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設置計画履行状況等調査の結果等について(平成20年度)

平成21年1月28日

1.調査の目的

 設置計画履行状況等調査(以下「アフターケア」という。)は、文部科学省令(※1参照)及び告示(※2参照)に基づき、大学等の設置認可後、当該認可時における留意事項、授業科目の開設状況、教員組織の整備状況その他の設置計画の履行状況について、各大学からの報告を求め、書面、面接又は実地により調査を行い、各大学の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として実施するものである。

2.実施体制

  大学設置・学校法人審議会大学設置分科会では、大学の質保証における「事前・事後の評価の適切な役割分担と協調」を確保する観点から、アフターケア等の取組の改善充実を図るため、平成17年5月、運営委員会の下に「設置計画履行状況等調査委員会」(以下、「調査委員会」という。)を設置し、調査にあたっている。
 調査委員会の調査審議事項は、1.アフターケアの実施、2.アフターケアの改善方策、3.その他認可及び届出後の質保証に係る事項となっており、今般、平成20年度の調査が終了したものについてその結果と今後の調査の在り方について以下のとおりとりまとめた。
 なお、法科大学院については、これまでと同様に法科大学院特別審査会において、また、今年度から開設した教職大学院については、教職大学院特別審査会においてそれぞれアフターケアを実施することとし、同審査会に付託する手続をとった。
 アフターケアの実施方法は、書面調査、面接調査、実地調査のいずれか又は併用となっている。まず、書面調査は認可後から設置計画が完成する年度までの間の大学等(338件)すべてに対して報告を求めて実施した。書面調査では、事務局において定員超過状況を把握するとともに、認可時の計画からの変更の度合いを確認した。また、すでに完成年度を迎えたもののうち、昨年度に留意事項を付した大学等(42件)(定員超過のみの27件を含む)については、当該留意事項への履行状況に対する報告を求め、調査を行った。
 面接調査は、大学関係者を招致して履行状況を聴取するものである。完成年度に達する新設の大学院(9件)、本年度に開設した大学新設等(11件)及び書面調査に加えさらに詳しく状況を確認する必要があると認められた大学(9件)等、合計32件を対象に実施した。
 実地調査は、調査対象校に赴き、大学からの説明聴取、学生インタビュー及び施設設備等の調査を行うものである。認可時に留意事項を付したもの等のうち、昨年度の設置審査やアフターケアあるいは本年度の書面調査の結果として、当該大学を訪問して調査する必要があると判断されたもの等を対象に行った(44件)。この中には、完成年度に達するために実地調査を行った大学等(20件)が含まれている。

3.平成20年度調査結果の概要

 全体としては、科目開設や教員配置など設置計画の履行が図られており、変更がある場合も、相応の理由や止むを得ない事情があったものと認められる。ただし、一部には、当初の見積もりの甘さや、設置計画を履行する責務への認識不足などを背景に、大幅な変更がなされていたり、あるいは、予定していたりする事例が見られた。また、設置認可制度に対する理解不足により、教員の新規採用又は担当科目の追加若しくは昇進の場合に大学設置・学校法人審議会の教員審査を受けていないなど、変更の際必要な手続きを経ていないという事例も見られた。さらには、昨年度の留意事項への対応が全くなされていない大学もあり、これらは大変遺憾なことである。各大学においては、認可された設置計画が「社会に対する約束」(平成17年1月中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」)であること、大学設置・学校法人審議会会長が大学の設置・運営に関わる全ての方に対して、改めて大学を設置する責任の重みを十分に自覚いただくよう要請するコメントを出している(平成19年11月27日「11月答申の提出に当たって」)ことを十分認識するとともに、適切な対応をとるように改めて強く求めたい。
 今回のアフターケアの結果として、各大学に付した留意事項は別紙1のとおりであるが、これらの留意事項は、今年度の調査時の大学の状況に基づき付したものであることを付言しておく。留意事項の内容は多岐にわたっているが、注意を要するものとしては、例えば次のようなものがある。

【教育課程関係】
○ 平成20年度より理学療法学専攻に新たに設けたアスレティックトレーナーの資格取得のための科目は、卒業要件に含まないのであれば、自由科目として設定するなど、明確にすること。
 また、理学療法士とアスレティックトレーナーの2つの資格を取得する学生の負担が過重になることが懸念されるため、本来の教育上の理念、目的にある人材養成像に支障が生じないよう配慮すること。

○ 新設された「仏検の取得対策講座」は、資格試験に特化した授業内容となっており、大学教育としてふさわしくないので改めること。

○ 実習については、計画どおりに非常勤助手を配置し、実習先で十分な指導を行い、安心安全な実習となるよう実習計画全体について計画どおりに確実に履行すること。

【教員関係】
○ 教員組織の変更が多数あることは大変遺憾である。薬学部の専任教授について、設置基準上の人数を満たすよう、早急に補充すること。

【ファカルティ・ディベロップメント※関係】
(※授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究)
○ 成績評価基準が学内で統一的に整理されておらず不透明であるので、引き続き改善し、学則、細則、シラバスなどの記載の整合性を図り、明確に記載すること。

○ 大学院設置基準第14条の3に定められているファカルティ・ディベロップメントについての認識が不足しているので、大学院におけるファカルティ・ディベロップメントを速やかに実施すること。

【施設設備関係】
○ 自習室が教室として使用されている。今後健康こども学科の学生が増加することも踏まえ、学生控室も含め施設・設備の充実に努めること。

○ 第一運動場の存在について、学生の多くが認識していないようであるので、利用可能であることを周知すること。

【管理運営、その他】
○ 大学運営が事務局中心になっているので、専任教員が中心となって教育研究活動を行うよう各種規程や委員会等を実効性あるものに整備し、組織的な大学運営に取り組むこと。

○ 設置計画の見通しが甘かったために編入学生の募集を行わなかったことは大変遺憾である。今後は、設置認可制度の知識・理解の徹底を図ること。

○ 転学科をする者及び退学者が多いので、乳幼児教育学科に入学した学生が、就学前教育に携わる者としての必要な知識などを体系的に修得することができるよう、学科としてのアドミッションポリシーを堅持しつつ、設置計画を着実に履行すること。

 
 なお、単位数に見合う授業時間の確保、シラバスの記載内容の統一、教育研究上の目的の規定及び公表、授業評価アンケートのフィードバック、自己点検・評価、情報公開への取組などが不十分であった大学が散見された。これらについては、各大学において、法令等の正しい理解のもとに再度確認し、必要に応じて改善に努めていただきたい。
 この他、大学が当初期待したとおりの学生が極めて少数しか入学しなかったために、教育課程等の大幅な変更を余儀なくされた大学があった。これについては、来年度からの教育課程等の計画の提出を求めて調査した結果、留意事項を付したものであり、当該大学については、今後アフターケア期間を延長して計画の履行状況を調査することとした。
 また、株式会社立大学については、昨年度の留意事項に対して概ね対応しているが、留意事項を付した大学においては、引き続き、留意事項への対応を含め、教育研究活動の環境整備に努めていただきたい。

 平成15年度から導入された届出制度については、平成18年度より設置計画履行状況調査が行えるよう法令の整備を行ったところであり、昨年度より、届出による設置後の実態把握に努めてきたが、今年度は、より一層、届出制度の課題等を検証するため、1.数回にわたる届出の結果、認可申請時とは異なる分野の学部等を設置した場合、2.基礎となる学部等とは異なる国家資格等を取得できる学部等を設置した場合など、観点を明確にした上で、各々について数校の対象校を選定して、教育課程、教員組織及び施設設備の履行が適切なものとなっているか、アフターケアを試行した。(11件)その結果、教育課程の不備のある大学が見られたほか、多数の専任教員の異動や大幅なカリキュラムの変更など、届出時の計画を確実に履行するという認識が欠けている大学があった。さらに、調査に当たって事前に求めた報告書の記載が不正確な大学もあった。来年度以降は、届出制度が定着したことを踏まえ、さらに調査対象校を増やし正式実施とするとともに、調査の結果留意事項を付すこととなった場合には、設置認可後のアフターケア同様に公表することとしたい。
 また、設置後の履行状況を記載したアフターケア報告書を、大学として積極的に公開することは大変意義のあることから、引き続き、大学側の承諾が得られたものについて、文部科学省のホームページに大学のリンクを貼り、情報提供を行うこととしたい。

4.平成21年度の実施方針

 本年度と概ね同様に、設置審査やアフターケアの結果として留意事項を付された大学、完成年度を迎える新設大学等の中から、今後の調査委員会等での審議を踏まえ、実地又は面接調査が必要と認められる大学については、年度間を通じて計画的に調査を実施することとしている。また、大学新設については、今年度と同様、原則として初年度より実地又は面接調査を実施していくこととしたい。
 書面調査についても引き続き当該大学等全てに対して実施する。その結果を踏まえ、大幅な計画変更など顕著な問題がある場合には、必要に応じて実地調査や、面接調査を行うこととしている。
 なお、完成年度を経過した大学については、従前どおり、今回のアフターケアで留意事項が付されたところに対しては、当該留意事項への対応状況について報告を求め、さらに必要な場合には、実地調査又は面接調査を実施するなど、改善を促していく方針である。
 また、全ての大学が受けることを義務付けられている「認証評価」(※3参照)との有機的な連携が図られるよう、引き続き、各認証評価機関に対して、本調査の結果を参考資料として送付することとしている。

〈参考資料〉
・大学の設置認可・届出の総件数(別紙2)

※1 大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則(抄)
(平成19年3月30日 文部科学省令第10号)
第14条 文部科学大臣は、設置計画及び留意事項の履行の状況を確認するため必要があると認めるときは、認可を受けた者又は届出を行った者に対し、その設置計画及び留意事項の履行の状況について報告を求め、又は調査を行うことができる。

※2
[大 学]
文部科学省告示第44号(抄)
大学設置基準(昭和49年文部省令第28号)第46条の規定に基づき、新たに大学等を設置し、又は薬学を履修する課程の修業年限を変更する場合の教員組織、校舎等の施設及び設備の段階的な整備について次のように定める。
平成15年3月31日
(1・2略)
3 文部科学大臣は、大学等の設置を認可した後、当該認可時における留意事項、授業科目の開設状況、教員組織の整備状況その他の年次計画の履行状況について報告を求め、必要に応じ、書類、面接又は実地により調査することができるものとする。

[短期大学]
文部科学省告示第52号(平成15年3月31日)

[大学院]
文部科学省告示第50号(平成15年3月31日)

※3 学校教育法(抄)
第109条
1 (略)
2 大学は、前項の措置に加え、当該大学の教育研究等の総合的な状況について、政令で定める期間ごとに、文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。ただし、認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。
3 専門職大学院を置く大学にあつては、前項に規定するもののほか、当該専門職大学院の設置の目的に照らし、当該専門職大学院の教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について、政令で定める期間ごとに、認証評価を受けるものとする。ただし、当該専門職大学院の課程に係る分野について認証評価を行う認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

 

お問い合わせ先

文部科学省高等教育局大学振興課大学設置室

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(高等教育局大学振興課大学設置室)