平成21年7月27日
文部科学省では、独立行政法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しておりますが、このたび、イギリス(ケンブリッジ)で開催された「第41回国際化学オリンピック」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。 (共同発表:「夢・化学-21」委員会、日本化学会化学教育協議会)
金メダル2名、銀メダル1名、銅メダル1名
4名の高校生(日本からは7回目の参加)
| 金メダル | 遠藤 健一(えんどう けんいち)さん | 栄光学園高等学校(神奈川県)2年 |
| 金メダル | 小澤 直也(おざわ なおや)さん※ | 駒場東邦高等学校(東京都)3年 |
| 銀メダル | 中條 淳博(なかじょう あつひろ)さん | 東大寺学園高等学校(奈良県)3年 |
| 銅メダル | 永澤 彩(えいざわ あや)さん | 白陵高等学校(兵庫県)3年 |
※ 小澤さんは、2008年に銅メダルを獲得。
64カ国・地域/250名
イギリス(ケンブリッジ)/2009年7月18日~27日(現地時間)
「夢・化学-21」委員会、日本化学会化学教育協議会
○国際化学オリンピックは1968年に東欧3ヵ国(ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド)にて第一回大会が開催された。
○2009年のイギリス大会は、第41回目。
○日本は、2003年から参加を開始し、毎年4名の選手を派遣。
○昨年のハンガリー大会は、66ヶ国・地域、257名の選手が参加し、日本の成績は銅メダル4名であった。
○本年は、64ヶ国・地域から250名の選手が参加し、日本は金メダル2名、銀メダル1名、銅メダル1名と、全員がメダルを受賞し、また、初の金メダル2個受賞という好成績であった。
○今回のオリンピックで出された試験問題
実験問題は有機合成化学、金属錯体化学、界面活性剤の濃度の決定の3問。理論問題(筆記問題)は6問で、総合基礎、有機化学系、物理化学系、無機化学系から出題されており、バランスの良い問題となっている。
○エクスカーションなど試験以外の大会プログラム
23日は試験終了後にロンドンに移動し、ロンドン塔やロンドンブリッジなどを見学。試験の公正を保つために離れていた同行役員とも再会。エクスカーションでは国際交流を図るため、基本的に他国の高校生と一緒に時間を過ごす。日本代表は、特にニュージーランド、インド、メキシコ、キプロス、エストニアなどの高校生と友情を育んだ。
| 7月18日(土曜日) | 東京発-ケンブリッジ着/参加登録 |
| 7月19日(日曜日) | 開会式 |
| 7月20日(月曜日) | エクスカーション |
| 7月21日(火曜日) | 実験問題試験 |
| 7月22日(水曜日) | エクスカーション |
| 7月23日(木曜日) | 理論問題試験 |
| 7月24日(金曜日)・25日(土曜日) | エクスカーション |
| 7月26日(日曜日) | 閉会式 |
| 7月27日(月曜日) | ケンブリッジ発 |
| ※エクスカーションでは、遠足などのイベントやイギリス文化体験などが行われた。 | |
| 遠藤 健一(えんどう けんいち) | 神奈川県 |
| 小澤 直也(おざわ なおや) | 神奈川県 |
| 中條 淳博(なかじょう あつひろ) | 大阪府 |
| 永澤 彩(えいざわ あや) | 兵庫県 |
遠藤 健一さん 栄光学園高等学校(神奈川県)2年
まさか金メダルを獲れるとは思っていなかったので、とても嬉しいです。得意だった有機化学がだめだったので、少し悲観していましたが、他の問題が解けたのが良かったです。来年の東京大会にも出場できるように頑張ります。
小澤 直也さん 駒場東邦高等学校(東京都)3年
まずは嬉しいです。ほっとしました。実験で心配した問題がありましたが、結果としては大丈夫でした。実力は出し切れたと思います。昨年に続いての出場だったので、試験そのものは慣れていました。昨年出会った友達からはクリスマスカードが贈られてきました。
中條 淳博さん 東大寺学園高等学校(奈良県)3年
本当に嬉しいです。銅メダルはいけるかなと思っていましたが、銀メダルで自分としては満足しています。実験問題でうまくいかなかったことが残念でしたが、実力は出し切れました。友達もいっぱいできて、楽しむことができました。
永澤 彩さん 白陵高等学校(兵庫県)3年
ほっとしています。もう少し実力は出せたかもしれませんが、メダルが獲れて嬉しいです。ケンブリッジ大会はとても楽しかったです。特に色々な国の人と、たくさん話せたことが印象に残っています。
ヘッドメンター 米澤 宣行/化学グランプリ・オリンピック委員会オリンピックWG主査(東京農工大学教授)
全員がメダルを獲れて、良かったです。今回はトレーニング方法を変えて、かなり鍛えられたので、特に実験は上手になりました。ただ、今回は基礎力である原理原則の重要性や、答えがどうなるか解らない実験に対しての解決力などが求められました。これらが今後の課題だと思います。
メンター 保科 貴亮/化学グランプリ・オリンピック委員会委員(東北大学助教)
正直、ほっとしています。我々も応援した甲斐がありました。試験が終わって皆の顔を見たら、充実した表情をしていました。自分のベストは出し切ったと一様に言っていたので安心をしていましたが、結果が出るまでは、むしろ我々が緊張しました。
サイエンティフィックオブザーバー 荒井 惠里子 /化学グランプリ・オリンピック委員会委員(山脇学園中学校・高等学校教諭)
結果が出るまでドキドキしましたが、みんな頑張ってくれて、とても良かったと思います。これをきっかけに日本の高校生も化学に興味を持ってくれることを願っています。
サイエンティフィックオブザーバー 橋本 正人/化学グランプリ・オリンピック委員会委員(和歌山大学システム学部准教授)
歴史と伝統のあるイギリスで、生徒たちは教科書にはない多くのことを学び取ったのではないかと思います。また、歴史も文化も言葉も違う多くの国からの同世代の人たちと交流し、大きく成長したのではないかと期待します。
◆過去の国際化学オリンピックにおける日本代表の成績
| 2006年(第38回 韓国・慶山大会)(参加規模:67カ国・地域、255人) | 金メダル1名、銀メダル3名 |
| 2007年(第39回 ロシア・モスクワ大会)(参加規模:66カ国・地域、256人) | 銅メダル4名 |
| 2008年(第40回 ハンガリー・ブダペスト大会)(参加規模:66カ国・地域、257人) | 銅メダル4名 |
◆国際化学オリンピック(IChO=International Chemistry Olympiad)について
1968年に東欧3ヵ国(ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド)が始めた高校生の学力試験から発展した、1年に1度開催される「化学」の国際大会である。参加資格があるのは高校生または高校と同等の学校(ただし高校相当の学年)に在学する20歳未満の生徒となる。
大会は世界の高校生が一堂に会し、化学の実力を競うと同時に交流を深めることを目的としている。毎年7月に10日間開かれ、生徒らはそれぞれ5時間の実験問題(Experimental
Examination)と理論問題(Theoretical Examination)に挑戦する。成績優秀者には金メダル(参加者の約1割)、銀メダル(同約2割)、銅メダル(同約3割)が贈られる。
日本は2003年のアテネ大会より参加しており、2004年のドイツ・キール大会から6年連続で参加生徒全員がメダルを獲得している。2010年には日本・東京での開催が決定しており、現在、野依良治先生(ノーベル化学賞受賞)を組織委員長に準備を進めている。
◆全国高校化学グランプリについて
「高校化学グランプリ」は、国際的にも通用する若い化学者を育てることを目的として、「夢・化学-21」委員会と日本化学会化学教育協議会が1998年、東京と仙台の2ヵ所で試験的に実施したのが始まりである。翌1999年から、「全国高校化学グランプリ」として全国規模で開催されるようになり、今日では申込者が3,000人を超す大会に発展した。また、国際化学オリンピックに出場する日本代表生徒は、「全国高校化学グランプリ」の優秀者から選ばれている。
◆第42回「国際化学オリンピック」日本開催に向けた大会継承について
イギリス・ケンブリッジで7月18日(土曜日)より開催されていた第41回「国際化学オリンピック」の閉会式が26日(日曜日)に行われ、大会主催国イギリスのピーター・ウォサーズ組織委員長(ケンブリッジ大学教授)よりオリンピック大会旗が化学オリンピック日本委員会の渡辺正実行委員長に手渡され、2010年の第42回「国際化学オリンピック」日本開催に向け、大会継承が執り行われた。
大会旗継承セレモニーを終え、国際化学オリンピックの日本開催までいよいよ残すところあと1年となった。現在、野依良治・理化学研究所理事長を委員長とする化学オリンピック日本委員会が中心となり、日本大会の成功に向け試験問題作成、英語のウェブサイト制作などの各種準備作業を行うとともに、プレイベントなど様々な企画を実施する予定。
第42回「国際化学オリンピック」開催概要
会期:2010年7月19日(月曜日)~7月28日(水曜日)
会場:早稲田大学西早稲田キャンパス(実験試験)
東京大学駒場キャンパス(筆記試験)
参加国数:約70カ国
参加人数:約280名(他、メンター等約220名)
◆参考資料に関するお問い合わせ先
社団法人日本化学会/冨樫、遠藤
TEL03-3292-6164/FAX03-3292-6318
URL http://icho.csj.jp/
社団法人日本化学工業協会内/青山(「夢・化学-21」委員会)
TEL03-3297-2555/FAX03-3297-2615
URL http://www.kagaku21.net/
※現地で撮影した代表生徒の写真や大会旗継承セレモニーの写真をご入用の方は、上記お問い合わせ先までご連絡ください。
堀田、福島、西田、古屋
電話番号:03-6734-4191(直通)/03-5253-4111(内線3881,4191,4193,3890)
冨樫、遠藤
電話番号:03-3292-6164
ファクシミリ番号:03-3292-6318
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