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「スクール・ニューディール」構想の推進に関するお願い

 学校施設は、そこで学ぶ児童生徒のみならず、住民にとっても最も身近な公共施設の一つです。このため安全・安心で、環境にやさしい学校づくりを進め、耐震化、エコ化、ICT(情報通信技術)化といった課題に取り組んでいくことは、児童生徒だけでなく地域や社会全体にとっても重要なことです。

 政府においては、本年4月にとりまとめられた「経済危機対策」において、「スクール・ニューディール」構想を提唱し、「21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実を図ることとしました。この構想では、学校耐震化の早期推進、学校への太陽光発電の導入をはじめとしたエコ改修、ICT環境の整備等を一体的に推進することとしています。

 先般成立した平成21年度補正予算においては、国庫補助に必要な予算として、約4千9百億円が計上されています。これを受けて、すべての地方公共団体において、学校耐震化、エコ化、ICT化に取り組んでいただくようお願いいたします。

 特に、今回の補正予算は、地方公共団体の財政事情に配慮し、従来の国庫補助に加え、地方向けの臨時交付金が盛り込まれており、地方公共団体の負担が大幅に軽減されています。

 「スクール・ニューディール」構想に盛り込まれた耐震化、エコ化、ICT化や、中学校武道場の整備、理科教育設備の整備については、いずれも将来の学校施設に必要であり、かつ緊急に取り組むべきものです。さらには、「スクール・ニューディール」構想等の推進が、地域経済への波及効果をもたらし、地域の活性化にも資することが期待されています。各地方公共団体におかれては、これらを十分に考慮していただき、特に別紙の事項を中心に、迅速かつ積極的に取り組んでいただくようお願いします。

 

平成21年6月16日

文部科学大臣  塩谷 立

別紙 要請事項

1 学校の耐震化の推進等

 学校施設は、児童生徒等が一日の大半を過ごす活動の場であり、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、その安全性の確保は極めて重要です。

 学校耐震化については、これまでも特に危険性の高いIs値0.3未満の公立小中学校、特別支援学校、幼稚園の施設について緊急の耐震化を推進してきました。今回の補正予算において、Is値0.3未満の施設の耐震化についてすべて予算措置を完結いたしました。各地方公共団体におかれては、Is値0.3未満となる可能性が見込まれるすべての施設について、今回の補正予算により耐震化を図っていただくよう、お願いします。また、公立高等学校の耐震化についても、「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用して耐震化の推進をお願いします。

 Is値0.3以上の施設の耐震化についても所要の予算を計上しましたので、積極的な取組をお願いいたします。

 さらに、私立学校についてもIs値0.3未満の学校施設を中心に十分な予算を確保しております。公立学校とあわせ、私立学校施設の耐震化への支援を充実していただけるようお願いします。

 また、耐震化の実施に合わせ、天井の落下やガラスの飛散の防止、あるいは、バリアフリー化の対応、アスベスト対策、エコ改修等について耐震化と同時に実施することにご配慮願います。

 また、昨年6月の法改正により、公立小中学校等に義務づけられた耐震診断の実施及び診断結果の公表については、まだ、これらを行っていない市町村がありますので、早急に法律の規定を遵守するようにしてください。

 なお、特別支援学校における教室不足についても、解消のための財源を補正予算に措置しておりますので早急に解消するようお願いいたします。

 耐震化の推進にあたっては、財源だけでなく、技術者確保等も重要な課題です。耐震化の推進に支障が生じないよう、文部科学省、国土交通省、都道府県の連携の上、既に施策を講じておりますので、市町村におかれても、十分連携を密にしていただき、工夫を行い、課題克服に努力するようお願いします。

 また、学校の統廃合等により、廃校の可能性のある施設であっても、児童生徒の在学中の安全を確保するためにも、また、廃校後に公共用として有効活用するためにも、耐震化は必要です。耐震補強や大規模改造の国庫補助の後、用途廃止による財産処分が必要となっても、経過年数にかかわらず、国庫納付金を不要としております。

 

2 学校のエコ化の推進 

 地球環境問題は、人類の将来の生存と繁栄にとって緊急かつ重要な課題です。学校においても、地球環境問題に対応するため、自然との共生、環境負荷の軽減や環境・エネルギー教育への積極的な活用の観点から、学校施設のエコ化が求められています。

 このため、今回、学校への太陽光発電導入拡大を、学校施設整備の最重要課題の一つとして、強力に推進することとしました。学校への太陽光発電導入のほか、二重サッシや断熱ガラス、断熱材、節水型トイレ、省エネ機器の導入による省エネ改修や校庭の芝生化、ビオトープの設置等学校のエコ改修のための予算を今回の補正予算において確保しておりますので、この機会を活用し、各地方公共団体の積極的な取組をお願いします。

 特に、学校における太陽光発電の導入は、低炭素社会の実現に向けて、学校、地域にわたる環境・エネルギー教育に活用できるほか、再生可能エネルギーの積極的活用、CO2削減効果、学校の電気代の節約にも資する具体的効果があります。新しい学習指導要領においても、エネルギーや資源について、また、光電池の働き方などについて盛り込んでおります。日本がフロントランナーとして世界に先駆けて「低炭素・循環型社会」を構築し、地球温暖化対策において国際的責任・役割を果たす上で、学校への太陽光発電の導入は、大きな意義を有するものです。文部科学省としても、経済産業省及び環境省等と連携し、一体となって、導入拡大を図り、公立小中高等学校においては、早期に現在の約10倍の学校施設への設置を目指してまいります。

 今回の補正予算においては、地方負担を大幅に軽減するため、公立の小中学校への太陽光発電導入については、事業費の平均95%を国が負担し、残りのすべても、補正債でカバーすることで、地方公共団体の実質的負担は平均2.5%まで軽減されています。その他のエコ改修についても国の負担が平均93%、地方公共団体の実質的負担が平均3.35%まで軽減されています。

 このような大胆な財政支援が講じられている補正予算を積極的に活用することにより、国民の期待にこたえていくことが、今、まさに求められているところです。

 私立学校への太陽光発電の導入についても、今回の補正予算において国から支援を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

 学校への太陽光発電の導入を、導入だけで終わらず、学校や地域の環境・エネルギー教育に積極的に活用し、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーや、省エネルギーへの国民の理解が広がるよう、先進的取組を参考にしながら、導入の段階から十分留意していただくようお願いします。

 環境・エネルギー教育への活用や、導入に当たっての技術面、実務面での留意点や、先進事例について、国においても関係省庁が連携し、パンフレットや事例集をすでに提供しているほか、相談窓口を設置しています。7月上旬を目途に導入のための手引きを作成するなど、地方公共団体が円滑に導入できるよう支援していくこととしておりますので、ご協力をお願いいたします。

3 学校のICT化の推進

 未来を担う子ども達への情報教育の充実は喫緊の課題であり、わかりやすい授業を行い、児童生徒の学力を向上させることは極めて重要な課題です。

 今回の補正予算における学校ICT環境整備の事業費総額は4千億円となっており、全国の学校数で割ると1校約1,100万円の整備ができます。

 これまで、教育活用されているテレビのデジタル化は約1%、校務用コンピュータの整備状況は約58%、教育用コンピュータの整備状況は児童生徒7.0人に1台、校内LANの整備状況は約63%にとどまっていました。

 このため、今回の補正予算においては、教育活用されている全てのテレビを50インチ以上のデジタルテレビに買い替えること、このうち電子黒板を小学校・中学校に1台ずつ整備すること、校務用コンピュータについては教員1人1台設置するとともに、教育用コンピュータについては児童生徒3.6人に1台設置すること、全ての普通教室に校内LANを設置すること等に必要な予算(補助率原則2分の1)を確保いたしました。日本の学校の教育用コンピュータは、米国、英国、韓国の学校に比べ半分くらいしか整備されていません。これを機に、ペンでパソコン画面に書き込めるタブレットPCなどを整備して学力向上を目指していただければと思います。

 また、地方負担の軽減を図るために、補助裏については、地域活性化・経済危機対策臨時交付金等において措置することといたしました。この臨時交付金をしっかりと確保していただければ地方負担ゼロで整備できますので、積極的に補助制度を活用していただくようお願いいたします。また、工事及び工事と一体として整備する機器については、補正予算債を活用することも可能となっています。

 特に、デジタルテレビは、平成23年7月のアナログ放送終了に対応することのみならず、迫力ある高画質な映像により児童生徒の興味関心を向上させるとともに、各教室にモニターとして置くことにより、パソコンやデジタルカメラの画面、プリント、教材等を拡大表示し大きな学習効果を期待できるものです。

 また、電子黒板を使えばさらに、書き込みやタッチパネルによる操作が簡単にでき、映像を活用することなど、わかりやすい授業を実現できることから、英国では各教室に整備されていると聞いております。本年3月に小学校の補助教材として配布した「英語ノート」のデジタル教材などを活用する際にも大いに役立つものと考えております。「英語ノート」のデジタル教材を使えば、タッチパネルを触るだけで、ネィティブスピーカーの発音により、発音練習ができます。今回の補助金は、実物投影機、DVD、デジタル教材などのソフトウエアなど周辺機器も補助の対象となっていますので、周辺機器も含めて積極的に活用していただきますようお願いいたします。 

 補正予算を使ってこのようなICT環境の整備を進めることにより、子ども達の挙手や発言が増えたり、学習意欲や学力の向上につながることが期待され、また、教員の授業準備等の軽減、校務の情報化による効率化も進み、子ども達と向き合う時間が増えることを願っております。

4 公立中学校武道場の整備等

 スクール・ニューディール構想に加え、今回の補正予算においては、公立中学校武道場の整備のための予算を盛り込んでいるところです。これは、昨年3月に改訂した中学校学習指導要領において、武道が必修化され、平成24年度の学習指導要領の完全実施に向け、武道を安全に実施するため、中学校武道場の整備が喫緊の課題となっているためです。

 今回の補正予算においては、これまでの補助率2分の1の国庫補助金に加え、地方負担部分について、地域活性化・公共投資臨時交付金が交付され、地方負担は事業費総額の5%程度まで大幅に軽減されることとなります。

 各地方公共団体におかれましては、中学校武道場の整備について、この機会に積極的なご検討をお願いいたします。

 この他、今回の補正予算においては、新学習指導要領の実施のための教育環境の整備として、理科教育設備の整備のための予算措置も盛り込んでいるところです。各地方公共団体におかれましては、これらの支援も活用し、必要な教育環境の確保をお願いします。

 文部科学省としても関係省庁と連携しつつ、この実現にむけては、地方公共団体を全力でサポートしてまいる所存ですので、よろしくご協力をお願いします。

 なお、スクール・ニューディール構想など経済危機対策の推進に当たっては、地域の中小企業の受注機会の増大に努めるとともに、迅速かつ柔軟な発注を行い、地域の活性化に資するよう、よろしくお願いいたします。

 

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設助成課

課長 岩本 健吾(内線2458)、企画官 安田 伸(内線3077)、法規係長 保坂 孝(内線3197)
電話番号:03-5253-4111(代表)、03-6734-2030(直通)

(大臣官房文教施設企画部施設助成課)

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