、直前合宿で扱ったデータ構造を用いる問題が出題され、選手たちが高い得点を取ってくれて嬉しかったです。
随行役員 片岡 俊基/東京大学教養学部理科一類 2年
(2006年メキシコ大会金メダル受賞、2007年クロアチア大会金メダル受賞)
今年は皆レベルが高く、十分な練習を事前に積んでいたので、実力通り過去最高の成績を残すことができたのだと思います。出題された問題の中にはさすが情報オリンピックと思える思考力を試す良問があり、その一方、必要知識も増え、対策がより重要になったと感じました。
遂行役員 吉田 雄紀/東京大学教養学部理科三類 2年
(2007年クロアチア大会銀メダル受賞)
選手達は大健闘して過去最高の結果になりました。このような素晴らしい結果となったIOI(国際情報オリンピック)に選手のサポートという立場で関わることができて嬉しく思います。観光も楽しかったです。
| 2006年(第18回 メキシコ大会)(参加規模:76ヶ国・地域、286人) | 金メダル2個、銅メダル1個 |
| 2007年(第19回 クロアチア大会)(参加規模:77ヶ国・地域、285人) | 金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル1個 |
| 2008年(第20回 エジプト大会)(参加規模:73ヶ国・地域、283名) | 金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル2個 |
国際情報オリンピックは、高校生以下の生徒を対象として、数理情報科学の問題解決能力をもつ生徒を見出し、その能力の育成を助け、また、各国の選手・教育者同士の国際交流を図ることを目的としている。1989年にブルガリアのプラベツで第1回が開催されて以来毎年開催され、今年2009年のブルガリア大会は第21回である。
大会の参加資格は「大会開催前年の9月から12月にかけて所属国の中等教育機関に在籍し、大会開催年の7月1日に20歳以下であること」であるので、国際大会開催時点で20歳以下の大学1年生は前年の9月~12月に高校に在籍していれば規約上は参加資格があるが、国内選抜大会である日本情報オリンピック(JOI)では国際大会開催年の4月1日時点で高校3年以下かつ20歳未満であることを参加資格としている。参加できる選手は国・地域ごとに4名以下。全参加者の約半数にメダルが与えられ、メダル受賞者のうちの金、銀、銅の割合はおよそ1:2:3である。
国際情報オリンピックで出題される問題は原則として、与えられた問題を解くアルゴリズムを考え出し
(アルゴリズムの設計)、そのアルゴリズムに基づいた解法プログラムを正しく作成するもの
(アルゴリズムの実装) である。例年、国際情報オリンピックの競技日は2日あり、選手は各競技日に5時間で3問を解くのが通例であったが、今年は5時間で4問を解くように競技規則が変更された。使用できるプログラミング言語はC/C++とPascalである。問題には次の 3 タイプがある。
・ バッチ型問題:採点用のテストデータを読み込み、そのデータに対する解を出力するプログラムを作成して提出する。
・ 応答型問題:組織委員会が用意した「対戦相手」であるプログラムと相互にやりとりをするようなプログラムを作成して提出する。
・ 出力のみの問題:解答作成時にテストデータが競技参加者に与えられ、そのテストデータに対して正解となる出力データを作成することだけが要求される。
バッチ型問題、応答型問題、出力のみの問題のいずれにおいても数理的な問題解決能力や知識とそれをプログラムに実装する能力を必要とする。すなわち、「数理的問題解決をプログラムによって行なう能力」が問われる。とりわけ、良いアルゴリズムを設計するための高い数理的能力がプログラミング技能以上に求められる。数学の知識よりも数理的な問題解決能力(数学的な理解力、分析力、思考力、発想力など)が強く求められる。
1993年に財団法人 数学オリンピック財団の協力のもとに国際情報オリンピック日本委員会を発足させ、1993年の第5回国際情報オリンピック・アルゼンチン大会にオブザーバー2名を派遣して実情を調査した後、1994年の第6回スウェーデン大会へ参加することを目標に、1993年度に第1回日本情報オリンピックを開催した。予選、本選、トレーニング合宿、その後の通信添削等を経て最終的に2名の選手を選抜して1994年第6回国際情報オリンピック・スウェーデン大会に派遣した。その後1997年までの4年間、国際情報オリンピック国内予選として日本情報オリンピックを開催し、1996年までの3年間に延べ6名の選手を国際情報オリンピックへ派遣した。1997年から2005年は、国際大会への選手派遣を見送ったが、2005年に特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会を立ち上げて、同年に第5回日本情報オリンピックを開催し、2006年に4名の代表選手を第18回国際情報オリンピック・メキシコ大会に派遣した。2008年度の国内予選(第8回日本情報オリンピック)は全国から415名の参加者を得て、2008年12月・2009年2月に行った第一次・第二次選抜の結果、成績上位16名を代表候補者とし、2009年3月に開催したトレーニング合宿を経て、今回の2009年国際大会(第21回国際情報オリンピック)の代表4名を決定した。
特定非営利活動法人 情報オリンピック日本委員会
担当:理事長 守屋悦朗/事務局 橋本章
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