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東京大学の化合物ライブラリーを一般研究者に公開~日本初の大規模公的化合物ライブラリーの活用による創薬研究の促進~

平成21年4月13日

 文部科学省委託事業「ターゲットタンパク研究プログラム」※において東京大学(濱田純一総長)の生物機能制御化合物ライブラリー機構(長野哲雄機構長)に十数万種の化合物からなる日本初の大規模公的化合物ライブラリー※の構築を進めています。この度、民間企業を含む一般研究者に対して2009年4月より本化合物ライブラリーを公開することとしましたので、お知らせします。
 これにより、我が国の研究資源を最大限に活用すると共に、画期的な新薬の種(シード)を発見するような創薬基礎研究の起爆剤にしたいと考えています。
(同時発表:東京大学)

<発表のポイント>

○日本初の大規模公的化合物ライブラリーの一般公開を開始
○我が国のライフサイエンス研究や創薬基礎研究の起爆剤として期待
○画期的な新薬のシード発見を加速

1.背景

 タンパク質の活性を制御する機能をもつ低分子化合物(制御化合物)を発見あるいは創製することは、タンパク質の機能を明らかにする道具にもなりますし、さらに疾病の治療や発症予防に効果のある新薬のシードの発見につながる可能性もあります。
 この制御化合物を効率的に探索するには大規模な化合物ライブラリーが必要ですが、これまで我が国においては、十万種を超える化合物を集積した公的な化合物ライブラリーはありませんでした。そのため、「ターゲットタンパク研究プログラム」において、制御化合物探索の基盤となる化合物ライブラリーを東京大学に構築し、まず本プログラム内の研究者に対して提供を進めてきました。その結果、化合物ライブラリーを用いて得られた制御化合物が新薬のシードとして特許出願されるなど、当初の想定を上回る画期的な成果を生み出しています。
 そこで、本化合物ライブラリーの利用を積極的に進め、我が国のライフサイエンス研究や創薬基礎研究の起爆剤とするために、2009年4月より民間企業を含む研究者に広く一般公開することとしました。

2.利用条件等

 利用料は実費負担。ただし、少数サンプルの場合は提供元がその費用を負担することもあります。また、利用結果を期日までに提供元の生物機能制御化合物ライブラリー機構へ報告する必要があります。報告データの秘密は必要な期間守られます。詳細は同機構HP(http://www.cbri.u-tokyo.ac.jp/faq_ipan.html)をご参照下さい。

3.今後の展開

 本化合物ライブラリーが基盤となり、医学、生化学、化学、構造生物学、薬学、薬理学、農学など様々な分野の研究者が化合物を中心にして融合し、学際的な共同研究が数多く開始されるものと予想されます。
 また、制御化合物の評価データを機構に集約・蓄積することにより、質の高い化合物ライブラリーの構築を進めます。さらに、知的財産の確保に配慮した上で研究成果を公開し、我が国全体で成果の活用を進めるなど、我が国のライフサイエンス研究における重要な拠点として運営していきます。

<補足説明>

※  ターゲットタンパク研究プログラム
 現在の技術水準では解明が極めて困難であるものの、学術研究や産業振興に欠かせない重要なタンパク質をターゲットにして、高難度タンパク質の構造・機能解析のための技術開発を行いつつ、これらの構造と機能の解明を目指すことを目的とした事業。プログラムの実施期間は、平成19年度~平成23年度までとなっています。

※  化合物ライブラリー
 タンパク質の制御化合物を発見するためには一つ一つ化合物を作って評価するのでは効率が悪いため、多種の化合物セットを予め整えておき、一斉評価することが望まれます。化合物ライブラリーとは、その多種化合物を整理貯蔵する、言わば図書館のようなものであり、今回、数万サンプルを迅速に提供できるシステムが構築されました。一斉評価の結果、良い制御化合物が発見された際には再び化合物ライブラリーから類似構造の化合物を選び出して評価することで、さらに一層望ましい制御化合物を見出すことができます。
 これまでアカデミアにおいては制御化合物を発見したい場合、偶然の発見や天然物のスクリーニングに頼ることが多かったのですが、今後は本化合物ライブラリーを利用することで、自社化合物ライブラリーを整えている大手製薬企業のように生物機能制御活性を有する化合物を速やかに発見し、創製する研究に挑戦できるようになりました。

お問合せ先

文部科学省研究振興局ライフサイエンス課

課長 菱山 豊 (内線 4360)
電話番号:03-5253-4111(代表)

生命科学専門官 河野 広幸(内線 4366)
電話番号:03-6734-4366(直通)

(研究振興局ライフサイエンス課)