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先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラム 平成20年度再審査 コメント (継続4課題)

「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラム 平成20年度再審査 コメント

【継続課題】

京都大学「高次生体イメージング先端テクノハブ」
 

 本拠点は、キヤノン株式会社との強力な連携によって、実用化ロードマップをしっかり定めて順調に目標を達成している。また、本取組はキヤノン株式会社の全社的な事業の一つとして位置づけられ、イノベーションを起こそうとする分野が明確に絞り込まれており、主要なターゲット製品(眼底検査装置OCT,超音波画像診断装置US等)の実現可能性は極めて高い。疾患の超早期発見ができれば社会的インパクトは大きい。 本課題については、これまでの進捗状況及び今後の見通しから判断して、本プログラムの趣旨に合致した成果を実現することが十分期待されるため、来年度から本格的実施に移行することが適当である。

(1)目標達成度(1.ミッションステートメントの達成度、2.研究・技術開発の達成度、3.システム改革の進捗状況、4.人材育成の進捗状況)

 研究開発の焦点が極めて明確であり、要素技術もほぼ確立しつつある。また、各研究分野から具体的な製品化に向けた取り組みが進んでおり、ミッションステートメントに記載された目標を達成し、かつ一部の項目については目標以上に進展している。さらに、システム改革・人材育成においても大学全体の取り組みとして、大学トップのリーダシップのもとで積極的な努力が図られており、医学・工学・情報学の融合が産学連携と共に理想的になされ、新しい人材が育成されていくことが期待される。分子プローブの開発は着実に進められているが、更なる加速が期待される。

(2)協働機関との関係

 キヤノンの全社的な事業の一つの柱として位置づけられており、「世界に対抗できる医療機器を開発する」というモチベーションは非常に高く、大学の基礎研究と企業の市場化に向けた開発研究が良く連携され成果も挙がっており、強いコミットメントが得られている。さらに、1対1の協働モデルでスタートした体制はユニークで非常に結びつきが強く、じっくり掘り下げたインパクトの大きな成果が期待できると思われる。 しかしながら、分子プローブ分野に関して試薬メーカーとの連携が不可欠であるように、今後の研究の幅を広げ世界的にリードするために、他の協働機関との連携も検討されたい。

(3)実現可能性

製品化に近いテーマと中・長期的テーマとが選択され、主要な製品ターゲット(高解像度眼底検査装置OCT、光超音波マンモグラフィUS、原子磁気センサーイメージングMRI等)のロードマップを作成しており、テーマも絞り込まれ、その進捗はテーマにより異なるが、実用化一歩手前まで来ているものも有り、実現可能性はかなり高いものと評価できる。
開発を目指している医療機器を競争の厳しい医療装置市場において普及させるために、さらに独自性・優位性のある機器を開発することを期待する。超低磁場MRIは実環境下でのフィージビリティの早期実証が望まれる。

 

(4)インパクト

 高次生体イメージング技術を用いた画像診断機により疾患の早期発見が実現されれば、社会的・経済的なインパクトは大きい。とくに光超音波による乳ガンの検診率向上という目標は、癌の早期診断・治療を可能にし、人命を救うという意味で大きい社会的インパクトを有している。また、超音波イメージング、原子磁気センサーイメージングも生活習慣病の早期診断・早期治療に貢献すると期待できる。
今後、早期診断技術の開発と普及を促進させるために、他の協働機関との連携を視野に入れた柔軟な対応も検討されたい。ただし、その場合、協働機関の役割、拠点のマネジメント等について十分考慮する必要があると考えられる。

以 上

【継続課題】

東京女子医科大学「再生医療本格化のための最先端技術融合拠点」
 

 細胞シート工学による再生医療は、一部実用化が始まり、世界的な事業展開も準備できており、3年目までの目標は達成している。各協働機関がそれぞれの領域に応じて、積極的に参加し、出口が明確である。コミットメントの度合いも高く、有機的な連携を構築している。フランスにおいて角膜の治験が進んでおり、この部位の実用化の可能性は高い。留意事項としては、分野の特徴として、薬事法等の規制により、実用化までに長期の時間がかかることも考えられるが、スーパー特区に採択される等、実用化への仕組み作りにも努力しており期待できる。再生医療分野の発展に寄与し、患者のQOL向上等、社会ニーズへの対応という意味でもインパクトは大きい。また、海外で養成され、単なるコーディネーションの実務能力だけでなく、医学の知識を有しているコーディネーターが効果的に機能している。今後、再生医療分野における世界のCOEに成長するために、細胞シートだけでなくさらなる革新的技術開発を進めること、またそのための研究体制の充実を期待する。
本課題については、これまでの進捗状況及び今後の見通しから判断して、本プログラムの趣旨に合致した成果を実現することが十分期待されるため、来年度から本格的実施に移行することが適当である。

(1)目標達成度(1.ミッションステートメントの達成度、2.研究・技術開発の達成度、3.システム改革の進捗状況、4.人材育成の進捗状況)

 シーズが非常に独創的であり、基礎技術の開発から事業展開まで思想が統一しており、全体のコンセプトがしっかりしている。クリニカル・トライアルが外国と日本で順調に進行しており、前倒しされた成果もある。研究開発の達成度も高く、着実な研究成果が見られる。早稲田大学との連携など人材育成の面でも優れたシステムが組まれており、システム改革の面でも大きなインパクトが期待できる。施設整備の面でも評価できる。培養皿の量産など、細胞シート工学による再生医療は、一部実用化が始まり、世界的な事業展開も準備できており、3年目までの目標は達成している。

(2)協働機関との関係

 各協働機関が、技術を先導する役割、商品化を目指し新規事業を開拓する役割など、それぞれの領域に応じて、積極的に参加している。協働機関のコミットメントの度合いも高く、大学がそれらの相乗効果を生み出し、有機的な連携を構築しており、また世界展開も視野に入れて活動しており、今後の発展が大いに期待できる。拠点の実質的な責任者のリーダーシップも強く、一方、それと同等の協働機関側の積極性が見られる。

(3)実現可能性

 フランスにおいて角膜の治験が進んでおり、この部位の実用化の可能性は高い。留意事項としては、分野の特徴として、薬事法等の規制により実用化までに長期の時間がかかりうることが挙げられるが、スーパー特区に採択される等、実用化への仕組み作りにも努力しており期待できる。日本国内さらには世界展開においては、今後様々なハードルが想定されるが、実績のあるコーディネーターの効果的な取組により、これらを克服することが期待できる。競争力を維持すための知的財産のマネジメント、ならびに利益相反のマネジメントに留意して進めていただきたい。

(4)インパクト

 既に消耗品の販売を外国の企業にライセンスするなど、世界的な認知を高め市場を開拓する活動がなされている。再生医療技術から再生医療産業への発展が期待でき、再生医療のイノベーションに繋がる可能性が高い。再生医療分野での発展に寄与するのみならず、患者のQOL向上等、社会ニーズへの対応という意味でもインパクトは大きく、大いに期待できる。持続的イノベーションを目指すべく、本格的な医工連携機能を強化することを期待する。
一方、本プロジェクトに基づく再生医療の対象となっている疾患部位がまだ限定的であるので、今後対象部位が拡大されることを期待する。また細胞シート工学を補完する技術の開発、さらには再生臓器の開発も加速されることを期待する。

以 上

【継続課題】

 東京大学「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」

 ナノ量子に関わる主要企業と連携し、場を共有化して研究が進められており、コミットメントもしっかりしている。量子ドットレーザーは短期間に実用化される可能性が高く、量子暗号についても高いレベルに到達しており、実用化される可能性は高い。量子ドットレーザーは日本が圧倒的にリードしている分野で、産業界にとってインパクトは大きく、量子暗号も社会的インパクトが大きい。技術の優位性の上に立って、社会展開、世界展開する体制の整備及び目標につき、今後更なる明確化が求められる。
本課題については、これまでの進捗状況及び今後の見通しから判断して、本プログラムの趣旨に合致した成果を実現することが十分期待されるため、来年度から本格的実施に移行することが適当である。

(1)目標達成度(1.ミッションステートメントの達成度、2.研究・技術開発の達成度、3.システム改革の進捗状況、4.人材育成の進捗状況)

 基本技術の開発について、当初目標を十分に達している。量子ドットレーザーの世界初の発振に表れているように、本拠点のナノ量子光学は世界的に優位にある。また、研究機構の設立や企業ラボの設置などシステム改革を進めている。 本拠点の課題のコンセプトは優れているが、具体的に実現できる目標、何をどう製品化するかなど、さらなる明確化が必要である。長期の世界競争に勝ち抜くためには、さらに重厚な研究体制を布陣する必要があるのではないかと思われる。例えば、材料・デバイス面においていくつか異なったアプローチを競うような研究環境が望ましいと思われる。

(2)協働機関との関係

 プロジェクト指向で創られた本機構と企業本体の研究組織、商品化組織との連携が本拠点の成否を決めると思われるが、それが上手く進んでいる。物性と情報にまたがる異分野の研究を集積した拠点を形成しており、ナノ量子に係わる主要各社と連携し、場を共有して研究が進められており、しっかりとしたコミットメントが得られている。すでに大学発の新しい技術を企業からのカーブアウトベンチャーであるQDレーザー株式会社をつくるなど事業化推進の仕組みが作られており、産業化のための努力をしていることは評価できる。また、拠点リーダーを中核にして、明確な方向性を持った運営が行われている。
しかしながら、技術開発における具体的役割、相乗効果がやや不明確である。技術の優位性を社会インフラとして展開する視点・展望が企業を含め必ずしも明確には描かれていない。ソフトへの展開や社会インフラに展開するためには、同業種からの参画をコミットメントの質によって今後絞ることも一案である。他方、アプリケーション寄りの企業や海外有力企業との連携や異業種の協働機関を模索することも検討事項であると思われる。

(3)実現可能性

 個別技術の開発は研究室レベルでは優れた成果が出ており、着実に進展していると考える。量子ドットレーザーの量産化は短期的に実現されると思われ、イノベーションの創出に向けて着実な進捗が見られ、ある程度の規模が実現するであろう。しかし、量子ドットレーザーについて、それを世界展開するビジョンは必ずしも明確ではない。
量子暗号については、実験ではかなり実用に近いレベルに到達しており、技術的には実用段階に達する可能性が高い。ただ、社会インフラとして国際標準となりうるかについては明らかになっていない。量子計算など基盤技術は大きな将来性があるが、今後の展開についてどのような具体的目標をたてるのか課題である。

(4)インパクト

 量子技術や有機テバイスなどは次世代エレクトロニクスの注目分野であり、経済的・社会的なインパクトは大きい。国際競争力のある日本の電機産業の将来を支えていく選択肢を提案する意味でも、本プロジェクトが担う役割は大きい。短期的成果が見込める量子ドットレーザーは日本が技術的に圧倒的にリードしている分野で、産業界にとってインパクトは大きく実用化の時期が見えている。一方、幅広い研究分野の中で、量子ドットレーザー以外の具体的製品の実現時期が明確でない。具体的には、量子暗号通信については社会的インパクトは大きいが、経済的なインパクトは限定的である。量子演算については、それが実用化できればインパクトは大きい。技術の優位性の上に立って社会展開、世界展開する体制の整備は今後の課題である。今後は、多くのアプリケーションが期待できるが、それを実現する道筋を明示していくことを期待する。

以 上

【継続課題】

 北海道大学「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」
 

 北大構内に自社の研究棟を建設した塩野義製薬株式会社をはじめとして協働機関からの強いコミットメントを得て拠点形成を進めており、創薬と装置開発、治験のバランスも取れている。創薬、イメージングの分野での実用化が期待でき、半導体PETによる分子イメージングや糖鎖・脂質創薬の次世代技術が実現できれば、社会的インパクトは大きい。一方、高解像度半導体PETの価格が高額になる可能性があり、半導体PETの導入範囲が限られるために社会的なインパクトが限定的になる可能性があるので、低価格化を図るかもしくは半導体PETの有効な用途を開拓するなど、広範な普及に対する努力も必要と考えられる。
本課題については、これまでの進捗状況及び今後の見通しから判断して、本プログラムの趣旨に合致した成果を実現することが十分期待されるため、来年度から本格的実施に移行することが適当である。

(1)目標達成度(1.ミッションステートメントの達成度、2.研究・技術開発の達成度、3.システム改革の進捗状況、4.人材育成の進捗状況)

 糖鎖を中心にユニークな目標を設定し、新規糖鎖バイオマーカー候補の発見を含め、創薬・PETの両分野において目標以上の成果を挙げていると評価できる。また、糖鎖ペプチドライブラリーなど今後のバイオマーカー、創薬の基盤ができたと思われる。さらに、システム改革面においても、研究者を学内外から招聘、任命するなど拠点体制の整備が着実に進んでおり、十分な成果が得られている。

(2)協働機関との関係

 協働機関は、本課題で取り組んでいる製品開発について、それぞれの業界において比較的新規に参入したものであり、迅速に開発を進めようとする意識を持ち積極的に参加しており、本拠点に強いコミットメントを示している。特に、塩野義製薬株式会社に関しては自社の研究棟を北大構内に建設し、大学はもちろん、他の協働機関ともそこで連携した研究開発がなされており、極めてしっかりした拠点が築かれている。また、平成21年度から新規に参加予定の企業も、塩野義製薬株式会社及び株式会社日立製作所の取り組みを補完するという、本拠点における役割を十分認識して参画している。その一方で、高解像度半導体PET開発における北大側の貢献が弱く、日立製作所においても役割分担と更なる貢献、開発計画の明確化と事業化戦略の優先化をより一層図ることが必要と考えられる。また、PET装置の放射線治療とのハイブリッド化は未着手であり、今後の研究開発の更なる加速化に期待したい。

(3)実現可能性

 半導体PETに関しては分解能の向上や生産コストの低減などに課題があるものの、実用化に至る可能性は高いと思われる。糖鎖・脂質創薬については今後の具体化が必要なところもあるが、高いコミットメントを示す塩野義製薬株式会社による出口を意識した強力な取組みに期待する一方、次世代医薬品候補を連続的に創出するための体制作りが必要である。例えば大学としても創薬に向けた研究の布陣として化学合成、構造解析以外に、遺伝子学・薬理学・分子化学などに関する人的、物的資源の投入を期待したい。また、本拠点の特徴として、創薬と診断・診療装置及び治験のバランスがとれておりイノベーションの実現が期待できる。

(4)インパクト

 創薬・医療研究開発としての基盤的な取り組みが、実施機関と協働機関との間で密接な連携のもとに進められていることから、インパクトのある成果が期待できる。具体的には、半導体PETなどの分子イメージングや糖鎖・脂質創薬の次世代技術は、事業化の可能性が高く、医療・医薬分野に大きなインパクトを与える可能性がある。その際、高解像度半導体PETは性能面での優位性は認められるものの、製品が高価になる可能性があり、導入範囲が限られるために社会的なインパクトが限定的になる恐れもあるので、低価格化を図るか、もしくは半導体PETの有効な用途を開拓するなど、コストダウン・用途開発による広範な普及に対する努力も必要であると考えられる。

以 上

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科学技術・学術政策局

-- 登録:平成21年以前 --